Adachiさんの映画レビュー・感想・評価

Adachi

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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

2.5

本作の始まりで、麦と絹が交互に喋り出す一幕。「デート&ナイト」という映画の冒頭で、レストランで近くの夫婦を茶化して喋り倒すティナ・フェイとスティーヴ・カレルを連想した。これは特にアメリカ映画でよく見ら>>続きを読む

約束のネバーランド(2020年製作の映画)

1.1

ダサい、長い、間違いない。

終始中学生が寝る前に考えたような作品で、ディテール面も演出面もまるで学芸会を見せられているような感覚で本当にキツかった。

出演者の子たちが大人になってこの映画を見返した
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朝が来る(2020年製作の映画)

4.7

とても上質なドキュメンタリー映像のような画作りで、細かい部分を洞察する間もなく一気に画面に引き込まれた。養子縁組というデリケートなテーマを扱いながらしっかりそれぞれのドラマの掘り下げ方も丁寧で、鑑賞前>>続きを読む

スパイの妻(2020年製作の映画)

5.0

劇中の蒼井優の言葉を借りれば「お見事です」としか言えない。これ程までに完成度の高い映画はそうそう出会えないんじゃないのかと。

史実をベースにミステリーを活かした唸るほど上質な演出。役者陣が発するセリ
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望み(2020年製作の映画)

1.5

このレビューはネタバレを含みます

やりたい事はわかるけど中身が無いといいますか、なぜこの人物がこう動くのか、なぜこのお話がそう進むのかといったディテールがもの凄く適当だと思う。
とにかく場面のどれもが冗長で、悩んだり悲しんだり何かを決
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2分の1の魔法(2020年製作の映画)

2.7

要するにコレ「行って帰ってくる」お話なんですが、その道中に起こるアクションの中でちょっとした伏線を次々と回収してくれるのがシンプルに嬉しいです。

確かに兄のバーリーは余計なことばかりする。しかしなが
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ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

容赦ない剥き出しの描写により、鑑賞者の倫理観を逆撫でしてくる感覚。それらの豊かなイメージによって多様な解釈を許容できる傑作でした。

コインケースだったり、死体建築だったり、本作の異質で不条理な恐怖を
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アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

4.9

どうしてこんなにも激しく胸を打たれるのでしょうか、忘れてしまったあの頃の感情が地続きに現在の現実と結合するからなのか。

他者への応援により、その誰かの勝利や成功を願うと共に、その向こうに薄く透けて見
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思い、思われ、ふり、ふられ(2020年製作の映画)

2.8

映画の冒頭から主要人物四人それぞれの心の声を押し出してくる。その異様すぎる構造に若干の気持ち悪さすら感じていたのですが、これは「口に出すか出さないか」の話なのだということが次第にわかってくる。高校生の>>続きを読む

コンフィデンスマンJP プリンセス編(2020年製作の映画)

3.0

実はこうでしたと種明かしをされたところで、その規模の仕掛けを成立させる骨格のディティールがあまりに不明瞭なまま「展開のための展開」に話が進んでいくので、騙す側も騙される側も段々バカに見えてくる感は否め>>続きを読む

海底47m 古代マヤの死の迷宮(2019年製作の映画)

4.0

身構える必要はなく何も考えなくても楽しめる一方で、見事に重層的な構造を繋ぎ合わせており、サメ映画の中でも突出して良い映画だと思う。

まさかの水中で流れている曲(その選曲)、アラートという音の演出、そ
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ナイチンゲール(2019年製作の映画)

4.2

アボリジニ人のビリーが「君も食卓につきなさい」と言われて流す涙の理由、、、彼のほとばしるあの一言が痛烈に刺さる。
まるで「まさか映画を見ているお前ら、ありがたいと感謝してるとでも思ってたのか?」とでも
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来る(2018年製作の映画)

4.5

こんなこと言うと神経を疑われそうだけどめちゃくちゃ元気が出る。
もう好きすぎてどうにかなっちゃいそう。

映像的に何が起こなわれるのか、何が現れるのかという超怪異的で甘美な緊張が持続する多幸感、バキバ
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今日から俺は!! 劇場版(2020年製作の映画)

1.1

観た自分が悪い。それは大前提ではあるのですが、この作り手は一体いつまでこういうことを続けるのだろう。

映画的表現が「意味」を成す結晶だとすれば本作はまさにその対極に位置するものだと僕は思う。別にテレ
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新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

4.3

物語を進行していく上で「利他的/利己的」な人物がハッキリと分断されており、主人公自身初めは自分と娘のことしか頭になかったハズが、マ・ドンソクの利他的な行動により、「自分も他者を助ける」という連鎖の広が>>続きを読む

透明人間(2019年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

目を開くというアクションから始まる説明やセリフ無しのオープニング脱出シークエンスに一気に引き込まれたのですが、これって「見ること/見えないこと」の対比で恐怖を描いている映画として圧倒的に正しいと思う。>>続きを読む

MOTHER マザー(2020年製作の映画)

4.1

聞きしに勝る長澤まさみの自己中モンスターマザーの怪演がとても不愉快で、「母」と「女」の変化が「敬語〜タメ口」などの微妙なセリフのその切り替わるタイミングで上手く表現させており、男や息子に依存する堕落さ>>続きを読む

ランボー ラスト・ブラッド(2019年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

【ランボー】とは僕にとって、「ランボーってまだ続いてるの?」「まだそんなことに拘っているの?」「もう終わってるから」とは決して言わせない、という人々の気持ちを代弁する映画なんです。
同時に、だからこそ
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

映画全体の常に何かに囚われている、常に外部から見られているという、どこか纏わりつくような不穏性と不安定さが、終始その根底に横たわり続けるわけでして、演出、音響、音楽の不愉快さに、エンディングでNG集で>>続きを読む

ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

本作はカメラワーク、色使い、音響、登場人物の視点、ありとあらゆる方法で観客に生理的な嫌悪感を抱かせる。
映画館という閉鎖空間の中で鑑賞していることも相まって、いい意味で久しぶりに映画を観ている途中に席
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イエスタデイ(2019年製作の映画)

1.8

このレビューはネタバレを含みます

この映画を観てビートルズや音楽を好きになる方が居るのは冗談抜きで、本当に素晴らしいことだと思うので、以下の戯言は燃えるゴミとかと一緒に燃やして、焼き芋でも焼いちゃってください。

ビートルズの認知が消
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アナベル 死霊博物館(2019年製作の映画)

4.1

死霊館シリーズ史上最高に楽しかった。
ちゃんとホラーでありながら、鑑賞後はとても優しい心地よさが残る。然るべき解説者が居れば、子どもへの教育的にも良いんじゃないかなと思うほどの心配りの丁寧さと、物語の
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蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

4.3

「ジョン・ウィック」を鑑賞するつもりでしたが、時間が合わずこちらを選びました。
結論から言うと、もうめちゃくちゃ良い映画だったし、めちゃくちゃ感動しました。

この映画は天才達の話ではあるのですが、た
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.9

大袈裟ではなく、たかが映画で人間の心と歴史を変えてしまいそうな大傑作だった...たかが映画で。

アーサーの「悲劇」は「喜劇」となり、そして強烈な何かが起こる。

すでに伸びきったバネを更に千切れるほ
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宮本から君へ(2019年製作の映画)

4.5

めちゃくちゃ元気が出るし、なんならもう元気しか出ない。

これは真利子哲也流の「そして父なる」お話であり、【ディストラクション・ベイビーズ】からの続く暴力への解答なのだと思った。

僕は基本主人公が努
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

5.0

もう好きすぎて言葉にならない。
死ぬまで見続ける映画なんだと思う。

どうしてこんなにも胸を打たれるのでしょうか。
改めて映画(おとぎ話)とは、個人の認識の範疇において、計り知れない多様性に溢れており
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天気の子(2019年製作の映画)

4.7

賛否あるみたいですが、個人的には相当刺さりました。
新海誠作品の中でも一番好きです。

言わずもがなではありますが、やはり象徴的なのは全体の「画作り」でして、物語は病院の窓を流れる水滴から始まり、強く
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見えない目撃者(2019年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

皆様の高評価とグロ描写に惹かれて鑑賞(なんか社会人として色々アウト)

個人的に犯罪の方の調査による真実味がイマイチ感じられない部分に納得できなかったりするわけですが、それでもこの映画は全編通して優し
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あの頃、君を追いかけた(2018年製作の映画)

4.0

嫌いじゃない、、、むしろ好き。
基本恋愛映画はあまり観る気しないですが、こういう映画ならずっと観ていたい。

‪もちろん誰でも「やり直したい過去」はある。ただ一方で例えば自分が過去に戻って全ての選択
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怪怪怪怪物!(2017年製作の映画)

4.7

こんな映画を前・前・前世から僕は探し続けておりまして、この『怪・怪・怪・怪物』という映画は、僕の中で忘れられない大・大・大・大・大傑作となりました。

食人鬼的な怪物ホラーなのはもちろんコミカルな味付
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ザ・ファブル(2019年製作の映画)

1.2

劇中「大抵のことは知恵と工夫次第で乗り切れる」的な、素晴らしいセリフがあるわけですが、「知恵と工夫が無ければ、こういった映画が出来上がるんだ」という、ある意味ダメな邦画のお手本となる作品だと思った。>>続きを読む

イコライザー2(2018年製作の映画)

4.8

とても素晴らしい映画に出会ってしまいました。ストーリーも暴力描写も本作の全てが好み。
もう一度言います。とても素晴らしい映画だった。

この手の「舐めてた奴が実は...」映画につきものの、オープニング
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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

満月の下に凍てつく大地を少女が必死に逃げているオープニングタイトル、山羊を狙う狼を一匹は撃ち一匹は逃がすコリーの仕事、彼と元妻らしき女性が子をよりよく育てようとしてのやりとり、息子に教える先住民式の馬>>続きを読む

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.5

ある種の現代的コミュニケーションを絶妙な映画的演出により繰り広げられる場面場面に、わたくしのような「人と関わりたいくせに踏み込まれすぎると嫌」なワガママクソ野郎の心に見事に刺さりまして涙が止まらないの>>続きを読む

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.9

なるほど、愛のある表現とはこういうことかと思い知った。

顔合わせの一幕を締める日暮監督の困り顔にふと多幸感を覚え、そうか、皆(世の中)がこの映画を好いているのは、全ての人、大仰に言えば森羅万象への愛
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ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

4.5

感傷的な描写の数々が、気にならないばかりか物語の軸になっているようにすら感じられて、所謂「泣くポイント」が悲しくて泣くのではなく、嬉しくて感動できる構造で、いい意味で裏切られた。想像していたよりずっと>>続きを読む

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