ギルドさんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

ギルド

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荒野にて(2017年製作の映画)

3.9

抑制が効いたロードムービー。
主人公が一体何をしたんだ・・・ってくらい扱いが酷くて見てて辛い映画でした。岬の兄妹のようなプライド故に自分の力で何とかしようと奮闘する姿は、背中や表情から見える彼が持つ孤
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ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)

2.6

薬物依存の脱却は難しいし痛々しい。自慢の息子をなんとか支えようとする親の大変さ。貫禄あるティモシー君とスティーヴ・カレルの演技…全体を通じて悲しくてやるせないけど同時に美しい映画で演技の良さも光ってい>>続きを読む

愛がなんだ(2018年製作の映画)

3.6

恋愛をロマンティックに魅せず、もっと地に足のついた雰囲気と男女の価値観から一歩引いた人間の善意を問う映画で色んな意味でビックリした作品です。
てか大学生の時に付き合っていた時のぐだぐだ感とその居心地の
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シークレット・サンシャイン(2007年製作の映画)

4.1

韓国映画巡り第4弾。バーニング劇場版が面白かったのでイ・チャンドン作品繋がりで鑑賞。

面白いというよりは為になる興味深さと見せ方の上品さ・繊細さで楽しめるタイプの映画で、社会派で悲しいけどどこかキャ
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バイス(2018年製作の映画)

3.6

今回もラフ目に。

政治のテーマとしては全然違うけど、雰囲気は華氏119に近い感じかな。ドキュメンタリー調で政治の駆け引きの重みはピンと来なかったし伝える内容自体に大きな捻りはないけど、終始飽きさせな
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岬の兄妹(2018年製作の映画)

4.4

足が不自由な兄:良夫が解雇されたのをきっかけに自閉症の妹:真理子を使った売春を斡旋し生計を立てる・・・が、売春による生計を通じて妹:真理子が少しずつ変化をしていくフィルムノワールな一作。
貧困 / 障
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オクジャ okja(2017年製作の映画)

4.3

ビジネスと動物の倫理の背反する内容をこの設定と世界観のトーンが皮肉なくらいにマッチしている衝撃的な映画で見終わった後にしばらく立ち上がれなくなりました…
豚のいた教室を彷彿させる映画ですが、豚肉が食べ
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チェイサー(2008年製作の映画)

3.8

事実は小説よりも奇なり。と言える陰鬱で胸糞悪いフィルムノワール作品で、特に猟奇的な描写のエグさが強烈ですね…見終わった後に気が滅入ったかな。
レインコートキラーことユ・ヨンチョルのソウル20人連続殺人
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LEGO(R) ムービー(2014年製作の映画)

4.0

気持ちラフめにレビュー

 子供心をくすぐる画のタッチが良いね!ストップモーションっぽい雰囲気はレゴを題材にしたテーマとマッチしているし、普通にレゴの世界観のスペクタクルさは侮れないほど壮大な上に一部
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.4

映画を見るにあたって予備知識を仕入れることはあまりしないのですけど、この映画については「たまむすび」の町山智浩さんの説明を聞いてから見た方がより楽しめると思います。歴史的な背景 / 映画的な歴史の推移>>続きを読む

渇き(2009年製作の映画)

3.5

敬虔な神父が吸血鬼へ転生し、吸血鬼の性に苦悩するフィルムノワール作品。ストーリーの運ばれ方よりも映像で魅せるシーンやシーンに込められた意味合いにエッジが効いてて、そこが良かったです!

 本作の映像面
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.1

戦争映画だけれども戦争映画らしくない小さな幸せと温かさが沁みるところが良かったです。
もちろん舞台が舞台なので凄まじいシーンや惨いシーンはあるけれども、戦争の善悪を問うのではなく戦争を通じた悲劇とそれ
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あまくない砂糖の話(2015年製作の映画)

3.6

最近、ダイエットを始めるようになった私ですが興味本位で見て絶句した映画です・・・(笑)

 スーパー・サイズ・ミーと語り口は似ているけれども、それに比べるとオシャレというか上品というか分かりやすいとい
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アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

4.9

これほどまでに人間の内面や成長を繊細に映した映画はあるのだろうか。これほどまでに成長の原動力に人間らしさを持たせたドラマがあるのだろうか。

 人間の本音をちょっとした表情の変化で示したり関係性を紐解
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セッション(2014年製作の映画)

4.9

音楽を通じた対話(セッション)とカタルシスの現出を狂気的な音楽の完璧主義と鬼の演技で成し得た傑作です!
ハングリーな夢見る主人公と鬼教官フレッチャー先生とのやり取りで見える「夢を追いかける者とそれを見
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

4.4

まさかのヴェノムのエンドロールで見た光景がここで繋がるとは誰が思うのだろうか・・・
これ凄いって!!アカデミー賞を受賞するのも納得が出来るほどの革新的な画作りにただただ圧巻されました…

 CGも凄く
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

4.9

正に圧巻されるアクションのフルコース。
目の前の映像に夢中になり、子供の頃のワクワクさを取り戻してくれたこの映画は見ているだけで自然と笑みが零れてしまう。そんなカッコいい映像やアクションが散りばめられ
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運び屋(2018年製作の映画)

3.9

クリント・イーストウッド氏の作品は「ハドソン川の奇跡」しか見ていないのですが、ハドソン川の奇跡が2016年の見た映画の中でもトップ3に入るくらい良かった記憶があります。

 この映画も楽しみにしていた
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サンセット(2018年製作の映画)

4.5

私が大好きなとあるYouTuberが2016年ベスト映画ランキング7位にノミネートした「サウルの息子」のネメシュ・ラースロー監督の新作と聞いて楽しみにしていた作品です。

 フレーミングと撮影の仕方が
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シンプル・フェイバー(2018年製作の映画)

4.3

色んな意味で驚かされた映画でした!予告編を見るとゴーン・ガールを彷彿とさせるエッジの効いた失踪サスペンススリラーものと思ってましたが、それに比べればライトなトーンで笑える映画ですね!
ゴーン・ガールぽ
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アンダー・ザ・スキン 種の捕食(2013年製作の映画)

4.7

人間が容姿について意識・判断するのと親切と下心の境界の曖昧さという人間の本質的な考えを宇宙人の視点から見たSF映画です。他の映画と比べて居心地が悪く癖の強い映画ではありますが、個人的には伝えるメッセー>>続きを読む

アナザー プラネット(2011年製作の映画)

4.1

SFと贖罪を題材にしたヒューマンドラマ映画で、何を映すか?ではなくどう映すか?で映画の世界が素晴らしくなるかを端的に表した素晴らしい映画だと思います。
 
  映像の中の色や風景に記号らしきものが散り
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洗骨(2018年製作の映画)

4.7

ガレッジセールのゴリさん?ワンナイの落武者/松浦ゴリエを演じたあのゴリさんの映画?と聞いて、居ても立っても居られずに映画館へ駆け込みました。見た感想ですが想像をはるかに上回る面白さで、笑いあり涙ありな>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

3.9

人種差別を題材にした映画だけど、そんな要素もありつつもドン・シャーリーという一人の人間の持つ人種差別/存在意義ゆえの孤独を描いていて、それに対するトニーのがさつだけど微かな温かさが彼の心を溶かす感じは>>続きを読む

天国でまた会おう(2017年製作の映画)

3.0

予告編が面白そうだったので鑑賞。セットデザインの奇抜さとカメラワークがなかなか良かったしキャスト陣の演技が面白くて、見てて楽しい映画でした。
 
 顎が欠けたエドゥアールの仮面の画作りが絵本のようなコ
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ちいさな独裁者(2017年製作の映画)

3.8

持たざる凡人が権力者の味を占めるとどうなるのか?というのを体現した映画で、これが実話に基づいた伝記映画であることが信じ難いくらいショッキングな作品でした。

 21歳の脱走兵が大尉になって冷徹で残虐な
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アリータ:バトル・エンジェル(2018年製作の映画)

3.8

徹底された画作りが凄い作品でした。原作未読で93年版の銃夢も見ていないので、完全に一つの作品としての感想になるのですけど、スペクタクルな映像の凄みとCGの凄まじさが半端ない122分を楽しめました!>>続きを読む

ビール・ストリートの恋人たち(2018年製作の映画)

3.8

恋愛のキュンとくる純粋さ、映像の美しさ、音楽のクラシカルさ含めて上品な映画で前作「ムーンライト」を踏襲しつつも社会派要素が強い作品でした。ドラマとラブロマンス映画が合わさった今作だけど、個人的には映像>>続きを読む

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

4.3

見えないからこそ先の全く読めないハラハラ感があって、それを視聴者が想像する楽しみと音響と管制官の演技の良さが一番の見どころだと思います!
 
 管制官のアスガー・ホルム演じたヤコブ・セーダーグレンの演
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麦秋(1951年製作の映画)

4.6

東京物語に引き続いて、紀子三部作のこの作品をチェックしました。
想像以上に明るいトーンの笑える映画で東京物語とはまた違った良さがあったし、映像へ引き込む力が凄い映画でした。

 普段から見慣れている光
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エスター(2009年製作の映画)

4.2

前から気になっていた作品ですが面白かった!孤児院で引き取ったエスターの背景と見えざる狂気が少しずつ滲み出てきて、露わになった時の箍が外れた畳掛けが狂っていて良かったです!

 エスターが絡む恐ろしいシ
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(1954年製作の映画)

4.3

見終わった後の感慨深さ、抗えない性からの哀愁さが物凄い作品でした…

 ジェルソミーナとザンパノのやり取りで見える不安・卑屈・孤独・粗末さ・愛されて欲しい…などの"人間が持つ悲しい性"を感じ取れる映画
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セルピコ(1973年製作の映画)

3.7

正義を貫く難しさと現実の非情さに抗うドラマ映画。

 蔓延している汚職を告発する一人の刑事を追ったストーリーであり、実話に基づいた話もあってか凄く生々しいです。そこから見える正義と利得が相反すると共に
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.3

ラ・ラ・ランドにも出演したエマ・ストーンがあんな小悪魔キャラになるなんて…と軽く絶句してました(笑)

 この映画も人間の心情のエグい暗さを描いているけど、それと同時に心の複雑な壁をラブコメで表現する
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エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

4.8

人との思い出はかけがえのないものであり、価値のある物は日が経つにつれて重みを失う・それと同時に失いそうになることで重みを増すメッセージ性が凄まじいラブロマンス映画でした。個人的にラブロマンス映画として>>続きを読む

ファースト・マン(2018年製作の映画)

2.9

デイミアン・チャゼルとライアン・ゴズリングのタッグ作品で前から凄く楽しみにしていた作品です。

 セッション/ラ・ラ・ランドで良かった音響が、この映画でも存分に発揮されていて映像と音響によるリアリティ
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