カランさんの映画レビュー・感想・評価

カラン

カラン

自分の考えを書きます。ネタバレを絶対されたくないという方は読まれない方が良いと思います。

5点→from素晴らしい to永遠。

4.5点→良い。

4点→お勧めというより、その映画について喋りたかったからレビューした。

ベスト10は、今、胸をいっぱいにしている映画という意味で、どんどん変わっていけたらいいなって思ってます。新しい映画、新しい自分

映画(77)
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夏の遊び(1951年製作の映画)

5.0

しかし、キズキの死んだ夜を境にして、僕にはもうそんな風に単純に死を(そして生を)捉えることはできなくなってしまった。死は生の対極存在なんかではない。死は僕という存在の中に本来的に既に含まれているのだし>>続きを読む

砂の女(1964年製作の映画)

4.5

異次元。

フォローしているきのこがうまいこと言っていたのだが、「百万粒の文学的な砂」の物語。砂の量塊に埋もれて、エゴが風化していく男が描かれている。主演は砂男、助演は砂女。岡田英次は学校教師で、昆虫
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トリコロール/青の愛(1993年製作の映画)

5.0

途方もない美しさ。

キェシロフスキの映画らしく光学装置がたくさん出てくる。例えば集中治療室に横たわるジュリエット・ビノシュのクリアーな黒い瞳とか、瓶の口で揺れ動いて鈍く光るスプーンは、物憂い鏡像を映
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オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

5.0


映画『プリシラ』でもフィーチャーされたCharleneの有名な歌、”I’ve never been to me”が奥深いところで響く。

Ooh I've been to Georgia and C
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ベルトルッチの分身(1968年製作の映画)

4.0

この作品は1968年の制作である。ジョン・レノンとオノ・ヨーコが「ベッドイン」でLove &Peaceを表現したのが1969年のことだと言えば、どんな時代か分かるだろう。つまり、反戦活動等の政治社会的>>続きを読む

リービング・ラスベガス(1995年製作の映画)

5.0

アル中のニコラス・ケイジが、この世の果てから、娼婦hookerのエリザベス・シューに、You’re my angel.と呼びかける物語。ニコラス・ケイジはこの映画でアカデミー主演男優賞に輝く。『月の輝>>続きを読む

マザー!(2017年製作の映画)

5.0

非常に挑発的である。

「吐き気がするだろう みんな嫌いだろ
まじめに考えた まじめに考えた
あーあーあーあーあー
僕 パンク・ロックが好きだ」

と歌ったのは甲本ヒロトだったが、こういう「まじめに
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私の夜はあなたの昼より美しい(1989年製作の映画)

4.0

若い頃に見たときは、何だかおかしいけど、すごい作品を観たなっていう気がしていたが、今見直してみると、狂乱の内容だが、それを意外に折り目正しく構造的に作った作品なのかもしれない。映画史にその名を残すだろ>>続きを読む

サラエボの花(2006年製作の映画)

4.5

中年の母、エスマは集団セラピーで瞑想しながら、自分が妊娠した時のことを、はらはらと涙を流しながら語りだす。

「妊娠して膨らんだ自分のお腹を何度も拳で叩きました。憎らしい腹の子が死んでくれたらいいと思
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ブラディ・サンデー(2002年製作の映画)

5.0

全編に渡って胸騒ぎが止まらず、憔悴する。役者は最小限に、当時現場にいた人たち、デリー市民や元兵士、を起用し、クレーンも照明も使わず、長大な戦闘シーンを刻んで、相当なカット数で仕上げた映画。緊迫感でぐら>>続きを読む

ファウスト(2011年製作の映画)

5.0

ゲーテの『ファウスト』をソクーロフが自由に翻案したという本作。文学的変態耽美主義。

映画が始まる。四隅が丸くカットされており、幅が短い、昔のブラウン管のような画面になっている。他愛のないCGで始まる
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ラスト・ワルツ(1978年製作の映画)

4.0

渋谷のヒューマントラストシネマで、大音量でやってます。ロックが好きな人にはたまらないかと。

ザ・バンドの最後のライブをマーティン・スコセッシがインタビューを交えながら編集したもの。

故郷よ(2011年製作の映画)

4.5

雪に閉ざされたゴーストタウン、プリピャチはチェルノブイリ原子力発電所で働らく労働者のベッドタウンとして作られた町らしく、発電所から3キロ程度のところにある。1986年にメルトダウンが起こり、プリピャチ>>続きを読む

ひろしま(1953年製作の映画)

4.5

低姿勢、これは通常、控えめで相手を敬う態度のことを言う。この映画では、信じがたいほどに、物理的な意味で、低姿勢である。ピカっと光って以降のことである。

先生と生徒たち。ある意味で牧歌的な風景のなか、
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ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女(2014年製作の映画)

4.0

深夜に観るのにすこぶる楽しい。イランだからペルシア語になるんだろうか、発音の響きも文字のビジュアルもミステリアス加減がいい感じ。艶めかしくも退廃的なモノクロームの映像の中を、ボーダーのTシャツにマント>>続きを読む

殺人に関する短いフィルム(1987年製作の映画)

5.0

キェシロフスキー私的ルネサンス③、『殺人に関する短いフィルム』のレビュー。


黄色とは狂気の色なのである、と昔、20年ほど前の話だが、授業で教わった記憶がある。ゴッホのキャンバスには奥深いところ
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孤独な声(1978年製作の映画)

5.0

渋谷のシアター・イメージフォーラムにて。私はソクーロフをこの作品を観るまで何も知らなかったので、以下に、自分の勉強を兼ねて、この映画のいきさつを適当にまとめながら、感想を書いた。

この『孤独な声』は
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アモーレス・ペロス(1999年製作の映画)

4.5

アレハンドロ・イニャリトゥの初期の傑作。まあ、彼のはどれもこれも傑作なのだろうが。アモーレス・ペロスというスペイン語は「犬の愛」ということのようで、その意味はこの群像劇では多重化しているようだ。

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アメイジング・ジャーニー 神の小屋より(2016年製作の映画)

4.5

「週末を神と過ごした男の話しだなんて言ったら、皆さんは信じないだろうか?」

このように始まる本作は、神を信じて苦悩を乗り越えるか、自分の苦悩に拘泥して憎しみに生きるか、どちらなのか?というアポリア
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ゲーテの恋 〜君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」〜(2010年製作の映画)

4.0

およそ250年ほど前のドイツを舞台にしたベタなラブロマンスです。女の子が可愛いですし、ゲーテ役もイケメンでしょう。小難しいことを考えなければ、ラブスコールの中でのキスや、泥土の中での性愛の描写等の特筆>>続きを読む

ザ・メッセージ(1976年製作の映画)

4.5

宗教の歴史についてなんて、長くて、寝落ちするんじゃないかと思ってましたが、アニハカランヤ。エキゾチックな気持ちになりました。身近には見当たらないものを一つ一つちゃんと見て回る旅をしている気分ですね。イ>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.5

ギレルモ・デル・トロの『シェイプオブウォーター』は今回のアカデミー賞で作品賞、監督賞、他2つを受賞した。この賞は発表のタイミングや作品外の条件が大きく関与してそうだが、ギレルモ・デル・トロのような「変>>続きを読む

愛に関する短いフィルム(1988年製作の映画)

5.0

キシェロフスキ監督は超弩級の方だということがわかりました。本作『愛に関する短いフィルム』は恋愛光学の話しです。

本作以前にも、恋愛光学に関してたくさん作品が作られてきました。例えばピエール・クロソフ
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終わりなし(1984年製作の映画)

5.0

キェシロフスキー監督を観たかった。『トリコロール青』を20年ほど前に観たはずが、記憶喪失。トム・ティクヴァが遺稿を監督した『ヘブン』はばっちり刻印されて思い出すだけでドーパミンが出そうだが、キェシロフ>>続きを読む

ニア・ダーク/月夜の出来事(1987年製作の映画)

4.5

キャスリン・ビグローの『ストレンジデイズ』のレイフ・ファインズとジュリエット・ルイスのカップルに久しぶりに会いたかったが、なかったので、こちらに。アナクロするが、『ベルフラワー』と『悪魔のいけにえ』と>>続きを読む

母の残像(2015年製作の映画)

4.5

ラース・フォン・トリアー御大の一族の、ヨアキム・トリアーさんの監督作品。DVDのパッケージにもラース・フォン・トリアーの名前があり、スキャンダラスな作品なのだろうかと思いながら、鑑賞。派手な設定がある>>続きを読む

ノスフェラトゥ(1978年製作の映画)

4.5

深夜、飲みながら、再生してみた。

壁面のミイラ。チャントというよりはお経のように厳かなコーラスの下で、いつのまにか心臓の鼓動音が鳴り始めており、カメラが手ぶれしているのか、ミイラが揺れているのか、そ
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ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

4.5

レフンの『眼球譚』。フランスの作家ジョルジュ・バタイユの『眼球譚』は、玉子を眼球に見立てて性器に出し入れする戯れ、目玉とその運命の話しだった。それが後の『マダム・エドワルダ』では、股の間から「私」を見>>続きを読む

海は燃えている イタリア最南端の小さな島(2016年製作の映画)

4.5

イタリアの難民問題を巡るドキュメント。

このドキュメントは、イタリアの ランペドゥーサ島を舞台にして、中東、アフリカからの難民が、船にぎっしり乗って、海を渡ってくる。

ぎっしり乗っているので、
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早春(1970年製作の映画)

5.0

恵比寿のガーデンシネマで鑑賞。
初日だからなのか、お客さんがたくさんいて、嬉しくなった。








『早春』

15才の男の子が、deep end、つまり性の深みにはまる。性愛は、社会的には、恋
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ルートヴィヒ 完全復元版(1972年製作の映画)

5.0

様々な映画が様々に制作されて、様々に受容されるわけだが、現代の消費社会の商品流通コードには、明らかにそぐわない、超-大作。これは映画の神が作ったのか。

作曲のことは詳しくないのだが、音楽再生装置など
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雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

5.0

喪失と再生を描いた映画はたくさんある。最近観たもので思い出すのは、『ジュリエッタ』(アルモドバル)、『静かなる叫び』(ヴィルヌーブ)、『ラビットホール』(ジョン・キャメロン・ミッチェル)、『世界に一つ>>続きを読む

月の輝く夜に(1987年製作の映画)

5.0

20年ぶりに、何度か見直しているロマンティックコメディ。この監督は凄いなと思う。フィルマークスをやり始めて『屋根の上のバイオリン弾き』の監督であったと、今さら知った。『ジーザスクライスト スーパース>>続きを読む

ホワイトナイツ/白夜(1985年製作の映画)

4.5

冷戦下で、旧ソ連からアメリカに亡命したバレエダンサーと、米軍を脱走してソ連に亡命したタップダンサーの物語。

激しく洗練されたトップのバレエダンサーと、情熱的だが、チャップリンのように滑稽で物悲しいタ
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太陽と月に背いて(1995年製作の映画)

4.0

ずっと若い頃に、渋谷のシアターコクーンで観た。初めて女の子とデートで映画館に行ったのだった。手とか握っちゃったりして〜、なんて考えていたが、後述する描写のせいで、初デートは緊迫し失敗に終わる。とはいえ>>続きを読む

父を探して(2013年製作の映画)

4.5

パッケージが予想させる「可愛い」感じは、映画が進行するほど消えていく。事態は深刻である。

本作の公開の翌年、2014年はブラジル二度目のワールドカップが開催された。開催国ブラジルは信じがたい点差でド
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