Ricolaさんの映画レビュー・感想・評価

Ricola

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小原庄助さん(1949年製作の映画)

3.8

損得勘定で人と接することが一切ない「小原庄助さん」こと杉本左平太は、自分の身を削ってでも常に世のため人のために行動する。
そんなもはや自己犠牲精神の持ち主の彼の生き様と村の人々の朗らかさが、彼の心のあ
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ミックステープ 伝えられずにいたこと(2021年製作の映画)

3.6

2000年問題への漠然とした大きな不安が、社会全体を包み込むなか、両親不在の少女は過去に遡る冒険をすることで前に進んでいく。
少女の成長と、彼女とさまざまな人との繋がりが、爽やかなタッチであたたかな視
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愛人ジュリエット(1950年製作の映画)

3.6

人は、辛い現実から逃れるためにフィクションを用いるものである。
フィクションの世界で自分の理想を描いてそこに浸ることで、現実の苦しい状況を乗り越えるヒントを得たり、その苦しみを軽減しようとする。
しか
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それから(2017年製作の映画)

3.8

キム・ミニの受難の様を目の当たりにする。どんなに人間と社会の愚かさや醜さから攻撃されても、ミニ演じる主人公アルムは真っ直ぐ素直なまま、美しい世界に馴染む存在であり続ける。

聡明な女性vs卑怯で自分勝
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親密さ(2012年製作の映画)

4.0

人は他人とコミュニケーションをとるとき、本音と建前を使い分けているのは言うまでもない。
だけど対話の様子をよく観察したら、実は本音が見え隠れしていることもある。
また、心を閉ざしていた人が心を開く瞬間
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.7

現代社会の風刺であることは言わずもがな、コメディ作品と社会派作品の合間を揺れ動くリズムのメリハリがきちんとある作品だった。

地球があと半年後に滅びると言われても、にわかに信じがたい…と思うより、信じ
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宵待草(1974年製作の映画)

3.2

政治的思想が強く反映された、ラブロマンスが絡んだ若者たちの珍道中が描かれた作品。
ストーリーを理解することに重きが置かれた作品ではないと感じた。
神代辰巳監督が自由に「映画」と時代を捉え、のびのびとそ
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.6

エネルギーに満ち溢れている歌とダンスのパフォーマンス・スペクタクルショーに圧倒される。
とはいえ、現代社会の闇にも焦点が当てられており、問題提起的側面も強い社会派作品であった。

お恥ずかしながら、ロ
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にんじん(1932年製作の映画)

3.6

「自分の殻に閉じこもるな」と言われても、そうするのは防衛本能なんだから殻を破ることってかなり難しい。
さらに最も身近な存在である親から嫌われていると感じていたら、誰も信じることができなくなって殻から出
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クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

この作品は、クリント・イーストウッドの自省的な作品だと捉えても問題ないだろう。
とはいえわたしはイーストウッドの作品を全てどころか、数本しか観たことがないのにも関わらずこんなことを言うのはおこがましい
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ケトとコテ(1948年製作の映画)

3.5

ジョージア映画祭にて鑑賞。
実は数年前に鑑賞の機会があったものの逃してしまったので、今回は満を持して岩波ホールにて観ることができて感無量である。

身分違いの恋を主題にした作品だが、最初から最後まで至
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女の園(1954年製作の映画)

3.8

全寮制の女子大学を舞台に、「自由」の奪われた学生たちと学校の対立が描かれる。
しかしそれは単純な二項対立的な対決ではなく、日本の根強い封建主義体制への批判が根底にある。


先生たちはさまざまな場面で
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アンナ(1951年製作の映画)

3.7

まるで聖母マリアのような穏やかな微笑みを浮かべて、どんな患者にも臆せず堂々と、かつ献身的に接するアンナ。
しかし実は彼女は、暗い過去を抱え傷を負っているのだ。
だからこそ彼女は、勤務する病院を「ここが
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宝島(2018年製作の映画)

3.7

宝島というプールなどがあるレジャー施設で繰り広げられる、さまざまな人間模様を画面に収めた作品である。
単なるのほほんとしたヴァカンス映画ではなく、宝島で過ごす人々が抱える思いや自由と規律について、さら
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ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

3.8

『フレンチ・ディスパッチ』を劇場で鑑賞したことを契機に、ウェス・アンダーソンの作家性を振り返りたく思い、この作品を約5年ぶりに観てみた。

新作ほどの情報量の氾濫は起こっておらずとも、少女スージーと少
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拳銃魔(1949年製作の映画)

3.7

全ては拳銃好きが招いたこと…。
拳銃に対する異常なほどの執着に、自分自身が逃れられない。
そのことが原因で引き起こされる一連の出来事は悲劇としか言いようがないが、果たしてそれは全て拳銃への異常な愛が原
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生れてはみたけれど(1932年製作の映画)

4.3

小津作品といえば家族というテーマがすぐに思い浮かぶが、とりわけ子供を生き生きと等身大で描くことに長けていることに異論はないだろう。

知らない土地に両親と引っ越してきたばかりの、兄弟である良一と啓二。
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街の上で(2019年製作の映画)

3.6

再開発でさらに「文化の街」というイメージが加速している下北沢。
そんな街を舞台に、若者たちが発信しているさまざまな新しい文化を享受しつつ、自分の殻から抜け出すことのできない青という青年を中心に人と街が
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雪の女王(1957年製作の映画)

3.6

アンデルセンの童話を原作とした作品であり、絵本のようなかわいらしいタッチで描かれる一方、氷や自然の描写が幻想的で美しい。
あたたかな春の風景や人々の心と、雪の女王と彼女の住む冷酷な世界が対比的に表現さ
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ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

3.6

倦怠期のカップルの対話が、寂れた港町の美しくも荒涼とした光景を背景に淡々と映し出されていく。

「模様」として浮かび上がるショットは、ときに神秘的で異様にときに残酷にカップルの現実を静かに語りうる。
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極楽特急(1932年製作の映画)

5.0

巷の雑誌などで取り沙汰される「おしゃれ」映画の定義など正直曖昧だと思うが、この作品こそ真のおしゃれ映画の一つなのではないか。
いかに恋愛事および男女が惹かれ合う過程を、美しい婉曲表現で魅せるかという姿
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悲愁物語(1977年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

漫画みたいにタイヤを体にくくりつけて走ってトレーニングしたり、血が手に滲むほど握りしめて練習を重ねるなど、スポ根ど真ん中かと思いきや、ホラーな女性の登場で一気に雰囲気が変わるのがこの作品の特徴だろう。>>続きを読む

子猫をお願い(2001年製作の映画)

3.7

現代社会の荒波に呑まれながらも、なんとか前を向いて力強く生きていこうとする女性たち。
高校時代は社会の厳しさを目の当たりにする必要はなかったのに、急に放り出されて必死に生きなければならない。

高校
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.6

静の中にたまに垣間見える動的なショットこそ、ウェス・アンダーソンらしさであるとわたしは思っている。
しかし、この作品では彼の新たな境地をその点に見出されたのではないか。
とはいえ、彼の作家性は十分保た
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女は女である(1961年製作の映画)

3.9

約四年ぶりに再鑑賞したため、レビューも書き直して投稿。
この作品がこんなにも「ミュージカル」映画であったことは、すっかり自分の記憶から抜け落ちていたようだ。

この作品を「ミュージカル的」と形容し、そ
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リリス(1964年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

美しいジーン・セバーグの狂気に満ちた表情や行動が、自然の描写とリンクするように描かれている作品。
閉鎖的な施設と開かれた自然というのは、実はとても似ているのかもしれない。


のどかな気候で美しい庭園
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20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

3.6

マイク・ミルズ監督の少年時代の思い出をなぞらえた半自伝的で年代記的作品。

思春期の息子と母親。なかなか難しい関係性だからこそ、母は彼と歳の近い友人たちに彼の成長を見守ることを頼む。
「男を育てるなら
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陸軍(1944年製作の映画)

3.7

幕末から上海事変まで三世代に渡って陸軍と関わってきた一家を描いた、木下お得意の年代記ものである。

この作品は、第二次世界大戦中に陸軍省の依頼を受けて製作されたそう。
そのためプロパガンダ作品であるは
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あなたの目になりたい(1943年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

「伏線」をいかに説明し過ぎずに示すか。つまりは映像でどこまで婉曲表現しきれるかということで、「豊かな」表現だと言えるのではないか。
その点でこの作品は「豊かな」表現に満ちた作品と言えよう。
一つのテー
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糧なき土地(1932年製作の映画)

-

あるスペインの村に住む原始的な生活を行っている人々を映したドキュメンタリー作品である。
この作品における芸術的特徴などを言及するより、ブニュエルが伝えたかった現実とその裏にあるメッセージの強さに圧倒さ
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

3.8

およそ5年ぶりに鑑賞したが、正直自分の率直な感想はまだ変わらない。
とはいえこの作品の名作たるゆえんである、ストレートなストーリーや個性豊かなキャラクター、そして「青春」の見せ方の素晴らしさに改めて感
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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

3.7

「俺たちの商売は?」「殺しだ」
この共通認識のもとで、ある種のハイな状態で行われるのが戦争ではないか。
この作品が強烈な反軍国主義で反戦映画であることは明らかだろう。
軍隊という特殊な組織内で「洗脳」
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男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎(1983年製作の映画)

3.7

今回の寅さんはまさかのお寺住まいを経験する。
帝釈天題経寺の前で掃除をしている源ちゃんはさくらから「門前の小僧習わぬ経を読む」と茶化される。
その「小僧」とは、皮肉にも寅さんにも当てはまるのだ。
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青春残酷物語(1960年製作の映画)

3.7

この作品で描かれる「青春」とは、現在の若者が謳歌しているそれでは決してない。刹那的に突っ走る若者たちは、心をすり減らして日々を生きている。
その生き様はタイトルの通り、残酷なのである。


間髪入れず
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1秒先の彼女(2020年製作の映画)

3.6

これはもう、現実世界を舞台にしたファンタジー映画であると割り切って観たほうが、作品の世界観やメッセージを真正面から余すことなく受け止めることができそうである。
そもそも、どうしても人よりもワンテンポ速
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曳き船(1941年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ホラー映画というほどの恐怖を煽られるわけではないが、背筋が凍るようなラストであった。
前半は荒波にのまれる船を舞台にしているためアクション映画的とも捉えられると思うが、後半からはラブロマンスとスリラー
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