TOSHIさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

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パッセンジャー(2016年製作の映画)

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「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」のモルテン・テイルドゥム監督が手掛けたSF映画という事で、期待していた作品。
乗客5000人を乗せ移住地を目指す宇宙船内で、予定より90年早く目覚
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

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劇場窓口で、「わたしは、ダニエル・クレイグ 1枚」と言ってしまいそうなタイトルだが(007か)、ケン・ローチ監督が引退を撤回してまで撮ったのは、真骨頂とも言うべき、労働者階級の生活をリアルに描いた社会>>続きを読む

哭声 コクソン(2016年製作の映画)

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「お嬢さん」のレヴューで今年一番の怪作と書いたが、同じ韓国映画で更なる怪作が上映されているとは思わなかった。サイコサスペンスかと思って観ていたら、ホラーともオカルトとも取れる得体の知れない作品に転じて>>続きを読む

イレブン・ミニッツ(2015年製作の映画)

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キネマ旬報前年度ランキングの、観ていなかった作品のフォローで、外国映画8位の本作がレンタルになっていた。上映が終了してから、「アンナと過ごした4日間」のイエジー・スコリモフスキ監督作である事に気付いて>>続きを読む

お嬢さん(2016年製作の映画)

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これは、今年一番の怪作だろう。
大胆な性描写やサディスティックな映像に定評があるパク・チャヌク監督だが、本作も独特で異様な凄い作品だ。
韓国が日本の統治下にあった時代、屋敷に幽閉された華族令嬢・秀子の
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

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デイミアン・チャゼル監督は元々、ミュージカル映画の本作が撮りたかったが、新人監督では撮らせてもらえないため、先ず規模を小さくした「セッション」を撮ったと知って驚いた。セッションの大成功を受けての本作だ>>続きを読む

ロシュフォールの恋人たち(1966年製作の映画)

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デミアン・チャゼル監督が「ラ・ラ・ランド」制作で意識したという本作は、私の一番好きな映画でもある。昨年音響を最適化した上映で鑑賞したため(DVDも保有している)、改めてレヴューする。
同じくミュージカ
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雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

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詩的な邦題からイメージしていたのとは、かなり異なる作品だった。
映画ファンの信頼も厚く、カメラに選ばれた俳優とも言えるジェイク・ギレンホールだが、本作でも特異な内面性の男を演じている。ギレンホール演じ
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手紙は憶えている(2015年製作の映画)

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キネマ旬報・2016年ランキングの、観ていなかった作品のフォローで、外国映画16位の本作が上映していたため鑑賞。
アウシュヴィッツの体験を引き摺る認知症の老人・ゼヴ(クリストファー・プラマー)が妻の死
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

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自分の死期が近い事を家族に知らせるため、12年ぶりに帰郷した劇作家(ギャスパー・ウリエル)と家族の交流を描いたドラマ。
とにかく会話しているだけにも関わらず、全編に漲る緊張感が凄まじい。悪い意味で依存
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サムライ(1967年製作の映画)

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1968年作品の、初DVDレンタル化。フィルム・ノワールの代表作だが、長らくソフトが絶版状態だった。ジャン・ピエール・メルヴィル監督の、アラン・ドロン主演三部作の一作目(この後、仁義・リスボン特急と続>>続きを読む

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち(2015年製作の映画)

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殿堂入りも果たし、ハリウッド映画の中心的存在としてのステイタスを確立しているティム・バートン監督だが本作は、「アリス・イン・ワンダーランド」や「チャーリーとチョコレート工場」のような、安定商品とも言え>>続きを読む

だれかの木琴(2016年製作の映画)

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毎年この時期は、キネマ旬報の前年度ランキング(2月上旬発売号に掲載)で、観ていなかった作品をフォローするが、日本映画15位の本作が上映していたため鑑賞した。
私は(平日日中の)住宅街こそ、映画の舞台に
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マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)

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私は基本的に、今の時代に使い古された戦争物や西部劇のスタイルで映画を作るのは、想像力の欠如だと考えている。現代や近未来を舞台に、かつてないタイプの作品を創造する余地はいくらでもあると思うからだ。特に西>>続きを読む

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

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黒澤明監督や今村昌平監督から影響を受けているマーティン・スコセッシ監督だけに、いつか日本をテーマにした映画を撮るのではないかという予感があったが、まさか遠藤周作の沈黙の映画化とは思わなかった。
何せ沈
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アルジェの戦い(1966年製作の映画)

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映画を観始めた頃からタイトルは知っているのに、観たことがない作品が何本かあるが(ソフト化されていない、されていても高額でレンタル店にはまず置いていない)、本作はその一本だった。リバイバル上映で、やっと>>続きを読む

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

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先週の風の谷のナウシカに続いて、テレビ放送に合わせて本作もレヴューします。
何せ日本映画の歴代興行収入1位で、米アカデミー賞授賞、BBCの21世紀の偉大な映画4位の作品である。宮崎駿監督の代表作に間違
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風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

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今更レヴューするまでもない、誰もが知る名作だが、以前から一度感想をまとめてみたいと考えていたため、テレビ放送を機にレヴューします。
私に取ってこれ程、鑑賞中ずっとその世界観に驚嘆し、感涙した映画はない
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キャロル(2015年製作の映画)

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2016年キネマ旬報ベスト・テンが発表され、洋画1位がハドソン川の奇跡、邦画1位がこの世界の片隅にとなったが、邦画10作はレヴュー済みだったため、まだしていなかった洋画2位の本作をレヴューします。>>続きを読む

ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK‐The Touring Years(2016年製作の映画)

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今年の映画始めは、二番館で本作の鑑賞になった。よく知られるビートルズのデビュー当時のセンセーションが、よりファン目線で検証されているのが良い。ビートルズ現象とは、作中で作家のマルコム・グラッドウェルが>>続きを読む

メランコリア(2011年製作の映画)

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明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。年明けから旧作(2012年公開)で恐縮ですが、ブルーレイ購入を機にレヴューします。
私の個人的な、21世紀の映画ベストワン。メランコリアとい
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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

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スター・ウォーズに対して最初のシリーズの頃の熱量はなくなっていたのだが、キャリー・フィッシャーの死去でモチベーションが変わり劇場へ。
先ずオープニングテーマが無いのに驚き、登場人物のキャラクターが地味
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ふきげんな過去(2016年製作の映画)

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不思議な映画だった。コンセプトは良い。
ウォーターフロントの過去のような未来のような街で、果子(二階堂ふみ)と未来子(小泉今日子)という過去と未来をかけた名の二人(伯母の筈が実は…)が演じる、過去から
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ヒッチコック/トリュフォー(2015年製作の映画)

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映画の解説本が映画になった事に驚くが、父子のように見えるヒッチコックとトリューフォーの対談の、文字では読み取れないニュアンスが伝わってきてスリリングだった。「サイコ」と「めまい」に焦点を当てているのが>>続きを読む

セトウツミ(2016年製作の映画)

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これは面白い。公開時に観ていないのを、悔やむ程だった。基本的に、大阪の高校生が放課後に川辺で会話するだけの映画だ。会話もヤンキーの先輩、好きな女子への初メール、何もせず終わってしまった夏休み等、本当に>>続きを読む

エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に(2015年製作の映画)

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数日前に本作が、リチャード・リンクレイター監督の、「6才のボクが、大人になるまで。」に続く新作である事に気付き、新宿武蔵野館に駆け込んだ。大人の扉を開け人生で最も浮かれる時である、大学入学直前の三日間>>続きを読む

アズミ・ハルコは行方不明(2016年製作の映画)

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松居大悟監督は、前作「私たちのハァハァ」で女子高生の青春を描いたが、本作は8年振りの主演となる蒼井優を主演に起用し、第二思春期とも言えるアラサーの人生をメインテーマにしている。物語は二つのパートに分か>>続きを読む

クリード チャンプを継ぐ男(2015年製作の映画)

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今迄スルーしていたが、報知映画賞・海外作品賞の受賞を知り、観てみたくなりレンタルで鑑賞。先ず、ストーリー設定に感心した。ロッキー(スタローン)の最大のライバルだったアポロの、愛人との間に生まれた子供ア>>続きを読む

ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)

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観る前は、伝説的トランペッターであるチェット・ベイカーの伝記映画かと思っていたが、ドラッグでどん底を経験した彼が、カムバックを目指す時期に焦点を当てたドラマだった。私は天才とは才能が人格を上回っている>>続きを読む

アンジェリカの微笑み(2010年製作の映画)

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レンタルで再度鑑賞。私の個人的な、昨年の洋画ベストワン(キネマ旬報ベストテン3位)。冒頭の、雨降りの深夜に富豪邸の執事が、亡くなった女性の写真撮影を依頼するため、町で唯一の写真店を訪れるシーンの映像の>>続きを読む

アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)

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日本がゾンビ映画の後進国なのは(そんな物、先進国も後進国もあるか)、死体が蘇るという設定は、土葬の国でないとしっくりこないという事もあるだろう。原作漫画は世界観やキャラクターが確立された傑作なので、い>>続きを読む

モヒカン故郷に帰る(2016年製作の映画)

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レンタルで再度鑑賞。オバマ大統領の訪問、広島カープの優勝と、広島イヤーだった今年、ゴリゴリの広島映画である本作が公開されたのも、偶然ではないかも知れない。観た後で知ったが、舞台の瀬戸内海の島は、実在の>>続きを読む

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

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原作漫画を読んで作風は知っていたが、映画になってみると改めて、戦時中の人をこんなほのぼのしたタッチで描くとは、独特な感性だと思った。アニメーションならではの、柔らかく繊細な背景の造形や色使いが、原作の>>続きを読む

神様メール(2015年製作の映画)

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「トト・ザ・ヒーロー」のドルマル監督作品という事で、公開時気になっていたが、手が回らなかったため、レンタルで鑑賞。冒頭から、「神は実在しブリュッセルに住んでいる」、(パソコンに向かっている小汚い男の映>>続きを読む

彷徨える河(2015年製作の映画)

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コロンビア映画初の、アカデミー外国語賞ノミネートという事で関心を持った。予告編を観て予感はあったが、世界観と映像が強烈な、凄い傑作だ。深遠なジャングルを、大河で遡って行く作品としては、「地獄の黙示録」>>続きを読む

蜜のあわれ(2016年製作の映画)

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レンタルで再度鑑賞。今年一番の怪作だ。室生犀星の老作家と金魚の触れ合いを描いた幻想小説を、石井岳龍監督が映画化って、一体どんな作品になるのかと思ったが、近年では比類のない、死とエロスが隣り合った妖艶な>>続きを読む