mimicotさんの映画レビュー・感想・評価

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MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

3.7

幻聴なのか、それともモスキート音みたいに聞こえる者だけが聞ける音なのか...
自然と記憶というエッセンスを巡りながら、その奇妙な音を探っていく詩的な世界。
あまりの静寂さに眠くなってきた頃、これは?!
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ファルコン・レイク(2022年製作の映画)

4.0

ラストはいい意味で裏切られた感じがしました。斜め上をいく切なさに余韻から抜けられない...

カナダの湖畔でバカンスを過ごした、14歳になる少年バスティアンと16歳の少女クロエの、どうやったって忘れる
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空気人形(2009年製作の映画)

3.5

人形が心を持つことはせつないこと
けど、幸せを感じたこともあったよね

カムサハムニダとか話しそうにないくらい日本語の発音がきれいなペ・ドゥナ
色白でスタイル良くてふんわりしたワンピースが似合ってる
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愛すべき女・女(め・め)たち(1967年製作の映画)

3.6

過去も未来も"男と女"は変わらなかった

男性は女性の美しさに魅了され
女性は裕福な生活に憧れる
求めるものが違う男女が
焦らし、焦らされ
騙し、騙され..
純愛とは別ものの"欲望"という名の駆け引き
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ノベンバー(2017年製作の映画)

4.2

エストニアの貧しい農村を、ハイコントラストモノクロで撮った詩的な美しい、美しい世界
月の光を浴びた女性、眩しいくらい明るい雪や氷の冬景色にうっとり
そんな映像美に惹き込まれ...そしてパンチをくらった
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ビハインド・ザ・サン(2001年製作の映画)

3.8

二つの家族の間で繰り返される、土地を巡る終わりなき争い
憎しみは憎しみを呼び、仇討ちを宿命のごとく生きる息子たちの哀愁を帯びた兄弟愛がせつないです

満月の夜を超えたら...
旗みたいに掲揚された赤く
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怒りのキューバ(1964年製作の映画)

4.7

素晴らしいとは聞いていたけれどこんな美しい映像見たことない
特に冒頭の島の映像!天国みたい..と本気で思った
ふわふわ綿毛みたいな植物が育つ幻想的な島
白黒なのに凄く明るくて誰かの夢を覗いてるみたい
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ペネロピ(2006年製作の映画)

3.6

Beauty and the Beastの逆バージョンみたいな話かなって観ていたら、ちょっと意外なストーリー展開
勇気が貰える現代版お伽話だった

呪いひどい..
と思いつつ豚の鼻のクリスティーナ・リ
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こいぬのうんち(2003年製作の映画)

3.5

ぼくの命...
ちゃんと意味があったんだね

寒い日にしたワンコ🐶のうんちからほわぁっと湯気が立ってると
ぉぉ♡と愛おしくなります
この作品を観たらもっと愛おしくなりました

生まれたばかりの無垢なう
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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

4.0

ブリュッセルのアパルトメントで起こる3日間を、ほぼ家事をするだけで描くシャンタル・アケルマン監督の作品

これは凄い..思いがけない展開に唖然とした
日常が簡単に非日常に変わってしまうのは恐ろしいです
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ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

4.0

この映画のダンスが好きステキすぎる

冒頭の15分は本物のクラシックバレエの舞台が観れるという*.゚
そしてラストも素晴らしかった!
贅沢さにうっとりです

演目の「ラ・バヤデール」と現実が同時進行す
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苦い涙(2022年製作の映画)

3.7

誰にも取られたくない
自分のことだけを見てほしい
ベタ惚れすぎてイタイです
骨抜きにされる恋愛を濃厚に描いたフランソワ・オゾン監督の室内劇

部屋に籠らせて悶絶させるとか、脇役の使い方とか上手い!
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トレインスポッティング(1996年製作の映画)

3.6

トイレのシーンがほんと汚なくて萎えたけど、薬物中毒の話のわりにカラッ明るくテンポもいいから勢いに乗って一気に観れました

薬物が身近にあるってたいへんそう..
薬の力で得る強烈な快感
でもその快感は貰
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猫に裁かれる人たち(1963年製作の映画)

3.6

チェコのヴォイチェフ・ヤスニー監督が撮った初めてカラー映画

バロック様式の建物が並んだ広場に巡業一座がやってきた
メガネをかけた猫がいる!可愛すぎる

猫がメガネをはずすと"人間の本性を色分けにして
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

4.0

悪事を働くのに黒のスーツでキメるってカッコいいね
なかでも髭が似合うのかブシェミがなんだかステキに見えたなぁ

ほぼワンシチュエーションで完結する会話劇
"裏切り者は誰だ"
観てる側はそれを知るとハラ
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イノセンツ(2021年製作の映画)

3.8

可愛らしい少女の意地悪な側面にギクッとさせらる始まりから、ずっと不穏でどんどん残酷になっていく物語
子供の持つ純粋さと、未熟さと、残酷さをベースにしたスリラー

逆さまの団地までもが意思を持っているか
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パリ、ジュテーム(2006年製作の映画)

3.8

石畳が輝く雨の夜の美しいパリ
街全体がブルーに染まる夕方のパリ
美しい橋がかかるセーヌ河岸
路地裏、カフェ、地下鉄...
風景を眺めてるだけでも幸せなのに、それぞれの監督が手腕を発揮した作品を観ること
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ビリディアナ(1960年製作の映画)

3.9

富裕層の低劣さを描きつつも、貧しき者たちの善良さも否定してくる。何より信仰を思いっきり揶揄した、Theルイス・ブニュエルな作品だった。強烈だけれど面白かったです。

修道院で暮らすビリディアナが、叔父
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.0

不器用なリョーハが愛おしすぎました。

恋人にドタキャンされて、突然一人旅になった留学生ラウラが、ロシアの最北端の地、ムルマンスクへ向かう寝台列車で粗暴な男リョーハと出会うお話。

見ず知らずの男女が
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第七の封印(1956年製作の映画)

4.0

現実なのか幻想なのか...境界が曖昧で、死神がいても全然不思議ではないベルイマン監督の独特な世界。生と死や神の存在について考えさせられました。

騎士と死神が生命の猶予を条件に駆け引きをする...
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悲しみのミルク(2008年製作の映画)

4.0

観てる間ずっと下腹がズンと重かった。

横たわる母親が娘に歌を託す、その歌詞はペルーの歴史の闇を示唆し、自身の悲痛な体験を物語る。
その体験を母乳から受け継いで「恐乳病」にかかったと信じる娘の物語。
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悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)

4.0

公開から50年ほど経ってるから、たいして怖くないよとなめていたら...
 
眠気もぶっ飛ぶ怖さ

グロ描写はそんなにないのに
殺害シーンも直接画面には出てこなかったのに..

狂気と絶叫

観終わった
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赤い砂漠(1964年製作の映画)

3.9

画家アンリ・マティスの〈赤いアトリエ〉や〈バラ色のアトリエ〉を思わせるシーンがあると知って気になっていた作品。思ってたのとは少し違ったけれど、効果的に使われていてテンションが上がりました。

心を病ん
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フランケンフッカー(1990年製作の映画)

3.9

事故死した恋人を蘇らせたい!と医学生が奮闘する姿を描く現代版“フランケンシュタイン”
Theアメリカ🇺🇸な感じの明るいエロコメホラー⁇

「フランケンシュタイン」がベースになってるのだけど、どうせなら
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シルバー・グローブ/銀の惑星(1987年製作の映画)

4.0

哲学的な台詞..全っ然理解出来なかった。。
わけはわからないのだけれど..人類そのものを描こうとした、その壮大な熱量は伝わり圧倒されてラストまで目が離せなかった。アンジェイ・ズラウスキー 監督のこだわ
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少女の髪どめ(2001年製作の映画)

3.8

厳しい現実に直面する人間に向ける視線が、限りなく優しくて温かったです。「運動靴と赤い金魚」のマジッド・マジディ監督の作品。これにも赤い金魚が出て来て嬉しかった。

イランの、貧しい青年が働く建築現場に
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テオレマ(1968年製作の映画)

4.0

聖なる啓示か悪魔の仕業か

澁澤龍彦の「映画論集成」を読んで、ずっと観たかった作品。配信になって嬉しい。

ある日突然、ブルジョワ一家に謎の青年がやってくる。一体何者...?その魔性の魅力に家族全員が
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ボーイ・ミーツ・ガール(1983年製作の映画)

4.2

哀しみと哀しみが出会う物語

画面の中から二人の悲痛な叫びが聞こえてくるような...寂しさや苦しみが迫ってくる。こんな切ない映像体験は初めてかもしれない。

失恋した男女の心の内側を表した暗喩の数々と
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バナナ・スプリッツ・ホラー(2019年製作の映画)

3.7

実際に放送していたというアメリカの子供向け人気番組「The Banana Splits Adventure Hour」の着ぐるみキャラたちがAIロボットに。見た目が可愛過ぎないのがGOOD。

テレビ
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.0

テーマは、トラウマの克服なのかなぁ.. とても難しかった。

アダムとイヴを想起させる林檎の木のシーン(ジャケ写の)の美しさ。
うっとりと映像美に引き込まれるのに、意味深な物が次々に現れて、心理的にじ
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ベアーズ・キス(2002年製作の映画)

3.6

"せつない夜はクマを抱いて眠る"

か、かわいい〰赤ちゃんクマに、ミルクを飲ませたり抱っこしたりペロペロ舐められてるの可愛すぎる♡たぶん、クマは全部本物です🐻

『コーカサスの虜』のセルゲイ・ボドロフ
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セラフィーヌの庭(2008年製作の映画)

3.9

実在した画家セラフィーヌの物語

舞台は緑豊かなフランスの田舎町
木に触れ耳をすませ
木漏れ日に微笑みかける
そして賛美歌を歌い
木片に花や葉、果実の絵を
指先で感じて心のままに描く

絵を書くことが
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わらの犬(1971年製作の映画)

3.8

人間描写がリアルで、すごく怖かった。

序盤から漂う、村人たちの感じの悪い目つき...観てるだけで居心地が悪くて、ずっと心がザワザワ。村社会の不穏な雰囲気作りが上手すぎる。

暴力的な世界から暴力のな
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エリザとエリック(1987年製作の映画)

4.2

時間が止まっちゃえばいいのに。

内容は少し違うけれど...似てると思ったら、これはジャン・コクトーの「恐るべき子供たち」へ、オマージュを捧げた作品だった。
原作の、姉弟の危うい関係と比べると、こちら
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カラスの飼育(1975年製作の映画)

3.9

純粋故の残酷さは子供ならではのもの

子供の頃は人生で置かれる状況を、そのまま受け入れなければならなくて...
そんな嫌な日々から逃げ出したくて、現実と空想を行ったり来たり、夢見がちな世界に生きていく
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.7

彼女は聖女なのか、それとも狂言なのか。 

いずれにしても、大衆を導く存在であることを貫き通した、そのカリスマ性に翻弄された。

17世紀のイタリアに実在した、"聖女"と民衆から崇められる一方で、同性
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