harunomaさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

赤ずきん(2008年製作の映画)

5.0

Le petit chaperon rouge
拳銃と円運動、赤、a Girl、なかんずく黒いタンクトップと、
野性なる瞳、髪、その腕、活劇。
God化(そういえば『こおろぎ』の山崎努も浜辺の海でひか
>>続きを読む

EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)

5.0

おそらく7回目か上映で観るのは。
初めてみてから21年経っている。それは長いのか短いのか。
アニキ・ボボ Aniki Bóbó (1942年)
春の劇 Acto da Primavera(1963年
>>続きを読む

燃えよ剣(2021年製作の映画)

1.0

望遠のスイッチングが忙しなくクソ映画である。
大島渚の『御法度』と比べれば、目も当てられない。
ビート氏のいない映画などみる必要がない。
原田眞人、いくつかの作品はおもしろく見ている余裕はあるが、この
>>続きを読む

神様のカルテ2(2013年製作の映画)

3.0

藤原竜也が普通の役で出ている感動作。
非常に貴重。これ以外にまともな人物として藤原が助演に位置したことはない。医師役、父親役。
これも撮影は山田康介だったのか。

ラプラスの魔女(2018年製作の映画)

2.7

図らずも、というかまさに、すずさんのクロースアップは相かわらず美しく中盤からはいくつかラプラスの時間が(三池ですら)破裂しておりました、実際は編集で回避。三池は不甲斐がない。「怒り」から続く悲鳴をあげ>>続きを読む

夏への扉 ―キミのいる未来へ―(2021年製作の映画)

1.2

またピートである。本当にロウリーを観たのか?三木さん。
時間が経過するたびに、居た堪れない物語と演出と演技と映像が続いていく。考えられる限り最低のスベリがここにはある。
今まで不問にふされていた山崎賢
>>続きを読む

先生! 、、、好きになってもいいですか?(2017年製作の映画)

3.5

26時間の果てに、先生!を観てきました。
思っていた以上に微妙でした。
脚本の岡田麿里(アニメ映画「あの花」「ここさけ」)が調子に乗っていました。なんだかんだ実写はきつい。
すべてではないが、青山真治
>>続きを読む

天外者(2020年製作の映画)

1.1

冒頭の走りからして、変な音楽をかけて、まったくスピードもショットも遅く、いらないカットがなぜか長く編集もされ、山中貞雄にはまったく遠く及ばず、ふざけた侍姿と身振りは、中野SFなんちゃらに近いくらいであ>>続きを読む

先生、私の隣に座っていただけませんか?(2021年製作の映画)

1.0

作家性とは立派なもので、どんな条件においても、何も考えずとも、映画は、映像の画面にその人の撮るものを刻印していく。
九州大学時代の『YOBIMIZU』という活劇から遠く離れ、というかそういうことは止め
>>続きを読む

出来ごころ(1933年製作の映画)

5.0


小津安二郎「出来ごころ」(1933)から

 なにかを観ている座っている観客を斜めに捉えた移動ショットから始まる「出来ごころ」は、何人かの特定の観客のカットの後、一応の観客同士の視線の繋ぎにより主人
>>続きを読む

軒下のならずものみたいに(2003年製作の映画)

4.5

軒下のならずものみたいに
撮影 たむらまさき

まだ早い朝、部屋で寝ている秋彦、起き上がり外に出る。自転車に乗って坂道を颯爽と下り、自販機で飲み物を買い、多摩川河川敷へ。河川敷でぼーっとしている秋彦。
>>続きを読む

すでに老いた彼女のすべてについては語らぬために(2001年製作の映画)

5.0

めちゃくちゃおもしろい。
featuring 中野重治(小説「五勺の酒」・詩「雨の降る品川駅」)、夏目漱石、幸徳秋水とか。パンフに「アンブレイカブル」「コミック雑誌なんかいらない」「アタラント号」「鏡
>>続きを読む

浅田家!(2020年製作の映画)

4.4

家族で撮るとは、
ままルノワールだが

わたしたちがポジを与えられるのは、そのネガを作るためである。

p246 カイエ・デュ・シネマ・ジャポン ユリイカ ジャン=リュック・ゴダール

家族写真
>>続きを読む

追憶(2017年製作の映画)

1.9

ミスティック・リバーかスリーパーズか知らんが、まずトラウマ的出来事を共有した少年たちがいるなら、映画としては、その少年たちが魅力的でなければ、話の根本が成り立たない。なんというやる気のないキャスティン>>続きを読む

おと・な・り(2009年製作の映画)

2.4

16mmのセットで撮られていることが懐かしくよい。
一番盛り上がるのが池内君登場と、西日の部屋にうつ伏せに寝転び、脚を遊ばせて歌う麻生久美子。

他は印象でしかなく、あまりにもすれ違いと邂逅が長すぎる
>>続きを読む

子猫をお願い(2001年製作の映画)

5.0

当時、メールの文字を、映像にテロップとして打ち出す、というのが斬新な表象のように見えたショットしか憶えていないが、ペ・ドゥナ、よかった。その友達も。深い悲しみが。傑作『リンダ リンダ リンダ』がその後>>続きを読む

ザ・マミー/呪われた砂漠の王女(2017年製作の映画)

2.5

印象としては嫌いではない。
「バリー・シール アメリカをはめた男」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」
近年の中年ダメクルーズシリーズに位置する。(「オール・ユー・ニード・イズ・キル」は最高)
見る前
>>続きを読む

前科者(2022年製作の映画)

1.0

期待していたが、
割と好きな方な森田剛があるリアルさを熱演すればするほど、見ていると爆笑してしまうという、もはやニュートラルに俳優として見ていないフレームがこちらにある時点で、どうやら森田剛を映画とし
>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.7

トップガン マーヴェリック
これは歴史である、続編ではない西部劇。ヴァル・キルマーのこともあり、オリジナルは見ておこうと思ったら、正解だった。
まさかトップガンのトニー・スコットをジョセフ・コシンスキ
>>続きを読む

トップガン(1986年製作の映画)

3.1

トニー・スコットの中で、唯一見ていないのがこれと、もう一つ。
トム・クルーズなのに。
その透明性と、一番の大ヒットから最後まで見れないのか、はたまた女優がよくないのか。80年代の限界か。
それにしても
>>続きを読む

スクラップ・ヘブン(2005年製作の映画)

2.5

みなとみらいがいい感じの空。
オダギリジョーの全盛期であり、才能のなさ彼の画面的浅はかさが露呈している。

BORDER LINE(2002年製作の映画)

-

なんか光石研が燃えてる炎の前にいた記憶しかない。
李相日は『怒り』しかいいと思えない。ノーランが『インターステラー』が一番いいと思えるのと近い。自称俳優の演出派の監督と言えども、俳優自身が反射を超えて
>>続きを読む

八つ墓村(1996年製作の映画)

1.0

なぜか再見したくなって、400円払った。
市川崑、市川準、伊丹十三、森田宏光とかいう大根ジャンルは永遠に分からない。
この人たちは何が楽しくて映画なんて撮ってるんだろう。
Fujiかどうか知らぬが、こ
>>続きを読む

市民ケーン(1941年製作の映画)

4.6

なかんづくジョゼフ・コットン。
グレッグ・トーランド。スクリーンではじめて観た『市民ケーン』において、ケーンと同志たるリーランドが仲違いした後、リーランドからケーンが与えた小切手とともにケーンの書いた
>>続きを読む

CUT(2011年製作の映画)

4.1

シネマは身体であり、身体はそのまま目の前のシネマである。
アミール・ナデリは食わず嫌いだが、これはプリミティブによかった。
文字通り傷だらけ、満身創痍に映画をまま体現する西島の顔は、固有名すら消える「
>>続きを読む

あの電燈(2014年製作の映画)

3.9

面目躍如。
冒頭一連の、ラジカセを耳にあて、颯爽と歩く小林万里子とラジオのノイズ、あの電燈は永遠にシネマに刻まれるだろう。
いい小品。

うつろいの標本箱(2015年製作の映画)

1.0

壊滅的。ワークショップとはそもそも壊滅的な詐欺商法なのだが、わたしがわたしのままで映画になるなら、iPhoneで完結するはずだ。そして、そんなものは映写してはならない。配信のURLを送ってくれ。
電車
>>続きを読む

人生の約束(2016年製作の映画)

-

貴重な、とんでも映画。点数付けが不可。
開局年記念2夜連続テレビドラマならまだいいが、本当にこんなものが2016年に上映されていたのことがすごい。失敗作ですらないある意味とても貴重な邦画。

日本テレ
>>続きを読む

怒り(2016年製作の映画)

4.8

響きと怒りの物語(エルセサー)

広瀬すずは『海街diary』も『四月は君の嘘』『三度目の殺人』も好きだ。群像劇ながら、今作が一番の代表作となっただろう。彼女の叫びが沖縄の波の音とともに坂本龍一のピア
>>続きを読む

流浪の月(2022年製作の映画)

1.3

壊滅的だけど、続けなければならない産業芸術の魂の抜け殻。
東宝『怒り』に比べての感想。
重厚さの欠片もない。疑わしい主人公。反メロドラマ。サスペンスですらない。
フラッシュバック(3つの時間のマッチカ
>>続きを読む

心の指紋(1996年製作の映画)

3.5

偉大なる失敗作。
イーストウッドもいる。
ラストの山頂の美と体ごとの走りはピートなのだろうか。
それにしてもアンバランスなバランス。あらゆるものがないまぜになりながら映画史の記憶がときに足枷にもなる。
>>続きを読む

サブウェイ123 激突(2009年製作の映画)

5.0


映画史上、ラストに牛乳ミルクが重要なプロップスになるのはこのサブウェイ123とマキノ雅弘の『侠骨一代』だけ。帰る場所は違うのだけど。

ミルクを買って帰路につく微笑み。
全然必要のないパトカーの横転
>>続きを読む

夜よ、こんにちは(2003年製作の映画)

4.5

確かに21世紀初頭にベロッキオ・ルネッサンスというものがあった。
『愛の勝利を』と『母の微笑』までだが。
『肉体の悪魔』
微細で執拗な観念の信仰は肉体的であった。ルー・カステル。
艶かしい肌の発色と全
>>続きを読む

ジョー・ベル ~心の旅~(2020年製作の映画)

2.5

この映画がA24予告編詐欺だと思うのは、
当のテーマそのものではなく、
幽霊問題を何の境界もなくやりすごしてしまうからだ。
放浪者の如く荒野を行く二人は、現代の問題を最優先させるのはいいとして、ほとん
>>続きを読む

罪の天使たち(1943年製作の映画)

5.0

あなたのこえを私の誓にかえすほどに、雨の中の微笑みはミメーシスとしていきつづける。反響-反射とは共鳴であり、沈黙の、時間を遅らせる反復、おそらく触れていたのだ二人は。

罪の天使たち
LES ANGE
>>続きを読む

自由、夜(1983年製作の映画)

5.0

自由、夜
Liberté, la nuit

その峻烈にはためく風のありかに、白いシーツに、ミシンに、灰色の路地に、夜に、世界の声は、見つめ合う二人の、そしてひとりの、眸の微動のふるえの前では、自由と
>>続きを読む