TOSHIさんの映画レビュー・感想・評価

TOSHI

TOSHI

30年以上、映画の「華麗なる嘘」を追い求めています。写真は「慕情」で有名な、香港島・浅水湾です(丘の上に建つ茶色の豪邸が、ジャッキー・チェンの別荘)。「人気ユーザー50人」に入りました。

ザ・サークル(2017年製作の映画)

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もしも1980年代以前の人が、突然現代にタイプスリップしたら、一番驚く事は、誰もが携帯端末を持ち、めまぐるしく他人とコミュニケートしている事だろう。かつて電車内に多くいたマンガ雑誌を読んでいる人が殆ど>>続きを読む

密偵(2016年製作の映画)

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今年は、「哭声/コクソン」、「アシュラ」等、韓国映画のパワーを再認識する年になったが、これはまた見応えのある作品だ。キム・ジウン監督が久しぶりに韓国で撮った作品だが、日本統治下の時代を描く事は韓国映画>>続きを読む

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

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グッチやサンローランのデザイナーでもあるトム・フォードが、映画監督としての才能も見せつけた「シングルマン」以来の作品だ。

かつて見た事もないオープニングに、度肝を抜かれる。乳房や腹がたるみきった肥満
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女神の見えざる手(2016年製作の映画)

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映画の一つの有効なアプローチとして、一般的にあまり認知されていない職業にフォーカスして、知られていない仕事ぶりを見せる事があるだろう。未知の世界に観客を引き込む事ができ、どんな仕事にも人が関わる以上あ>>続きを読む

彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

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蒼井優は近年、アラサーこじらせ女子的な、複雑な性格設定の役ばかりオファーがあるらしいが、これはまた自己中心的で、情緒不安定で、被害妄想と極度に歪んだ性格の役柄だ。十和子(蒼井優)は、建設会社に勤める1>>続きを読む

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

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「ブレードランナー」の衝撃は、未来を光輝く物ではなく、宇宙開発の労働力としてアンドロイド(レプリカント)を使ったり、地上では飛行する自動車が飛び交うなどテクノロジーが飛躍的に進歩する一方で、日本等外国>>続きを読む

婚約者の友人(2016年製作の映画)

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フランスの鬼才・フランソワ・オゾン監督が、エルンスト・ルビッチ監督の「私の殺した男」の原作にもなった戯曲を大胆に翻案した作品。オゾン監督初のモノクロ映画だが、「私の殺した男」よりも、更に多層的なミステ>>続きを読む

あゝ、荒野 後篇(2017年製作の映画)

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<前篇の内容を、結末まで含めて反映しています>
デビュー戦を勝った新次(菅田将暉)と、負けた健二(ヤン・イクチュン)で明暗が分かれた二人の、その後が描かれる。
自分と兄貴分だった劉輝(小林且弥)を暴行
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猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)(2017年製作の映画)

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「猿の惑星」の衝撃は文明批判として、誰もが進化の最終形の絶対的な存在と信じて疑わなかった人類を、知性があり言葉を話し地球を支配する猿との比較で弱い存在として描き、過激に相対化させて見せた事にあった。>>続きを読む

エルネスト(2017年製作の映画)

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阪本監督の「団地」の次作が、キューバ革命の英雄・チェ・ゲバラと共闘した日系人の実話とは、振れ幅があり過ぎで驚いたが、社会のアウトサイダーに焦点を当て、国際感覚のハードな作品も作って来た阪本監督なら考え>>続きを読む

アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)

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アウトレイジシリーズの魅力は、登場人物は変わっていくが、世界観が一貫している事だろう。社会的モラルとは無縁の悪人ばかりが登場し、組織やそこで成り上がる自分自身の欲望のため、エゴを剥き出しにした、ぶつか>>続きを読む

あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)

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2021年の東京オリンピック後を舞台にした、前後篇305分の作品と聞いただけで、映画ファンの血がたぎる。1960年代の設定である寺山修司の小説を、大胆に再構築している。原作も前回の東京オリンピックの後>>続きを読む

ドリーム(2016年製作の映画)

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近年のアメリカ映画は、静かで行間を読ませるタイプの作品がアカデミー賞を受賞するなど、一昔前から大きく変質していると感じるが、そんな中、伝統的な宇宙開発黎明期をテーマにした作品である。しかし従来の作品と>>続きを読む

ナミヤ雑貨店の奇蹟(2017年製作の映画)

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東野圭吾原作、廣木隆一監督という事もあるが、いつも聴いている「山下達郎のサンデー・ソングブック」(FM東京系)で公開に先行して、主題曲「REBORN」の門脇麦バージョンが流されていて、その歌の表現力に>>続きを読む

ユリゴコロ(2017年製作の映画)

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これは凄い作品だ。人間誰しも心の拠り所を持っているが、心の拠り所が人間の死という人物像が衝撃である。
亮介(松坂桃李)は、婚約者でもある千絵(清野菜名)他のスタッフと、山奥でカフェを営んでいた。しかし
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エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

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エイリアンの一作目は、宇宙(宇宙船)を恐怖の空間として捉えたビジョンや、悪夢を具現化したようなクリーチャー造形で、革新的な作品だったが、まさか数十年経っても、シリーズ作品が作られているとは思わなかった>>続きを読む

奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール(2017年製作の映画)

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これだけ長いタイトルだとチケット売り場で、「奥田民生なんちゃら、一枚」と言う客が出るのではないか。私が楽しみにしている大根監督の新作は、人気サブカル漫画の実写化だったが、観る前はかなり設定・キャスティ>>続きを読む

三度目の殺人(2017年製作の映画)

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ホームドラマの第一人者である是枝監督の新作は、新境地とも言える法廷を舞台にした心理サスペンスだった。
日本映画のキャスティングは、集客力が計算でき一定の演技力がある俳優が限られているために、「この俳優
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ダンケルク(2017年製作の映画)

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また世界大戦の映画かと思いつつ、クリストファー・ノーラン監督という事で、無条件で劇場へ。「ノーランが、実話に挑む。」凄いコピーだ。監督の名前が前面に出るのも凄いが、実話を手掛けただけで関心を集める監督>>続きを読む

散歩する侵略者(2017年製作の映画)

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本作のタイトルを聞いて、ウルトラセブンのようなタイトルだと思ったが、「太陽」でも知られる前川知大率いる劇団「イキウメ」の、舞台の映画化だった。宇宙人による、地球侵略前夜の物語である。

冒頭から衝撃的
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新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

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ゾンビ映画は変化球的な作品も含めてやり尽くされた感があり、ハッキリ言ってもう観たくないのだが、本作は一味違う予感がして観に行った。韓国初のゾンビ映画(作中でゾンビとは、明言されていない)は驚く程、直球>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

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私はジム・ジャームッシュ監督の「ストレンジャー・ザン・パラダイス」で、映画観を変えられた。それまで映画とは、派手な仕掛けや俳優の熱演で成立する物だと思っていたが、同作では劇的な事は何も起こらず、俳優は>>続きを読む

エル ELLE(2016年製作の映画)

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私が、今年一番楽しみにしていた映画だ(6月のフランス映画祭で観ようとしたが、チケットが売り切れだった)。ポール・ヴァーホーヴェン監督が、フランスを舞台にスリラー映画を撮ったという事で期待していたが(非>>続きを読む

幼な子われらに生まれ(2017年製作の映画)

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それまで外国映画しか観ていなかった私が、日本映画に目覚めたのは、「家族ゲーム」(1983年)によってだった。当然のように一緒に住んでいる家族が、実は考えはバラバラで、家族の役割を演じているだけである事>>続きを読む

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

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これは久しぶりに、痛快な作品だ。エドガー・ライト監督の、ハリウッドメジャー進出作品である。
オープニングから、銀行襲撃後の超絶のドライビング・テクニックによる、警察とのカーチェイスに一気に引き込まれる
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打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(2017年製作の映画)

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私がファンである大根仁監督が、脚本を担当したという事で鑑賞した。
岩井俊二監督作品(テレビドラマ・短編映画)の、アニメ化である。実写のアニメ化も、アニメの実写化もあって良いとは思うが、何らかの原作を基
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きっと、いい日が待っている(2016年製作の映画)

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私が映画を一言で表すなら「華麗なる嘘」であり、映画は魅力的な嘘を作り出す想像力の勝負だと考えている。そのため実話に題材を求めるのはその努力を怠っていると感じ、実話である事を強調している映画の制作者には>>続きを読む

ありがとう、トニ・エルドマン(2016年製作の映画)

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邦題で何となくスルーしてしまっていたが、数日前に本作が、アカデミー外国語賞ノミネート作で、カイエ・デュ・シネマ誌の年間ベストワン作品なのだと気付き、駆け込みで鑑賞した。
ドイツで、小学校の音楽教師をし
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海辺の生と死(2017年製作の映画)

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夏休み向けの映画で、観たい物がないと思いつつ、またこんな地味な作品を観る事になった。しかも私が批判的な、未だに世界大戦を題材にする作品である。
観たのは、本作の宣伝で何故か、「旅猿」に満島ひかりが出て
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幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

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私は約10年前に、大体、過去の主要な作品は観終えたと思ったが、とんでもない。その後も毎年何本も、こんな映画があったのかと驚嘆させられる作品に遭遇し続けている。本作も、その極めつけとも言える作品だった。>>続きを読む

アシュラ(2016年製作の映画)

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同時期に公開された韓国映画「お嬢さん」と「哭声/コクソン」は観たが、本作は手が回らなかったため、レンタルで鑑賞した。
犯罪と汚職が蔓延する、架空の都市アンナム。古い建物等の彩度を落とす処理をした映像が
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君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)

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原作は読んでいて、公開前のヴィジュアルでアラサーらしき男性がメインで扱われているのは何故かと思ったら、原作の高校時代の二人の数カ月の交流とその一年後という設定に対して、十二年後を描くという大胆な設定変>>続きを読む

ハローグッバイ(2016年製作の映画)

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私はフィルマークスの平均的ユーザー像は、「20代、外国映画の話題作好き、日本映画はあまり観ない」と考えており、そのため(地味な)日本映画のレヴューが続くのは避けたいのだが、観た順にレヴューしているため>>続きを読む

心が叫びたがってるんだ。(2017年製作の映画)

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漫画の実写化は多いが、アニメーションの実写化は珍しい。表現力において、現在の日本のアニメ映画と実写映画を比べたら、平均点ではかなりアニメ映画に分があるのではないかと思うが、本作は、青春映画の名手・熊澤>>続きを読む

彼女の人生は間違いじゃない(2017年製作の映画)

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原作物の映画化が続く廣木隆一監督が、自身の小説を映画化した作品。「オオカミ少女と黒王子」や「PとJK」は観ていないが、本作は私が観たい廣木作品の予感があり、劇場へ行った。
冒頭、深い霧に包まれた桜並木
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ボンジュール、アン(2016年製作の映画)

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エレノア・コッポラ監督と聞いて、昔、夫の作品である「地獄の黙示録」のドキュメンタリーがあったなと思ったが、何と80代にして初の長編劇映画作品だという。
ストーリーはシンプルだ。カンヌ映画祭に来ていたが
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