MovingMoviesさんの映画レビュー・感想・評価

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スウィート・シング(2020年製作の映画)

4.5

【ハードなグッバイ・サマー】
『グッバイ・サマー』の姉弟版のように思いたいけれど、そうすると類似の作品がとても気楽に思えるくらい本作はハードな映画に感じた。
ロックウェル監督といえば『ピート・スモール
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エル プラネタ(2021年製作の映画)

4.0

【ミランダ・ジュライ 足す 愛情 引く ユーモア】
 ミランダ・ジュライの『さよなら、私のロンリー』という残念な邦題の、とても素敵な映画がある。母親にひと言「ハニー」とやさしい言葉をかけてほしい娘とそ
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.5

オフィシャルサイトの松居⼤悟監督のコメントがとても面白かったです。https://choiomo.com/

ジョニーは行方不明/台北暮色(2017年製作の映画)

4.0

Missing Johnnyというタイトルがいい。
電話がかかってくる。Johnnyという知らないひとの誕生日を祝う電話だ。間違い電話なのだ。
鸚鵡がものすごくなついているのに驚く。本当に飼っているか
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1秒先の彼女(2020年製作の映画)

4.5

『1秒先の彼女』という邦題が魅力的。
こういう作品を観ることができるのは本当に幸せなことと思う。
だからまた映画を観てしまう。

華麗なる週末(1969年製作の映画)

4.5

【グッバイ、サマー】
家の使用人で仲のいい青年にそそのかされて、祖父の自動車で数日間の旅に出るコメディであり少年の成長物語。
マックィーンが泥だらけになるシーンは、『パピヨン』でワニを捕まえようと格闘
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お父さんと伊藤さん(2015年製作の映画)

4.0

【血と水】
年をとった父親と気が合う大切なひと
藤竜也さんの几帳面そうな役、上野樹里さんのオフビートな感じ、リリーフランキーさんのいい人なのに得体の知れなさと俳優に恵まれている
居場所がないというのは
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アジアの天使(2021年製作の映画)

4.0

「売れない作家」「売れない歌手」という言われ方があって、そこでは素敵な小説を書くとか、声が美しいといった基準ではなく、売れてなんぼという価値を前提にした形容のしかたをされる。
売れてなんぼの世界で行き
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浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)

4.0

役名と朝日座で上映されている映画の組合せでもう楽しくなってくる。とにかく俳優が揃っている作品と感じます。
TVドラマ版の方はさらにいい作品だと思いました。
映画版の方は映画化の罠とでも呼ぶような、決め
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オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ(2013年製作の映画)

3.5

【空を飛ばない吸血鬼】
ティルダ・スィントンは 「Dead Don't Die」でも宇宙人の役だった。不思議な雰囲気を漂わせている。
夜、ロック・ミュージック、タクシーとジム・ジャームッシュ好みと思わ
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ボギー!俺も男だ(1972年製作の映画)

3.5

【おとこはタフでなければならないを笑う】
いろんな国の人20人くらいで簡単なタイプ分けに答えたことがあって、ほとんどのアメリカ人が自分をコントローラー・タイプと答えていた。物事を自分でコントロールした
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藍色夏恋(2002年製作の映画)

4.5

グイ・ルンメイさんは、最近の『鵞鳥湖の夜』でも、奥さんの代理として男の前に現れたけど、デビュー作の本作でも親友の代理として、ラブレターを渡したりしている。代理の人なんですね。
二人をみていると自転車を
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ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画(2013年製作の映画)

4.0

ダム爆破計画という副題から想像されるアクションではなくほとんどが心理劇の作品。可哀想な邦題をつけられてしまった。「ナイト・スリーパーズ」って、夜は眠るに決まってるやろ、とツッコミたくなる。
ジェシー・
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the Future ザ・フューチャー(2011年製作の映画)

4.5

誰かのエッセイで読んだけど、好きなことを探している時点でもうダメなのだそうだ。好きなことは探さなくたってもうすでにやっているはずだから。それは本当のことなのかもしれない。
だけどダメなわたしは好きなこ
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愛怨峡(1937年製作の映画)

4.0

溝口健二の作品に登場する女性は耐えるイメージが強い。『折り鶴お千』『残菊物語』『雪夫人絵図』『西鶴一代女』『山椒大夫』多くの作品が思い当る。
そのなかで本作の女性は煮え切らない男を東京への駆け落ちに追
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ある船頭の話(2019年製作の映画)

3.5

【水の映画】
水面の映像が美しく水の映画としてもっと観ていたかった。
少女も、『草原の実験』のようにミステリアスな効果があったと思う。
残念だったのは物語が伏線を語り過ぎた。
木像のシーンにはハッとさ
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わたしはダフネ(2019年製作の映画)

3.5

ダフネはいつでも正直だ。嫌なものは嫌。ユーモアも感じる。
スーパーで働き、職場の仲間に愛され、自立している
トイレの前に父親が立っているシーンは名シーンだと思う。ダフネがトイレに入ってしまい、大切な人
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鏡の中の女(1975年製作の映画)

3.5

精神科の医師が主人公だが、患者から大丈夫かと心配される。体と心が連動していないかのようだ。若くして死んだ両親。老いに対する強烈な嫌悪。そして白夜。
昼なのか真夜中なのかわからない。
電話、男たち、暴力
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レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―(2009年製作の映画)

4.5

疫病のシーンが出てくるが、いまとなっては実感がともなう。白い鳩、風、古琴、団子、矢の調達などエピソードが印象に残る。個人的には蹴球のシーンが好みでした。比較的長い映画ですが、飽きさせない構成と感じまし>>続きを読む

美しき結婚(1981年製作の映画)

3.0

【こじらせシリーズ】
『美しき結婚』というのは結婚願望が明確で相手もまだいないのに結婚することは決まっているという主人公サビーヌのことをちょっと皮肉っているタイトルになる。
自分の嫌なことはとてもはっ
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黄金時代(1930年製作の映画)

3.5

【窓から司祭を捨てないように】
絵画のシュールレアリズムを映画に導入しようとするかのようなシーンがある。例えば馬車が屋敷の中に入ってくるようなシーン。異物の出現が、本作では衝撃を与えているようには見え
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ストレイト・ストーリー(1999年製作の映画)

4.5

疎遠になってしまった兄に会いに、小さなトラクターに荷台をつけた手製の車で、東京から岡山ほどの距離を移動する老人。
『ネブラスカ』を思い出す。
デイヴィッド・リンチ監督なので、『イレイザー・ヘッド』のよ
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サイダーハウス・ルール(1999年製作の映画)

4.0

孤児院、近親相姦、人種、戦争、不具、学歴詐称とけっこうお腹いっぱいな感じは残るけど、マイケル・ケインやトビー・マグワイヤ(なんとなく染谷将太さんの雰囲気)の演技が味のある映画にしている。
劇中の映画、
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鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)

4.5

男がだれなのか、女がだれなのか謎めいたはじまり方に緊張感があり惹かれる。
たとえばジャ・ジャンクー監督の『罪の手ざわり』が好きな人にはおすすめです。
アナーキーであやしい感じ、なんでもありと思わせるよ
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パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

4.5

【どこにもいけないと思ったときの選択】
眠っているときには意識がない。
朝起きたときに意識がふたたび接続される。昨日までの自分と地続きになっている(と思う)。自分の知っている場所で目を覚ましている。
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飛行士の妻(1980年製作の映画)

3.5

バスに乗ったり、公園でのロケはアニエス・ヴァルダの『5時から7時までのクレオ』を思い出したりもする。バスで目が合った女の子と公園で鉢合わせ、二人で素人探偵の尾行が続いていく。電車の異性が気になるという>>続きを読む

ラ・ブーム(1980年製作の映画)

3.5

この映画の魅力はコメディー。父親役のクロード・ブラスールがいい。
愛人がひきとめるために嘘をついて骨折したと妻に電話する。友人の車が事故に遭ったせいだと話を合わせ、本当に友人の車をぶつけたりするのだ。
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レネットとミラベル/四つの冒険(1986年製作の映画)

4.0

連作短篇の4編のうちの3編はお金をめぐるコメディと言える。「カフェのボーイ」もそうだし、「物乞い、窃盗常習犯、女詐欺師」「絵の売買」はタイトルにもある通り。払えない、騙される、お金がない、騙す。立場を>>続きを読む

不良少女モニカ(1952年製作の映画)

4.0

ベルイマンの映画は、ずるいくらいよくできている。
冒頭の場面、ハリーの勤めている陶器店のガラスを姿見にしてモニカが映る。モニカは陶器店の向かいにあるカフェに入っていく。すべてはこのカフェから始まったの
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ドライブイン蒲生(2014年製作の映画)

4.0

染谷将太さんも黒川芽以さんもとても味のある演技
いくつか好きなシーンがある。玄関の前でカップラーメンを食べるシーン。
ドライブインの中で皆で踊るシーンも本当に楽しそうだ。
アイスピックの登場のさせ方や
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ゾッキ(2021年製作の映画)

3.5

3人の監督による8本の短編の連作。
『石鹸の香り』などは、そのまま続きを観てみたい気がする。
『秘密』というタイトルの作品があり、それ以外の作品も秘密や嘘を含んでいる。いずれも奇妙なかたちの片思い、友
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めぐり逢えたら(1993年製作の映画)

4.0

邦題の『めぐりあえたら』は、劇中『めぐり逢い』(1957年)という映画の話しがでてくるので、工夫された邦題だと思いました。
トム・ハンクスとメグ・ライアンの魅力がとてもよく出ていて、そのうえ少年ジョナ
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ヘルムート・ニュートンと12人の女たち(2020年製作の映画)

4.0

「写真家に関する映画はつまらない、カメラを構えた背中ばかり映って」とニュートン本人が言う。本作は面白く感じた。たぶんニュートン本人やインタビューに参加した人々(たとえばグレイス・ジョーンズ)の魅力なの>>続きを読む

嵐電(2019年製作の映画)

3.5

好きなところはキツネとタヌキのシーン、帷子の辻のエピソード、時間をわりと自在に跨いでいくショットのつなぎかた、一人でいると思った部屋がそうではなかったなどショットやカメラワークでの驚きがある
残念だっ
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ピート・スモールズは死んだ!(2010年製作の映画)

4.0

【Love Movie】
金髪でちりちりあたまのスティーヴ・ブシェミ、ティムロス。コメディの匂いにひかれて観たのだけれど、大切な犬を取り返そうとする男はカッコよく、『羊をめぐる冒険』を思い出させたりし
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