makiさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

11歳のソフィと離れて住む31歳の誕生日を控えた父がトルコで過ごす夏休み。

ハンディカメラの手ぶれの映像や、時折挟まれるダンスフロアの中にいる父や大人になった娘と思われる映像にクラクラする。何がなん
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怪物(2023年製作の映画)

4.5

自分が見聞きした人の印象なんて、一つの側面にしか過ぎない。悪意があろうとなかろうと、勝手に知ったようなつもりになる人間の都合の良さを突いた、最初から最後まで隙のない作品だった。

何が人を追い詰め、何
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STILL:マイケル・J・フォックス ストーリー(2023年製作の映画)

4.3

マイケル・J・フォックスのユーモアがびっしりと詰まったドキュメンタリー。

彼自身の声で語り、多くを彼自身の出演作を切り取りながら人生語る作品の創りはとてもスピード感があり、想像を超えた面白さと、st
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その道の向こうに(2022年製作の映画)

4.0

私は大丈夫と自分に言い聞かせるために言葉にすること、心に抱えていることを言葉にすること。言葉にして自分や人と向き合うことの尊さが、多くは語らないけれど、ゆっくりと流れる時間の中で十分に言葉を感じること>>続きを読む

テトリス(2023年製作の映画)

3.6

ゲームはほとんど出来ないけど、唯一好きなのはテトリス!
幼少期に元祖ゲームボーイでテトリスをやってたので、観ている間、テトリスが私の手元に届くほんの少し前に、こんな国際的攻防があったとはびっくりしつつ
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きみの瞳(め)が問いかけている(2020年製作の映画)

3.6

自分自身が一番過去の自分を許せないと思う人というのは、見ていて心苦しいいけれど大切なことかも…と思う。信頼できる人にそっと背を押してもらうことでしか進めないこともあり、自分の外側にできた大切な人がいる>>続きを読む

花とアリス(2004年製作の映画)

3.8

花の恋によって揺れ動く、アリスとの友情。
なんとも言えない独特のおかしみのある脚本と、鈴木杏と蒼井優の姿が素晴らしく、その二人が演じる少女たちを捉える映像は夢の中のよう。中学生の少女特有の一瞬のきらめ
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

3.7

何かと幸福度とか、社会福祉の充実について賞賛の声が聞こえる北欧デンマーク。
一つの切り口としてそれは事実かもしれないけど、そんなデンマーク人も我々と変わらない悩みや人生へのモヤモヤを感じる姿が映し出さ
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

3.7

あー、気持ち悪い。

ホラー、スリラーとしての恐ろしさや気持ち悪さを超えて、事件の中心である夫婦の目線、大衆やメディアといったいろいろな立場の熱狂や異様さを通じて、人間の愚かさや醜さをまざまざと見せつ
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天気の子(2019年製作の映画)

4.0

必死に、生きる希望にしがみつこうとする少年少女の姿や想いのエネルギーを前にすると、自分が改めて若者達を守るべき大人側であると自覚させられるし、大人である自分はどこまでも大人としての責任に心が追い詰めら>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.7

早朝から上映していたので、ふと思い立って鑑賞。
もともとアニメーション作品に疎いし、新海監督の作品は、物語や画の描き方や音楽の重ね方に対するバランス感覚がどうも個人的にはしっくりこないんだけど、それで
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ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)

4.1

※間違ってpart3に2のレビュー書いていたことに気づきました…ので修正・再掲...(いいねくださった皆様すみません…)


壮大なる音楽の中で繰り広げられる銃撃シーンは、なんとも言えない重厚感。
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ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.2

マフィア系かつ180分近い作品とあって、見るタイミングを逃してきた、所謂"名作"。今年、ドラマ『ジ・オファー ゴッドファーザーに賭けた男』を見たので、ようやく辿り着きました。

"ファミリービジネス"
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ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

3.7

2作目を先に見てしまって…からの、ハリウッド版1作目。
うん…確かに、2作目でいまいちよくわからなかったことが、ちゃんと1作目では描かれていました(順番に見なかった私が悪い)。

暴力が暴力を産む負
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蜘蛛の巣を払う女(2018年製作の映画)

3.7

たまたま見た後に、シリーズものだと知ったので、なんの違和感もなく、かと言って、特別な強い印象もなく楽しんだ本作。

何より、クレアフォイはNetflixドラマ『ザ・クラウン』でしか見たことなかったので
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マスカレード・ナイト(2021年製作の映画)

3.6

ホテルに泊まるって、確かに、どこか違う自分を演じるところがあるのかもしれない。
とにかく登場人物が多くて、有名な俳優がいっぱい出ていても人物設定が頭に収まりきらない…一流ホテルマンは大変だ!なんて思っ
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窓辺にて(2022年製作の映画)

3.8

月並みだけど、あぁ、なんだかパフェが食べたくなる。"完璧(パルフェ)"なデザートと、完璧とは言い難い人間たち。

人を愛すること、愛し続けることについて考える。答えは無いけれど、いろんな思考や形がある
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特捜部Q Pからのメッセージ(2016年製作の映画)

3.6

シリーズ3作目。
前作からの物語上の時間軸が不明だけど、カールが休職中という扱いは、直接的に前作と繋がってると考えればいいのか(物語にほぼなんの影響もない設定ではあるけれど…)。
テレビシリーズ的だけ
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特捜部Q キジ殺し(2014年製作の映画)

3.6

シリーズ第2段。
秘書が加わって改めて特捜部Qがスタート。名前がチープで典型的な設定はどうしてもテレビシリーズっぽく感じるけど、それでも、なんだか見てしまう。

金持ちの子供たちの道楽というには、度を
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特捜部Q 檻の中の女(2013年製作の映画)

3.6

さすが、デンマーク。
陰鬱とした空気感しかなく、なぜこんなに捻くれ者なのかという刑事とアラブ系デンマーク人刑事が未解決事件に挑むバディもの。シリーズの最初の作品で、特捜部Qの設立経緯を描いている。
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大統領の料理人(2012年製作の映画)

3.6

フランスのミッテラン大統領の官邸料理人を務めたシェフのお話。

料理人としての話というより、このシェフが女性であるということが主。周囲との戦いが描かれていて、葛藤しながらもプライドを持って挑む姿はカッ
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スーパーノヴァ(2020年製作の映画)

3.8

死が近づくことがわかった時、どうするか。認知症との向き合い方、尊厳死について。

人それぞれ、どんな死へのプロセスを身近で経験したかによって、あるいは、自分の死にゆく姿を想像してみたことがあれば、いろ
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スキャンダル(2019年製作の映画)

3.6

告発した後悔と、告発しなかった後悔…これに尽きる。
FOXの悪質なセクハラスキャンダルの実話んもとにした作品。(こういうとき、変な似たような名前のテレビ局名とかにしないのがいい。)

白人でブロンドの
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勝手に逃げろ/人生(1980年製作の映画)

3.7

商業映画復帰第1作、らしい。

"映画を観ているな"という身体感覚を体験し、あぁゴダール作品だな、というのを思い出した感じです。
正直、何が何だか分からず、身も心もすり減らしていく(けど彼らは一様に淡
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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

3.9

ミニシアター系といえばの本作。今更ながら、初見。

冒頭の殺伐とした夫婦の喧嘩、家族の姿、雑然としたカフェや砂まみれの空気感が、いつの間にか笑顔で溢れ鮮やかな色に包まれたるシンプルなストーリーで、なん
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パリ13区(2021年製作の映画)

3.8

冒頭突然始まる、若さと妖艶さと茶目っ気もあるセックスシーンに、何が始まるのかと、ちょっと意表を突かれたけれど、コールセンターで働くエミリー、ルームメイトになる教師のカミーユ、社会人を経てから大学生とな>>続きを読む

スティルウォーター(2021年製作の映画)

3.7

オクラホマのスティルウォーターからマルセイユに留学し、留学先で殺人の罪により服役中の娘と、無実を訴える娘を信じる父。そして、娘の無実を探る現地で、偶然出会ったシングルマザーの女性と娘。

土地柄とか人
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.0

ウェスアンダーソンの世界がギュゥっと詰まった作品。
画面の比率、画面分割、カラーと白黒、アニメーション…、シリアスな題材からコミカルなものまで、とにかく、さまざまな表現やトピックが、雑誌という形式を使
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ミッション:インポッシブル3(2006年製作の映画)

3.6

「2」の崖地のカッコいいOPとは打って変わって、追い詰められた姿で始まってからの、パーティ。(こんなところにあの人が、みたいな感じでちょっと楽しめたり)
そして、身内に裏切り者がいることもあっさり匂わ
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ミッション:インポッシブル2(2000年製作の映画)

3.6

冒頭の崖のシーンはなかなか印象的。
以前観たのは3が公開される前なので、一体何年前?という感じですが、記憶の片隅にしっかり残ってる。それ以外覚えてないので新鮮な感じで楽しめました。

物語の冒頭で対峙
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ニキータ(1990年製作の映画)

3.6

映画のビジュアルから勝手にイメージしていたニキータ像と全く違い、なかなかのキャラクターで驚かされ、よくよく考えて見ると、ニキータはほとんどジョセフィーヌだったのが、なんだかびっくり。

正直、途中まで
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HOMESTAY(2022年製作の映画)

3.6

人の生き死にという話を扱いながら、演出や台詞回しがどこか舞台っぽさもありつつファンタジー感もあり、演者の初々しさもたって、不思議な眩しさがある作品。

どうにも行き詰まった若者に投げかける問いとしては
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.6

"わたしは最悪"とわかっていても、あるいは、そう言うしかなくて、他人には理解し難い選択になってしまうどうしようもなさ。と同時に、自分で常に選択できることばかりでもなく、人生のもどかしさを感じる。
他の
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.4

好きなタイプの時代感や音楽で、そこはよかったんですが…びっくりするほどこの映画の良さがわからなかった自分に、唖然…。
10代のゲイリーにも20代のアラナにも、周りのひとびとも、何も魅力を感じず。

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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.0

無駄なシーンのない、お手本のようなストーリー運びで、あっという間の鑑賞体験。
トム・クルーズ、顔はすっかりお年を召したけれど、肉体だけは異常です。

目標物がはっきりした設定がとてもよく、何が何だかわ
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星の子(2020年製作の映画)

3.7

怪しい宗教にハマってしまった両親をもつ2世の子供たちのさまざまな心の動きが描かれた作品。

親族も、成長しておかしさに気づいた子供たちも、どうすることもできず、距離を置くことでしか逃れられない。そして
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