にいいぃぃぃさんの映画レビュー・感想・評価

にいいぃぃぃ

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何食わぬ顔(2003年製作の映画)

4.0

モノレール内で「あいうえお」順に読み上げられる国語辞典の言葉たち。物語に寄り添うような言葉もあれば、全く関係のないような言葉もある。それら呼応は窓に映る現象風景と同じ自然、および偶然性の産物であり、横>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

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両親のいるリビングのテレビでアニメ版エヴァ最終回を堂々と鑑賞し、「お前らみたいな凡人には理解できないだろう」と内心ほくそ笑んでいた小学五年生の自分も10年の月日を経ていよいよ就活を始める。エヴァは思春>>続きを読む

ヴィタリナ(2019年製作の映画)

3.5

要は飛行機でも横断不可能な「生」と「死」の間の距離を克服する方法は、そこに暮らしてひたすら想うことだけって単純な話じゃないのか。着陸した状態の飛行機しか登場せず(遺品を燃やすシーンで上空から環境音はあ>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

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サブカル嫌いを標榜しつつも、二人の間のサブカル符牒の約9割をご存知の非モテ男子は、社会に出てみて云々以前に、相手の趣味把握の時点で典型的な男女差を意識しているから女子に嫌われることをいい加減自覚した方>>続きを読む

天国にちがいない(2019年製作の映画)

4.0

ラストのクラブシーンの暗転後にスレイマンはカウンター席から立ち上がり、きっと踊り始めたに違いない。ファーストシーンの暴力と対比されるその映画的分断の身近な解決に心温まる。

蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳(1998年製作の映画)

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復讐を果たし終えた後の虚しさに終わらず、その虚しささえも否定されてしまうどうしようもなさ。そういえば、あのシロクマの話は布石だったのか。清映画に登場する世話話だけは本当に寒いなぁ。

事務所で傘をさす
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東京物語(1953年製作の映画)

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自分のような人間がこの映画に口出しするのは馬鹿らしいので評価については何も言うまい。個人的には、防波堤の切り返しのラスト、笠智衆の頷くところで引きを持ってくるところに一番ハッとした。

天使/L’ANGE デジタルリマスター版(1982年製作の映画)

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クエイ兄弟を彷彿とさせる衣装もあって、永劫的な反復によって時間的な延長を瞬間化するという一種の降霊実験だと解釈した。その決定的な霊現がパンフレットの天使なのだと思う。女が槍で貫かれるところ辺りから自分>>続きを読む

鉱 ARAGANE(2015年製作の映画)

3.5

坑夫たちにとっちゃ地下空間とは地上の営みの為の苦役の場でしかないわけで、それを映画館という安全地帯から感性的な態度で余裕綽々と見守るのは矢張り後ろめたい気はするのだけれど、暗闇の中で光に、騒音の中で沈>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

2.5

複雑な時空云々が絡んだ世界の命運は結局のところ、単純な親子愛や友情にかかっている。というのがノーラン映画の方程式な訳で今回も飽きずにおんなじことやってるけど、その筋ならコレは流石に破綻してるんじゃない>>続きを読む

コリアタウン殺人事件(2020年製作の映画)

3.0

閉鎖的環境下の抑圧から自己を防衛するには、その環境から脱出するのが何より剴切だろうけど、その脱出にはいずれ限界がある。そのとき人間は自らの想像力を環境に隷属させて、状況を何とか肯定しようと試みる。自由>>続きを読む

3年目のデビュー(2020年製作の映画)

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深夜のバイトから帰宅して残り物の夕飯をレンチンしてる時間に、なんとなくテレビつけてたら『ひらがな推し』やっててそこからハマった。それまでけやき坂46自体知らなかったのに、今では公開初日でこれを観に行く>>続きを読む

さびしんぼう(1985年製作の映画)

4.5

過去と現在の弁証法としてのフィルム。その力を大林宣彦ほど純粋に信じ抜いた作家を僕は知らない。

はちどり(2018年製作の映画)

3.5

淡いフォーカスから雰囲気系かと思いきや今年一番くらい理路整然とした映画だった。自らを哀れむことで同情に頼って生きようとする女性像からの巣立ちと表現への羽ばたき。生と死という最も歴然とした格差を前に、そ>>続きを読む

ミューズ・アカデミー(2015年製作の映画)

2.5

芸術は美しい自然の模倣。のはずなのにその表象媒体としての女性を美的対象に据えている男性優位の芸術文化をめぐる議論。病に対する美的感傷の最中に無意識下で女性は殺されている、みたいな内容のレポートを最近書>>続きを読む

あなたの顔(2018年製作の映画)

3.0

まなざす事の支配関係を解消する時間芸術としての映画の可能性。その長回しの対象となる「アウラ最後のきらめき」達が属する文脈としてのシワ。坂本龍一は芸達者だな〜。ただ、こういう演出の隠蔽演出を素直に受け入>>続きを読む

ホーンティング(1999年製作の映画)

2.0

子供の頃テレビで見てつまらなかった記憶しかない。なぜ今思い出したのだろう...❓

クリスティーン(1983年製作の映画)

3.0

主人公の性格変わりすぎてて笑う。物理的なパワーで攻撃するんじゃなくて、念能力的な力を推してくる前半は微妙だったけど、爆走始めてからは流石カーペンター。追われる目線をちゃんと心得てる。深夜の田舎街の人気>>続きを読む

風に濡れた女(2016年製作の映画)

3.5

勃起不全系映画と震災を絡めるのは陳腐に感じるけど、それをロマンポルノでやる荒唐無稽の精神はまさに当時へのリスペクトだと思う。セックスで家が倒壊するだけでも無茶だけど、その残骸を今度はヴァギナに喩えて続>>続きを読む

赤ちゃん教育(1938年製作の映画)

2.0

1ミリもノれない。切り返しが制作のご都合主義な部分が多くてキツい。ラストは嫌じゃないけど。

ニーチェの馬(2011年製作の映画)

3.0

最近脚が痛くて不眠症気味だしチャンスと思って観てやった。無事完走。

そういう映画を作ったらまぁそういう感じになるよねっていうのを良くも悪くも超えてこない。でもこれが狙いなのか。薪割りで薪を置くたびに
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極東のマンション(2003年製作の映画)

3.0

捕まらなかったこともそうだけど、なんと言っても親類を誰一人殺さなかっただけエライじゃないですか。真利子哲也が今現在シャバにいることの奇跡。

2/デュオ(1997年製作の映画)

3.5

自分自身が即興演技みたいなことをやったし、演技指導したことあったせいか、序盤の演技には不気味な既視感があった。即興と言っても、もちろん事前に頭の中で大まかな話す内容や方向性をシミュレーションして臨む。>>続きを読む

ウィンチェスター銃'73(1950年製作の映画)

4.0

疫病神的な属性を付与されるアイテムって大体、伝説の宝石とか剣のイメージだから【銃】という文明の利器と結びつく発想は斬新に思える。しかも新品っていう。

「曰く付き」という属性を登場人物に知らせず、こう
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フェリーニの道化師(1970年製作の映画)

4.5

思い出のアウラを取り戻さんとするフェリーニの集大成的な作品と言って過言じゃない。一体どこまで手中に収める気なんだ...

救命艇(1944年製作の映画)

3.0

原作はスタインベック、監督はヒッチコックのあまり知られぬプロパガンダ映画。『ロープ』『裏窓』同様のワンシチュエーション劇だけど、全然ヒッチコック感無い。主要な役で黒人出してくる作品ってこれくらいかも。>>続きを読む

ドコニモイケナイ(2011年製作の映画)

4.0

歌の上手は現実への屈服の手土産だし、下手な歌はそもそも現実が許さない。当時はまだ許されていた者同士が8年後許されなくなった者同士として再開することの奇跡。

新宿泥棒日記(1969年製作の映画)

3.5

「犯行」とは法への反抗であり、その法に基づく公共・公衆への挑発的表現になり得る。しかし、その場合に犯罪は犯罪者の利益追及に無関係に行われる「犯罪のための犯罪」である必要が在る。その唯美主義に近似する傾>>続きを読む

霊的ボリシェヴィキ(2017年製作の映画)

3.5

タイトルを冠せられてるだけで殆ど百物語。「多数派」と名乗りつつも、今や虐げられる少数者的・権威存在という共通性質で霊信仰に通じ、隠喩論的に結合するのだろうけど画面内での飾り感は拭えなかった。組み合わせ>>続きを読む

空飛ぶゆうれい船(1969年製作の映画)

2.5

「はーい」しか台詞が無い義理母と遽に消えた黒潮会長の妻が気になるところだが、最終的には女性の活躍がキーになる。戦前の大和魂発想が悉くボツになるところもウケる。チャージマン研って当時は普通のアニメだった>>続きを読む

理由なき反抗(1955年製作の映画)

4.0

ライティングや格子による画面分割が織りなすワンショットの緊張感とその解消がとにかく哀しい。プールから投げられる浮き輪や、崖、階段の類稀な遠近感。チキンレース時の赤ジャケットの輝きに惚れない奴とは仲良く>>続きを読む

神々のたそがれ(2013年製作の映画)

4.0

今度映画撮る友人に「スノビッシュな主人公が観てそうで、眠くなりそうなんだけど、とにかくインパクト強い映画を教えてくれ」みたいなこと言われたので、使えそうなシーンを選定するために久々に鑑賞して、3シーン>>続きを読む

パラダイス 愛(2012年製作の映画)

3.5

【2時間耐久】汚い肉布団。映画だから大丈夫というか、寧ろ映画だから尚更サイテーと言えるファーストシーンは、画面上の彼女達が恰もカリカチュアを自認せずに存在しているかのような説得力を与える。当然、演技の>>続きを読む

カリフォルニア・ドールズ(1981年製作の映画)

4.0

車に男と女二人のシチュエーションは『さよならくちびる』と同じだけど、こっちは本当に唇がさよならするんだぜ。

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