ひこくろさんの映画レビュー・感想・評価

ひこくろ

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監視者たち(2013年製作の映画)

4.4

とことんまで娯楽に徹したスリリングで爽快なエンタメ大作だった。

まず冒頭、タイトルが出てくるまでの20分間で、謎めかせつつ一気に「監視班」と「犯人グループ」のどちらもの様子を描き出してしまうのが上手
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沈黙のパレード(2022年製作の映画)

4.3

原作やテレビシリーズはわからないが、劇場版シリーズに関しては、実験と検証により明らかになった事実が、残酷な現実を暴き出す、という内容が一貫している。
今回もこの路線は同じ。

被害者となるのはみんなか
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

4.6

本好きな人の胸をど直球で射抜いてくるような、たまらない映画だった。
題材が本だというだけではなく、いろいろな意味で、この映画には本(特にミステリー小説)への愛や敬意が溢れている。

謎の世界的ベストセ
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砂上の法廷(2015年製作の映画)

4.1

言葉と映像の使い方がとても上手い法廷ミステリーだなぁ、とまずは感じた。
舞台はほとんどが法廷で、繰り広げられるのも完全に会話劇。
でも、証言とともに映像で描かれる過去回想は、語られる言葉とは異なってい
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ハウンター(2013年製作の映画)

4.5

タイム・ループ物に、ミステリーとホラー(幽霊・サイコ)を混ぜててんこ盛りにしたような映画だった。
こういうのって大味になったり、とっちらかったり、雑になったりしやすいけど、この映画は抜かりがない。
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ヘルドッグス(2022年製作の映画)

4.4

強烈なキャラクターたちが織り成す、熱いヤクザ映画だった。
出てくる人物は誰もがひと癖もふた癖もあるような人ばかり。
ただでさえキャラクターとして立っているのに、役者が演技でその魅力を倍増させている。
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アウシュビッツ ホロコーストガス室の戦慄(2011年製作の映画)

4.6

強烈なメッセージ性を持った映画だと思ったし、それだけに賛否も好悪もはっきりと分かれるだろうなあと感じた。
映画は大きく二部構成になっている。
若者たちに大量虐殺についての質問をぶつけるインタビューパー
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ザ・ウォード/監禁病棟(2010年製作の映画)

4.2

とことんまで貫いたベタっていうのは気持ちいいんだな、とあらためて思った。

監禁病棟という世の中から隔離された閉鎖空間。
少女たちだけが閉じ込められているという状況。
どうしても思い出せない過去の記憶
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マーシュランド(2014年製作の映画)

4.5

猟奇殺人事件を追う刑事二人のバディ物という態なんだけど、それだけには全然収まらない。
独裁政治の名残とも言える憲兵たちが、いちいち捜査の妨害をしてくる。
秘密を抱えた村人たちは、何も語ろうとしない。
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雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)

4.2

久しぶりに小中学生向けにちゃんと作られたアニメを観たなあと感じた。
世界の構造とかは結構適当で、何をすれば漂流から抜け出せるのかも明示されない。
起こる出来事もわりと行き当たりばったりで、目的意識もな
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フロッグ(2019年製作の映画)

4.3

前半から中盤にかけてこれでもかってぐらいに大量の謎が散りばめられるんだけど、それがまったくつながっていかないところが面白いなあと思った。

10歳の男の子の失踪事件と過去に起こった誘拐事件はどう関係が
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LOOP/ループ -時に囚われた男-(2016年製作の映画)

4.3

数あるタイム・ループ物のなかでもかなり毛色の変わった部類の映画だと思う。
まず、どのタイミングでタイムループしているのかがまったくわからない。
しかも、どの時間軸に戻っているのかも、なんとなくしかつか
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無防備(2007年製作の映画)

4.1

流産の経験がある律子は、妊婦の千夏に何も悪印象を持っていない。
でも、どうしても一緒にいると心に澱が溜まっていってしまう。

澱は人間にとって、コップに溜まる水のようなものだ。限界までくれば溢れ出す。
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The Witch/魔女(2018年製作の映画)

4.4

面白れえ! って言葉しか出てこないぐらい面白かった。
人間を改造する謎の組織が存在する世界で、そこから逃げ出してきた少女を組織の人間が追ってくる。
というSFというよりは、むしろ日本の特撮ドラマのよう
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モルグ 死霊病棟(2019年製作の映画)

4.2

前半から中盤にかけては問答無用で怖い。
特に何かが起こるというわけでもなく、気のせいとも取れるような些細なことの重なりが、絶妙に神経を揺さぶってくる。
電気がチカチカしたり、コップが滑ったり、ドアがゆ
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グッバイ・クルエル・ワールド(2022年製作の映画)

4.1

搾取する側の人間とされる側の人間がこの世には厳然といる、という強烈なメッセージが心に残る。

政界、警察機構、組織など、場所を問わず、搾取する・されるの関係は必ずある。
しかも、その関係性は、何をどう
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劇場(2020年製作の映画)

4.4

共感できてしまう人にとっては、とてつもなく心苦しく痛すぎるだろう作品だと感じた。

人付き合いがまるでできず、ちゃんとした人間関係を築けないという悩みを抱えている人は多いだろう。。
永田もそんな人物の
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

4.3

清々しいまでにおバカでドタバタな感じが、これでもかと突き抜けていて、たまらなく爽快だった。

舞台は、個性的な殺し屋たちが乗り合わせた新幹線。
彼らはそれぞれに目的を抱えている。
全員の背後には「白い
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この子は邪悪(2022年製作の映画)

2.9

こんなことを言うのは申し訳ないのだけど、近年まれにみるレベルの胡散臭い映画だと思った。

とにかく精神病の扱い方が雑というかひどい。
これさえあればあらゆることを解決でき、しかもすべてを説明できる、ま
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Zolaゾラ(2021年製作の映画)

3.2

決してつまらないわけじゃないんだけど、どう楽しめばいいのかもよくわからない映画だった。

基本の筋は儲け話に乗った黒人ストリッパーのゾラが、やくざのような男に脅迫され、売春の手伝いをさせられるというも
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真・鮫島事件(2020年製作の映画)

4.2

定番の怪談ホラーのフォーマットに「鮫島事件」という題材を乗せるのではなく、まったく別の要素を持ち込んで新しいホラーを作り上げようとしているのが、とても新鮮で面白かった。
今回、組み込まれているのは、密
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モフモフィクション(2018年製作の映画)

3.4

まるで動物図鑑のようにモフモフした架空の動物を紹介するだけのアニメーション。
アニメとしての質は高く、動きも表現も繊細で、観ているだけでもとても楽しい。
ただ、全部で7分弱しかないので、これ単体で評価
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夏の夜の花(2018年製作の映画)

4.1

海外でシングルマザーとか、考えただけでも気が遠くなりそうになる。
仕事をしながら小さな子を育てていくだけでも大変なのに、それが言葉の通じない国でとなったら。
母親がどんどんと追い込まれていくのも当然だ
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グレンとグレンダ(1953年製作の映画)

4.4

1953年にこんな題材の映画が作られていたということにも驚いたが、その内容にはさらに衝撃を受けた。
映画てば、服装倒錯(女装癖)と性同一性障害(ジェンダー)と身体的性差(セックス)が厳密に分けられてい
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タイム・ダイレイション-死のベッド-(2016年製作の映画)

3.4

目の前に死体として転がっている女性から助けを求める電話がかかってくる。
過去からの電話なのか。嘘なのか。本当なら彼女を救い現在を変えることはできるのか。
この要素はかなり目を引くし、上手に料理すればめ
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バスキア(1996年製作の映画)

4.4

80年代のニューヨークがいかに魅力に満ちた場所だったかが、画面を通してひりひりと伝わってくる。
才気とチャンスと野心に溢れ、誰もが夢を見ていて、どこか浮かれた遊びの中にいるような世界。
吸い寄せられる
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エデンの東(1954年製作の映画)

4.2

1955年の作品にも関わらず、ものすごく現代的なテーマを内包していて驚いた。
映画の主要なテーマのひとつは「善悪」なのだが、それに対する答えは決して哲学的なものでも大上段に構えたものでもない。
目の前
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海辺の彼女たち(2020年製作の映画)

4.2

ここまで絶望感しか残らない映画もすごいなと思った。

日本って世界に比べればわりと恵まれている国だし、ひどい現実にも限度があるとは思ってる。
それでも、こういう理不尽な世界は確かに存在するし、その現実
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最愛の子(2014年製作の映画)

4.7

親子の意味というものをぎりぎりのところまで考えさせられる内容だった。

ある日、いきなり幼い子供を奪われてしまった時、親はきっとこうなるだろう。
親にとって、子供は、無条件で大切でかけがえがなく、どう
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無聲 The Silent Forest(2020年製作の映画)

4.6

やりきれないほどに息苦しく、つらく、どこまでも救いのない映画だった。

冒頭のわずか数分間の描写で、聾唖者がさらされている偏見や差別がはっきりと伝わってくる。
そこを踏まえたうえで、今度は聾唖者たちの
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顔のないヒトラーたち(2014年製作の映画)

4.5

ドイツって戦争責任とちゃんと向き合っているイメージがあったので、こういう事実があったことにまず衝撃を受けた。
終戦からわずか13年、ナチスの親衛隊員たちはあっさり社会復帰し、誰もが戦争を振り返ろうとは
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茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

4.6

この状況を僕だったら耐えられるだろうか。
大切な人がアクセルとブレーキの踏み間違いで老人に轢き殺される。
なのに、元官僚の犯人はアルツハイマー病を理由に逮捕もされず、大往生する。
犯人の家族は謝ること
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ダーク・アンド・ウィケッド(2020年製作の映画)

4.2

いわゆる、悪魔憑きとか悪魔払いの物語の典型と言っていい。
ただ、この映画では悪魔の描写を一切しない。そこが面白い。

いろいろと不穏で怪しげなことは起こる。
でも、それは、錯覚や気のせい、もしくは心が
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雨に叫べば(2021年製作の映画)

4.4

ものづくりにおけるプロの意義ってなんだろう。

映画を撮るために集まっているのは全員がプロ。
だから、自分の仕事を最優先におくし、我も通そうとしてくる。
当然、あちこちで衝突が起こり、映画の撮影は遅々
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デモニック(2021年製作の映画)

4.1

これはゲームの世界の面白さを映画で表現しようとした作品なんだろうなあと感じた。

この映画は基本、三つの世界から成り立っている。
ひとつは現実の世界。二つめは仮想空間。三つめは夢の世界だ。
このうち、
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はるヲうるひと(2020年製作の映画)

4.7

生きることの哀しさ、苦しさ、滑稽さ、美しさなんかがまるごと強烈に響いてくる映画だった。

島の売春宿で働く女たちは、自分たちが陰の存在であることを十分に理解しつつも、たくましく図太く生きている。
得太
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