Adachiさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

Adachi

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万引き家族(2018年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

この家族の関わる汚くも愛おしい世界をいつまて観ていたい。そう思った。

家族とは結局、個の集合体で、自らが選択した集団生活こそ本当の家族の在り方であり、そこにこそ人間らしさが生まれる。
「家族の定義」
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デッドプール2(2018年製作の映画)

4.4

『万引き家族』と迷ったのですが、こちらも家族映画でしたね。

もうめっちゃ元気が出る。というか最早あらゆる意味で元気しか出ないっす。このバカ映画。

スクリーンから直接的に観客に喋りかけてきたり、映画
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火垂るの墓(1988年製作の映画)

4.5

そういえばこの映画大人になってから一度も見てない、というか避けてた...今見たらどんな気持ちになるのだろうと。当時とはやはりまた違った感情を抱いた次第です。

「任務完了」って、正しさと正しさのぶつけ
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リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

2.8

久々レビューで微妙な点数ごめんなさい。(久々すぎて操作忘れてる)

ギターの弦を滑らし爪弾き響かす表現等は、もう流石はピクサーとしか言いようがないクオリティーの高さで脱帽したわけですが、本作における「
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アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)

3.5

年齢層の高い役者陣によるこのシリーズは、所謂アクションの代わりが怒号や啖呵なんだなと思いまして、アクションと違ってカット割りや吹替ができないから却って難しいよね。ついでに車が走るシーンが多いのも足で走>>続きを読む

散歩する侵略者(2017年製作の映画)

4.4

なんというか黒沢清という人の視点とセンスは本当に素晴らしい。
人間の頭の中から様々な概念を奪い、直接それを自分のものにしていく。「自分・他人」だったり「所有する」という概念を奪い取られた被害者たちは、
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君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)

4.1

ハッキリ言って観る前は舐めきってました。個人的には相当刺さりました。なんというか物語も情景も非常に美しかったです。

描かれている事は特別新しい何かをしているわけではありませんが、ストーリーも起承転結
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ダンケルク(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

例えば映画は「詩」とかに似ていて(詩について全然知りませんが)、登場人物の感情の掘り下げを描く作品が叙情詩。またある事象に対してストーリーを構築された作品が叙事詩。だとすれば、本作は自然の風景などを主>>続きを読む

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)

4.3

なんといってもワンダーウーマンを演じていた、ガル・ガゼットの魅力に尽きるのかと。
今思い返せば、すでに『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』で彼女が演じたワンダーウーマンは、MCUと比べて
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ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章(2017年製作の映画)

2.3

原作をうまく抽出しようと「頑張ってるな」という印象です。ただその反面、独特な世界観をなぞろういう意識が強すぎて、実写「映画」としての意匠やケレン味が少なく、なんだかとても無難に作られた映画だったなとい>>続きを読む

スパイダーマン:ホームカミング(2017年製作の映画)

4.3

これ今までスパイダーマンシリーズの思春期学生ものよりさらに若い。もう”ジュブナイルもの”といっても差し支えないくらいお馴染みのピーター・パーカーは純真で無垢な少年でした。キャプテン・アメリカからシール>>続きを読む

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(2017年製作の映画)

4.3

確かに「思っていたのと違った」という感想もよくわかる。予告やジャケットを見るだに、「夏」「田舎」「地方」「青春」「恋愛」「学生」などという最近よくあるやつ。例えばアイドルが「趣味はアニメです!夢は女優>>続きを読む

ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

4.2

冒頭、元小学校の音楽教師である父親ヴィンフリートの暮らす家へ男の子がピアノのレッスンを止める旨を伝えに来るのですが、その理由は「練習する時間が無いから」という。確かに自宅で練習しないんじゃピアノを習う>>続きを読む

ライフ(2017年製作の映画)

4.0

同じ火星系映画でいうなら、例えば去年公開された『オデッセイ』が、人間による科学の力や知識の蓄積を武器に逆境に立ち向かう「人間様を舐めんな」系映画だったとすれば、本作はまさしくそのカウンター的な、火星の>>続きを読む

ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

4.1

安定の楽しさといいますか、安定のアホらしさともいいますか、今作の『コンチネンタル・ホテル』と呼ばれる凄腕の殺し屋たち御用達な宿泊施設が存在することと、そのホテル内において、殺しや争いはしてはならないと>>続きを読む

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)

5.0

物語のテーマ性や戦場の臨場感のクオリティに関しては言わずもがな。加えてシリアスとコミカルの絶妙な作劇バランス。前後半に分けられた構成においてのキャラクターの描き方とキャスティング。小道具の配置や、その>>続きを読む

灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.7

凄まじい「真実」に打ちのめされ、ただただその真相に呆然とする。本作の優れている点は真実が明かされた瞬間に、断片的にあった部分の全てが一本の線で繋がるという構成力の高さ。
母と娘のパートが交互に描かれて
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(2006年製作の映画)

4.5

もう間違いなく黒沢清の作品において、廃墟は不可欠な存在であるわけでして、一体どこで見つけたのだろうかと疑問に思えるほどに美しい廃墟がどの作品にも必ず登場します。そして驚くことにその廃墟のほとんどが東京>>続きを読む

こどもつかい(2017年製作の映画)

1.0

ビックリするほどのつまらなさ
タッキー&つまらなさ(…すません)

映画内に配されたストーリーもテーマも映像も、その全てが陳腐という言葉に尽きると思う。タッキーが纏う衣装や小道具は、これ冗談抜きでスタ
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キング・アーサー(2016年製作の映画)

2.8

良くも悪くもとにかく「ガイ・リッチー」らしい作品だと思う。ガイ・リッチー演出のスローモーションや早回し演出が好きな人は堪らなく楽しいだろうし、苦手な人はひたすら怠いだろうし、僕はどちらかといえば後者で>>続きを読む

昼顔(2017年製作の映画)

4.1

ドラマは未見ですし、ハッキリ言って相当舐めてました。はい、すいません。

まるでラブコメ映画のワンシーンのようにポップに描かれる不倫密会シーンを観客が微笑ましく眺めていると、突然「現実」はクラクション
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天空の蜂(2015年製作の映画)

2.0

クソ生意気なことを申し上げますと、この映画「やりたいことは理解できるけど、とにかく全てがうまくいっていない」という点に尽きるといった感じでして、ことあるごとに情緒的な音楽とスローモーションに乗せて、ひ>>続きを読む

ちょっと今から仕事やめてくる(2017年製作の映画)

1.7

なんというかこの映画内で会社から受ける不条理の描写が全て”結果”であって、主人公が抱える絶望の部分の具体的な過程の描写がイマイチ見えないので、この映画に一番必要な「主人公への共感」を得られないことが致>>続きを読む

22年目の告白 私が殺人犯です(2017年製作の映画)

3.6

まずはじめに「初めまして、私が殺人犯です。」とか藤原竜也に言われても【藁の楯】とか観てるし、今更初めまして感は全然しない。。。まぁそんなことはどうでもよくて、サスペンスとして全体的に十分おもしろい作品>>続きを読む

名探偵コナン から紅の恋歌(2017年製作の映画)

1.5

最後まで見終えても犯人の動機も殺人方法も、きわめて短絡的でしかないので「ラブコメ路線って言うたかて、ある程度の推理要素はちゃんと描かなあかんやろ!カズハァァァ!!」といった”見た目は大人、頭脳は中二”>>続きを読む

夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)

4.9

今年ベスト級に好き。てかもうOPの歌と映像のシンクロだけでやられた。素晴らしすぎです。

人魚伝説が残る田舎町に突如として姿を現した人魚少女”ルー”が美しい海の水を魔法のように操り、心を閉ざしている少
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LOGAN ローガン(2017年製作の映画)

4.3

正義が報われない現代の中で、現代人が真に求める「真のヒーロー」とは何か。

個人的に[X-MEN]シリーズは、テレビでちょこちょこ観てきた程度でして、このシリーズに関してはほぼ知らないのですが、年老い
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美しい星(2017年製作の映画)

4.0

テーマ自体はきわめて分かりやすいながらも、内容自体がやたらと分かりにくく、結局分からないまま映画が終わってしまったという感想。

大杉家は本当に宇宙人?彼らの妄想か?
黒木とはいったい何者なのか?
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メッセージ(2016年製作の映画)

4.7

難解さと明解さが混ざり合った、非常にストイックで品のあるSF映画でした。
「目的不明の異文化なものとの接触」全体のテーマとしては「最短時間の原理」などの小難しい理屈が深く関わっていますが、それらが「個
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お!バカんす家族(2015年製作の映画)

3.7

うだつの上がらないメガネ親父が大陸横断の車の旅を企画する。ヘンテコなレンタカーに乗る一家に降りかかる様々なトラブルを乗り越え、果たして彼らの目的は成就を遂げるのか、、、。

エロ、グロ、ナンセンスな笑
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017年製作の映画)

4.8

これほどド派手なスペース・オペラの構造の中で、話自体は非常にミニマムな「家族」のテーマでありながら、続編というパッケージだけでは終わらせない、音楽、ギャグ、キャラクター、どれを取っても抜群のセンスが映>>続きを読む

美女と野獣(2017年製作の映画)

4.0

個人的に、まるで「美女と野獣」は、20年以上も前の話であるにも関わらず、現代の言葉である「オタク」や「引きこもり」を描いているように映りました。

例えばベルは「本が好きな変わり者」という、村人から変
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ワイルド・スピード ICE BREAK(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

男としてのマッチョイズムがむき出しに賞賛され、イケてる女やイケてる男と出会う、カッコイイ改造車を所有する。そしてみんなでバーベキュー。そのきわめて大衆的な三大欲求が全く変わることなく、むしろスケールだ>>続きを読む

帝一の國(2017年製作の映画)

4.2

身体を張った大きな笑いと、セリフの「間」の緩急を駆使した小さな笑いまで、隅々まで本当に楽しかったわけですが、単にバカ映画ではなく、映画として伏線も引いていたり、演出的にも派手な事をしていたり、例えば政>>続きを読む

シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

4.9

音楽映画を軸として、これは恋愛映画であり、兄弟映画であり、青春映画でもある。一つ一つが絶妙なバランスで配置されていて、時に笑い、時に悲しくなり、時に胸を熱くさせる「未来=希望」に満ちた作品でした。>>続きを読む

屍憶 SHIOKU(2015年製作の映画)

4.1

ジャケットから単純に血みどろ女が襲って来るような映画かと思っていたのですが、脚本もしっかりしているし、映像もハイセンスで、何より屍人の描写が非常に素敵でした。

基本的なラインは、東洋系ホラーテイスト
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