Maikiさんの映画レビュー・感想・評価

Maiki

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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.6

 〜哀れな人生〜

 夢遊的な世界観の中、モノクロとコントラストの強いカラーを用いて、独特な魚眼レンズやズームアングルでお送りするは蛙が大海を知っていく物語。

 まさに本作は「人の一生」を人造人間で
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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

4.5

 過去と成長

 この作品を鑑賞した後、成長とは何かを考えてみた。私は成長を「過去を克服すること」と考えていたが、この作品では成長を「過去に囚われず、自ら形成していくもの」とした様に思えた。

 全て
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

4.3

 私はティム•バートンの『チャーリーとチョコレート工場』を観て育ったと言っても過言ではない。それ程に何度もその作品を観てきた。

 今回の『ウォンカ』を観て感じた最初の感情はちょっとした安心だ。

 
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.9

 日本の戦後の空気感とゴジラを上手く組み合わせた、他のゴジラ映画から一つ飛び抜けた作品。

 何故主人公はゴジラの東京への接近を知った際、すぐに疎開しなかったのか。

 何故彼にそんな人望があったのか
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ウィッシュ(2023年製作の映画)

4.1

“ To have something more for us than this”

 100周年に相応しい、良い意味でディズニーらしい作品。
 ディズニーの永遠のテーマである「夢」を本作のテーマと
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ビフォア・ミッドナイト(2013年製作の映画)

4.5

 〜過ぎゆく時に〜

『Before sunset』の再開から9年。

 あのセリーヌの”last dance”からどうなったのか。
 これまで2作品を通して彼らは、「出会い」と「再開」を描いてきた。
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ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

4.5

 『Before Sunrise』から9年後の話。それだけであの約束が果たされなかった事が伝わるが、その現実味を帯びたこのあらすじこそ、この映画を物語っている。

 あの夢を語り合った一夜から彼らは大
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ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.7

 『before シリーズ』一作目。

 恋愛映画の中で名作に上がる本作。どんなものかと鑑賞してみればいやヌーヴェルバーグ。。

 ヌーヴェルバーグとは1950年代末にフランスで起きた即興性に特化した
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

4.0

 「もしも核爆弾をLAに落としたAIが少女の形をしていたら」

 本作はこのハイコンセプトの元に生まれた近未来SF作品だ。

 「AI」の人権問題に関して取り上げてきた近未来SFはいくつもある。『ブレ
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.5

 現在なんと80歳の巨匠マーティンスコセッシ。そして同じく80歳のロバート・デ・ニーロと悪役がこの頃板についてきたレオ様の伝説3タッグで描かれる!

 200分をも超える大作に大きな期待と共に鑑賞しま
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ヒンターラント(2021年製作の映画)

4.0

 PTSDとそのトラウマを抱えながらどう生きていくかを、WW1後のオーストリアで起こる連続殺人事件の謎解きを通して描いていく戦争◦ミステリー映画。

 全編をブルーバックで撮影している作品なのだが、そ
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バービー(2023年製作の映画)

4.0

 豪華配役と監督グレタ•ガーウィグの名前、そして世界での人気(賛否両論)から期待を高めてみましたが、、

 初めのバービーとケンが現実世界に迷い込んでいく描写や、女性社会ではなく男性社会であるギャップ
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ノッティングヒルの恋人(1999年製作の映画)

4.3

 ロンドンのノッティング•ヒルで起こる逆シンデレラストーリー!

 イギリス紳士を体現したようなヒュー•グラント演じるウィリアムはもう男性のお手本。
そして可愛すぎるアナ演じる若きジュリア•ロバーツに
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バニラ・スカイ(2001年製作の映画)

4.1

漫画『ファイアパンチ』のreferenceから気になっていた本作。

 評価が悪いので少し疑心暗鬼で見てみたがいや面白い!

 端的に言えば
“ The sweet is never as sweet
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.5

~You can’t wake up if you don’t fall asleep~

 個人的、これまでのウェス•アンダーソン作品の中でもお気に入りの一つとなった作品!

 本作は『天才マックス
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

4.2

 元素という世界の最小単位のお話だけあり、とてもシンプルでありきたりなお話しかと思いきや、蓋を開ければそれはピクサーが描く『ロミオとジュリエット』であった。

 富裕層でエレメンタルシティの人口の多く
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ラブ・アゲイン(2011年製作の映画)

4.0

 貴方は浮気をどこまで許しますか?

人の愛にマンネリは必須であり、それは生物として子孫繁栄を一つの目的とし生きている以上決して避けられない感情であろう。

 そんなマンネリが訪れた時、浮気に走ってし
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バビロン(2021年製作の映画)

4.3

 『La la• land』、『セッション』と印象的な音楽映画を生み出してきた名監督ディミアン•チャゼル。

 まさにこれは彼にとっての「映画」の定義付けであり、それに対してのリスペクトでもある。
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.5

 バンクーバーにて鑑賞。

 セイディ・シンクとA24の組み合わせに釣られて見に行ったが、なんとも衝撃的な経験をさせられた。

 物語と9割はアパートの一室だけで展開され、その殆どを肥満で動けないチャ
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.3

 バンクーバーにて鑑賞。

 イギリス寄りの訛りにすぐに耳が慣れなかった事と初めの少しの眠気により完璧なレビューをここでつける事は出来ないが、訳ありの父と娘のかけがえのないリゾート地のホテルでの時間は
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.2

バンクーバーで鑑賞。

「ホラー」と「ラブロマンス」とのジャンルの掛け合わせが絶妙。
 怖さはそれといってないが、カニバリズムの不気味さの中に、かつて『君の名前で僕を読んで』で感じた「純愛」をそこに感
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ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い(2009年製作の映画)

4.2

 脳死で笑える映画かと思いきや、予想外すぎる展開の数々に脳死ではいられない。

 どこまでもふざけていてぶっ飛んでいて、だがそんな時間が少し恋しくなる。なんとも完成されたコメディ映画。

 個人的なお
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.8

 【MCUレビューシリーズ】

アントマンらしさが抜けてしまった蟻の抜け殻(ありに抜け殻があるか知らないが)の様な映画。

 現実世界を縮小したヒーローが駆け回る事と情けない父の家族愛がこのシリーズの
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午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

4.0

 新たな出会いや新天地が動かす貴方の運命。
 夜中のパリに流れるラジオの声と静寂、そして微かな光。

 フランス映画らしい酸味の強い恋と、あっさりとしたストーリー。

 フランス映画好きの貴方なら、き
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

4.5

 『怪物』とテーマは類似しているが全く違う映画。似て非なるものとはまさにこの事。

 『怪物』は映画の構成や仕組みに驚きがあったが、本作はシンプルな作り。

 だがそのシンプルさは悪い意味ではなく、と
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リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

3.9

 多様性と偏見と親離れ。
良くも悪くもディズニーらしく改変したリトルマーメイド。

 音楽パートはどれも満足できたし、それぞれ新曲はどれもいい刺激になり良かった。
 個人的お気に入りは「The scu
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怪物(2023年製作の映画)

4.4

 〜怪物の正体〜

 久々に素晴らしい日本映画を観た。製作陣の名前を見ると大きな期待をしてしまうが普通だろうが、そんな期待なんてちっぽけに思えるほどに圧巻であった。

 是枝監督のリアリズムに脚本を務
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.5

 どこから始めようか。

 ショートフィルムとしても通用する程にグッと惹き込まれるタイトルコール迄のイントロシークエンス。
 前作ではヒロインでしかなかったグウェンにマイルズに匹敵する程の深みを生み出
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.1

 配管工事のおじさん達とあのファンタジーなキノコ王国をどの様に繋げるのかは気になっていたが、なるほどそうきたか。

 子供だけが楽しめるのではなく、きっと一緒にきた大人達も夢中になってしまう、そんなア
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.4

 【MCUレビューシリーズ】

 こんなにも郷愁を帯びたMCU映画、もしくはヒーロー映画を私は目撃した事があるだろうか。

 ロケットの過去についてもとても悲しく、感動的ではあったのだけれども、私の心
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gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)

4.3

 久しぶりにお家で「映画」を鑑賞。

 部屋を暗くして、大きなテレビで寝る前にしっかり観る映画の素晴らしさを忘れかけてました。やはりこれが生きる意味です。

 話はそれましたが『Gifted』!

 
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RRR(2022年製作の映画)

4.5

 大阪のエキスポシティにある、関大最大級と言われている映画館でIMAX鑑賞。  
 話題で高評価のこのインド映画を満を持して鑑賞したわけだが。。

 いやぁ面白い!!
なんですかこれ。期待を遥かに超え
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.5

 〜I can see you〜

 3Dと4DXで鑑賞。

 いやいやジェームズ•キャメロンさん。貴方2作品目の映画作り出すのうますぎますよ。。
 『ターミネーター2』といい、本作といい、一作目を悠
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トップガン(1986年製作の映画)

4.3

 『トップガン•マーベリック』鑑賞の為に恥ずかしながら初鑑賞。

 80年代全開の音楽と美術、そして撮影。
王道展開ではあるもののそれでも胸を躍らせずにはいられない熱い友情と男のロマン。

 有名すぎ
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.1

 サム•メンデスの『Empire of light』に続き、こちらは大巨匠スピルバーグが表現する『映画』をテーマにした映画。

 大衆映画の王であるスピルバーグが見せる派手ではないどこか素朴なドラマ映
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

4.5

 『映画』をテーマにして、各巨匠たちが映画を作る事が流行りなのかは分からないが、スピルバーグの『The Fabelmans』よりもどこか心にグッとくるものがこちらにはあった。(比較してしまって申し訳な>>続きを読む

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