MovingMoviesさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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イレイザーヘッド(1976年製作の映画)

4.0

メアリーや彼女の家族がかなり飛んでいるので、イレイザーヘッド(消しゴムあたま)の持ち主ヘンリーがとてもまともにみえる。現実に圧倒され、それを消してしまいたいが、それは自分の消滅にもつながる恐怖や理想は>>続きを読む

セインツ -約束の果て-(2013年製作の映画)

3.5

デヴィッド・ロウリー監督の『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』『さらば愛しきアウトロー』は、それぞれ幽霊や老人が主人公で、同監督の本作、若者ふたりがメインな作品とは傾向がことなるよ>>続きを読む

まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

4.0

自分に正直でいることと他人から見て「普通」でいることを考えさせられる……といったことは全くなく、とても楽しめる作品でした。

ベルヴィル・ランデブー(2002年製作の映画)

5.0

【すみませんあなたが坂を登るとき気づくべきでした】
おばあちゃんの笛が聞こえてきます

天国にちがいない(2019年製作の映画)

4.0

【帽子にちがいない】
画面の中心に位置し真正面からこちら側をみるスレイマン監督
ハードシェルのスーツケースを持ち、男性のスレイマンにブリジットですかと尋ねる日本人。
武装してスーパーに買い物に来るアメ
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

4.5

【幽霊が部屋の隅をホジホジしている】のが切ない映画ってあるだろうか
とても好きな映画です。

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

4.0

【微笑みの強盗】っていう邦題はどうだろうか・・・
ロバート・レッドフォード、シシー・スペイセクというチャーミングな俳優たち。
銀行は強盗をするために、刑務所は脱獄するために、銃は撃たないためにある。
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プレイタイム(1967年製作の映画)

4.0

面白いことをしようとしているわけではない人びとが行きかう場所に、面白さを見出してしまうセンス。ツアー客、近くにいる人に電話をする男、交通整理、ガラスを運ぶ人。
ガラスという物質の引き起こす奇妙さ。
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ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

3.0

明暗がない画面は書き割りのように二次元的でとてもユニーク。
原題は『無限について』なのだそうだ。村上春樹の小説風にいえば、「やれやれ」ということかもしれない。
ベルリン陥落、シベリア捕虜収容所などの選
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メイド・イン・USA(1967年製作の映画)

3.0

ぶるると獣のような声をだして起き上がったり、カメラに向かって「私は消えたと言ってね」と言ってみたり、ドリス・ミゾグチという女があらわれたり、マリアンヌ・フェイスフルが美しい声で歌ったりするのは印象的。>>続きを読む

パラード(1974年製作の映画)

4.0

ジャック・タチのスポーツのパントマイムが秀逸。
『ぼくの伯父さんの休暇』でも独特なテニスのシーンが可笑しくてしかたなかったけど、タチのパントマイムをずっと見ていられる気がする。
『ぼくの伯父さん』『ト
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ライフ・イズ・ミラクル(2004年製作の映画)

4.5

【人生がミラクルであったなら】
『パーフェクト・ワールド』『ライフ・イズ・ビューティフル』といったタイトルも思いうかぶ本作は、クストリッツア節(ぶし)と言っていい動物、音楽、郵便配達、愛する人との逃亡
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ロスト・ハイウェイ(1997年製作の映画)

4.0

【終わりなきドライブ】
邪悪と呼ぶのか、傍目には邪悪にしか見えない愛なのか、永遠につづくハイウェイ・・・

ニノチカ(1939年製作の映画)

4.5

【コメディ】クール・ビューティといわれるグレタ・ガルボのコメディ。まるでAIの受け答えみたいな前半のやりとりが楽しい作品でした。

ファウスト(1994年製作の映画)

3.5

シュヴァンクマイエル作品の短編『ドン・ファン』や『棺の家』が好きです。本作『ファウスト』はわたしにはちょっと凝り過ぎているように感じました。

わさび(2016年製作の映画)

4.5

【豊かな物語】
病気の父、父と離婚し別の男性と暮らしている母、少年野球の監督だった男、希望する進路を周囲に理解してもらえない高校生。
飛騨高山なのだろうか、美しい町を背景に映画音楽も美しいピアノの音色
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チェブラーシカ(2010年製作の映画)

4.0

【わにのゲーナとチェブラーシカはとてもおとなでした】
ロシア語版のほうが説明が少なくて好みでした。「わにのゲーナ」「チェブラーシカとサーカス」「シャパクリャイの相談所」の3つの短編からなる。わにのゲー
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バベットの晩餐会(1987年製作の映画)

4.5

【むかしむかしあるところに】敬虔な姉妹がいました。一人の軍人が姉に恋をしました。という出だして始まる寓話のよう。ユーモアと人への感謝。
作品を観終わるとお腹が温かくなったような気持ちになりました。

キートンのセブン・チャンス/キートンの栃麺棒(1925年製作の映画)

5.0

バスターキートン アクションスター説を裏付ける作品。真骨頂の自動車での移動しながらの撮影、大仕掛けなロングショットもあわせて楽しめました。

三つ数えろ(1946年製作の映画)

4.0

【掻いてもいいよ】
そんなせりふってあるだろうか
ユーモアをまじえた大人の会話でした

ただいま、ジャクリーン(2013年製作の映画)

5.0

【おかえり、悟】
この作品も同監督作『私をくいとめて』と同じように腹話術や漫才の出し物の場面に過去の記憶がよみがえってくる。
ジャクリーンという人形と悟少年
ひとりになったものたちのおしゃべりで静かな
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丹下左膳餘話 百萬兩の壺(1935年製作の映画)

4.0

強面の丹下左膳のチャンバラのようなタイトルだが、コメディで人情噺。『河内山相俊』でも山中作品は用心棒役がいい味をだすが、本作は用心棒が主役。
大河内伝次郎の態勢の低い立ち回り、軽々と飛んでいく身のこな
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朝が来る(2020年製作の映画)

4.0

河瀨監督の作品は5本しか観ていないけど、本作の脚本が言い過ぎず自然な言い回しに一番成功しているように感じました。

春なれや(2016年製作の映画)

5.0

永遠などなく春にはここにいないかもしれないものたちの永遠

私をくいとめて(2020年製作の映画)

4.0

【Aの代わりに返事をしよう、大丈夫だと】
呟きの止まらないみつ子。内省的、小説家タイプといえるかもしれない。
ダンボールに話しかける芸人(吉住)は、みつ子のストーリーにとって不可欠なのだと観終わってか
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異端の鳥(2019年製作の映画)

3.0

【宇宙人へ渡す一本、『シンドラーのリスト』も添えて】
ある話しを思い出す。
壺に閉じ込められ海底に沈められた妖霊は、救い出してくれるものがあれば永久に金持ちにしてやろうと思った。百年たっても誰も現れな
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人情紙風船(1937年製作の映画)

4.5

【雨】
髪結い新三、落ちぶれた武士海野の住む長屋を舞台に質屋の娘駒子、質屋の用心棒をしているやくざが絡んでくる。
冒頭で昨日まで雨が降っていたという翌朝に長屋で首つりが見つかる。ちょっとした騒ぎにはな
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デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

3.5

【もちろんコメディです】
あそこまでの頻度はありませんが、三木聡監督かと思うような小ネタをかませたジム・ジャームッシュ作品にビル・マーレイが出演しているのだから安心です。(何が?)
ジャームッシュ作品
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チャルラータ(1964年製作の映画)

4.5

嵐のような強い風が吹きその人はやってきた。秘めた激情につらぬかれる映画とでも呼べばいいのだろうか。主演マドビ・ムカージの眼力(めぢから)に圧倒される。
ブランコのシーンや超クローズアップからの「私の村
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.5

山田詠美さんが文芸誌で、ある短編集を映画『ゲット・アウト』を思わせる作品と紹介されていた。
ので観てみた。
面白かった。
居てはいけない場所からは直ちに出て行かねばならない。

Mr.BOO!ミスター・ブー(1976年製作の映画)

3.5

日本版ポスター、耳にのこる音楽、邦題をMr.Booとしたことなどが好きです。
それにしてもソーセージのヌンチャクの扱いが見事!

あやしい彼女(2016年製作の映画)

4.5

【母の物語】
以前タイ版の『Suddenly Twenty』を観たことがあります。いろいろな国でリメイクしても通用する要素を含んでいるのかな。若い頃に戻ること、恋愛、シングル・マザー、幼馴染み、生き抜
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バンデットQ(1981年製作の映画)

4.0

【Qがいい】
テリー・ギリアムの唯一無二のキャスティングが現実を一瞬で吹き飛ばす。
邦題につけられた”Q”がとても好きです。

折鶴お千(1935年製作の映画)

4.5

【姉さん急にお金持ちになったんですね】って無頓着にもほどがあるだろうとつっこみたくなるが、85年前の映画を観ることが今朝一番にすることであったわたしも現実感のなさでは負けていない。

ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

4.0

【永遠の2秒】
この映画はきっと2秒間の話しなのだろう。あるいは20年なのだろうか。
自分が遠いところへ流れてきたと感じたらお薦めです・・・

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

4.5

【リタは眠る】
前半のダイナーの男性二人のシーンから、なんでこんなに怪しそうなぴったりの俳優が出てくるのだろうとどきどきする。
ナオミ・ワッツの演技力に感服します。