カランさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

カラン

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君がいた夏(1988年製作の映画)

3.5

20年くらい前に好きだった人が死んでしまい、遺灰はのらくらのひも生活を送っている僕に任せるという遺言らしく、田舎に帰ることにした。。。


☆おもひでのアスペクト比?

スタンダードサイズである。詳し
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乱れる(1964年製作の映画)

3.5

成瀬巳喜男の『乱れる』は、さほどに感心しなかった。しかし、長ったらしく書いたのは、塩田明彦による本作の分析を取り上げたからだ。自分の結論を先に述べておくと、塩田明彦の分析は穿った見解であり、それは動線>>続きを読む

アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生(2007年製作の映画)

3.5

アニー・リーボヴイッツは1949年の生まれで、現在74歳。彼女はサンフランシスコの美大生になった頃、創刊されて間もないローリングストーン誌のために写真を撮り始め、ジョン・レノンやミック・ジャガー等、ロ>>続きを読む

壁の中に誰かがいる(1991年製作の映画)

4.0

白人ではなく黒人。

大人ではなく子供。

金持ちではなく貧乏。

医者ではなくフール。

そして、人間ではなく、むしろゾンビ。

。。。

☆闘争

映画におけるマイノリティの闘争は、いつのまにか勧
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ハイテンション(2003年製作の映画)

3.5

見渡すかぎり畑が続いているアレックスの実家に遊びに来たマリーはヘッドホンをして自慰に耽っていると、異様な物音が。シリアルキラーがやって来て一家を惨殺し始めた。。。フランスのサイコスプラッター。

本作
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リトルマン・テイト(1991年製作の映画)

4.0

天才少年はチョークで路上に強力な絵を描き、ピアノを弾きこなし、凄まじい暗算能力を示す。わざと間違えたりして仮面を被るので学校では友達ができない。父はいない。なぜなら母が処女懐胎したから。母は飲み屋のウ>>続きを読む

水の中の八月(1995年製作の映画)

4.0

超新星が爆発して輝かしい光を発散した年、福岡の水族館のイルカのプールに少女が真っ直ぐに泡を立てて落ちていくのを高校生の男子が目撃する。少女はオリンピックの候補者だった。男子は恋に落ち、少女はプールに飛>>続きを読む

さらば冬のかもめ(1973年製作の映画)

4.5

水兵が2人呼び出される。上官の招集でも、ぐだぐだ不平を言ってなかなか応じない。ある若い水兵が募金箱の40ドルに手をかけたかどでポーツマスの刑務所で8年の懲役になるという。水兵2人が若い水平を護送する旅>>続きを読む

危険なメソッド(2011年製作の映画)

3.5

精神分析というのはジクムンド・フロイトがウィーンで創始した。『夢判断』の初版は1900年の出版である。今でも読まれている極めて重要な研究だが、ウィーンでは黙殺され孤立していた。この本を読んで熱烈なフロ>>続きを読む

アルカディア(2017年製作の映画)

4.0

宗教コミューンで育てられた兄弟が、教団から離脱してマスコミに気狂いぶりをアピールしたが、弟が戻りたいと言い始める。

ジャスティン・ベンソン(1983生まれ)とアーロン・ムーアヘッド(1987生まれ)
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レタッチ 裸の微笑(1994年製作の映画)

3.5

500年前のフレスコ画がずっと個人所蔵でカタログに載らずに来たが、落ちぶれた貴族の末裔が売りに出すと。大学で絵画の修復を研究しているジュリア(ケイト・ベッキンセール)が預かり、赤外線を通すと、、、なミ>>続きを読む

コントロール(2007年製作の映画)

3.5

70年代のパンクやグラムが流行った時代。マンチェスターで結成されたバンドの走りと、ボーカルの短い青春。


☆ボーカル

ロックバンドのボーカルの映画なのに、端的に言って、その歌に魅力がない。主人公役
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ブレーキ・ダウン(1997年製作の映画)

4.5

男と女がボストンからサンディエゴに引っ越すため、新車のジープでアリゾナの砂漠を走っていると、よそ見をした瞬間、側道からやってきた車と衝突しかける。すんでのところで交わしたが、相手の小汚いトラックは怒っ>>続きを読む

四谷怪談(1959年製作の映画)

3.5

四谷怪談シリーズ。本作がこれまでレビューを書いた中で、7番目の作品であり、以下の④である。

①木下恵介『新釈四谷怪談』(1949)
② 毛利正樹『四谷怪談』(1956)
③中川信夫『東海道四谷怪談』
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竹山ひとり旅(1977年製作の映画)

4.5

高橋竹山(ちくざん)というのは、青森や北海道で、津軽三味線を担いで坊様(ぼさま)をしていて、津軽三味線としては史上初のLPを出し、さらにはアメリカ公演をするほどにまで登り詰めた方。坊様というのは、あけ>>続きを読む

Dear Pyongyang ディア・ピョンヤン(2005年製作の映画)

4.5

第二次世界大戦の末期から朝鮮半島は冷戦の準備が始まっており、北は旧ソ連がプッシュし、南はアメリカが推す。戦後、半島は38度線で二分されて泥沼の戦いになったことはご存知でしょう。ところで、日本には在日と>>続きを読む

P2(2007年製作の映画)

3.5

クリスマスイブの夜、マンハッタンのビジネスウーマンは家族と約束があって、サンタの着ぐるみやプレゼントをたくさん持っていたが、仕事が終わらず残業していると、警備員以外にビルから人がいなくなる。駐車場に向>>続きを読む

白い家の少女(1976年製作の映画)

4.5

カナダに食い込むような位置にあるアメリカのメイン州の寒村。通りの奥まったところに白い家に少女が暮らしており、銀行での出金も自分でやっている。その家の大家であるおばさんは高圧的に親を出せ、床下を開けさせ>>続きを読む

愛と追憶の日々(1983年製作の映画)

4.0

母と娘の物語。

生きること、幸せになること、それは大変なことだけど、しれっと笑顔でなんとかやりくりする。しかし、生き延びてしまうこと。これは難しい。本作は、生き延びてしまう者をよく見つめる映画である
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月光の囁き(1999年製作の映画)

5.0

剣道部で一緒に朝練するけど、マイナーな少年の窃視が、エースの少女を触発する、青春の残酷恋物語。


☆端っこのエモーション①

(1)教室のZ
画面の左側、爽やかな明るい光が差し込む午後の教室2列目の
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ハート・オブ・ジャスティス(1992年製作の映画)

4.5

3流小説の人気作家がニューヨークの有閑クラブの外で白昼、射殺される。犯人もその場でピストルを咥えて自殺。事件を担当することになった記者が美しい姉の後を追う。ブラジル人のブルーノ・バレットが監督したケー>>続きを読む

ラスト・ハウス・オン・ザ・レフト -鮮血の美学-(2009年製作の映画)

4.0

ウェス・クレイブンの長編デビュー作はベルイマンの『処女の泉』をベースにした、1972年の傑作だった。以降、ホラーの帝王は続々と作品を発表するが、70歳の時にこのデビュー作に立ち戻り、自身が新設したMi>>続きを読む

リミッツ・オブ・コントロール(2009年製作の映画)

3.5

殺し屋みたいな男が、スペインの空港で、仕事の依頼(?)を受ける。で、暗号で書かれた指示(?)がマッチ箱の中に入っているので、仲介人みたいな役回りの人物たちを、有名な役者たちが演じているので、次は誰かな>>続きを読む

ラ・ピラート(1984年製作の映画)

3.5

主演のジェーン・バーキンは、公開時には既に監督のジャック・ドワイヨンと結婚していたようだ。そのジェーン・バーキンはバイセクシャルの役柄で、旦那役はジェーンの実兄のアンドリュー・バーキン。ジェーンを奪い>>続きを読む

インターステラー(2014年製作の映画)

5.0

ノーラン兄弟が作り上げたSF。『オッペンハイマー』が更新するのでなければ、クリストファー・ノーランの最高傑作であろう。本作は35mmと65mmを組み合わせて撮影された。VFXを多用せず、ミニチュア、実>>続きを読む

ダーティハリー(1971年製作の映画)

5.0

市街地でマグナム44をぶっ放す、やさぐれ刑事シリーズ第1作。ラストシーンは連作にするつもりがなかったことを窺わせていた。

☆マグナム

発砲した時の反動がデカい。拳銃を握った腕が大きく振れる。発砲音
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遠雷(1981年製作の映画)

4.0

栃木県の宇都宮で、ビニールハウス2反でトマト栽培をしている23歳の男(永島敏行)と、スナックの中年女(横山リエ)、幼馴染の男(ジョニー大倉)、お見合いして新妻になった若い女(石田えり)等々の農業従事者>>続きを読む

蘭の女(1990年製作の映画)

3.5

『ナインハーフ』を借りようとしたが、なかったので、『蘭の女』にした。原題は”Wild orchid”で、野生の蘭。蘭というと、マルグリット・デュラスが『モデラート・カンタービレ』という小説で、屋外に行>>続きを読む

ショッカー(1989年製作の映画)

3.5


連続殺人犯の男が電気椅子から甦ると、霊魂となって接触した人物に憑依して操り、テレビのブラウン管を通して映像の中に入ったり、生放送のスタジオに行き来できるようになり、町が大混乱に陥るというかなりファン
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300 <スリーハンドレッド>(2007年製作の映画)

3.5

紀元前5世紀の初頭からギリシアで、ギリシア連合軍とペルシア帝国軍が3度戦った。その第二次ペルシア戦役の際にスパルタの王、レオニダス1世は300人のスパルタ兵士を率いて20万人と伝えられるペルシア軍と戦>>続きを読む

告発の行方(1988年製作の映画)

4.5

1980年代初頭のレイプ事件を下敷きにした映画。集団での強姦を輪姦といい、英語ではgang rapeというらしい。ギャング・レイプとは輪姦というよりも、丸出しの下劣さがよく分かる表現である。

本作は
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家族ゲーム(1983年製作の映画)

4.5

中央区か江東区の沿岸部にある団地。沼田家の長男は進学校の高校1年。次男は中3で、高校受験があるが成績は悪い。勉強ができないのではなく、嫌いなだけだと言い訳してる。母は善良な主婦で、子供たちのことは家父>>続きを読む

死霊の罠(1988年製作の映画)

4.5

女だけの番組制作室にビデオが届く。ブニュエルの『アンダルシアの犬』の眼球の切断ショットの低俗なコピーみたいなゴアが映っていて、ADを1人連れて、そのビデオの現場の取材に行くことに。。。ディレカンの映画>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.5

『風立ちぬ』(2013)の公開後に引退発表が公式にされた。その後、2016年あたりに『君たちはどう生きるか』の企画ができたようである。制作部門をすでに解体していたスタジオジブリは『エヴァンゲリオン新劇>>続きを読む

レッド・ドラゴン(2002年製作の映画)

4.5

レクター博士のシリーズ。トマス・ハリスの原作を映画化したのが、以下の5作。

①『刑事グラハム/凍りついた欲望』(1986)
②『羊たちの沈黙』(1991)
③『ハンニバル』(2001)
④『レッド・
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ラブ・アゲイン(2011年製作の映画)

3.5

中年の男が、高校時代からの付き合いの妻に、離婚したい、と。妻は職場の同僚とやったんだと。それでなぜか家を追い出されるのは中年男の方で、パット・モリタ?みたいに、ナンパ師の男が手ほどきしてくれて、がんが>>続きを読む