カランさんの映画レビュー・感想・評価

カラン

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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

3.5

『ボーダーライン』シリーズのテイラー・シェリダンが監督&脚本。制作費は『ボーダーライン』(Sicario)の3分の1だそうだから、細部に金が回らなかっただろうが、そこそこ健闘したか。ただ、エンタメ以上>>続きを読む

ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)

5.0

今回で観るの3回目か、4回目かな。初めて観たのは、95か96年くらいであったろうか。レオス・カラックスの作品で初めて観たのがこれ。長編は5本しか撮ってないが、どれもこだわりの作風で、彼の作品は基本的に>>続きを読む

ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生(1968年製作の映画)

4.0

オープニングで、林の中を緩い坂道が写るのだが、意図したのかどうか不明であるが、カメラが妙に水平でなく、不穏さを煽っている。Blu-Rayで見たが、映像のリマスターは上手くいっていて、風に揺れる木立と夕>>続きを読む

ファースト・マン(2018年製作の映画)

4.5

『2001年 宇宙の旅』は、「人間とは?」をテーマにしているので、猿に始まるし、機械(HAL)が不気味なほど人間的であり、SFにしてはやけに静かな機械との闘いは非常に内面的で、孤独である。その闘いの後>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

3.5



☆ドルビーシネマで、アーサー = ブルース・ウェインの構図を観賞するのは、ジョーカー=ノーラン&ヒースへの愛に適うのか?


ノーランのダークナイトシリーズ以外で、ジョーカーのことは知らない。ヒー
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ディーバ(1981年製作の映画)

3.5

ジャン・ジャック・ベネックスが35の時の作品。

青春のころは、映画好きなら『グランブルー』だろ、みたいな空気がライト層にはあった。他にもっとあるでしょって感じでしたね。もうちょい高尚なものが好きな連
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蝿の王(1963年製作の映画)

4.5

モノクロ。同じくモノクロで、デュラスの『モデラートカンタービレ』にジャンヌ・モローとJPベルモンドをフィーチャーした、『雨のしのび逢い』が、なんだか世間では評価されているらしいモローの叫びを除いてだが>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

3.5

『風の谷のナウシカ』のナウシカは胸が大きい。しかしその胸は性的な欲望に奉仕することはなく、宮崎駿によると、「死んでいく爺さん、婆さんを抱きとめるために大きい」のだと言う。また、ナウシカはエコロジカルな>>続きを読む

エンジェル、見えない恋人(2016年製作の映画)

3.5

盲者の映画をいくつか観た。

清水宏『按摩と女』(1938)
新藤兼人『賛歌』(1972)

両者とも素晴らしかった。盲者の愛と言えばアンジェイ・ヤキモフスキの『イマジン』(2012)だろうが、清水さ
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原爆の子(1952年製作の映画)

5.0




ヒロシマ②


1912年生まれの新藤兼人監督は100才まで生きたが、オリヴェイラのように、もう数年ご存命だったら、フィルマークスのレビュー欄を先生は目にして・・・、南無阿弥陀仏。

映画を観て
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ウイークエンド(1967年製作の映画)

5.0

20年ぶりだろうか、ゴダールを観るのは。今回、夜見始めて30分もたたずに寝落ちしたが、起きてから続きをちゃんと観た、と思う。すぐに落ちたのに、物凄い悪夢を見た。映画をつけても不安が高まり、今も落ち着か>>続きを読む

風花(1959年製作の映画)

4.5

「風花って知ってるかい? 晴れたお天気の良い日に、どこからか風にのって来る、こんな雪のことなんだよ。なんだか、さいさきが良いじゃないか。」


木下恵介のかの有名な『楢山節考』(1958)は歌舞伎の舞
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

4.5

子供って、分子が結合でもするかのように、非常に簡単に、くっつくんだな。彼らはまったく異質で、繋がりようがなくても、結合できる。ドゥルーズが『ミルプラトー』で語る、精神病の狼のようだ。だから、フェリーニ>>続きを読む

惑星ソラリス(1972年製作の映画)

5.0

今度、プロジェクターを導入してみようかと思い、この『惑星ソラリス』と『インランドエンパイア』と最新の録音のオペラの3つのBlu-rayディスクをこっそり持って、プロジェクターの視聴ができるところに行っ>>続きを読む

魔笛(2006年製作の映画)

4.5

音楽の天才が作った本当に幸せな気持ちになるオペラを、歌手たちが口ぱくで演技するのをケネス・ブラナーが映画にした。数ある『魔笛』のパフォーマンスの内でも、指折りの出来栄え。この種の映画的要素を取り入れた>>続きを読む

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます



たしかにこの映画はまるごと『ア・ゴースト・ストーリー』であり、アルフォンソ・キュアロンがゴーストになっているのは、なるほどと思いました。『ゼログラビティ』を連想させるジョン・スタージェスの映画が映
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夜の人々(1948年製作の映画)

5.0

ニコラス・レイのデビュー作で、ボウイとキーチーという恋人たちのフィルムノワール。この2つの名はおそらくボニー&クライドのアナグラムである。

冒頭、クレジットとタイトルが示される前、重なり合うように身
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黒い十人の女(1961年製作の映画)

4.5

話しがめちゃくちゃ面白い。『穴』よりもよいかな。あれの京マチ子もかっこよかったけれど、船越英二の役もこっちの方が多いし、有名女優もたくさん出てきて、モノクロームのカッコいいショットがたくさん。

ただ
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サスペリア PART2 完全版(1975年製作の映画)

4.0

日本では、ダリオ・アルジェントは『サスペリア』が先行して売れたために、『サスペリア』よりも早く製作されていたこの”Profondo Rosso”は配給側の判断で『サスペリアpart 2』なる邦題になっ>>続きを読む

秋津温泉(1962年製作の映画)

5.0




ヴィスコンティの『夏の嵐』のような、古典的な風物に満ちてはいるが、ストーリーは他愛のないメロドラマ、ということになるだろう。死に向かう存在が、これ見よがしに、桜の舞い散る花に包まれたり、麗しい岡
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幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

4.5

アニエス・ヴァルダが亡くなった。90だったという。今から50年ほど前に、ジャック・ドゥミと結婚して、この映画を撮り、ヌーベルバーグの中を生きた映画人だった。ジャック・ドゥミはバイセクシャルであったらし>>続きを読む

二十四の瞳(1954年製作の映画)

4.5


遠い昔に観たことがあるような気がします。田中裕子のリメイク版(1987)の方かもしれません。黒木瞳のドラマ版(2004)もあるようです。また、少年少女文庫とかいう感じのタイトルの叢書で、貝殻の挿絵が
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サディスティック&マゾヒスティック(2000年製作の映画)

3.5


映画を撮らせてもらえるなら、なんでもやるよね・・・(小沼勝)


小沼勝という日活の監督さんの助監督をしていた中田秀夫が、小沼氏本人、中田秀夫を含めた小沼組の面々、役者たちとのインタービューを集めた
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ヨーロッパ一九五一年(1952年製作の映画)

4.5



我が子に対する罪悪感から、世界に愛を、貧しき者に施しを、孤独な者に慰めを、仕事もしないが子供だけはたくさんいる、適当でふしだらなダメ女(ジュリエット・マシーナ)には仕事とくだらない情事の手伝いを。
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セカンド・サークル(1990年製作の映画)

5.0



2005年にペドロ・コスタが映画美学校で、ということは私が今いる場所の階下で、ハロー filmarks! 行なわれた講義でジル・ドゥルーズを引用しながら映画撮影について次のように述べている。
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静かなる一頁(1993年製作の映画)

4.0


『セカンドサークル』(90)、『ストーン/クリミアの亡霊』(92)、そして本作、『静かなる一頁』(93)と、この時のソクーロフは何かのエチュードとでもいったような、ミニマルな小品を立て続けに作る。
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アルジェの戦い(1966年製作の映画)

4.5

壮絶。ツタヤのDVDだが、1966年の映画であることを考えると優秀なリマスター。アルジェリア戦争の1954年から1957年の経過を辿る、ドキュメンタリー調の白黒映画。フランスの植民地主義に抗して独立を>>続きを読む

ストーン/クリミアの亡霊(1992年製作の映画)

4.5



ユーロスペースのソクーロフ特集。凄まじい。が、激しく眠かった。飯を控えめにして、酒も飲まず、コーヒーを飲んで、かなり集中して挑んだのだが、3回、意識を奪われかけた!その度に集中しろと自分を叱咤した
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悲愁物語(1977年製作の映画)

5.0


いや〜、すっげえ面白いですねー。


☆清順 meets スポ根マンガ


はじめの30分くらいは昔の少年漫画のスポ根ものに、多少のエロが入っただけなのかなって思って、途中でやめようかって思った。『
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草原の実験(2014年製作の映画)

4.0

前情報なしで見たほうがいいかなって思いますね。ゆっくり暇な時に鑑賞されてください。


何も知らないで見てたら、『初恋の来た道』みたいなのかなって思った。そしたら木が映ったのでタルコフスキーっぽく。
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女が階段を上る時(1960年製作の映画)

4.0

成瀬巳喜男の『女が階段を上る時』は1960年に公開された。この時代には、「原色の街」を舞台にした作品が大量に生産される。吉行淳之介の小説は1956、溝口健二の『赤線地帯』も同じく1956年である。しか>>続きを読む

アンナと過ごした4日間(2008年製作の映画)

5.0

女性看護師に対する家宅侵入とハト時計の窃盗、それから数年前に起こった同じ女性への強姦の容疑をかけられた男に裁判官が問う。


「なぜ押し入ったのですか?」

「・・・愛です。」

「もう少し大きな声で
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美しき冒険旅行(1971年製作の映画)

5.0

オーストラリアの奥地の荒野を女の子が、丈の短いスカートとローファーで歩く。このいかにも都会から来たという風采のガールを演じるジェニー・アガターは劇中では14才の設定であるが、1969年8月の撮影開始時>>続きを読む

クローズ・アップ(1990年製作の映画)

5.0

レオス・カラックスの『ホーリーモーターズ』のように、映画世界と観客の世界を繋げ、演技と生きることを接続させる映画なのかと思っていたが、違った。あるいは、ベルイマンの『ペルソナ』のように映画を製作する者>>続きを読む

春にして君を想う/ミッシング・エンジェル(1991年製作の映画)

4.0

死んだ爺さんの家は、新幹線の駅がある町だが、小高い山から見ると田園がずーっと広がる田舎で、田んぼに流れこむ小川はこの上なく澄んでいて、惑星ソラリスの冒頭の揺らぐ水草よりも、はっきりとザリガニやら石やら>>続きを読む

緑色の髪の少年(1948年製作の映画)

4.5

おじいちゃんの言いつけ通りに風呂に入って出てくると、髪が緑色になっていた戦災孤児の物語。オープニングクレジットの後の海辺は、明け方dawnなのか、夕暮れduskなのか。大変な苦労のなかで作り上げた『ド>>続きを読む