IDEAコメントはお休み中さんの映画レビュー・感想・評価

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クラメルカガリ(2024年製作の映画)

3.2

同日公開の『クラユカバ』のクラウドファンディングのリターンとして提供されたライトノベル作家成田良悟氏のショートノベルを原案としているらしい。

劇場のタイムスケジュールの都合上こちらを先に鑑賞したが、
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クラユカバ(2023年製作の映画)

3.1

私個人としては、TVアニメはゼロ年代までで見限り(理由は様々あるが)、その後はオリジナルや小説原作の劇場アニメに限ってのみアニメを追っている。
(漫画原作の劇場アニメについてはもともと絵があることから
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ノスタルジア 4K修復版(1983年製作の映画)

3.4

願わくば、故郷に抱かれて死にたかった。
しかしそれは叶わない郷愁《ノスタルジア》

されど案ずるな。
『1+1=1』
窓の雨粒が合流してひとつになるように
雄大な木が合わさってひとつの森になるように
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.6

時は来た。
多くの血を啜った予言は現実となり
救世主が誕生する。

砂がざわめく。
初めはさざなみのように
そしていつしか大海の如く。

奪われたものを取り返すのだ。
それは領地であり、家名の誇りであ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.4

人類の"叡智の炎"
それは神より賜った生命を愚弄する
暴虐の一撃であった。

"大気に引火するかもしれない"
全世界の生物を悉く滅ぼす可能性があるにも関わらず彼らはやった。

結果、大気ではなく人間の
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her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

4.3

心も0と1で数値化できたら良いのに。
自分でも制御できない心のモヤモヤを
失ったものを数えて過ごす悲しみを
一瞬でアップデートできたなら。

悲しみは心のバグだ。
何故神さまは人に悲しみを与えたのだろ
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HERO(2002年製作の映画)

3.4

悪名は無名に勝る。
否、無名は英雄に勝る。

天下泰平の為、命を賭して闘った名もなき男の物語。
名を挙げた数々の名将たちよりも、大局をみて無私を貫いた男の命の輝きは決して吹き消せない。
武勲を立てた英
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

4.5

『キングスマン』シリーズ監督のゴキゲンな最新作をIMAXにて。

『キングスマン』(2015)をこよなく愛する方は観て損なし、『キングスマン』のとあるシーンを思い起こさせるいくつかの展開は、マシュー・
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

4.1

いつものガイ・リッチー節は封印し軽快さから重厚感溢れるドラマ作品にシフト。彼の作品の中で言うなら『キャッシュトラック』の重さがお気に入りの方には迷わずおすすめ。
国を超えた"恩義に報いる"勇気ある行動
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.2

『愛情の押し付けは呪いである』

最凶に怖かった『ヘレディタリー 継承』、最恐に狂ってた『ミッドサマー』、いずれも着地はなんだかんだで納得できたが、さて今作のキャッチコピーは"ママ、きがへんになりそう
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レザボア・ドッグス デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

4.0

『映画を愛したら、映画にも愛された』

映画オタクから天才映画監督に成り上がった男の衝撃の第1作。今観てもとても凡人には思いもつかない傑出した演出・脚本。

かねてより長編10本撮ったら監督を引退する
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エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

3.6

ちょっぴり感情的な君と
内向的な僕の不思議な関係
なぜ惹かれあったのだろう
もし僕が君に対して
もっと感情をぶつけていたら
何かが変わっただろうか
別の未来があっただろうか

君が僕を忘れても
僕は君
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ランボー ラスト・ブラッド(2019年製作の映画)

4.2

ジョン・ランボーの人生とは一体何だったのだろうか。
ひと時でも愛に溢れた日々があったことが救いだろうか。

身体が、心が、いくら傷ついても、愛するものを守るため戦い続ける戦士ランボー。
国のために、信
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戦場のピアニスト 4Kデジタルリマスター版(2002年製作の映画)

3.9

『生きる。人の善意と共に。』

苛烈な戦時下(ナチスドイツの粛清の嵐)にも関わらず、同胞を守ろうとする人々の魂の強さ。どんな時にも心から決して奪えない音楽の旋律が美しくそして悲しく響く。
穏やかな心で
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ヘル・レイザー 4Kデジタルリマスター版(1987年製作の映画)

2.5

『呼ばれて来たぞ。』

呼んでないから帰って〜。
はいよ〜。
なんでやねんっ!

とはいかないゴリゴリの雰囲気系ホラー。
地獄きってのビジュアル系(?)魔導士たちから逃げ出した地獄落ちした叔父から逃げ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.7

『私の体と心は私のもの。
 私の人生は私が選ぶ。
  哀れかどうかは私が決める。』

油絵のような奥深い色遣い、ファンタジーとリアルの境目を航海しているような不思議な感覚に没入する。
性的シーンが少な
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ランボー 最後の戦場(2008年製作の映画)

3.8

彼は来たる。
必要とされている時にその場所へ。

彼は怒(いか)る。
目の前でただ失われてゆく命のために。

第4作は、現実に行われている愚かな所業を真っ向から描くハードな仕上がり。長い沈黙を破って公
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ターミネーター ニュー・フェイト(2019年製作の映画)

3.5

『T2』を愛するあまり「正統続編だぁ?俺を納得させたらヘソで茶を沸かしたるわい!」と相手にせずはや数年。ようやく現実に向き合い鑑賞。

いや、思った以上にターミネーターしとるやないかーい!

生憎、本
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ランボー3/怒りのアフガン(1988年製作の映画)

4.1

『俺の戦争は終わった。』

強いアメリカを全面に押し出しすぎた結果、まさかの政治臭が漂う作品に。
当時の世界情勢が透けて見える+ランボーの心の葛藤が薄まったことによりドラマ面は期待してはいけない。
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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

3.6

洋梨の甘い匂い、香草の爽やかな匂い
君を抱きしめた時の愛おしい香り。

仔牛がパチパチと焼ける音
ブイヨンがふつふつと煮える音
隣にいる君の息づかい。

美しい彩りのソース
透き通ったコンソメスープ
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

2.5

『孤独は蠱毒である』

じわじわと真綿で首を絞められるような恐怖感、A24ぽくない雰囲気の作品で、じっとり湿り気たっぷりのこの感じはJホラーにも近しいものを感じた。
孤独感に苛まれ信じるものを間違えた
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ランボー/怒りの脱出(1985年製作の映画)

4.4

『今度は勝てますか?』

ベトナム戦争の辛い経験を未だ忘れられないランボーのこの言葉は、強いアメリカへの回帰の願いを強烈に感じさせる。

また、戦争で国のために命を賭して戦った勇士たちのために言い放つ
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エクスペンダブルズ ニューブラッド(2023年製作の映画)

3.3

『英雄たちよ、永遠なれ。』

オールスター!…というにはちとキビシいメンツ、第3次世界大戦を阻止するというスケールのデカいミッションにも関わらずスモールサイズの世界観。’80年代アクションの魂を受け継
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インファナル・アフェアIII 終極無間 4K(2003年製作の映画)

4.0

『無間地獄を前にして、後悔してももう遅い』

このシリーズは3作で一つの輪となる円環の物語。3作観終えたならば、必ず1作目がまた観たくなる。
パンフレットにも記載があったが、公開順に観たり時系列順に観
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インファナル・アフェアII 無間序曲 4K(2003年製作の映画)

3.8

『無間地獄の入口へようこそ』

シリーズ3作で一番つまらな…もとい時系列が先の話。主演の2人を周りのキャラクターを通して描くので、個人的にはシリーズの最後に観て欲しい。


日本公開20周年記念上映を
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インファナル・アフェア 4K(2002年製作の映画)

4.2

『堕ちていく、無間地獄へ』

香港ノワールの傑作シリーズの1作目。
観る者はオープニングから無間地獄に絡めとられ、結末まで一切目を背けること許されず。
派手さはないのに息つく間もない怒涛の展開に必ずや
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市子(2023年製作の映画)

3.9

私の人生って何だろう?
私が生きている証は?
酷暑の中でも私の人生は凍ったまま。

長い間暗い地下で過ごす蝉でさえ
夏が来れば陽の当たる場所で
存分に"生"を謳歌できるのに。

私の人生って何だろう?
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シャクラ(2023年製作の映画)

3.8

時代設定、音楽、セット、全てがドンピシャ!そこにドニー・イェンの無重力アクションが加わればもう最高!
細かなあれやこれやはパンフレット読んでもなおよく分からないところがあるが、それは完全スルーでOK。
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ザ・ドライバー 4K レストア版(1978年製作の映画)

3.2

逃げるドライバー、追いかけるディテクティブ(刑事)の構図はシンプルで良いが、ドライバーが絡まないディテクティブのパートはやや退屈か。
それでも臨場感ある逃走劇は一見の価値あり。

『ドライヴ』『ベイビ
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ローマの休日 4K レストア版(1953年製作の映画)

4.6

初めての場所、初めてのこと
色とりどりの思い出になったのは
きっと貴方と一緒だったから

ほんの1日の、ささやかな冒険
色あせない思い出になったのは
きっと貴方が忘れないでいてくれるから

最初で最後
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サンクスギビング(2023年製作の映画)

3.4

『嗚呼、げに美しき殺人よ』

美しい殺人…などと言うと頭がおかしい奴と思われるだろうが、これが映画の面白いところ。映画で作られた世界を堪能するという意味ではファンタジーだろうがヒューマンドラマだろうが
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カサンドラ・クロス(1976年製作の映画)

3.5

『大国が言えば暴論も正論になる』

列車内での集団感染、致死率は60%と絶妙なハラハラ感のラインを突いてきて良い塩梅だし、科学的に実際どうかは分からないが感染への解決策も説得力あって◎

今回は隠蔽工
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.8

揺れる木漏れ日、柔らかな光の下
その一瞬を古いカメラに収める。

揺れる電球の明かり、柔らかな光の下
古書店で出逢った文字を追う。

いつも通りだけど当たり前じゃない日常
メガネを外し文庫本の上に置く
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あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(2023年製作の映画)

3.7

傷ついた鳥のような飛行機で
決して帰れぬ旅路へと発つ

愛するものを守りたいと
決して折れぬ信念で立つ

命を以て、命を奪う
その行いにどれほどの価値があるのだろう

残されたものの悲しみと
残してき
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ミラクル/奇蹟(1989年製作の映画)

4.0

不器用で損ばかり?
でもあなたは誰より優しいでしょう?
必ずあなたを見てくれている人はいます。

頑張ってる自分より楽してる奴が得してる?
でもあなたは誰よりも誠実でしょう?
その誠実さは必ずや実を結
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ブラック・レイン(1989年製作の映画)

4.4

『仁義なき者、この世を渡るべからず。』

日米の偉大な俳優陣が巨匠の元に集った歴史的名作。

特に、癌に侵され死神がすぐ後ろまで迫ってきている中での松田優作の今作の演技は、文字通り神がかっている。
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