マサラチャイさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

マサラチャイ

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ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)

4.5

ナチスの悪行は国のトップ層のせいなのに、たまたまドイツという国に生まれた少年兵たちがその後始末をさせられる。ナチスの国の国民と言うだけで人々の恨みを負わされるのだ。戦争の理不尽や、国同士のいがみ合いを>>続きを読む

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.0

当時の日本の事情をよく理解している。これなら歴史に通じた人が見ても不満はないだろう。外国から日本に入ってきたものは、日本人向けに魔改造されることが多いが、キリスト教も例外ではない。「徴」をありがたがり>>続きを読む

ブランカとギター弾き(2015年製作の映画)

4.5

短いけれど見応えのある作品だった。ストリートチルドレンのリアルな生活を知ることができた。人間の醜さと美しさが良く描かれている。子供だからって情けをかけられるわけじゃなく、搾取の対象になってしまうところ>>続きを読む

とうもろこしの島(2014年製作の映画)

5.0

木の板で土台から小屋を建て、まっさらな土地を耕し、とうもろこしを植え、収穫する。自然と共に生きる美しさと静寂。セリフがほとんどないのに、映像の美しさに魅せられた。まるで芸術作品のような、印象に残る作品>>続きを読む

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

4.0

韓国映画は、見る人の予想を裏切ってくる。王道ストーリーかと思いきや、中盤で予想外の展開がきて最後までハラハラ。韓国映画って、真顔でギャグシーンぶち込んでくるから、笑っていいのか分からない。大真面目にシ>>続きを読む

盲目のメロディ~インド式殺人狂騒曲~(2018年製作の映画)

5.0

インド映画は当たりが多い!次から次へと予想もしない展開が嵐のように押し寄せてくるジェットコースタームービー。最後の最後まで続きが気になってしょうがなかった。悪女シミーがすごくいいキャラをしている。頭が>>続きを読む

オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

3.0

原作は日本の青年漫画だったのか。どうりでそれっぽいと思った。アリの幻覚を見たりする、不思議な世界観。謎が謎を呼ぶサスペンスだが、トリックが非現実的で強引すぎる。ラストはなかなかエグい。

ライフ・オブ・デビッド・ゲイル(2003年製作の映画)

3.0

「ユージュアル・サスペクツ」のように、物語の後半で思わぬどんでん返しが。でも、前半は退屈で眠くなった。

プリズナーズ(2013年製作の映画)

4.0

次々に新展開が訪れ、予想が裏切られる!2時間半の長い映画だけど最後まで飽きずに観られた。宗教的なメタファーが多いので、見終わったら解説を調べることをお勧めする。娘を取り戻したい父親が、狂気の沼にはまっ>>続きを読む

ターシャ・テューダー 静かな水の物語(2017年製作の映画)

3.5

1日1日を大切にする暮らし、憧れるなあ。「人生は短いんだから不幸になってる暇なんてないわ。」長い人生を生きてきたからこその、含蓄のある言葉が素敵。人生は一度きりなんだから、好きなことをやろう!と思った>>続きを読む

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

4.0

イーストウッド監督作は安定した面白さがある。90分があっという間だった。シミュレーションでは引き返せただの、理論上は他の選択肢があるだの、当時その場にいなかった外野がうるさい。当事者にしか事情はわから>>続きを読む

世界で一番ゴッホを描いた男(2016年製作の映画)

3.5

名画の複製画を、「偽物」とか「コピー品」と言うのはもうやめようと思った。少ない給料で朝から晩まで苦労して書かれた「作品」だ。偽のエッフェル塔や世界の名所がある遊園地も、海外旅行に行く余裕のない人にとっ>>続きを読む

独裁者と小さな孫(2014年製作の映画)

4.0

大統領と孫が懸賞金をかけられ、変装しながら逃亡の旅を続ける。何度もハラハラするシーンがあるので、サスペンスとしても楽しめる。明るいロードムービーかと思いきや、かなり生々しく残酷な内容。クーデターで新政>>続きを読む

あの日の声を探して(2014年製作の映画)

3.5

戦争は悲しみしか産まない。都会で暮らす普通の若者が、軍での生活やクソ同僚のせいで悪に染まっていくのが怖かった。先日観た「ビースト・オブ・ノー・ネイション」と同じく、戦争が人を獣に変えてしまう。戦争の現>>続きを読む

最愛の子(2014年製作の映画)

5.0

初の中国映画。ドラマのような撮り方が邦画そっくりで親近感が湧いた。主人公夫妻、再婚相手の夫、育ての親、誘拐された子供の会のメンバー、育ての親の弁護士、各人物の心情を非常に丁寧に描いていて、どの人にも感>>続きを読む

I am Sam アイ・アム・サム(2001年製作の映画)

4.5

各人物に深みがあり、それぞれが悩みやコンプレックス、理想や信念、仕事に対する思いを持っている。聡明だが引きこもりのおばちゃん、仕事は完璧だが息子とうまく行かない弁護士、以来のためなら攻撃的な質問もする>>続きを読む

映画 聲の形(2016年製作の映画)

4.0

アニメーションが非常に美しかった。いじめの描写もリアルで、手話を習いたいと言った子に「ポイント稼ぎ」だのいう人はリアルでもいる。いじめというクラス全体の問題を、ちゃんと生徒に話を聞いて解決しない担任や>>続きを読む

ビースト・オブ・ノー・ネーション(2015年製作の映画)

4.0

久々に心にズシンと響く映画を見た。ごく普通の生活をしていた子供が、内戦に参加させられ、人の心を失ってしまう。無抵抗の村人を虐殺、レイプし、そこらじゅう血まみれ。仲間の死体がごろごろ転がる。葉っぱを吸っ>>続きを読む

7番房の奇跡(2013年製作の映画)

4.0

開幕かなりの胸糞展開が来たので、暗い映画かと思いきや、コメディーとシリアスを交互に織り交ぜた映画だった。王道の展開かと思わせて、予想どうりにはならないのがさすが韓国映画。三回も予想を裏切られた。そして>>続きを読む

フルートベール駅で(2013年製作の映画)

4.0

被害者の男性の普通の1日を映した映画なのに、不思議と退屈しなかった。被害者を聖人君子ではなく、悪い面も描いていることに好感が持てる。薬の売人ではあったけれど、家族や友人に優しく、見知らぬ人にも親切だっ>>続きを読む

サラの鍵(2010年製作の映画)

3.5

ホロコーストを違う視点から描いた作品。物語の構成は、米原万里さんの『オリガ・モリゾウナの反語法』に似ている。「あのときその場にいたらどうしたか?」の問いに対して、「僕だったらテレビを見ているね。イラク>>続きを読む

草原の実験(2014年製作の映画)

5.0

最初から最後まで無言の映画なので、退屈するかと思いきや、風景のあまりの美しさに心を掴まれた。草原の朝日、日に照らされる小屋、流れる水、何もかもが一流の写真展のような美しさ。一瞬一瞬が芸術作品のよう。美>>続きを読む

サウルの息子(2015年製作の映画)

3.5

流れ作業の工場のように、人間をガス室で殺し、所持品を仕分け、死体を焼き、灰を川に捨てる。毎日毎日このような生活を送っていると、それが当たり前になって諦めてしまう。人間がこんなに残酷になれるのが恐ろしい>>続きを読む

裸足の季節(2015年製作の映画)

5.0

素晴らしい作品だった。眩しい太陽の下ではしゃぎ合う美人姉妹たちは、まるでキラキラ輝いているかのような美しさ。美貌もスタイルも完璧だ。ここは天国かと思うほど。それとは対照的に、叔父は姉妹を所有物としか思>>続きを読む

みかんの丘(2013年製作の映画)

4.5

良い作品に出会った。戦争の中でも善意の人はいる。イヴォの優しさのおかげで、敵同士の2人が徐々に心を通わせていく描写が素敵だった。「みかんを腐らせるのは心が痛む」と言っていたのに、最後のシーンではいくつ>>続きを読む

裁かれるは善人のみ(2014年製作の映画)

1.0

ロシア映画は難解で、哲学的で、暗くて、重くて、バッドエンドに一直線。今作も救いも希望のない破滅へと一直線だ。ロシア人はペシミストなのかな?とにかく登場人物全員がウォッカを水みたいにがぶ飲みしているのが>>続きを読む

君のためなら千回でも(2007年製作の映画)

2.0

原作に比べると、話がぶつ切りになってしまっているように感じた。長い小説を無理矢理1本の映画にまとめたので、話が飛び飛びになってしまうのは仕方ないのかも。恋人を見つけるシーンはもう少し短くまとめられたと>>続きを読む

悪童日記(2013年製作の映画)

4.0

ハンガリー版「この世界の片隅に」。双子の兄弟が優しい母親から離れて、意地悪なおばあちゃんの元に預けられる。そこで戦争やホロコースト、大人たちの暴力に触れて次第に悪童になっていく。母親と父親が迎えにきた>>続きを読む

少女は自転車にのって(2012年製作の映画)

5.0

サウジアラビア初の長編映画であり、なんと女性監督の作品だそう。あの国で女性が監督になるには、並々ならぬ苦労があったに違いない。ショッピングモールやゲームなど、近代的な暮らしをする一方、「女が自転車に乗>>続きを読む

オマールの壁(2013年製作の映画)

3.5

パレスチナ問題に焦点を当てた映画ではなく、秘密警察と友人の嘘によって友人、恋人の仲が引き裂かれる物語。嘘と噂はたとえ根拠がなくても人々は信じてしまう。それが原因で仲違いや殺人にまで発展するのが、人間の>>続きを読む

運び屋(2018年製作の映画)

5.0

イーストウッド監督作品はどれも面白い!台詞回しが粋で、名言の宝庫だ。「100歳まで生きたがるのは99のやつだけだ。」が特に好き。銃を向けられても動じない肝っ玉だったり、90歳で女遊びとは、やるねえ!単>>続きを読む