アガナシInOUsさんの映画レビュー・感想・評価 - 17ページ目

三月のライオン デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

3.0

時代のエモい画面が、本当に審美的な映像だとは思えず、冒頭の写真+文章から拙い上に、2時間は冗長で、どないしろ言うねん、って映画です(完全に趣味の問題やけど、過度に精神年齢を低く描かれた妹、過度にでくの>>続きを読む

やさしい女(1969年製作の映画)

3.7

冒頭の飛び降り自殺のシークエンス(テーブルの傾き=不安と、舞い落ちるレース=儚さ、それと車の音)が、簡潔かつ完璧で、マジで息を呑んだのに、ソレをへし折って行くかのような説明のされ様が、なんとも。

三度目の殺人(2017年製作の映画)

3.3

法廷モノで迷宮入りするのは別に良いけど、死刑制度や腐敗司法ついての触れ方が、まったく面白くないというか臭くて、複数でてくる父娘関係も深まりがなかったので、是枝監督もこんなん撮るんだ、って気持ちでした。

ヘウォンの恋愛日記(2013年製作の映画)

4.1

やっぱ、このレベルの映像反復が面白いし、素晴らしい。

ソニはご機嫌ななめ(2013年製作の映画)

3.4

すごい、審美的な映像とかバリエーションを殆ど捨てている。ひたすら、テーブルを囲んで飲み食いして、碌でもない話を繰り返してる。そもそも、ズームが控えめで、ソレも効いてるとは思えず、本当に単調な反復(映像>>続きを読む

カクタス・リバー(2012年製作の映画)

3.7

女優たちの生活風景を、白と黒を潰した荒いモノクロと、音割れした風(?)の爆音、低速/高速再生などで、異質で無機質な映像に仕上げて、「川(女優の名前でもあるらしい)・水」のモチーフで、人間-自然を接続し>>続きを読む

ブンミおじさんへの手紙(2009年製作の映画)

4.3

長篇映画『ブンミおじさんの森』制作までの前日譚、その舞台であるナブア村の下見話から始まり、その歴史と生活を感じさせる室内撮影(これは『エメラルド』の室内撮影とまんま同じ)や、楽しげor虚無な軍服青年た>>続きを読む

エメラルド(2007年製作の映画)

3.7

内容自体は分かりやすい部類の短篇で、寂れたホテルの室内に薄く発光する羽毛が飛び回る場面が続き、ホテルに根付く声の会話が、詩を読みつつ、楽しげに聞こえて来るという作品。

ワールドリー・デザイアーズ(2005年製作の映画)

4.0

「人間と獣とが、森に埋めた夢を掘り返す」というコンセプトを冠し、森の中の撮影隊をフィクション化した、こちらも良作。様々な段階の映像(撮影隊のドラマ映像、撮影隊自身の映像、撮影隊を撮影する映像、その外側>>続きを読む

国歌(2006年製作の映画)

4.2

長編作品でもよくある如く、2部構成になっている短篇で、前半の川添いテラスと大量のマンゴーが、何故か後半にバトミントン場のど真ん中にマンマ移され、かつポップなダンス音楽が流れているっていう、シュルレアリ>>続きを読む

十年(2015年製作の映画)

3.7

香港映画史、はたまたアジア映画史に名を刻みつつあるオムニバス映画。平均して良作に思えましたが、個人的には『地元産の卵』が一番好きです。

百年恋歌(2005年製作の映画)

4.5

第一話は、典型的にキュンキュンしてしまう王道のメロドラマ仕立てで、60年代の懐メロが始終流れているんだけど、コレの聴き心地が良いです。第二話は、サイレント映画の手法を取りつつ、約百年前の、秘められた恋>>続きを読む

ザ・ビッグ・ワン(1997年製作の映画)

4.2

偶然にも、一つ前に観た『トランプランド』の様な講演会(明確なゴールとかエンタメ性が豊富なワケではなさそう)で、若きムーア監督が冗談ゆってて、ムーア監督の変わらん人柄がより分かって、良かったです。それに>>続きを読む

Michael Moore in TrumpLand(原題)(2016年製作の映画)

3.3

ムーア監督がヒラリーvsトランプ選挙前に開催した、ワンマン・トークショーの映像作品で、話の内容自体は、ヒラリーに多く割かれるにしてと、映画作品で聞いたような物が多い(『シッコ』とか)し、ノリも殆ど映画>>続きを読む

華氏 119(2018年製作の映画)

4.0

ムーア監督も作中で引用してる、スーザン・ソンタグの「2度目の9.11」をモジッた題名やけど、冒頭から前作『華氏911』のセルフ・オマージュをしたり、銃規制の話したり、ちゃんと過去作を踏まえてるし、とい>>続きを読む

トータル・バラライカ・ショー(1994年製作の映画)

3.5

冒頭のシベリウス『フィンランディア』で、改めて「フィンランド映画なんやった…」って思い出されるぐらいには、フィンランドのことマジで何も知らんけど、ライブ映像の編集(題名とか)も、一応ちゃんと映画と同じ>>続きを読む

悲しき天使(1991年製作の映画)

3.2

正真正銘のMVやん。このぐらいのノリが丁度良い。モノクロも効いてるし。

俺らのペンギン・ブーツ(1992年製作の映画)

3.1

アキ・カウリスマキ監督は、レニングラード・カウボーイズの何を深められると思って、シリーズ化してスピンオフまで撮るのか分からんのが、最早逆に面白い。個人的には、「レニングラード・カウボーイズ」の面白さ、>>続きを読む

ロジャー&ミー(1989年製作の映画)

4.3

自分の色分析を誤解してたコーディネーターから、色分析してもらって「春」になるムーア面白いし、第一作でコレなら、やっぱ『ボーリング・フォー・コロンバイン』と『ロジャー&ミー』以外は特に観なくても良いか…>>続きを読む

高校(1968年製作の映画)

4.0

特徴的なのが、口(顔)のアップで、その時フッと普遍性を帯びた気がする。

DV 2(2003年製作の映画)

4.5

殆ど全編(冒頭の女性逮捕と街の風景以外)法廷の事案処理を、相当なスピードで観せる映画で、判事たちのテキパキした判決と質問に、ワイズマン映画それ自体も共通する小気味良さを覚えつつも、法廷(映画)のなかで>>続きを読む

女優と詩人(1935年製作の映画)

3.8

一番気になったのは、夫婦喧嘩の後、居候に来た作家が「妻は経済的に自立してるが、亭主は良人だから」的なことを言う後の、女優のリアクションで、妙に残念そうに見えるけれど、何故か物語(と演出ソレ自体も)逆方>>続きを読む

Mouse Heaven(原題)(2004年製作の映画)

3.5

大量のミッキーマウスが画面を埋め尽くす狂気の作品やけど、冒頭章の最後に瞬間入る恐怖(赤)の入れ方が良い。あと、歯のある歌うミッキー(2回登場する)は、アンガー作品の映画にとって珍しいと思うけど、やっぱ>>続きを読む

ルシファー・ライジング(1972年製作の映画)

3.3

今迄観たアンガー作品の中で、一番音楽がグッと来ちゃったんだけど……ちなみに、一番分かりやすい作品だったとも思う。一部、編集が陳腐だし、盛り上がりに欠けるトコある。

快楽殿の創造(1954年製作の映画)

3.4

シネマティック・オペラ作品(音楽はヤナーチェク)として、本来は、映画館の大画面で観たかったし、その方が絶対楽しいと思うけど、鑑賞の楽しさ、というより、宴会の楽しさ。魑魅魍魎たち(神や悪魔を含む)の宴会>>続きを読む

ラビッツ・ムーン(1950年製作の映画)

3.2

コレでも、アンガー作品の中で同系統の『人造の水』の方が、より優れて観える、ってのは、正直なんの面白みもないので。まんま『天井桟敷の人々』の道化師やけど、すると、『天井桟敷の人々』の演技の凄さに再度驚く>>続きを読む

人造の水(1953年製作の映画)

3.3

映像編集がモノを言う短篇で、最後の方はとてもキまってたんだけど、そこまでが退屈至極なんやが、この退屈さも最後に効いて……いる?

花火(1947年製作の映画)

3.8

同性愛者の水兵リンチ妄想にある抑圧されたイメージと、性欲の(文字通りの)爆発、卑猥な中指の折れたモチーフ……といった分かりやすい部分に、内蔵の計器とかの象徴的な訳わからなさがあって、強烈に直感的な良さ>>続きを読む