JohnOnoさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

4.0

ウェスアンダーソンの世界100%!ノスタルジックでアナログで、それでいてメカニカルな舞台を創り上げる美しい造形とスタイリッシュなキャラクター。パペットにきちんと目で演技させるディテールへのこだわり。そ>>続きを読む

真珠の耳飾りの少女(2003年製作の映画)

3.7

絵画の世界を映画で表現し尽くした作品。どのシーンを切り取っても一枚の絵画になる。色彩、光と影、構図、表情。とにかく美しい。フェルメールの「あ、これこれ!」を見つけるのも楽しい。
ストーリーと登場人物の
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ブロークバック・マウンテン(2005年製作の映画)

4.1

20年以上もの長い間にわたり、心から愛し合う者同士の秘めた関係が、息を飲むような美しい自然を背景に丁寧に描かれる。「愛してるんだからいいんじゃない?」と他者が言うのは容易い。ゲイカップルは惨殺されても>>続きを読む

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.8

Filmarksの評価が高かったので前情報なしで鑑賞、「なるほど!」な作品。セリフも登場人物も「ちょっとづつ、全て気持ち悪い」という流れが見事で、最後に家族が報いを受ける場面で見る側の「奇妙なカタルシ>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.9

韓国映画はとにかく「作り込み」が凄い。本作も例外ではなく、プロット、舞台、小道具、セリフ、いずれも密度というより濃度の高さよ。前半、チープなチートで舞台をトントン拍子で積み上げて、後半は意表を突く道具>>続きを読む

キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

3.5

前作ではキングスマンワールドに入りこむプロセス込みのオリジナリティと世界観のセンス、ポップでグロな悪ノリとビックリドッキリメカが最高に楽しかったんだけど、今作はそのキングスマンワールドをぶっ壊してしま>>続きを読む

すくってごらん(2021年製作の映画)

4.2

想像を超えて面白かった!まずは原作をミュージカルに仕立てた制作のセンスよ。そして、冒頭の棚田から、街並み、着物、蛍光灯、畳部屋、朽ちそうな蔵、祭り、そして金魚。徹底的に和の要素を美しく幻想的に切り取っ>>続きを読む

エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語(2019年製作の映画)

4.0

犬がアカデミー賞を受賞できないのはアンフェアなんじゃない?と思ってしまう。もう、表情も仕草もエンツォは確信的に演技しているとしか思えない。ケビンコスナーは単にイタコ。(いやすみません、深みのある声優ぶ>>続きを読む

透明人間(2019年製作の映画)

3.5

まずは透明人間みたいな古典的テーマを時代とともに進化させていることに拍手。
モラハラ彼氏から逃れただけなのに、とんでもない事件に巻き込まれていく展開が良く練られててスリリング。起こっていることが事実な
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ゾンビランド:ダブルタップ(2019年製作の映画)

3.5

ゾンビ映画って「SFの中の宇宙モノ」みたいにもはやホラーからは独立したカテゴリー。本シリーズはそのゾンビ性をメタ認知して、当たり前の環境となったゾンビの世界をどう生きて楽しむかがテーマの作品、というと>>続きを読む

ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)

4.0

HIVへの偏見、体を襲う痛み、難聴、治療薬のない絶望。どん底の中で見つけたのは生きる意味だったというアイロニー。マシューマコノヒーはいったい何キロ減量したんだろう?鬼気迫る死ぬ寸前の姿、そしてクラブの>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

3.7

作り込んだ舞台で、綺麗な映像で、豪華俳優で、上手い演技で、凄くいい話で、映画にこれ以上何を求めるの?と思うんだけど、もう一回見たいな、とならないのが不思議なところ。いや、私がひねくれているのは認めるけ>>続きを読む

ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)

3.6

人間が人間らしくいられることは幸せなこと。当たり前が当たり前でなかったことはこの一年でよく分かった。だから選択できることは選択しなくては。少年兵に選択肢はなかった。軍曹には選択肢があった。何を選ぶかは>>続きを読む

ナイトクローラー(2014年製作の映画)

3.4

まあ、見事に胸クソ悪い映画。(←これ褒めてます。笑) 元々クズな主人公がテレビという「クズな」舞台でそのクズっぷりを発揮してガンガンのし上がっていく姿を描く。報道も含めてテレビは虚構であり、放送される>>続きを読む

犬ヶ島(2018年製作の映画)

4.5

グランドブダペストホテルが最高に良かったので、ウェスアンダーソン監督作、2本目の鑑賞。いやー、これも面白かった!
とにかく世界観が凄い。外国映画のインチキな日本あるあるはよく見るけど、本作では日本の様
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96時間(2008年製作の映画)

3.8

シンプルな展開でスピーディ、寄り道一切無し。悪い奴はみんなスッキリ絶命。なんて清々しい。リュックベッソン一流のカーチェイス。そしてなんと言ってもリーアム無双!あんな親父がいる娘はこの世に怖いものはない>>続きを読む

人生、ここにあり!(2008年製作の映画)

3.9

個性を生かすのが大事、とは小学生でも知っているテーゼ。でも、それって実際どういうこと?って実は大人もよくわかっていなかったりする。出来ているか?はなおさら。現実の世界で「理事長」を抜擢できるか、自信は>>続きを読む

アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

4.0

タイムリープものはこの無敵ツールをどう使うかで作品の性格が大きく変わる。ご都合主義の駄作にもなるし、唸るプロットのSFにもなるし、文学にも哲学にもなる。「恋はデジャブ」が「人生とは?」という問いを発し>>続きを読む

キングスマン(2015年製作の映画)

3.9

世界観のステージセット、経緯とプロット展開の伏線仕込み、主人公達の役柄開発をしっかり描いてからの後半、スタイリッシュで斬新、残酷だけどポップなアクションの怒涛の展開!メカもツールもワクワク。ただ、キン>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

3.7

プライベートライアンの戦闘シーンとは違う種類の臨場感とリアル感がずーっ続く作品。淡々と船が沈んだり静かに戦闘機が墜落したりするシーンは本当に見事。また、最後に敵兵に囲まれるパイロットの姿になんとも言え>>続きを読む

Viva!公務員/公務員はどこへ行く?/オレはどこへ行く?(2015年製作の映画)

4.1

仕事柄、雇用とか退職とかに関わることが多いが、「終身雇用」という悪魔の身を食べた組織と人が辿る道は、万国共通なんだと実感。ただ、イタリア人が違うのはその底抜けの明るさとシンプルさ、それが故の憎めなさ。>>続きを読む

イエスタデイ(2019年製作の映画)

3.7

もしもBeatlesが存在していなかったら。そしてもし自分だけがBeatlesを知っていたら。この世界にはそれを伝えられるジャックがいてくれた。本人にとっては大きな苦悩となったが、人々にとっては幸せな>>続きを読む

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

3.6

ほぼ音声と会話だけで緊迫したサスペンスを作り上げることが可能であることを証明した作品。シンプルに面白かったと思います。ただ、タイトルの意図である何が罪なのかを問うには少し物足りない。主人公の判断と行動>>続きを読む

ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)

3.9

ずっと見たかったイーストウッド作品、後半の展開の重みが半端ない。。新人女性ボクサーが成功に駆け上がる展開と並行して描かれる、綺麗事では済まない家族や人生の様々な場面。父と娘の物語であり、生きることの意>>続きを読む

42〜世界を変えた男〜(2013年製作の映画)

3.7

多くのアメリカ人にとって野球は単なるスポーツではなく国のアイデンティティ。だから良くも悪くも簡単には変わらない。そしてそのアイデンティティの中心には多様性があり、これが矛盾と摩擦と強さを併せ持つシロモ>>続きを読む

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.5

重厚な内装の実写とポップなCG、活気に満ちた過去とうら寂れ感漂う現在、名優と若手が演じる濃いキャラクター達。世界観いっぱいのおもちゃ箱のような舞台で、テンポよく繰り広げられるミステリー大冒険。気の利い>>続きを読む

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(2011年製作の映画)

4.0

父と息子の関係を描くドラマは総じて好きだ。オールタイムベストは「フィールドオブドリームス」だけど、本作もベスト5に入る作品。9.11とアスペルガーという題材の威力はもちろんあるが、何と言ってもトーマス>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.8

街並みも自然も2人のひと夏の恋も、とてもとても美しく描かれる。ボーイズラブの作品は初めて見たけど、ラブシーンは独特の世界感があるなぁ。自分の性的嗜好とは別に、ボーイズラブの作品世界にハマる人がいるのは>>続きを読む

もののけ姫(1997年製作の映画)

5.0

「映画館でジブリ」3本目。
エンドロール、うまく説明できない涙が溢れて止まらない。こんな映画体験はそうそうない。
人が飢えずに生きることは絶対的な善であり、エボシはまさにその体現者だ。しかしそれを遍く
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千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

5.0

「映画館でジブリ」2本目。
本作もこれまで何度見たか覚えていないけど、映画館で見るのが2回目なのは確か。そして今回、19年前には見えなかったものが見え、そして忘れていた場面を思い出せて大満足、文句なし
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運び屋(2018年製作の映画)

3.8

テーマは、人生における老い、家族、仕事。それを麻薬の運び屋という特殊な題材を使って描く。晩年になって失った時間を取り戻す事はできないが、残った時間で何をするかの選択はできる。犯罪に関わることも、殺され>>続きを読む

僕はラジオ(2003年製作の映画)

3.6

「どうしてそこまでラジオの面倒を見るの?」と聞かれたハロルドは「正しいことだから」と答える。でもそれは「正しい」答えだけど、本当の理由はそうじゃない。ハロルドが他の誰でもなく娘にそれを話すところがとて>>続きを読む

ヒート(1995年製作の映画)

3.9

犯罪チームを率いるニールとそれを追い詰めるロス市警ヴィンセントの駆け引きと対峙、そして決着。きちんと描かれる人間ドラマとド派手な市内の銃撃戦にカーチェイス、3時間近い尺もあまり気にならない。しかし何と>>続きを読む

きみに読む物語(2004年製作の映画)

3.8

美しくて幸せに満ち溢れた長い長いラブストーリー。若い頃の情熱と愚かさ、誰かを傷つける選択、老いて全てを忘れていく悲しさ、そして、全てを思い出す刹那の喜び。やがて訪れる終わりの瞬間までもが、美しい自然を>>続きを読む

未来少年コナン(1979年製作の映画)

5.0

NHKで日曜深夜に再放送が始まり、少し見たらもう止められない、持ってるDVDを全て鑑賞。子供の頃、火曜日の7時半がどれほど楽しみだったか。超人的で真っ直ぐなコナン、可憐で気丈なラナ、可笑しくていい奴の>>続きを読む

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016年製作の映画)

3.2

スーパーマンが社会の脅威という主張はとてもよくわかるけど、バットマンと戦わなくてはいけない理由がどうしてもわからない。レックスルーサーに魅力がなさ過ぎるのも原因のひとつ。ただ、相変わらず人類置いてけぼ>>続きを読む