杉浦印字さんの映画レビュー・感想・評価

杉浦印字

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ワース 命の値段(2019年製作の映画)

4.0

M.キートンの惚れ惚れする演技と、無数の遺族のとにかく重〜いエピソードトークの連続で、キートン同様どうしたらいいんだ……となれるバーチャル体験。映画としては非常にシンプルな筋だが、実録だけにそこを問う>>続きを読む

恐怖の報酬(2024年製作の映画)

1.0

「そんなことしてる場合か?」「普通それで何とかなるか?」「なんで今そんな事したの!?」のどれかが全ての場面に存在する、かの名作リメイクとは思えんゆる〜〜い映画。豪腕で欠点を覆すこともなく、ただ普通に終>>続きを読む

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

4.0

こんな有能でまともそうな人たちがこんな非道いことに一致団結して……という戦慄があり、ときどき常識離れしてひどすぎて不謹慎だがユーモラスですらある。低能ヘイト描写は極力避けて、冷静なドキュメンタリー風味>>続きを読む

カード・カウンター(2021年製作の映画)

4.5

これどういう話なんだ?と思わせ続ける奇妙な流れとテンポ感だけど、その事自体が面白いしまったく退屈させず、終わってみれば全て納得。全体から見ればトランプは脇役ではあるはずだが、そこもとてもいい空気感で撮>>続きを読む

FALL/フォール(2022年製作の映画)

4.5

一挙手一投足が危険! そりゃ見てて怖いに決まってる恐怖娯楽だが、安易にシチュの魅力だけにお任せせず恐怖を演出し理屈もしっかり考えた少人数パニック物。システマティックな伏線、コンパクトに克己の物語なとこ>>続きを読む

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

5.0

序盤からトップギアで殺し続け、合間に痛めつけられる、ほぼそれだけで話が進む痛快作。怒りと根性だけで不死身というムチャクチャに対して主演の貌に説得力。容赦ない人体破壊の割に見やすく、変な設定の割にお笑い>>続きを読む

キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

4.0

同じ監督なのに急に過剰なおふざけを封印。イギリス歴史小説的な紳士の物語と、歴史の暗部で羽目をはずしたスパイアクションが交互に起きるのは正直変なバランスだが、どっちも監督の器用さなのか、両方とも楽しく見>>続きを読む

カンダハル 突破せよ(2023年製作の映画)

3.0

リアルげな質感と一方で景気の良い爆発、戦士の魂というウォー監督の良い部分がマッチした作品。アクションが凡庸で、キャラが設定の割に知性に欠けるところも監督らしいが……。

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.0

ドニー・イェン様〜! ジョンの痛快面白アクションぶらり旅に意外に男の友情の味がマッチ。相変わらずジョンは何をしたいのかよくわからんが、いい気になったあほをとっちめる痛快も気持ちいい。

ミッドナイト・マーダー・ライブ(2022年製作の映画)

3.0

メルさんはまたこんなゆるめの映画に出て……。脚本の詰めの甘さはとても俳優に見合うものではないと思うが、爪痕を残す意地は感じたしメルさんがまた妙にイキイキと演じてて、少なくとも見てる間は面白く鑑賞に堪え>>続きを読む

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

4.0

状況の異常さを抜けば本当に典型的な監禁ものを、しかし状況の異常さと淀みないカット割りで目を離せなくするのはさすがシャマラン節。物語のシンプルさも……まあ監督らしいとして、この監督ならもっと異常な話を見>>続きを読む

ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

3.5

リアリティもモラルもすっ飛ばすのはもはやそういう映画だとして、キャラがどんどん増えてついてきづらいとこはある。それでも最高のカー(?)アクションがちょいちょい見れればそれでブチ上がれるのでこれでいいの>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.5

下準備にこだわる男のテキパキ仕事術、そんなの普通に考えて面白いわ。プロ中のプロに徹する……ようで意外と失敗や私情をさし挟むのはそういう人間性の描写かとも思うが、この映画には蛇足に思えなくもない(肉弾ア>>続きを読む

アメリカン・アンダードッグ(2021年製作の映画)

3.5

て、手堅〜! 落ち目からの再起を私生活と絡めて悪者を出さずに描いて最後はハッピーエンド。目新しさこそ限りなく薄いが正しいスポーツ伝記映画ではあると思う。Z.リーバイが気が良くちょっとビビリで間の悪い男>>続きを読む

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

4.0

ファンタジー映画らしからぬ、でもTRPGの(気の効いたプレイの)映画化としてはわかる気もする小ボケの嵐。そこに前半ダレ感はあるけど、DM(監督)の確信をもって後半大いに盛り上げて気持ち良く楽しい映画だ>>続きを読む

チャプター27(2007年製作の映画)

3.5

あの天下のイケメンが誰もが認めるようなキモ男を見事に怪演。自己愛をえんえん見せつけられる映画なのになぜか見続けてしまうし、Whyに応えない映画なのになんとなく理解できた気になってしまう。

サバイブ 極限死闘(2022年製作の映画)

4.0

サバイバルな見た目と違って、心情に寄り添って丁寧な雪山放浪記。映像がちぐはぐな場面が多いのは予算不足だろうしわかるけど、丁寧な内容に対してやっぱりもったいないし、観客心理的に据わりの悪い描写も多い。

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.5

インタビューの軌跡を追うめちゃソリッドな映画、でいてスピーディーなテンポと徐々に本丸に近付くスリリングさですごい興奮した。主役含め仕事場の私事キャラクター性をほとんどそぎ落としつつ、わかる程度に見せる>>続きを読む

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

3.5

前半は過去が収穫にやってくる気まずさに居心地悪く、後半はボーイズン・ザ・フッドの決着と再生を描いて爽やか。大胆な格闘演出は確かにわかりやすい。後付けにつぐ後付けでできた話ではあるが、まあ親作品のロッキ>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.0

最強(文字通りの意味で)のブロマンス。真の男と真の男が手を組めば無敵、しかし運命のいたずらでなかなかそうはいかない。そして最後にブロマンス的カタルシスとアクション的カタルシスが同時に押し寄せる、ここに>>続きを読む

デリシュ!(2021年製作の映画)

4.0

フランス映画らしからぬ暗くないカラッとした話で(偏見)、貴族から人民への時代の空気とホントに美味しそうな料理、ロマン主義絵画のような美しいビジュアルが華を添える。サクセスストーリーと言うほどでもない幸>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

完全にB級悪ノリSF風アクション映画の組み立てで、なぜか撮影中に真面目さと情熱を取り戻したような後半部が変な取り合わせだし「結末のための展開」は少々多めだが確かに面白くてちょっと泣かせる。

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

いくらでもキラキラに描ける監督が真摯に幸福なことばかりじゃない危うさと罪を大いに見せて、まあ楽しい映画ではない。ないのに、引き込む監督の技が冴えて面白いし、終盤の盛り上げ、突き刺さる一言、それでもなお>>続きを読む

ハート・オブ・ストーン(2023年製作の映画)

3.0

スパイアクションに求められるアクションは全て入ってるが、全部どこかで見た気がするアクションでもあり、新味のはずの「スパイ組織に潜入」の騙し合いは前半に終わり、量子コンピュータナビもマクガフィン化してい>>続きを読む

ザ・コントラクター(2022年製作の映画)

4.5

真に迫った軍事小説的で淡々とした筆致だが危うい所で退屈はさせず、優秀な兵士たちの優秀さとシビアすぎる事態に目が釘付けになる。この魅力がまったく伝わらない予告編は何とかならんかったのか。ありきたりな設定>>続きを読む

ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

4.0

地獄のワンカット撮りきり映像、それすら忘れて映画に悪酔いする最低の職場環境。リアルなどうしようもなさが愉しい一方、あんま料理がおいしそうじゃないのと、さすがに厨房の声が客席に丸聞こえではというリアリテ>>続きを読む

エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

洗練にほど遠いコテコテギャグの連発、しかし不思議とやり過ぎには感じない心地良いバランス感覚と、最終的にクセ強アホメンバーがなぜかカッコ良く見える爽快な後あじ。アクション描写の変なキレの良さ、理屈付けに>>続きを読む

霊的ボリシェヴィキ(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

低予算で演劇的、地味だが熱演に緊張感があり、異様な世界観に「違和感」の妙味が続いて退屈させない。昭和の特撮のような映像も味がある。シリアスに極端に振って静かな筆致が終盤やや荒唐無稽になるのは良し悪しだ>>続きを読む

オフィサー・アンド・スパイ(2019年製作の映画)

3.5

歴史ルポ映画として面白い作品だけど、しょうじき有罪判決を受けてる監督が疑獄事件を描く事にも、結果映画は映画と切り離しづらいことにもいけ好かなさは大いにある。前半の丁寧さに対し、終盤のダイジェスト感はわ>>続きを読む

ブラック・フォン(2022年製作の映画)

5.0

殺人犯監禁サスペンス&殺人犯に殺された怨霊ホラー&監禁された少年ジュブナイルと、どう考えても変な取り合わせでできていながら、全てがきっちり収まってよくできた映画。80年代悪ガキ冒険ムービーの匂いもあら>>続きを読む

騙し絵の牙(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

演技と描写で魅せる出版業界映画、説得力あるワクワクの編集部お仕事映画、抜きつ抜かれつの企業サスペンス映画と、30分ごとに違った顔を見せてどれも面白い。大泉洋がいかにも大泉洋な役柄ながら地のおふざけは抑>>続きを読む

タイラー・レイク 命の奪還2(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

前作を超えて狂的としか言いようのない凄まじいワンカット風アクション。正直アクションにかまけて感情や納得の導線がおろそかにも感じたが、この圧倒的アクションの前にはそこが本筋じゃないという気はする。

ライトハウス(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

最悪パワハラ上司と腹に一物抱えた問題児の2人芝居という面白くなりようのない話が、2人の熱演と不気味な演出、懐古的でハッとする映像で見事に面白く見れてしまう。アート的、ホラー的ながら不条理や怪異に逃げな>>続きを読む

マイ・ニューヨーク・ダイアリー(2020年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

主人公の痛々しい作家ワナビぶりに勘弁してくれ〜と思ったものの、まあさすがにそこは計算で次第にこの図々しい若造が愛すべき誠実な人物に見えてくる不思議。何と言ってもシガニー・ウィーバーの鬼上司役が絶品。

ビースト(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

いまどき珍しいシンプルで失敗だらけのシチュエーションスリラー。しかし一般人が最善もわからず奮闘し90分でピシッと終わる、コンパクトで気持ちいい映画だと思う。生態的なウソはそういうもんだとしても、さすが>>続きを読む

AIR/エア(2023年製作の映画)

4.5

ただ会話だけで進みながらハラハラワクワク、シュンとさえさせて、最後は気持ち良く終わる楽しい映画。情熱……いいじゃないと思わせて割とアウトめな行動でも許せちゃう可愛げやタフさの演技力、演出に支えられてい>>続きを読む

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