ひこくろさんの映画レビュー・感想・評価

ひこくろ

ひこくろ

ザ・ドア 交差する世界(2009年製作の映画)

4.3

こんな主人公のような状況に陥ったら、正直、もう生きていけないってぐらいに落ち込むと思う。
浮気がバレるだけでも相当なダメージなのに、それが原因で大切な幼い娘が死んでしまうのだ。
その罪悪感たるや、想像
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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

4.7

とにかくすごいのひと言に尽きます。物語も演出も映像もすべてがすごい。極上品です。
まず出だしが上手い。息を呑むほどに美しい背景をバックに独白が入るのですが、これであっさりと状況を説明してしまっています
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MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

4.5

教科書や本で知識としては知っていた水俣病が、現実として突きつけられるとこんなにも重いものなんだって衝撃を受けた。
もちろん、この映画だって作りものだし、誇張や省略があるのもわかっている。
それでも、映
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マスカレード・ナイト(2021年製作の映画)

3.5

登場人物のほぼ全員が容疑者というなか、犯人を突き止めていくという物語はとても面白い。
仮面舞踏会というお膳立ても、いかにも大作らしく、これよこれという楽しさがあった。
最後の最後まで犯人が予想できない
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カル(1999年製作の映画)

4.2

ものすごく上手な物語で、ものすごく嫌なものを突き付けてくるような映画だった。
冒頭のグロ描写から始まり、最後の最後まで抜かりなく胸糞悪さを徹底している。
伏線の張り方や、ミスリードがとても上手く、なか
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コンジアム(2018年製作の映画)

4.5

臨場感が凄まじく、まるで実際の生中継番組を見ているかのような気分になる。
しかも、番組撮影のために用意されたという設定で、いろいろなカメラを使っているため、POV(一人称視点)映画にありがちな、狭い視
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持たざるものが全てを奪う HACKER(2016年製作の映画)

4.3

裏の世界の成り上がり物語って感じ。
やってることは犯罪なんだけど、主人公は努力もするし、工夫もする。
地道に関係者と信頼関係を築いていったり、犯罪集団に認められるために実績を積み上げていったりする様子
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マイ・プレシャス・リスト(2016年製作の映画)

4.6

自分を特別だと思い、誰も彼をも下に見る。
常に上から目線で、わけもなくなぜか偉そうに振る舞う。
ああ、こういう人って現実にもいるよなあ、と思った。
当然ながら、そんな彼女はちっともかわいくない。
だけ
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ゼロの未来(2013年製作の映画)

3.3

テリー・ギリアムの描く未来世界の独特さはいつもながら面白い。
汚く、いかがわしく、どこか懐かしくもある風景。なのに、それはなぜか未来をはっきりと感じさせる。
究極のゼロを求める企業や、ゲームのような仕
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一分間タイムマシン(2014年製作の映画)

3.0

映画と言うよりはコントに近い。と言うか、ほぼコント。
ひとつのアイデアで上手くまとまっているので観てて面白いが、特別驚くようなことも、何か心に残るものもない。
本当に暇な時にさっと流し見るような作品だ
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本当の目的(2015年製作の映画)

4.2

映画自体がまるごとミステリーといった印象。
謎めいたことが起こるのではなく、観客にとって謎な「語られない事実」が徐々に明らかになるという展開がたまらない。
ヤナという女性の過去が、会話によって少しずつ
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東京少女(2019年製作の映画)

4.1

約8分間、ひたすら女の子が自分のことを語り続ける。
たったそれだけのことなのに、彼女のいろいろな面が浮かび上がるように見えてくる。
言葉、映像、文字、間、すべてが彼女を表現していて、彼女以外の何者でも
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(2018年製作の映画)

4.0

とても自主製作で作ったとは思えないほどの高品質アニメ。
スピード感、テンポ、作画、色使い、音楽、どれを取っても商業作品に引けを取らない。
こんなアニメを個人で作っている人がいるのか、と驚いた。

全体
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東京オリンピック(1965年製作の映画)

4.3

「俺が撮りたいのは記録映像じゃない。映画なんだ」とでも言わんばかりの市川崑の強い意志を感じた。
イメージ映像が多用されていたり、観客の姿がやたら映るのは有名だが、市川崑がやったのはそれだけじゃない。
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消された女(2016年製作の映画)

4.1

王道のミステリーと猟奇的なシチュエーションスリラーが同列に進んでいく構成が面白かった。
主人公のテレビディレクスー・ナムスは、状況から謎解きに迫る。徐々に謎が明かされ、また新たな謎が出てくるのは完全に
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ネオ・ヒロイック・ファンタジア アリオン(1986年製作の映画)

4.1

ちょっとでも間違えればすぐに安っぽくなってしまうような話を、よくぞここまでエンタメとして作り込んだなあと感心した。
物語自体は運命とかが絡んでくる神話そのものなんだけど、出てくる神々を人間として描いて
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頭痛が痛い(2020年製作の映画)

4.5

愛想笑いが顔に張り付いたよなういくと、「死にたい」と漏らしながら配信を続ける鳴海。
二人の姿は極端にいびつだが、リアリティに満ちていて、これが現代の女子高生の一面であるのだろうことを確信させられる。
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アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち(2014年製作の映画)

4.6

あまりにも残酷で冷酷な冒頭のエピソードから一気に引き込まれた。
わりと序盤に真相は明かされ、接している人たちがじつはまともではないとわかるのだが、それが真実なのかどうなのかが曖昧なのがとても面白い。
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女子は敷居を跨げば七人の敵あり(2020年製作の映画)

2.7

女子高生モノ、映画の撮影、8ミリ、とどストライクな好みの要素が揃っていて、ここまで楽しめないものなのか、と逆に驚いた。
設定もキャラクターも台詞も、何もかもが作られている感が強い。
彼女たちの青春の一
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いちご飴(2020年製作の映画)

3.1

小学校低学年向けの絵本をそのまま映画にしたような感じながら、描いているのはかなりシビアな内容で、そのギャップは面白いなあと思った。
あくまでも幼い子供のモノローグという形を取っているので本当のところは
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ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

4.7

意味がわからないけれど圧倒的に面白いという映画がこの世にはごく稀にある。
これは間違いなくそういう一本だと思う。
主人公がオスカーということはわかる。彼がいろいろな人生を演じているらしいのもまだわかる
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オールド(2021年製作の映画)

4.1

風呂敷を広げるのは抜群に上手いのに、畳むのが下手。
というのが、シャマラン映画に対する印象だったので、これは上手く収めたなあと感心した。
これだって賛否両論は出てくるかもしれないが、ほかのシャマラン作
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岬のマヨイガ(2021年製作の映画)

4.3

田舎や老人の持つ根本的なやさしさが伝わってくるとても愛しい映画だった。
お婆ちゃんも田舎も、ユイやひよりの、そのままの姿を受け入れ、何も否定しようとしない。
「そのままでいいんだよ」と語るようにそばに
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イカリエ-XB1(1963年製作の映画)

4.4

こんな挑戦的でスリリングなSF映画が、1963年に作られていたということに驚いた。
セットや映像こそやや時代を感じさせるものの、内容はいま観ても色褪せず、古臭さを微塵も感じさせない。
宇宙船という逃げ
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弱虫ペダル Re:GENERATION(2017年製作の映画)

4.1

相変らず編集が抜群に上手いなあと思った。
テレビアニメを見ていたファンを喜ばせたい。でも、初めて観る人を切り捨てたくもない。
そんな製作者の思いがひしひしと伝わってくる。
今回のテーマは、世代交代と凡
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鳩の撃退法(2021年製作の映画)

3.5

ここまで計算し尽くした脚本ってのは、最近の映画では珍しい。
ほとんどすべてのシーンが伏線になってて、しかもきっちり最後にまとめてみせたのは素直にすごいと思った。
夜中に喫茶店で会話した相手が家族で失踪
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劇場版 弱虫ペダル(2015年製作の映画)

3.4

話はコンパクトにまとまっているし、レースは相変らず熱くて面白い。
ただ、今回のは人間ドラマの部分の比重がかなり大きく、その点ではやっぱりテレビアニメを見ていた人向けなんだなって気はしてしまった。
特に
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モンタナの目撃者(2021年製作の映画)

4.1

事件に関係している(だろう)人々の様子を断片的に描くことで、全体として話が進んでいくという構成が秀逸。
あれ、これって誰の話? とか、これはどこに絡んでくるんだ? とか思っているうちに自然に引き込まれ
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.5

普段、気づかないでいるだけで、こういう社会的貧困の問題は現実に間違いなく存在する。
その問題はあまりにも切実で、重く、だからこそ、その現実を前にしては言葉を失うしかない。
仕事がしたくてもできない人。
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.4

前作は役所広司演じる清濁併せ呑んだ大上刑事の悪人ぷりが何より印象的だった。
が、今作にはその大上刑事はいない。代わりに、強烈な印象を残しているのが、鈴木亮平演じる上林だ。
ルールや常識など一切無視して
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弱虫ペダル Re:ROAD(2015年製作の映画)

4.0

原作は未読。アニメはちょっと見ていてという前提で。
出てくる人がこれでもかってぐらい強烈なキャラクターばかりで、しかも全員、そのキャラを貫いた生き方をしている。
この人ならきっとこうするってことをやっ
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私たちのハァハァ(2015年製作の映画)

4.1

ノリノリで無敵な感覚って、女子高生ならではの特権なんだろうなあと思う。
この年頃の女の子で、彼女たちと同じように感じる子はきっと多いだろう。
でも、それはおそらく絶対的なものではない。
怖いもの知らず
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西北西(2015年製作の映画)

4.2

周囲に合わせるってことは、人に気を使えるってことでもある。
自分以外の人のことを考えて行動できる人間を否定する人は誰もいないだろう。
でも、そうすることで自分が否定されてしまうとしたらどうだろう。
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ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)

4.0

ほとんどのシーンを解剖だけで見せるというのは面白いなあと思った。
解剖シーンがリアルなだけにかなりグロいのだけど、死体を暴ければ暴くほどに謎が出てきて、さらに解剖すると謎が紐解けていく、というのはミス
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こはく(2019年製作の映画)

3.4

親子って何だろうなあ、ということを考えさせられた。
子供にとって親は、厳然としてそこにある「親」でしかない。
けれど、よく考えてみれば、親にも過ごしてきた人生の物語はあって、親であることはその物語の一
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ゾディアック(2006年製作の映画)

4.4

劇場型犯罪の代表格と言ってもいいゾディアック事件を、こんなにも面白く映画として仕立てあげたことに驚いた。
警察も新聞記者もみんな、わずかな手がかりから、必死になって犯人を追う。
でも、どうしても最後ま
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