bluemercenaryさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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怪物(2023年製作の映画)

4.0

シングルマザー・早織の視点、担任教諭・保利の視点、当事者/湊と依里の視点から語られる物語は、その主軸が代わる度に殴られた。
その数回の劇変、時間軸と並行軸の変化の中で次第に可視化されていく真実 ―― 
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GOLDFISH(2023年製作の映画)

4.0

フライヤーの監督クレジット/藤沼伸一で「あれっ」ときて、物語が始まって間もなく「アナーキーじゃん」と。

勢いだけじゃ生きていけない、才能は先細り、感性は鈍り、眩さは色あせていく。
闘っていたのか、躍
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EO イーオー(2022年製作の映画)

4.0

サーカス団でカサンドラと名コンビだったロバのEO。
或る日、動物保護団体の抗議でサーカス団から引き離されロバ牧場に収容されてしまう。
逢いに来てくれたカサンドラを追うように牧場を逃げ出したEOは、数奇
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警官の血(2022年製作の映画)

3.5

佐々木譲の大傑作同名小説の映像化。
原作は親子3代/3世代にわたる大河ドラマだったのに対して、こちらは父親部分を限界までシェイプした親子関係をあくまでも軸の一つとした物語。
だからと言って物足りない事
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ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

3.0

外征から帰還した国王である父オーヴァンディルと成人儀式を執り行った王子アムレート。
その直後、叔父フィヨルニルよる急襲でオーヴァンディルは殺害され、母・グートルン王妃は連れ去られ、アムレートは辛くも島
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THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

4.0

前作にも通じる前日譚から始まった物語。
襲撃を受けた研究所アークを唯一生き延びたのは魔女プロジェクトの実験体の完成体"少女" ―― 偶然に知り合った牧場主ギョンヒに保護される。
魔女プロジェクトはユニ
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渇水(2023年製作の映画)

4.0

街も人も渇いていたが、一番渇いていたのは岩切の心。
それを見透かされたから妻子が家を出て行き、彼自身も自縄自縛状態で打開の糸口が無かった。
"解っているけど、どうすれば" ・・・・・そこに現れたのが小
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65/シックスティ・ファイブ(2023年製作の映画)

2.5

ワンパターンの脚本に、ワンパターンの恐竜の面々。更にお約束で装備品が陳腐。
サム・ライミ制作でアダム・ドライバー主演の触れ込みが無かったら・・・・・・('◇')ゞ
酷評半端ない訳だ。

波紋(2023年製作の映画)

4.0

タイトルの"波紋"は、一人一人の"結界"的な感じ、メタファーだと理解しました。
修が失踪したのは放射線ではなくて依子。―― 拓也の指摘はほぼ正しいと思う。
誰もが波紋持っていて、依子の行動/言動が修も
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オオカミ狩り(2022年製作の映画)

3.5

飛行機で護送された犯罪犯を狙った自爆テロを受けて、政府は貨物船での犯罪者を護送する事に。
ベテラン刑事の同船と遠隔監視の対応をしたものの、護送される凶悪犯の配下が船員として乗り込んでいた。
出航と時同
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最後まで行く(2023年製作の映画)

4.0

追い込まれた男二人はやることなす事が悪い方向に。
周りには使えない人間と、純真無垢な人間と、悪党。
中々死なない・・・・・否、死ねない矢崎の執念が凄まじかった。
バイオレンスで、サスペンスで、少しノワ
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アイ・アム まきもと(2022年製作の映画)

3.5

ぶっちゃけ発達障害であろう牧本は、自費で無縁な故人の葬儀を出していた。
葬儀は誰の為? ―― 大多数が遺族の為と云う処、彼的には、どんな生き方であろうが故人が生きた証の最期として、それぞれの"矜持"を
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峠 最後のサムライ(2020年製作の映画)

3.0

司馬遼太郎の原作未読なんでアレなんですが、賛否両論凄い政治家(長岡藩家老)なのが河井継之助。

・藩の中立≒スイス化狙ったものの、手出しさせないだけの軍備は藩の規模からして揃えられなかった。
・交渉相
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.5

シリーズクライマックスは素敵すぎる家族の物語だった。
ネビュラ、クラグリン、宇宙犬コスモ・・・・新しい家族も素晴らしかった。
「エンドゲーム」以降のモヤモヤを全て解消して、アベンジャーズ初期に通じる、
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青春弑恋/テロライザーズ(2021年製作の映画)

4.0

微妙に繋がり、複雑な恋愛感情持ち合わせた若者達の物語が、歪な均衡が一人の離脱によって、いとも簡単に崩壊するのは予想できた。
ただこんな暴走からの悲劇は予想の斜め上行き過ぎてた。
傷つきすぎた若者達の未
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ちひろさん(2023年製作の映画)

3.5

空気相当に読まないと厳しいし、饒舌過ぎる行間の解釈が難しい物語。
色々掘り下げないから消化不良を感じる人多いんじゃないかな。

まぁ、若葉竜也の役は美味しいし、市川実和子は素敵だったし、鈴木慶一はドハ
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高速道路家族(2022年製作の映画)

3.5

サービスエリアを転々としながら、財布紛失とガス欠を口実に寸借詐欺を繰り返し生活していたギウ一家。
彼等にお金を貸したことがある中古家具販売店社長ヨンソンは、サービスエリアで彼等と再会し詐欺を確信して警
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.5

何を比喩したのか、その寓話の意図した処が最後まで解らなかった。
抒情詩的な美しさと神秘性と名優達の競演は素晴らしかったけれど、バリー・コーガンの怪演は相変らずでヤバいっす。

いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

4.0

生後数か月のマイケルを残して、妻はロシアへ帰国し、ジョンは窓拭き清掃員しながら4歳まで息子を育ててきた。
そんなジョンは病を得て、もう長くはない。
マイケルの新しい親候補との面談は当然の懊悩、並行して
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茶飲友達(2022年製作の映画)

4.0

"ファミリー"の中身は空っぽ。
疑似家族が幻想なのはマナ以下スタッフ、キャストの高齢女性も百も承知だった筈。
顧客の空虚を埋めるのは実益と、"必要とされている"自己満足。
やがて来る崩壊は誰もが予感し
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ヴィレッジ(2023年製作の映画)

4.0

日本が抱える数多の闇、縮図を見事なまでに2時間のスクリーンに押し込んだと思う。
シンパシーとエンパシー、どちらも感じられる物語は、残された者たちの先にも絶望しか想像できない令和ノワールでした。

川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

3.5

家族に恵まれず出所したばかりで厭世的な生き方を望んだ山田が、或る意味厚かましく距離感を詰めてくる住人との交流で再生する物語。
その住人その他、一人一人それぞれの背景を行間で語る、如何にも荻上直子監督ら
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大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

2.5

酷評半端ないんで怖いもの見たさで鑑賞したら、予想の斜め上振り切った、観ていて辛くなっちゃうアマチュア劇団並みにスゲー作品でした。
どうせなら上田慎一郎監督にお願いして創った方が、割り切った路線でヒット
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“それ”がいる森(2022年製作の映画)

2.5

ホラー系かな、心霊現象系かな、UMA系かな、と期待していたら宇宙人系。
この手のB級映画は大好物なんだけれど、如何せん軽すぎた。
大惨事の一か月後に和気あいあいとサッカー大会ですか('◇')ゞ