Iri17さんの映画レビュー・感想・評価

Iri17

Iri17

言語学と社会学を勉強している大学生。映画大好き。全ジャンル、クラシック、最新作、洋画、邦画OK! B級ホラーから芸術映画まで幅広く観てます。フォローはお気軽にどうぞ〜

映画(642)
ドラマ(3)

鏡の中にある如く(1961年製作の映画)

4.6

ミルクや海や蜘蛛など見事なまでに象徴的な物を画面の中に散りばめた作品。

『冬の光』『沈黙』と共に神の沈黙3部作の1つであり、父との確執や神への不信感と不在への確信が言葉ではなく、映像によって描かれて
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沈黙(1962年製作の映画)

5.0

不気味な異国の薄気味悪いホテルにて、この世に存在しない言語(フィン・ウゴル語系か?)を話すホテルマン、彼の見せる不気味な死体の写真、ホテルに滞在する小人症の芸人たち、街をのっそのっそと闊歩する戦車。>>続きを読む

秋のソナタ(1978年製作の映画)

3.6

父親との関係(今作では母親に置き換わってはいるが)や自分とは何者かという普遍的な問いなどベルイマンらしいテーマを扱った作品。

自分を守るために相手を出し抜こうと母娘の醜い冷戦が爆発してからの演技バト
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叫びとささやき(1972年製作の映画)

3.5

ベルイマン映画祭にて。

うーん、困った、これはよく分からない。
ただ真っ赤な家がデヴィッド・リンチに影響を与えているとは聞いていたけど、それは確かにそうだなと思った。

「叫びもささやきも、かくして
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インクレディブル・ファミリー(2018年製作の映画)

4.4

もうピクサーには絶対的な信頼を抱いているのだが、今回も素晴らしい映画だった。
『ウォッチメン』におけるヒーローと社会の軋轢を、消費社会への反動というテーマも込めて描いた。子供も大人も楽しめる映画だ。
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30年後の同窓会(2017年製作の映画)

4.5

リンクレイターと言えば『6歳のボクが大人になるまで』が有名だから、配給会社がそれに被っているともいないとも言えない中途半端な邦題をつけたあたりが残念だが、素晴らしい作品だ。

中年のロードムービーであ
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大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

4.7

トリュフォーが高く評価されるきっかけとなった作品。これほどストレートに心に響く題名の作品もなかなかないだろう。

子供の苦しみや悩みを大人は判ってくれない。かつて自分も子供だったにも関わらず、大人はあ
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花とアリス(2004年製作の映画)

4.3

岩井俊二監督の作品の中では一際軽いタッチの作品だが、花とアリスという2人の主人公を通して、『リリイ・シュシュのすべて』に通ずる思春期特有の虚無感、滑稽さが垣間見える、やっぱり岩井作品な作品。

蒼井優
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スローターハウス5(1972年製作の映画)

5.0

『ジェイコブス・ラダー』や『インターステラー』、『ミスター・ノーバディ』に影響を与えたであろうカート・ヴォネガットの傑作小説の映画化。

4次元宇宙では時間軸の移動が可能であるため、過去も現在も未来も
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白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々(2005年製作の映画)

3.5

市民的勇気とは何か、絶対的に悪に対して行動を起こすとはどういう事かについて考えるには最適な作品だ。

国民を守るための国家が国民を殺している場合、それに立ち向かうというのは容易なことではないし、実際に
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ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

4.5

素晴らしい!

仕事にしか興味がない夫と構ってもらいたい奥さんのホラーでありコメディな駆け引きが、PTAの素晴らしい演出によって芸術的な映像美を生み出した。
屋敷に住む幽霊というありきたりな設定であり
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突然炎のごとく(1961年製作の映画)

5.0

近所のTSUTAYAになく、今回初トリュフォー。

明るくウキウキした前半から、どんどん暗い話になっていく。
トリュフォーが描こうとしたのは女性の在り方。誰の所有物でもない、自由な女性の姿。男装で走り
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リズと青い鳥(2018年製作の映画)

2.5

これ結構挑戦的だなと思ったんですが、上手くいかなかったと思います。

学校からほとんど出ないし、心情がすごく分かりづらく描いてる。これは山田監督の前作『聲の形』と同じ。こういう映画を撮ろうという姿勢が
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ソフィアの夜明け(2009年製作の映画)

3.7

この辛い社会で人はどう生きるのか、なぜ生きるのかに迫った作品。

主人公が成長し、つまらない人間と同じ道を歩んでいくんじゃないかという不安を、成長しているソフィアの街並みに重ねているあたりはとても美し
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ルームロンダリング(2018年製作の映画)

4.2

幽霊のように生きる女の子と生き生きと死んでいる亡霊たちを描いた作品。ポップな作品で非常に面白いし、個人的に主人公と高校時代の自分に重なる部分が多かったため、結構楽しめた。

主人公は幼い頃に父が死に、
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GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)

4.5

命とは何か、人間とは何かという『ブレードランナー』的なテーマを内包し、情報の海から産まれたものの子孫の繁栄という『ブレードランナー2049』にも繋がるモチーフを用いている恐ろしい作品だ。

アンドロイ
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ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション(2015年製作の映画)

3.0

3作目までは好きだったが、前作が全く好きになれず、ローグ・ネイションは劇場で観なかった。
でも思いの外楽しかった。アクションはすごい力も入れているし、ストーリーも悪くない。サイモン・ペッグの魅力が爆発
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ツナグ(2012年製作の映画)

1.8

もう最近どの邦画のレビューでも同じこと言ってると思うけど、説明セリフで全部説明して「はい、皆さん、せーの泣け!」みたいな脚本、演出はいい加減やめた方がいいですよ。目の肥えた映画ファンやちょっとメディア>>続きを読む

北の零年(2004年製作の映画)

1.0

ザ・ジャパニーズクソ映画を絵に描いたような作品。

こういう作品には僕は本当にイライラさせられる。
「はい!皆さんここで泣いてくださーい、ここ泣くとこですよー」ってな感じのムカつくお涙頂戴演出、全てを
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BLEACH(2018年製作の映画)

3.7

これ地雷だろ、絶対クソ!って期待を下げまくって観に行ったら、そんなに悪くなかったです。アクションシーンは結構いいし、話は上手くまとまってた。
原作読んでる人なら分かると思うけど、死神代行編って1番最初
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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

一本の映画としては非常に面白い。町山さんの言うように正統的なフィルムノワールであり、西部劇であり、スターウォーズの世界にマカロニウェスタンの要素を実に上手く溶け込ませた新境地。

でもこの映画は根本的
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モモ(1986年製作の映画)

4.0

小さな女の子モモが、時間を奪っていく灰色の男たちから友達を救っていくミヒャエル・エンデの傑作児童文学の映画化。
エンデ自身も本人役でカメオ出演しています!

資本家や経営者を象徴するであろう灰色の男た
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ハートストーン(2016年製作の映画)

4.9

アイスランドの美しい自然をバックに、少年少女の揺れる想いと自己の不安定さによる葛藤が、心を揺さぶる。解放的な自然とは対照的に、人々の閉鎖的で歪んだ心が醜い。世界一差別のない国を通して人間の本質が垣間見>>続きを読む

桃太郎 海の神兵(1945年製作の映画)

3.0

国威発揚のプロパガンダ映画であり、軍国主義と人種的偏見に溢れている不愉快な映画だったが、戦時中の日本のアニメーション技術の高さに驚く。この時代はウォルト・ディズニーが『白雪姫』や『ピノキオ』が作ってい>>続きを読む

昼顔(1967年製作の映画)

4.7

ブニュエルの映画は『皆殺しの天使』も『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』もあまり好きなれなかったが、これは面白かった。女性の性について描いているが、男性優位でもなく、かなり真摯に描いているのではないかと思>>続きを読む

フィルス(2013年製作の映画)

3.1

同僚を陥れて出世を目論む男が、ドラッグとセックスに溺れて身を滅ぼすコメディー。

何がすごいってマカヴォイの演技ですよ。ナルニア国でタムナスさんやってた男が、汚職警官に、多重人格者に、プロフェッサーX
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少女邂逅(2017年製作の映画)

4.4

蚕という社会のために消費されることを目的とした命のもつ象徴性に、若干24歳の枝優花監督の思春期の孤独感が表現されている。
社会や他者への不信感が蚕に、自己の光と影、理想と現実が2人の少女に投影されてい
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志乃ちゃんは自分の名前が言えない(2017年製作の映画)

3.5

吃音症のため声を出せない志乃ちゃんを主人公に高校生の情動の揺れ動きを敏感に捉えた秀作。

吃音症のために人付き合いが出来ない志乃ちゃんだけではなく、心を閉ざして人と付き合おうとしない女子や自己紹介で趣
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ジュラシック・ワールド 炎の王国(2018年製作の映画)

2.8

前半からずっと話がワクワクせず、どいつもこいつもバカらしくて、こりゃダメだなって思ったら終盤全てが帰結し、薄っぺらな話が深みのある普遍的な話になっていった。

ストーリー展開はトレボロウ的なサイコパス
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HOUSE ハウス(1977年製作の映画)

4.8

もう何文字使ってもこの映画の面白さは伝えられない。ただ観てくれとしか言えない。3ワードで言うなら

すげえ。
やべえ。
おもしれえ。

大林宣彦の映像って本当にすごい。この映画自主映画らしくて、個人的
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人生フルーツ(2016年製作の映画)

4.8

現代日本にこんな素晴らしい人がいるのは感動。

自然を愛し、人を愛する。金や地位ではなく、ここまで緑や人との繋がりを大切にする。こういう生き方が出来ることは本当に素晴らしいし、これこそ最も人間らしい生
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花咲くころ(2013年製作の映画)

3.2

ジョージア人全員が常時マジギレ状態で大変そうだなと思った。

家族の仲が悪いとか、アブハジアや南オセチアが事実上の独立状態であるジョージアそのものなのかと思ったり…
みんなすごい怒ってるのは、小国なの
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ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)

4.0

期待以上の秀作。
最初から最後まで見せ場がずっと続くし、結構何度も裏切られて終盤まで先の読めない展開だった。

孫のために1セントも払わないジジイと対比で描かれる人質に情が移り救おうとする犯人。
金や
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TOMORROW パーマネントライフを探して(2015年製作の映画)

4.0

温暖化、環境破壊、資本主義、教育、民主主義、世界は問題だらけ。ものすごいポジティブなテンションで問題に一つずつ迫っていくメラニー・ローラン。

我々の意識と行動を少し変えるだけで明日はもっと良くなるよ
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エレファント(2003年製作の映画)

5.0

亡霊のように高校生の背後を追いかけるカメラワーク、ただ高校生の日常にフォーカスしながら安易な解釈のみでは成立しない複雑さ、『明日、きみがいない』、『桐島、部活辞めるってよ』等、数多のシリアス学園映画に>>続きを読む

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