harunomaさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

EO イーオー(2022年製作の映画)

2.1

ピート、あるいはそして、白い馬は行く。
あの鳴き声やガラスの棚を倒す暴動やらがあったとしても、この映画は信仰はエロいブレッソンのリメイクではない(倒れてなお、引き画で呼吸で肺が膨らむバルタザールのラス
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

1.3

ギャグがなくなって久しいシャマラーンを
あるいは、撮影監督タク・フジモト不在のナイトを
われわれはどう呼べばいいのか。ハリウッドのインド系アメリカ人とでも?
不条理密室サスペンスかスリラーかアクション
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石がある(2022年製作の映画)

1.2

石をも泣かす 
響きと怒りの物語(トマス・エルセサー) 
「響きと怒りの物語――ファミリー・メロドラマへの所見」(1972)
ダグラス・サーク
石があるが水はない

ダウナーへ本気で向かうことと、その
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A.I.(2001年製作の映画)

5.0

人間のいなくなった世界に取り残されるのは、電子的なデータベースの記録の再現、痕跡か。
愛の残像、愛の記憶だけがそこにあるのが、泣ける。
オスメント君だけが残るわけでもないが、イメージは霞み、歳月に消え
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恋するレシピ 〜理想のオトコの作り方〜(2006年製作の映画)

3.0

普通の凡庸なアメリカ映画とは、つまり、コメディなのだが、フィルムで撮られたテレビドラマでもある。現在はそのどちらにも当てはまらず、イヤミスなりなんなりフックを作って映画を売らなければならないあまりにも>>続きを読む

探偵はBARにいる(2011年製作の映画)

2.5

探Bar.
ハードボイルドは知らないが
やはりフィルムで撮られているだけ、まだ見れる。当時はiTunes? でゴミ以下の判定だったが。
後半、忘れた頃にやってくる松田龍平(そうか優作の70年代、80年
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ゴダールの探偵(1985年製作の映画)

4.1

大雨ノアため、ジャン・ブリカールの道程は見に行けなかった。
あの心地よいまでの痛快な轟音とどこまでも続く疾走する河、樹木の風景、水の娘、ピクニック、おそらく原風景とはこのような音のない記憶のなかにある
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タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター(2023年製作の映画)

5.0

Overwhelming アメリカ映画の圧倒的な娯楽であり最上のメロドラマ。豊洲のスクリーン上映で観直した後、家へと歩きながら、どうしたってかなわない...と胸があつくなりました 水攻めはスタジオに>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

1.1

社会的映画はシネマになりうるか、サスペンスではなく。
ダルデンヌの勝利 あくまで個人の。兄弟。
此枝ではない
是枝はそして父になると海街diaryだけ 瀧本幹也 グールドバッハ
坂本龍一遺作とかではな
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FUGAKU3/さらば愛しのeien(2016年製作の映画)

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青山真治クロニクルズ The Chronicle(s) of Shinji Aoyama
この本は港区立図書館にあります。

知らなかったが、たぶんそうだろうという撮影、学生時代の裏話やエピソードも豊
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あやしい彼女(2016年製作の映画)

3.1

簡素で的確なカット割りに、ミュージカルではない何かを身に纏い、思いの外、多部未華子の代表作に思えるのは、多部未華子がコントすれすれに倍賞美津子の身振りをいじらしいまでに反復するからだが、ファンタジーへ>>続きを読む

ホテルローヤル(2020年製作の映画)

1.0

いわゆる人間模様というやつは、ヌーヴェルヴァーグも相米慎二も通過せずに今生きられている。トラベリングの1カット内の時間推移も素っ頓狂な人物造形も、ただ一人の彷徨も、無言のリアクションの顔も、少しながら>>続きを読む

空飛ぶタイヤ(2018年製作の映画)

1.0

ドラマ版と比べると
とんでもない改変とキャスティングに演出。
現代松竹(小津のいないこの会社は完全にダメ)のマークが出た時点ですでにやばい。
ひと一人亡くなっていることを思うと、倫理的にもこの映画はど
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今日も嫌がらせ弁当(2018年製作の映画)

3.5

結末は弱いが、八丈島に行きたくなる。
香川ではなく芳根京子という謎。

総理の夫(2021年製作の映画)

1.0

河合勇人でよかったのは
映画 鈴木先生(2013年)
俺物語!!(2015年)
だけであり、両作とも俳優が映画(画面)を作るということが、この監督のキャリアを見ると合点が行く。
東映、日活、ジャンゴフ
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台風家族(2019年製作の映画)

1.0

露悪派とは、クズをそのまま取り出してむき出しの人間模様をおもしろおかしく世間に提示することではなく、クズをそのまま取り出してむき出しの人間模様を提示する物語内容を、非中枢的な知覚もショットの持続も可憐>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

2.9

観る予定はなかったが、
ムビチケをいただいたので丸の内TOEI 2 にて。
あいかわらず杜撰な東映であった。興行が行き届かないという。
階段を降りて劇場に向かいたくはない。

観終わって2日経つと、日
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ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ(2021年製作の映画)

2.3

1:1.33 近年稀に見るサイレント並のイメージのオーバーラップ、雨、嵐、光のスペクトル、蝋燭、賑やかで逞しい家族と妹たち、自由な移動、ダッチアングル、アイリス、ズーム、ニューヨークの路上の燻んだ着色>>続きを読む

黄泉がえり(2002年製作の映画)

3.3

塩田明彦はいかにしてゼメキスになれなかったか。
喜久村徳章のカメラが素敵。

コンフィデンスマンJP ロマンス編(2019年製作の映画)

1.0

今見直すと
ほとんどゼロだ。フジテレビ丸出しのノリはきつく、二丁拳銃やら一触即発の三つ巴があっても、その他ヤクザのエキストラはただ黙って撮影時間を背景として立たされていることも人権侵害に違いなく(動き
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ハッピーエンドが書けるまで(2012年製作の映画)

1.1

おおよそ考えうる限りの最低の出来。
リリー・コリンズやシアーシャ・ローナンの単なる可愛さとは何なのかよく分からない。小説家や作家という胡散臭いものの表象は画面を越えている。
『あと1センチの恋』はよか
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

3.0

2022年以降に再見すると、
局所的なクソみたいな組織の權力志向が鼻につき、面白さを感じない。2013-2017年までおそらく、日本映画は長谷川博己がいなければ成り立たない、あるいはドラマなら堺雅人か
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さいはてにて やさしい香りと待ちながら(2014年製作の映画)

3.0

侯孝賢の助監督、台湾出身とか
是枝裕和に師事くらい胡散臭い訳で
案の定冒頭の車のトラックアップの風景ショットやらトンネルやらから、適当なシネスコのデジタルであり、空ショットの魂は微塵もない。シネスコの
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ミックス。(2017年製作の映画)

3.9

普通におもしろい。あらゆることを回収していた。古沢良太は。
TBSかと思ったらフジテレビ。
ガッキーがかわいい。

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

5.0

圧倒的に普通のおもしろさというものが、70年代をして古典になっている。
家族=マフィアの闘い、あまりにも死者が多すぎる。
権力の配置のためか、ジェームズ・カーンを残さないというプロデューサーの賭けは、
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恋愛小説家(1997年製作の映画)

5.0

六度目の鑑賞。
やはり素晴らしすぎる。
もはや現実にもフィクションにも、このような世界は存在しない。
映画に共通前提やらコモンズが消え失せた証拠であるだろう。

2019/09/27

どうも撮影監督
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エヴェレスト 神々の山嶺(2016年製作の映画)

1.0

近年稀にみる史上最低の意味不明な映画。
直前にハリウッドの『エベレスト』(この映画のちょうど1年前に公開されている、邦画はこの映画のパイロット版以下)を見たためもあるが、それにしてもクソ映画すぎる。角
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エベレスト3D(2015年製作の映画)

3.5

殺人の起こらない雪山とはなんだろうか。
その実、やはり人は亡くなっている。
あまりにもニュートラルな映画。2015年当時『エベレスト 3D』と 3Dと付いた時点で、逆効果に観る気を失せた山。

『パブ
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インフィニット 無限の記憶(2021年製作の映画)

1.9

アントワーン・フークアが、ノーランみたいな企画でやる。
フークアは、好きだが、デンゼル・ワシントン抜きのアントワーン・フークア、しかも少し調子に乗っている時の彼は、ほとんどその誠実さに欠ける。トニー・
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バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版(2022年製作の映画)

2.0

演劇的な意識的な台詞の量と豊富なショットのコンテが、成立し得ないものを成立させようとしている。
現在のフジテレビの職業映画監督西谷は、おおよそ大嫌いなディーンなり、岩田(空に住むよりいいのは期待がゼロ
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永遠の僕たち(2011年製作の映画)

5.0

Harris Savides

2004 アワーミュージック 日本公開は2005
   マイ・ボディガード
2005 宇宙戦争 爆発的な最後のフィルム=イメージ
   エリ・エリ・レマ・サバクタニ
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シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

4.5

思った以上にtragicな2022年。30日に
青山真治追悼のため
空に住むメイキングやらを見てみたが、
映画崩壊以後の瓦解が多部未華子三姉妹によって告発されていた。これでは小津のカラーもないかも知れ
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コンドル(1975年製作の映画)

2.5

シドニー・ポラックとシドニー・ルメットの違いも分からず、
『スパイ・ゲーム』のパンフレットに参考として言及されているから見てみるが、なんだろうこの70年代のつまらなさは。
CIAの組織の陰謀と裏切り、
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

1.3

取り敢えずPTAは、自らがカメラをやるのを辞めたほうがいい。
物語すら撮れていない。
生々しくリアルで、運動感すらあるこれらの身を引いた地続きの映像たちは、抱き合う姿すら1カットのガラスの反映を望遠で
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はるねこ(2016年製作の映画)

1.0

私は青山真治を愛していたと言ってもいい。
『すでに老いた彼女のすべてについては語らぬために』『FUGAKU』を含め、彼の全作品をスクリーンで観ているのだから、それくらいの権利はある。セレブレートシネマ
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