TOSHIさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

TOSHI

TOSHI

映画(287)
ドラマ(0)
アニメ(0)

ロブスター(2015年製作の映画)

-

独身者は逮捕され、45日以内にパートナーを見つけなければ、動物に変えられてしまうというとんでもないテーマ設定だが、現代の晩婚・未婚化社会では、こんな映画が登場する必然があるのかも知れない。ランティモス>>続きを読む

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

-

余命◯カ月というテーマ設定の映画は、安っぽく感じてスルーしてしまう事が多いのだが、評判の良さから劇場へ。俳優陣の演技が素晴らしい。死を宣告されながら、家族を立て直し愛を注ぎ続ける、宮沢りえが圧巻である>>続きを読む

俳優 亀岡拓次(2016年製作の映画)

-

劇場でも観たが、レンタルで再度鑑賞。脇役専門の俳優を主役にした映画というのは、ありそうでなく、B級俳優が恋をするのをきっかけに転機を迎え、世界デビューするストーリーも面白い。山崎努や三田佳子など豪華な>>続きを読む

さようなら(2015年製作の映画)

-

近年の日本映画でも、突出した傑作だと思う。設定が、最高に映画的だ。放射能汚染で棄国を宣言した日本。親友が自殺し、恋人に先に出国され、自らも死にゆく女性。それに寄り添う、死が理解できないアンドロイド。私>>続きを読む

永い言い訳(2016年製作の映画)

-

一言で言って良い映画だが、何か物足りなかった。他人を理解できない、売れっ子だが創造性が失われている作家が、妻の事故死を契機に妻の親友の家族と交流するようになり、他人のために生きる喜びを知り、本物の作品>>続きを読む

淵に立つ(2016年製作の映画)

-

放射能汚染で棄国した日本で、死にゆく女性と死を理解できないアンドロイドの交流を描いた深田監督の前作「さようなら」が、大傑作だったため、本作に期待していたが、また凄い作品だった。礼儀正しいが不穏な空気を>>続きを読む

ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)

-

私が敬愛する黒沢監督の海外デビュー作という事で、私としては珍しく公開早々に観に行った。「クリーピー 偽りの隣人」は、黒沢タッチは楽しめるがやや散漫な印象だったが、返す刀で凄い作品が来た。先ず設定が良い>>続きを読む

SCOOP!(2016年製作の映画)

-

私が一番楽しみにしている、大根監督の新作である。大根監督が、パパラッチをテーマに撮ると聞けば、面白いに決まっているという感じだが、期待通りの出来で、福山雅治と二階堂ふみのコンビが最高だ。監督がこだわっ>>続きを読む

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

-

現役最高の映画監督が、イーストウッドである事に異論がある人は少ないだろう。老いて尚、早いペースで新作を発表し、それが傑作であると決まっているなんて、イーストウッド監督以外にいない。イーストウッド監督が>>続きを読む

映画 聲の形(2016年製作の映画)

-

原作を読んでいないため、聴覚障害者が主人公という事で、感動ポルノではないかと敬遠しかかったが、観て本当に良かった。登場人物の設定や心理描写が素晴らしく、私も自分の子供時代を否定している人間なので、石田>>続きを読む

オーバー・フェンス(2016年製作の映画)

-

苦役列車やもらとりあむタマ子等、私も大好きな作品を手掛けてきた山下監督だが、まだ最高傑作を作っていないと考えていた。佐藤泰志の函館三部作の映画化と聞き、いよいよ来たかという期待があった。自分を失い尽く>>続きを読む

レッドタートル ある島の物語(2016年製作の映画)

-

観始めた時は、ジブリっぽくないなとか、セリフ無しなら登場人物の目に語らせた方が良いのに、目が点だけって…とか、違和感が先行したが、だんだん独特のテイストにのめり込み、最後は深く感動した。こんなしみじみ>>続きを読む

怒り(2016年製作の映画)

-

原作を読んでいなかったので、真犯人が分からないまま三つのストーリーを交錯させる構成に唸った。全体的に静かなトーンだが、主役級の俳優ばかりなので、観応えがある。皆、どうしようもない感情を抱え込んだ人物を>>続きを読む

君の名は。(2016年製作の映画)

-

新海監督の作品は、オタク向けのイメージがあり、あまり観ていなかったのだが、本作は、より広い層に訴える普遍性がありそうだったため、劇場で鑑賞。思春期の揺れ動く感情の繊細な描写と、美しい映像に感動した。入>>続きを読む

山猫(1963年製作の映画)

-

映画を観始めた30年以上前からタイトルは知っているが観た事がない映画が何本かあるが(ソフト化されていない、されていてもレンタル店にはまず置いていない)、その内の一本。リバイバルで、やっと観る事ができた>>続きを読む

の・ようなもの のようなもの(2015年製作の映画)

-

私は日本映画は、の・ようなもの(及び家族ゲーム)以前と以後に分かれると考えている。の・ようなもの以前の日本映画は、出演者が熱い人や重い人(人生や物事の意味を追求する人)ばかりだった。の・ようなものを観>>続きを読む

ケンとカズ(2015年製作の映画)

-

今の日本の風景で、こんなダークでヒリヒリした感触の映画を作った事が凄い。説明を排除した、険しい表情のアップと唐突な暴力の描写で強烈な印象を残す。小路監督は、これが長編デビュー作とは信じられないが、今後>>続きを読む

野のなななのか(2014年製作の映画)

-

劇場で観逃し、ツタヤでのレンタル開始が遅かったため、やっと観る事ができた作品。反戦や反原発をテーマに、あの世とこの世を行き来し、美しい映像とテンポの早いセリフ回しで描き切っていて、観終わってクラクラし>>続きを読む

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

-

ハリウッド版ゴジラはスルーしたが、庵野総監督ならゴジラを凡作にはしない確信で劇場へ。伝統を引き継いだ上で、新しいゴジラがあった。最初上陸したのは、敵になる怪獣かと思ったら、それがゴジラに変態していくの>>続きを読む

シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

-

私は1980年代という時代が、軽薄・能天気で嫌いで、デュラン・デュランの様な音楽はその象徴だった。しかしこの映画で、当時のアイルランドはバブルどころか大不況だった事を知り、この状況を見せられながら流れ>>続きを読む

日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)

-

期待通りの快(怪)作。違法捜査と快楽にどっぷり浸かった人間の、破綻に至る過程がパワフルに描かれ、映画的カタルシスが堪能できる。警察の不祥事をこんなエンターテインメントとして描ける、日本の表現の自由度は>>続きを読む

FAKE(2016年製作の映画)

-

佐村河内氏のドキュメンタリーと聞いて、最初は乗り気ではなかったが、評判の良さからユーロスペースへ。ドキュメンタリーといっても、映画である以上、事実をありのまま撮っただけでなく、演出や編集によって対象を>>続きを読む

ザ・ウォーク(2015年製作の映画)

-

私は3Dで作られた映画は、3Dで観ないと気が済まない性質なので、予告編を観て、高所恐怖症の自分には3Dで観るのは無理だろうと迷っている内に、劇場に行くのをスルーしてしまった。レンタルで観て、今は無きワ>>続きを読む

クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)

-

黒沢清監督が、この原作・キャストで映画を撮ると知った時に、傑作と確信した。しかし観てみると、腑に落ちない点(香川照之演じる隣人の正体は何なのか、竹内結子は何故洗脳されたのか、警察が何故こんなに無能なの>>続きを読む

64 ロクヨン 後編(2016年製作の映画)

-

前後編モノは、後編で失速する事が多いが、前編を組織内での人のぶつかり合いに比重を置き、後編を謎解きにする事で、後編も見応えがあった。難癖をつけたい部分もあるが、近年の邦画では、抜きん出て見応えのある、>>続きを読む

エクス・マキナ(2015年製作の映画)

-

AI自体はテーマとしては新しくないが、性の問題に踏み込んで深みがあり、限定されたシチュエーションに効果的なVFXで、斬新な印象を与える作品になっている。女性型ロボットの真意が分からない事が、スリラー度>>続きを読む

団地(2015年製作の映画)

-

人間の業を描ききった「顔」以来、16年ぶりの阪本監督と藤山直美のタッグという事で、期待していた映画。団地が舞台のコメディというイメージで観たら、まさかのSF映画だった。現実を撮っているようで、現実から>>続きを読む

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

-

ディストラクションベイビーズを今年最高の衝撃作と投稿したばかりで、直ぐそれを上回る衝撃作が来るとは。前半の他愛ないラブコメが、タイトルが出た地点から急にトーンが変わる構成には唸った。殺人シーンの描写が>>続きを読む

ディストラクション・ベイビーズ(2016年製作の映画)

-

今年最高の衝撃作。理由なき暴力の描写が凄い。洋画ファンでも、本作だけは観るべきだと思う。小松菜奈、よくこんな役受けましたね。

スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

-

観応えのある傑作。例年なら年間ベストワン級。今年は、ベストワン級多いですからね。サウルの息子、レヴェナント、ルーム等。キネマ旬報でも、3、4位かもしれない。

ひそひそ星(2015年製作の映画)

-

園監督の最近の作品は、DVDで済ませていたが、予告編の感触から本作品は劇場で鑑賞。映像は、独創的。全編静かで眠くなるが、こういう作品を、睡魔と戦いながら観るのが映画ファンだと、改めて思わせる映画だ。

山河ノスタルジア(2015年製作の映画)

-

ラストシーン泣いた。映画を観て泣いたのは、本当に久しぶりだ。ペットショップボーイズの、GO WESTで泣く日が来るとは。

64 ロクヨン 前編(2016年製作の映画)

-

俳優達の演技を通じたぶつかり合いが凄い。原作を読んでいたので、映画が前編・後編で作られると聞いた時に、前編のエンディングはここだろうと思っていた所で終わった。

ルーム(2015年製作の映画)

-

世界に出会うって、これ以上の映画体験はないと思う。脱出後の後半は評価が分かれるかも知れないが、誘拐事件を、家族の在り方という普遍的問題にまで昇華させていて見事。

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

-

大傑作。本年度ベストワン候補。イニャリトゥ監督は、バードマンよりも、この作品でアカデミー作品賞を受賞すべきだったと思う。

|<