日野氏さんの映画レビュー・感想・評価

日野氏

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凶悪(2013年製作の映画)

3.5

ムショ入りして急に真面目になるピエール瀧に、不謹慎ながら笑いを禁じ得なかった。リリーフランキーの怪演が自然すぎて感動した。強引に酒を飲ませ続けた末に爆笑しながら果てる(色んな意味でイク)シーンが印象的>>続きを読む

秋刀魚の味(1962年製作の映画)

4.0

やっぱり良い。しがないオッサン達の会話とか、家内の淡々とした感じ。可笑しいんだけど底無しの寂しさを抱えた、小津美学の最後に相応しい作品。コミカルでシニカルな無常感に満ちている。

ウォーターボーイズ(2001年製作の映画)

3.5

色々懐かしい。妻夫木聡や玉木宏がやんちゃ坊主役で頑張ってる。よほど練習したんだろうというラストのシンクロナイズドスイミング演技は俳優としても青春の真骨頂。

そして父になる(2013年製作の映画)

3.5

福山雅治とリリーフランキーが好対照。一流企業の勤め人=冷たい、下町の庶民=暖かいの構図は相変わらずワンパターン。
ただ献立やインテリアなど、細かなところで映像としてはリアリティがあった。子供の取り替え
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楢山節考(1983年製作の映画)

3.5

人間も昆虫も、すべては交尾に尽きる。大らかで自然と同一化した混沌の性=生に満ちた作品。
セックスの貞操観念とか他人の女、みたいな思考なく、穴兄弟になったオス同士でも共存していられるマインドは現代人も見
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ルックバック(2024年製作の映画)

4.5

短いからと侮ったらいかん。素人目にも絵の動きや心理描写に圧倒された。ストーリーも二転三転してからの伏線回収がすごい。作り手の愛情が溢れてる。エンドロールまで見入ってしまった。1時間と感じられない濃密さ>>続きを読む

流浪の月(2022年製作の映画)

3.5

世間様が許さない。それが個人を蹂躙していく悲劇。僕だけ大人になれない!っていう松坂桃李の孤独の叫びが胸をえぐった。
一方で何としても広瀬すずとセックスしたい横浜流星のチンコ主義的な愚かさが対照的に描か
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EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)

3.0

とにかく長い!オレの頭が悪いのか、何がしたいのかは分からなかった。けど逆に長さが力にもなってて見終わった時の謎の心境への到達感は中々味わえないものがある。役所広司も宮崎あおいも若いのが感慨深かった。

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.0

韓国映画的な迫力と美学に腰抜かす。そういうのを先取りしてる、というか韓国勢がたけしに影響を受けてるとしか。当時のバブル景気の最中でこの内容をぶつけてきた心意気も最高。まあ語るのが野暮になるので先ず観て>>続きを読む

エロ将軍と二十一人の愛妾(1972年製作の映画)

3.5

女体に貪るように食らいつく将軍様がエロ滑稽。描写のぶっ飛び方は今では見れない貴重なレベル。壮大な乱交シーンは一見に値する。際限ない性欲の渦に巻き込まれる作品。

近松物語(1954年製作の映画)

3.5

オトコとオンナ、破滅をものともしない情愛の不可思議。当時の邦画らしく音声が所々聞きづらかったが、総じて没入して観れた。
人形浄瑠璃も良いが、やはり映像だと生々しさが違うな。

平成狸合戦ぽんぽこ(1994年製作の映画)

4.5

平成がもはや懐かしい。高畑勲らしい穏やかな作風の中で、これだけ楽しいエンタメがあるのは嬉しい。自分に子どもができたらまず見せてあげたい作品。
これ観た後でもののけ姫作った駿はまあチートだと思う笑

渇水(2023年製作の映画)

3.5

上京してから水が有料ってことを忘れてた自分には勉強になった。
水商売(洒落じゃない)の母親に捨てられていく娘2人の健気な姿には見ていて胸が詰まりそうだった。
後半、突然同僚を置いて走り出す主人公のメン
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萌の朱雀(1997年製作の映画)

3.0

まだ自民系の政策プロパガンダと結びつく前の河瀬直美の素朴な映像表現が見られる。
まあ眠くはなるが、すげー90年代の日本の雰囲気は味わえる。

影武者(1980年製作の映画)

3.5

甲州の名門・武田氏があっという間に滅亡していく姿が虚しく哀しい。長篠戦後、諏訪の勝頼たちが部下等に裏切られていく末路も描いて欲しかった。地元の実力者なだけに、その諸行無常感も増したと思う。

また信玄
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ニッポン無責任時代(1962年製作の映画)

4.0

リーマンモノの楽天主義を極めた感じ。当時の人は誰でも1回は植木等に憧れただろうと思う。終身雇用時代にそれをぶっ壊して暴れ回るのがよかった。
戦後昭和の象徴的なコメディである。

ちはやふる 上の句(2016年製作の映画)

3.5

王道の青春映画。広瀬すずの着物姿が似合い過ぎてて、まさに代表作。
努力と勝利、汗と涙パターンの典型だが、映像や音楽のおかげか、透明感ある品の良さを感じる。続編の評判がいいので期待している。

ビリギャル(2015年製作の映画)

3.5

学歴作るだけが人生じゃないけど、こういう何か真剣にやりきる経験できたっていうのが本当の財産になるんだろうなと思った。

サマーウォーズ(2009年製作の映画)

4.0

メタバースアクションと、夏の田舎景色の組み合わせが面白い。日本のアニメ監督は本当に山に囲まれた地方を描くのが好きだなと思った。後半は次々と難題が続くのでハラハラ楽しめる。商業化された仮想空間や通貨を描>>続きを読む

サヨナライツカ(2009年製作の映画)

3.5

タイに行く機会があったので鑑賞。やはり無様に買春などせずに連れとホテルでSEXするのが一番だと思った。タイの暑さが伝わる官能的な雰囲気が終始漂っている。

家族ゲーム(1983年製作の映画)

3.5

またしても松田優作すげーと思わされる作品。舞台的なカメラワーク、毒っ気のある演出、不思議なユーモアに引き込まれる。家庭教師なんて久しぶりに見て懐かしくなった。

異人たちとの夏(1988年製作の映画)

2.5

よく分からん。昭和ノスタルジー感が好きな人なら楽しめるのだろうか。手作り感満載なのは可愛らしかった。

東京オリンピック(1965年製作の映画)

3.5

パリ五輪ついでに鑑賞。やっぱスポーツものはテンポ良く編集された映像の演出力だよなと割と感心。市川崑のエンタメ精神が壮麗な祭典をよくまとめている。
湿っぽい河瀬直美は学べばよい(爆笑)。
開会式だけは今
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カルメン故郷に帰る(1951年製作の映画)

4.0

誰の目も気にしないカラッとした主人公達の明るさがいい。山に囲まれて育った田舎者たちがストリップを恐る恐る見に行く素朴さよ。色々と癒される映画だった。

幕末太陽傳(1957年製作の映画)

3.5

江戸落語と日活タッチの新奇な融合。元ネタを知っているだけに、色々混ぜ合わされたスタイルに少し違和感もあったが、フランキー堺の左平次がぴったりでクスクス笑ながら楽しく観れた。

風に濡れた女(2016年製作の映画)

3.0

禁欲男が、野生的というかヤバい女とのSEXに追い込まれていく映画。ロマンポルノ枠だがネチネチした変態さより、3Pや青姦など猿でもやりそうなプレイが多く、途中から感覚が麻痺する。女の汗ばんだ肌感が伝わる>>続きを読む

梟の城(1999年製作の映画)

2.5

忍者モノとしては随分と陰気な作品。そもそもスパイの人生って使い捨てだし、こんなもんだよなあと冷めて見てしまった。天下人暗殺という壮大な目標に向けての静かな期待感で最後まで観れた感じ。今観るとCGがちょ>>続きを読む

アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

1.5

色々よく分からんアニメ映画。田舎出身者のオレには、山中の街に閉ざされる閉塞感はよくわかる。でもこういうの好きでしょ、ただ感じて!みたいな製作陣のナルシシズムが嫌だった。近親相姦的なストーリーも作品の核>>続きを読む

木更津キャッツアイ 日本シリーズ(2003年製作の映画)

3.5

愛すべきバカ男たちの話が壮大になってて笑った。ディズニーより向こうの千葉、中途半端に治安悪い地方感に説得力がある。クドカンらしい下品さと可愛らしさ、飛躍した想像力が発揮されている。
正直テレビシリーズ
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フィギュアなあなた(2013年製作の映画)

3.0

性玩具についての妄想系ポルノ映画。セックスというより素っ裸の女体を隅々まで愛撫するフェチ的なエロだった。一方的に舐められ続ける女優の心境が気になるが、ここまでリアルだとクンニとかした時にちゃんと股間が>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

3.5

全く違う環境で育った2人の女、それぞれの視点から、貧富・ジェンダー・因習に縛られた生きづらさからの突破に向かい始める姿が静かに描かれる。
主人公の夫は無気力な感じで何故モテるのかは不明だったが(まあ顔
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ラヂオの時間(1997年製作の映画)

4.0

三谷幸喜って何となく見る気にならない作り手だったけど、これは純粋に面白かった。
深夜のラジオ局で働いてみたくなる。
やっぱ舞台的なリアルタイムで進行するコメディはテンポ感あって好き。

永い言い訳(2016年製作の映画)

3.5

欺瞞をテーマとする西川監督らしい作品。成功者だが空疎な心の男と、貧乏だが家族愛だけは強い男。互いに男やもめとなって初めて知る感情が描かれる。モックンの見た目がとにかく若いのに驚く。残念なイケメンがハマ>>続きを読む

音楽(2019年製作の映画)

4.0

シュールさがハマって爆笑した。地元でバンドやってた時を思い出した。改めてリコーダーいいなと思った笑

野獣死すべし(1980年製作の映画)

3.5

松田優作かっけー!昭和の反道徳的なインテリ無頼漢を1人で体現してる。暴力とセックスが前提なのがいい。語弊があるが、そういうのを高尚とも猥雑ともしない感じがしっくりくる。後半訳わかんなかったけど、まあ優>>続きを読む

愛のむきだし(2008年製作の映画)

3.0

今やニッポンが世界に誇るセクハラ監督の代表作。性の禁戒からの背徳感こそエロスの本質と言ったバタイユを思い出した。
性欲溜めすぎておかしくなった男子高校生は感動するかも。
色々くだらないが、主人公の目を
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