露木薫さんの映画レビュー・感想・評価

露木薫

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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.0

時代はA.D.1万年台。広大で過酷な砂漠の星で繰り広げられる未来時代劇。その星では、地中に巨大な怪物が生息し、地上では資源や支配権を巡る人間たちの各派の思惑が交錯し争いが勃発します。戦闘機を使った戦い>>続きを読む

燈火(ネオン)は消えず/消えゆく燈火(2022年製作の映画)

3.5

ネオン職人というお仕事の世界を知らせてくれて、興味深く味わい深い作品でした。
ネオンの彩る街に活気や懐かしさを覚え、ネオンの灯りに照らされながら、その美しく独創的な造形を愛でながら、幾つもの出会いが生
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カサンドラ・クロス(1976年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

映画自体は素晴らしいと思う。スタントマンさんも相当頑張ったのではないかと思った。ただ、観ていてとてもイライラする映画だった。その原因は軍人だ。この映画に出て来る軍人は全員、この列車に乗った一般人たちが>>続きを読む

ブラック・レイン(1989年製作の映画)

4.7

全国で12/21までの上映なのだが、昔の映画が苦手な人や若い人でも楽しめる要素が沢山あるので、是非一度観てみて欲しい。
松田優作さんの最後のご出演作なのだそうだ。彼のほぼスタント無しで演じたというアク
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ウィッシュ(2023年製作の映画)

3.5

吹替で観賞。表題曲が好きなので観に行った。
随所に掘り下げの浅さは目立つが、紫に金色が映えるカラーリングは綺麗で、クリスマスシーズンにふさわしい作品だと思う。映像が綺麗だったし音楽も良かったので、IM
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メグレと若い女の死(2022年製作の映画)

3.5

地に足のついた良い作品だった。派手なアクションはない。登場人物が怒鳴ったり叫んだりして本心を吐露するという安直な場面もない。被害者は亡くなっているのだから、一言も喋らない。静かに被害者の人生を明らかに>>続きを読む

バッファロー’66(1998年製作の映画)

4.0

私はこの映画が好きだ。今日好きになった。全国で広く身近なシネコンで観られる今回のリバイバル上映はありがたかった。

去年か一昨年にミニシアターで初めて観たのだが、その時は特に好きでも嫌いでもなく名作を
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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

4.5

 挑戦することにはリスクが伴い、とても勇気のいることだ。でも、誰でもいつかは挑戦しなければいけない。勇気を出して。それが生きるということなのだ。
 この作品は、不思議と胸を打つ。冒険に失敗した結果おば
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偽りのないhappy end(2020年製作の映画)

1.9

嫌いな映画だ。
主演二人の演技は頑張っていたと思う。
ただ、監督に対しては不信感を抱いた。若くてかわいい女優をたくさん使いたいからこんな話にしたのかなと感じた。
登場人物たちの誰一人として真っ当な倫理
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(1929年製作の映画)

4.0

大好きな内田吐夢監督の作品ということで、鑑賞しました。弁士さんの語りとピアノ伴奏の録音付きでした。
とても面白かったですし、学びのある作品でした。
厳しい労働をしたことがないと気付けないことというのは
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浜辺のルイーズ(2016年製作の映画)

-

水彩画用紙のような質感に描かれた優しく淡い色使いの風景と、寄せては返す波の音、訥々と語るおばあさんの声、落ち着きのあるカフェやバーのような雰囲気を醸し出す柔らかな音楽に、気付けば夢の世界へと運ばれてい>>続きを読む

FUNAN フナン(2018年製作の映画)

3.5

描かれていたのは地獄だった。実際にあった支配と迫害を描いているので、観るだけの者ですら苦しい。その最中にいた人の苦しみと絶望とは想像を絶すると思う。
かなり終盤まで、自分の息子に会いたいという欲望を口
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DEATH NOTE デスノート the Last name(2006年製作の映画)

4.8

WOWOWで途中から観ました。10代の頃ハマっていました。昔は原作好きなあまり映画もアニメも受け入れられない難儀なファンだったんですが、大人になった今改めて観てみると、結構良かったです。原作では動きと>>続きを読む

ウルフウォーカー(2020年製作の映画)

3.5

★お父さんの気持ちについて後になって色々考えたので、拙いながらも追記しました。

絵がとてもかわいらしい。エンドロールのスケッチから、どのように世界観やキャラクターが練り上げられて行ったかが想像され、
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(1939年製作の映画)

4.8

 内田吐夢監督没後50年に因んだ特集上映にて観賞しました。白黒映画です。
 今回フィルム上映されたのは、それまでに存していたドイツ語字幕付きの版と、そのドイツ版には無いシーンがある1999年にロシアで
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ペイン・アンド・グローリー(2019年製作の映画)

4.5

丁寧に心に染み渡る映画でした。

宣伝では新しい『ニュー・シネマ・パラダイス』と言われていたようで、確かに雰囲気があるのですが、私は『オール・ザット・ジャズ』やその手本となった『8 1/2』の系譜に連
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蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

4.3

観て良かった。静かに心が震え、大切な人や真剣に取り組んだことの思い出が蘇る、そのような時間であった。

本作は架空の国際ピアノコンクールに臨む若者たちを描いたフィクションだ。
原作小説を基に実写映画へ
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リトル・マン(2015年製作の映画)

4.3

EU Film Days 2020でチェコから出品の人形劇。アナログの粋を極めたような感嘆の映像。含蓄ある物語。素敵な音楽。


冒頭から黒沢明の『羅生門』の藪の中のような不穏さが伝わって来て、どんな
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ケースのためにできること(2014年製作の映画)

4.5

EU Film Days 2020 オランダから出品のドキュメンタリー映画。今年は青山シアターで6/25まで配信。

青山シアター公式サイトのモニーク・ノルテ監督のメッセージ動画をご覧になってから鑑賞
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メルテム 夏の嵐(2019年製作の映画)

4.0

EU Film days 2020 ギリシャの監督からの出品。今年は青山シアターで6/25まで配信。

青山シアター公式サイトのバジル・ドガニス監督のメッセージ動画をご覧になってから鑑賞すると良いかも
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名探偵ピカチュウ(2019年製作の映画)

4.3

金ローの録画で鑑賞しました。

映像がすごい!
楽しい!
ポケモンたちかわいいしかっこいい...!
エンドロールの音楽と絵が...懐かしくて胸に込み上げるものがありました。
アクションもちゃんと筋道が
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英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2018/2019「ドン・キホーテ」(2019年製作の映画)

3.5

ロイヤルバレエのプリンシパル高田茜さんの精確で上品な踊りが好きなので、初めてロイヤル・オペラ・ハウス シネマを観に行ってみました。

『ドン・キホーテ』という演目を初めて観たのですが、今まで悲劇のバレ
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ボリショイ・バレエ in シネマ Season 2019-2020 「白鳥の湖」(2020年製作の映画)

4.5

大好きな『白鳥の湖』。
キエフ・バレエの公演で初めて観た時、ジークフリート王子の高貴でありながら素朴な清廉さや、見た目に騙されて内面を見抜くことの出来なかった失敗を悔い改めて謝り償いに行く潔さに、感動
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

4.5

 2年前(2018年)にシネマサンシャイン系列で開かれた、ファン投票で選ばれた映画のIMAXリバイバル上映企画「IMAXカーニバル」で、初めて観ました。
 トム・ハーディの独特の演技に惹かれ、彼の出演
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ピノキオ(1940年製作の映画)

4.5

 繊細で温かみがあり、とても好きな絵柄のアニメーションである。短い時間ながら、舞台を室内から町中、サーカス、遊園地、海へと移して行き、それぞれの場面が丁寧に描き上げられていると感じた。

 キャラクタ
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母との約束、250通の手紙(2017年製作の映画)

4.0

宝塚で初めて観てから数ヵ月後の9月1日、新開地にて再度鑑賞した。

批判されるかもしれない。だが正直に自分の感想を書く。

こんなに親に期待されるなんて羨ましい。
期待をかけられる人生も辛いが、挑戦を
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マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)

4.0

演技が素晴らしい。
美術や風景にも目が行く。
物語を彩る静謐で洒脱な小室内音楽にも心整えられる。

以下に、個人的な感想文を記す。

本は、それを読むことによって己の無知を知る謙虚さと、活字という限ら
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