我々が寝ているときに見る夢の世界は実に不思議である。自分の好きなように夢を見れたらどんなに楽しいだろうと思うこともある。夢を操作できたなら?他人が見る夢に入り込めたなら?夢が現実に侵食してきたなら…?>>続きを読む
コロニーから脱出した少女マリアが行き着いた先は、オオカミの住む家だった…。
ストーリー云々というより、演出の特異さが軸となっている作品なのは明らかであり、その気持ち悪さに驚かされるという意味でも、ホ>>続きを読む
『オオカミの家』と同時上映の短編作品。
チリで、100年以上前のフィルムが見つかった…。それは世界初のストップモーションアニメ作品だった。(設定の話)
ある少女が何やら死者の骨を操り始める。
骨たち>>続きを読む
寅さんが誰にも好かれ、人の心をがっしりと掴むのは、彼の愛嬌はもちろん、フラットな接し方なのではないかと、この作品を観て改めて感じた。
都はるみが今回のマドンナ。
京はるみという役を演じているが、彼女>>続きを読む
フランソワ・トリュフォーの『大人は判ってくれない』のように、監督自身が少年時代を描いた作品。
祖母との生活の穏やかさ、実の母親と恋人との生活での息苦しさと、思春期へ突入するもどかしさなどが、同情や共感>>続きを読む
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大司教暗殺事件ということだが、宗教色はたいして強くはなく、単純に「人」の恐ろしさが描かれる法廷サスペンス作品だった。
被告人アーロン(エドワード・ノートン)の二面性(というか彼の場合は病気だが)に限>>続きを読む
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天性の悪魔。厄病神にしてはたちが悪すぎるほど、自分の都合しか考えていない。
そんな悪魔でも神に祈ることはある。それで彼女は一時的に神に試されたのかもしれない…と思うほどだ。
ただ、神からの試練を受けた>>続きを読む
2つの短編『楽しい川辺』と『スリーピー・ホロウの伝説』によるオムニバス作品。全く毛色の違うストーリー2本仕立てである。
『楽しい川辺』は、教訓じみたところのある作品である。主人公のトード氏は派手好>>続きを読む
嘘偽りない月は女を照らす。彼女をまっすぐ見つめている。いくら人に嘘をつくことができても、その眩しさには耐えきれない。
サマセット・モームの『手紙』が原作であり、秘密を抱える女性レスリーをベティ・デイ>>続きを読む
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2017年公開時に劇場での鑑賞以来の鑑賞。
当時この映画の歌に特にどハマリした印象が強かったが、改めて見直してみると、古き良き映画作品へのオマージュで溢れた作品であり、どのシーンがどこの映画からと言う>>続きを読む
気だるさを常に漂わせている女。
ただ時間を潰すように生きているようだ。
世界も人生もどうでもいいと言うように、ひたすら時間が過ぎていくのを待つように生きている。
部屋から何もかもなくしてしまう。>>続きを読む
「東京人間っていう言葉が好きで、なんだか無責任な感じがしてそれがいい」
自分の言葉で日本語も英語も紡ぎ出す山本耀司。洋服のデザイナーとしての彼だけではない、彼の思考にまで少し触れたように感じる。>>続きを読む
いっけなーい!結婚式間に合わない!なカップル。それぞれ急いで準備してなんとか式に間に合ってめでたしめでたし…から、物語は始まる。
それから5年後…
「長年わたしはあなたを暖める毛布だった」
「愛が消え>>続きを読む
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いつ爆発するかわからない。いつもニコニコしている人ほど怒ったときが怖いというのは、そういったゆえんだろう。
内に秘めて堪らえているバリー(アダム・サンドラー)。
姉たちの干渉や揶揄にうんざりし、本当>>続きを読む
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『かもめ食堂』や『めがね』のようなのほほんとした雰囲気はありつつも、また違ったピリッとした緊張感を時折感じる。中年女性が家族などの社会的共同体で生きていくうえでの生きづらさや葛藤が主題であり、
社会問>>続きを読む
理想の世界を夢のなかで見ることができたなら…。なかなかうまくいかない現実よりも、夢の世界で生きていたいと思うのも自然だろう。
いい夢を見たら二度寝して続きを見ようとするように、彼も眠り続ける。
貧し>>続きを読む
伝統あるイギリス文化への憧れがありつつも、堅苦しい雰囲気は嫌い!そんな思いを感じるようなアメリカナイズされた都合のいいプリンセス文化は、あまりに夢物語だなと思いつつ、明るくてポジティブな主人公が形式ば>>続きを読む
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お互いに若すぎた父娘。
娘ソフィはお父さんのことをわかっているつもりで、お父さんもバカンスを楽しんでいると思う一方で、たまにうわの空な様子だったり何を考えているのかわからない彼を見てどうすればいいのか>>続きを読む
きめ細やかなうろこ雲に、雪の積もった竹林、晴れた日に風がそよめく木々。
霧がかって灰色のうっすらとした膜がスクリーンを包み、墨色の竹林など、重々しい雰囲気である。
美しくも厳かな風景のショットに、心の>>続きを読む
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ロベール・ブレッソンの傑作の一つである、『バルタザールどこへ行く』から着想を得た作品で、それもイエジー・スコリモフスキ監督作ということで、公開前からずっと楽しみにしていた。
無垢な魂が、汚れた人間>>続きを読む
処女のままイエス・キリストを身籠ったという聖母マリア。
そんな奇跡がもしも現代社会に起こるとしたらどうなるだろう…?
ゴダールは、哲学と生命の神秘への探究に沿って処女受胎の物語を描いている。
「肉体>>続きを読む
アメリカの良心を体現したような、いい意味で理想主義で固められているホームドラマ。現実はそううまくいかないことも多いけれど、この作品を観たあとには、せめて心だけは理想を掲げて前向きに生きていたいと思わさ>>続きを読む
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中国の激動の歴史とともに、ある男女の運命の行方も描かれた壮大なラブストーリーである。
壮大というのは、中国の歴史や大地のみならず、恋人たちの愛の大きさに関しても言えることである。
年代記ともいえるこの>>続きを読む
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あまりに皮肉な悲劇。
戦争はいつだってそうなんじゃないか。
一般市民は利用されるだけされて、戦いが終わったあとにようやく何も得るものはなかったことに気づく。
素人俳優の采配が効いていたようだ。
彼ら>>続きを読む
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短気なフランス人の日常から、「おとぎ話の世界」および「映画の世界」に迷い込んでしまう。非現実から抜け出せない。当人たちがもはやそこから抜け出したいのかもわからない。
まるで寝ているときに見ている夢の>>続きを読む
チェコスロバキアで実際に存在した、最後の女性死刑囚のオルガ・ヘプナロヴァーの人生を元にしているという作品。
彼女は自分の周囲の人間に失望し、社会に対する恨みと絶望をつのらせていき、ついにそれを行動化し>>続きを読む
地下のショッピング街で行き交う恋心。
それらは交わったり交わらなかったりすれ違ったり流されていったり…。
美容室で働く女の子が恋するのは前のブティックのオーナーの息子。でもそんな彼が恋するのは美容室の>>続きを読む
毎年自分の誕生日、そして大好きなシャーリー・マクレーンの誕生日でもある4月24日には、マクレーン出演作を観るというのがお決まりになっている。
相変わらずキュートで芯の強い役の似合うマクレーンの魅力にぐ>>続きを読む
頭のてっぺんからつま先まで尖っている、バンドメンバーたち。というか一族。彼らはアメリカでのデビューを指示され、右も左もわからないままやって来てアメリカを横断することになる。
実際のバンドを主役に持って>>続きを読む
皆善良な人間ではあるが、どこか素直になれなくてなかなかお互いに心を開けない。
戦後のまだ混沌とした世の中で生きる家族の物語である。
筋書きは理想主義的すぎるかもしれないが、その前向きで優しい心の彼らに>>続きを読む
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本当の孤独とは、ひとりきりでいる以上に、苦しいときに友人や知り合いがいても自分の心の内を明かせなかったり、逆に踏み込んでもらえないときに感じるものかもしれない。
体は男性で心が女性のエルヴィラは、>>続きを読む
さまざまな人たちの思惑が連なっていき、なんとか目的に到達するために奮闘するが、なかなか思い通りにはいかない。
なぜなら、皆バラバラだからだ。
個人的に、筋書きよりも素早い編集などの演出が気になった>>続きを読む
皮肉なことに、何も事件がない=平和なのであるが、それでは新聞のニュース欄はつまらなくて、話題性に欠けてしまう。
それじゃあ事実をもとに事件をでっちあげてしまえばいいのでは、ということでひとりの新聞記者>>続きを読む
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こんな世の中じゃなきゃ、戦争なんてなければ…出会うことなんてなかった。
だからこそ、彼らの許されない恋はより儚さと切なさを帯びていく。
ジャン・ルイ・トランティニャンとロミー・シュナイダーという美男美>>続きを読む
両親の離婚に心が揺れる少女レンコ。彼女の傷つきや発見、奮闘ぶりが繊細かつノスタルジックに浮かび上がる。
子供だからというだけで、自分の意見を通したり聞いてもらえないことのもどかしさが、レンコの周囲の人>>続きを読む
もう何もかもめちゃくちゃだけど、笑っちゃうことはたしかだろう。
頭を空っぽにして観るには最適だった。
とはいえ、まだ現役でキレキレのアクションを繰り出すジャッキー・チェンには驚かされる。彼の出番は少>>続きを読む