KnightsofOdessaさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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The Human Surge 3(英題)(2023年製作の映画)

3.5

[] 70点

エドゥアルド・ウィリアムズ長編三作目。まぁ物語はあってないようなものなので慣れるまでは退屈で、前半はほぼ記憶なし。ただ後半で覚醒してたとこはマジで凄かった。森の真ん中に放置されたカメラ
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The Future Perfect(英題)(2016年製作の映画)

4.5

[アルゼンチン、新言語習得のもたらす新たな可能性] 90点

大傑作。Nele Wohlatz単独長編一作目。シャオビンは両親に呼ばれてブエノスアイレスに来た内気な中国人の少女。冒頭ではスペイン語学校
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フェラーリ(2023年製作の映画)

3.5

[崩壊寸前なエンツォ・フェラーリのある年] 70点

2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。マイケル・マン長編12作目。1957年夏、エンツォ・フェラーリは二つの危機に瀕していた。一つ目は家
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

1.5

[] 30点

2016年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。グザヴィエ・ドラン長編六作目。12年ぶりに帰省したという主人公が、ついさっきまで一緒に生活してたくらいの温度感で家族喧嘩に巻き込まれる。玄関で
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黒い雌鶏(2015年製作の映画)

4.0

[ネパール、視界の外側にある戦争] 80点

傑作。ミン・バハドゥル・バム長編一作目。ベルリン映画祭予習企画。2001年、ネパール北部の小さな村。この年は、1996年から続く内戦が短い停戦に至った年で
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ジュリエッタ(2016年製作の映画)

4.0

[] 80点

2016年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ペドロ・アルモドバル長編20作目。アリス・マンローの短編集『Runaway』に収録された短編3本を原作としている。ここのところ変な映画ばかり観
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ラビング 愛という名前のふたり(2016年製作の映画)

3.0

[] 60点

2016年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ジェフ・ニコルズ長編五作目。いきなり妊娠を告げられるシーンから始まるので驚いたが、なかなか良い選択と思った。ただ、それで終わりだとは思わなかっ
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猿女(1964年製作の映画)

4.0

[] 80点

1964年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。マルコ・フェレーリ長編五作目。出てくる男はカスばかりという、なかなか味の濃い映画。教会の厨房で多毛症の女性マリアに出会った興業主のアントニオは
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

[ベラ・バクスター、世界を知る]

2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品、金獅子賞受賞作品。ヨルゴス・ランティモス長編八作目。気色悪い設定と禍々しい色の空ということで実にガイ・マディンの香り
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剃髪式(1980年製作の映画)

4.0

[チェコ、物質的豊かさと精神的豊かさの綱引き] 80点

1981年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。イジー・メンツェル長編八作目。チェコを代表する作家ボフミル・フラバルの同名小説の映画化作品。登
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スカーレット(2022年製作の映画)

3.0

[フランス、緋色の帆を待ちわびて] 60点

ピエトロ・マルチェッロ長編三作目。第一次世界大戦の帰還兵ラファエルは、妻マリーは疎開していたノルマンディーの田舎村まで赴くが、マリーは既に亡くなっており、
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ジミー、野を駆ける伝説(2014年製作の映画)

2.5

[] 50点

2014年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ケン・ローチの12回目の選出作品。アイルランド内戦でアメリカに渡っていた元活動家ジミーが10年ぶりに故郷に帰ってくるという、まさに『麦の穂をゆ
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オルゴソロの盗賊(1961年製作の映画)

3.5

[イタリア、過酷な土地に生きる羊飼いの決断] 70点

ヴィットリオ・デ・セータ長編一作目。サルディーニャ島オルゴゾロ村の羊飼いは、脆弱な土地を移動するという過酷な生活背景から、彼らの中にある掟に従い
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Hellhole(原題)(2019年製作の映画)

4.0

[無邪気な神話を喪失したブリュッセルの新たな拠り所はなにか] 80点

傑作。Bas Devos長編二作目。2016年に起こったブリュッセル連続テロ事件の余波を描いた一作。最初からテロ事件を描く予定で
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A Brighter Tomorrow(英題)(2023年製作の映画)

1.5

[自虐という体で若者に説教したいだけのモレッティ] 30点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ナンニ・モレッティ長編14作目。カンヌでの上映前にイタリアで公開されており、その時は結構評判が良
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ツリー・オブ・ライフ(2011年製作の映画)

1.5

[] 30点

2011年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品、パルムドール受賞作。テレンス・マリック長編五作目。ルベツキ四部作の一作目。冒頭で提示される通り、NatureとGraceの対立の物語で、それぞ
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雪の轍(2014年製作の映画)

3.0

[] 60点

2014年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品、パルムドール受賞作品。ヌリ・ビルゲ・ジェイラン長編七作目。毎度ジェイランのインテリカス男への圧倒的解像度に驚嘆させられるが、その頂点は本作品か
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2つ目の窓(2014年製作の映画)

1.5

["永遠の里帰りじゃあ"] 30点

2014年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。最近の河瀬直美しか知らないけど、舞台が奄美大島なのは河瀬直美っぽいわ~と思うなど。そんなにカンヌで賞が欲しいか?(本作品
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ホームズマン/ミッション・ワイルド(2014年製作の映画)

4.0

[『ミークス・カットオフ』への返歌] 80点

これは面白い。2014年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。トミー・リー・ジョーンズ長編二作目。どっかの企画でアリ・アスターが2010年代のベストに選んでた
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スリー・モンキーズ(2008年製作の映画)

2.5

[] 50点

2008年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ヌリ・ビルゲ・ジェイラン長編五作目。選挙活動中の実業家セルヴェトが夜の山道で人を轢いてしまい、お金と引き替えに自分の運転手エユップに罪を被って
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ドラゴン・イン(1992年製作の映画)

4.5

[やたら血の気の多い"龍門の宿"] 90点

大傑作。キン・フー『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』(以下、原作)のリメイク作品。プロデューサーにツイ・ハークが参加している。いきなり東廠の訓練シーンから始ま
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麦の穂をゆらす風(2006年製作の映画)

3.0

[] 60点

2006年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品、パルムドール受賞作。ケン・ローチは八度目の選出で25年来の夢を叶えた形となる。物語は1920年代に起こったアイルランド独立戦争を描いている。中
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Un couple(原題)(2022年製作の映画)

2.5

[レフ・トルストイの夕食を作ったのは誰か?] 50点

2022年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。フレデリック・ワイズマンの数少ない劇映画。物語はレフ・トルストイの妻ソフィア・トルストイの独白の
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Climates/うつろいの季節(とき)(2005年製作の映画)

3.5

[トルコ、妻を支配線とするモラハラ夫=ジェイラン?] 70点

2006年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ヌリ・ビルゲ・ジェイラン長編四作目。今回も主人公はカス男だが、普段と違うのは演じているのがジェ
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How to Have Sex(原題)(2023年製作の映画)

4.0

皆さん、良いお年を。

[] 80点

傑作。2023年カンヌ映画祭"ある視点"部門選出作品、グランプリ受賞作品。モリー・マニング・ウォーカー長編一作目。高校を卒業したばかりの仲良し三人組タラ、エム、
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

1.5

[これが"Old meets New"ってか?やかましいわ!] 30点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ヴィム・ヴェンダース長編最新作、『パレルモ・シューティング』以来15年ぶり10度目の
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

1.5

[監督がカリスマになりたいだけでは] 30点

2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。ブラッドリー・クーパー長編二作目。前作は未見だが、クーパーはこんな中身空っぽな映画を撮る人なんだぁといっ
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人間の境界(2023年製作の映画)

3.0

[ポーランドとベラルーシの国境森林帯にて] 60点

2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。アグニェシュカ・ホランド長編25作目。本作品はベラルーシとポーランドの間にある"緑の国境(Gree
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The Promised Land(英題)(2023年製作の映画)

2.5

[マッツ・ミケルセン、不毛の大地でジャガイモを育てる]

2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。2024年アカデミー国際長編映画賞デンマーク代表。ニコライ・アーセル長編六作目。まさかのジャガ
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リドル・オブ・ファイヤー(原題)(2023年製作の映画)

4.5

[]

大好き。ウェストン・ラズーリ長編一作目。目出し帽を被ってお手製ペイントボール銃を背負い、ミニバイクを駆る二人の少年兄弟と一人の少女。三人は"不死身のワニ団"という悪ガキ集団だった。その日、彼ら
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スイート・イースト(2023年製作の映画)

1.0

[] 10点

ショーン・プライス・ウィリアムズ長編一作目。ワシントンに修学旅行でやって来た高校生リリアンは、同級生たちが浮かれ騒ぐ中に一人浮かない表情をしていた。恋人なのかも分からないトロイという年
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プリシラ(2023年製作の映画)

4.0

[プリシラから見たエルヴィスとの生活] 80点

傑作。2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。ソフィア・コッポラ長編八作目。プリシラ・プレスリーが1985年に出版した自伝『Elvis and
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The Last Word(英題)(1973年製作の映画)

5.0

[ブルガリア、囚われた女性パルチザンたちの抵抗] 100点

人生ベスト。1974年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。カンヌ映画祭コンペ部門に選出された数少ないブルガリア映画の一つ。選出にあたって、当時
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ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

4.0

[居残り者たちが見つけた道] 80点

アレクサンダー・ペイン長編八作目。実は初めて。1970年、ニューイングランドの寄宿学校バートン・アカデミーに勤める世界史教師ポール・ハナムはその厳格さと融通の利
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メイ・ディセンバー ゆれる真実(2023年製作の映画)

3.0

[不健康な年齢差恋愛のその後] 60点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。トッド・ヘインズ長編九作目。原題"May December"は年齢差のある恋愛関係を意味し、作中に登場する36歳のと
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Till the End of the Night(英題)(2023年製作の映画)

1.5

[トランスフォビア刑事、トランス女性と潜入捜査する] 30点

2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。クリストフ・ホーホホイスラー長編六作目。潜入捜査官ロベルトは麻薬売買に使われた闇サイトを調査
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