ベアトリアス・ダルを彷彿とさせる、存在感たっぷりの河野知美が演じる衣良と、彼女に憧れる真琴の関係性の変化が劇的。羨望のまなざしを向けられたまま、不動の存在に留められがちなファムファタール像を、主人公の>>続きを読む
2023年の新作ベスト。
『ファースト・カウ』に感じた不満をこの映画でライカートは克服していた。
グッゲンハイム美術館でカンディンスキーを見つける一連の流れに白鳥の湖のワルツが流れるのはなぜなのだろう。ロケット打ち上げの長閑さにグッとくる。
最後のタイトル回収がダサすぎて笑いどころかと思った。月並みな設定・美術・場面しか出てこない退屈な映画をイザベル・ユペールの眼差しが価値あるものに押し上げている。ボディラインはいかにもルノワールの絵画に>>続きを読む
母と娘が車内でtime after timeを歌うシーンが良すぎる。雨の降る窓越しの二人の顔。
椅子の上に体育座りするフランキーの脚と肘がちゃんと汚い。鉈で足の棘を取ろうとしたり、肘の汚れを爪で掻きむしったりする仕草、皮膚に滲む汗がここまで痛々しいことってなかなかないと思う。あそこまでドアを開け>>続きを読む