Larx0517さんの映画レビュー・感想・評価

Larx0517

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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.0

戦争が終わって、すべてが崩壊し、リセットされ、0(ゼロ)になる。

一方、戦争が終わっても、まだ戦争が終わらない人がいる。

生き残ってしまった。
生きていることへの罪悪感。
凪の海原の水中深く、亡霊
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荒野にて(2017年製作の映画)

4.1

イギリス人監督アンドリュー・ヘイが描く”アメリカ”。

ちなみにアメリカ社会の抱える闇をコミカルに描いて、アカデミー作品賞を取るほど絶賛された映画『アメリカン・ビューティ』。
この作品の監督サム・メン
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説きふせられて(2007年製作の映画)

3.3

時の流れが穏やかな時代。

ジェイン・オースティン遺作の映像化。

「芯の強さがないと
すぐ説得に応じる」

なんといっても、アンを演じたサリー・ホーキンス繊細な演技が、細やかに見る者の心の琴線を震わ
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.1

これほど見たことを後悔した作品はない。
TVで見たことを。
映画館で”体験”するべき作品。

リアリティを超えた映像美。
ハンス・ジマーの音楽の”圧力”。
精緻な世界観。

“この世界”に耽溺したかっ
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Summer of 85(2020年製作の映画)

3.9

3,628,800秒の恋。

白馬の王子様ならぬ、白いヨットの王子様に救われる。

フランソワ・オゾン脚本、監督作品。

“理想の友達”

ひと夏の恋は、永遠にもどらない。
だからこそ強い輝きを放つ。
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WEEKEND ウィークエンド(2011年製作の映画)

3.8

インタビューという形のピロートーク。

アンドリュー・ヘイ監督、脚本、編集。

「2日なんて大した時間じゃない」

ほとんどが、ラッセルとグレンの会話劇。
しかもほとんどが他愛もないもの。
それでも2
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僕の巡査(2022年製作の映画)

3.4

見方を変えれば、彼女も”共犯”。
または運命共同体。

当時ソドミー法(イギリスでは、通称buggery法)により、同性間の性行為は違法。

いびつな三角関係。

作家E.M.フォースター
彼の恋人の
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.9

テイラー・スウィフトが歌う”カロライナ”。
それが流れる時、”真実”を知った者は、言葉を失う。

「危ない時はザリガニの鳴くところまで逃げろ」

ディーリア・オーウェンズの、処女作にしてベストセラー小
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.7

モノクロの画面。
ジェイミー・ドーナンが、”Everlasting Love”を歌っていた。
つられて踊り出すカトリーナ・バルフ。

予告編だけで、この映画に恋に落ちた。

監督ケネス・ブラナーの半自
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アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド(2021年製作の映画)

3.2

恋愛もアルゴリズム⁈

「夢の伴侶が君のために作られた」
3週間の”お試し期間”。

“アンドロイドもの”映画が好物の自分には、たまらない。
しかもダン・スティーヴンスがドイツ語を話している。
ただこ
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ゴッズ・オウン・カントリー(2017年製作の映画)

3.8

失ってはじめて知る、それが”奇跡”だったことを。

息をのむような広大な風景。
息の詰まるような閉塞感。

「神の恵みの地(ゴッズ・オウン・カントリー)」
イギリス・ヨークシャー地方。

美しく過酷な
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クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

3.7

これは家族の物語。

裸足のつま先立ちで、荒廃した町に、白い砂を敷いた”安全地帯”を歩く。

音を立ててしまいそうで、見ている者は、まばたきさえできない。
奥歯を噛みしめながら、凝視することしかできな
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スーパーノヴァ(2020年製作の映画)

3.7

これもひとつの愛の形。
それぞれ二人の。

自分が自分でなくなってゆく。
それを自覚し続けてゆくのは、文字通り生き地獄だろう。
本人も辛いが、何もできない相手も辛い。
見届けることしかできない。

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ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

3.7

「平和を望むなら(シ・ヴィス・パケム)
戦いに備えよ(パラベラム)」

パラベラム (Parabellum)
ラテン語の語句。「戦争の準備」を意味する。

ドイツ武器弾薬製造社(DWM社)が開発した
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いつか眠りにつく前に(2007年製作の映画)

3.2

15年後、少し”映画”に追いついた。

「やっと理解できたと
言おうと思っていたの」

公開時、映画館で鑑賞した。
再鑑賞で、当時見ることができなかったものを”くみ取れる”ようになった。わずかだが。
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ブライズ・スピリット 夫をシェアしたくはありません!(2020年製作の映画)

3.0

「どんどんダン・スティーヴンスが、レイフ・ファインズに見えてくる。」

そんな”幽霊の声”を振り切れるほどの名作にはなれなかった佳作。

今は亡き前妻、妻、そして夫の三角関係。

軽いタッチのレトロコ
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300 スリーハンドレッド 帝国の進撃(2014年製作の映画)

3.3

自由のために命をかけて戦う。
共に戦う友のため、”勇敢な死”という栄誉のため。

陸戦から海戦へ。

前作『300 〈スリーハンドレッド〉』は、ペルシア戦争、紀元前480年8月「テルモピュライの戦い」
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ジュリエットからの手紙(2010年製作の映画)

3.7

“愛の都”ヴェローナ。

バレンタインデーには、スターバックスのオリジナル・ブレンド・コーヒー”カフェ ヴェローナ”のほろ苦さが恋しくなる。
以前はバレンタインの時期のみだったが、現在は通年販売されて
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アンストッパブル(2019年製作の映画)

3.3

母性という名の狂気。

「子供を失うとどうなるか分かる?
消えてしまった自分の一部を思って
死ぬまで悲しみを引きずるの」

執着、そして止められない暴走。

「私を止めたいなら殺して」

カトリーヌ・
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記者たち~衝撃と畏怖の真実~(2017年製作の映画)

3.2

「なぜ 戦争を?」

戦争をしたい人がいるから。

「目的は戦争を始めることだ」

イラク戦争を敢行したジョージ・W・ブッシュ米大統領。
その父である、ジョージ・H・W・ブッシュは、湾岸戦争を主導した
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ブラックブック(2006年製作の映画)

3.2

ナチス・ドイツによる占領中のオランダ。
ユダヤ人ラヘルの、”マタ・ハリ”としてのサバイバル。

ハリウッドから、母国オランダに”凱旋”した、ポール・バーホーベン監督作品。

戦争を描いているというより
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アレクサンドリア(2009年製作の映画)

3.2

宗教から見れば、魔女。
科学から見れば、聖女。

古代の魔女裁判。

神の摂理、宗教が絶大な力を持つ時代。
科学の真理は異端となる。

1609年、地動説を唱えたガリレオ・ガリレイの宗教裁判が有名。
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アイヒマン・ショー/歴史を写した男たち(2015年製作の映画)

3.7

別名「アイヒマン実験」という、
「スタンフォード監獄実験」
を知っているだろうか?

ラストの”言葉”に、言葉を失う。

歴史という舞台の上、下、観客席、裏側。
どこにいようと、人がいるだけ、ドラマが
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13デイズ(2000年製作の映画)

3.3

「キューバ危機」

1962年、旧ソ連がキューバに核ミサイル基地を建設。
アメリカがカリブ海でキューバの海上封鎖を実施。
米ソ間の緊張が高まる。

「フルチョフは本気で第三次世界大戦を始める気なのだろ
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ホース・ソルジャー(2018年製作の映画)

3.2

『総勢12人(の兵士)』
(原題”12 strong”)

「我々が一番手だ」

9・11(アメリカ同時多発テロ事件)直後。
アフガニスタン潜入。

アメリカ人ジャーナリスト、ダグ・スタントン著、邦題
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ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)

4.1

涙の”意味”が変わる。

“結婚”という現実の前に恋も消耗する。

世界一自分を幸せにしていた人が、世界一自分をみじめにさせる。

「いつか消える感情なんか信じられる?」

幸福な両親を知らない子供は
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希望の灯り(2018年製作の映画)

3.7

立ち入らない優しさ。

“家族”とは違う”職場仲間” 。
“表の顔”だからこその、心地よい距離感、空間。

「東ドイツ時代
ここはトラック運送人民公社だった」

旧東ドイツ、ライプツィヒ近郊

「オス
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インビジブル 暗殺の旋律を弾く女(2018年製作の映画)

3.3

殺人を”目撃”した盲目の女性。

当時、婚約していた、主演ナタリー・ドーマーと監督アンソニー・バーン(2011年から2018年)。
共同脚本、製作。

「君は他人の争いに割り込んでるんだ」

ロシアマ
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X-ミッション(2015年製作の映画)

3.1

「極限を見定めて
成功した者だけが
仏教で言う”悟り”に達する」

エクストリームスポーツ
Extreme (=“X”) Sports
“極限”のスポーツ

原題”Point Break”
1991年
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NINE(2009年製作の映画)

4.0

なんといっても、ステファニー役ケイト・ハドソンのパフォーマンス”Cinema Italiano”がカッコいい。

躍動感あふれる音楽
ファッションショーのランウェイを模した美術

“モノクロの世界
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トータル・リコール(2012年製作の映画)

3.3

「リコール 記憶売ります」

フィリップ・K・ディックのSF短編『追憶売ります』の映像化。

1990年、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の同題のリメイク。
今作がより原作に忠実なプロットになって
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ユージュアル・ネイバー/マッド・マザー 生贄の少年(2013年製作の映画)

3.3

愛ゆえの狂気。

母親は愛する息子のためなら”何でも”する。
映画が始まって、50分で本当の意味を知る。
しかも”それ”は裏切られる。

サマンサ・モートン
マイケル・シャノン
主演2人のキャスティン
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