モモモさんの映画レビュー・感想・評価

モモモ

モモモ

サブスタンス(2024年製作の映画)

4.2

エイシズム、ミソジニー、自己否定、自己嫌悪、自己崩壊。
ゴリッゴリの社会派ど真ん中のテーマを「ボディホラー」と言うゴリッゴリのジャンル映画ど真ん中で料理する。
シネコンで年齢層豊かな客層とこの手の映画
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赤い糸 輪廻のひみつ/月老 また会う日まで(2021年製作の映画)

4.0

「原作はない筈なのに漫画版を読んだ事がある気がしてくる」体感に襲われる不可思議なジャンルミックス映画。
韓国映画「神と共に」に近しいものがある。
恋愛映画であり、ペットとの愛を描いた動物映画であり、少
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ゼーガペイン ADP(2016年製作の映画)

4.0

公開当時、映画館で事前情報0で観て「これ総集編じゃなくね?続編?いやそれだとキョウが幻体な訳ないし…前日譚…?」と混乱した序盤30分の体験はプライスレス。
U-NEXTの作品ページに「総集編のフリをし
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We Live in Time この時を生きて(2024年製作の映画)

4.0

フローレンス・ピューとアンドリュー・ガーフィールドのスターパワーで送るど真ん中ど直球勝負の時系列シャッフル恋愛映画。
劇中のセリフを借りれば「今」を切り取る故の時系列シャッフル。
「マリッジストーリー
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ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング(2025年製作の映画)

3.9

クリストファー・マッカリー監督作になってからのMIが遂に行くところまで行ってしまいました。
前作の興行不信を受けてタイトル変更したはいいけど、内容はどうしても「デッド・レコニング PART2」になって
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クィア/QUEER(2024年製作の映画)

3.7

若い男に一目惚れしてみっともなくも純情に入れ上げる中年のラブロマンス…なんだけど二幕三幕と進んでいく度に「僕は何を観に来たんだっけ?」が発生していく変な映画。
ダニエル・クレイグ目当てで映画館に行った
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異端者の家(2024年製作の映画)

4.0

マンスプおじさんVS若き宣教師コンビIN議論スリラー。
ホラーを期待して観ると肩透かしかもしれないけど、本編の中にちゃんと怖いシーンが幾つも存在するんで「騙された!」とはならないのではないでしょうか。
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サンダーボルツ*(2024年製作の映画)

4.3

忖度抜きの新たな傑作MCU映画の1本。
「この監督を起用してこの腑抜け具合かよ!?」が頻発していたMCUに、あの頃の栄光をもう一度。
「これ追撮だろうな」がほぼ無かい引き締まった画面と編集に「そうだよ
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教皇選挙(2024年製作の映画)

4.0

まさかの(ほぼ)満員レイトショーでビックリ。
時制が影響したのか、僕が知らないだけで一般層まで大ヒットの作品になっていたのか。
何処を切り取っても美しいロケーションの中でバキッと決まった構図で捉える撮
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マインクラフト/ザ・ムービー(2025年製作の映画)

3.8

あの予告編がまるで嘘ではなかった、そのまま2時間に拡張されて飛び出してきたマインクラフト実写版。
マインクラフトの実写映画化…!?と聞いた時に最初に思い浮かべた物と遜色がなかったので、正直かなり「アリ
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マクベス(2021年製作の映画)

4.0

上質な舞台の上にレンズとカメラを置いてみました…とでも言わんばかりのダークファンタジー会話劇。
シェイクスピアなんだからそりゃそうだろ…って感じだけど、仰々しくト書きも含めた様な台詞回しが良い。
厚い
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ベテラン 凶悪犯罪捜査班(2024年製作の映画)

3.8

対財閥の次は私刑とネットリンチとストリーマー全盛時代の無節操を批判する。
扱うテーマの変容と作品を取り巻く空気感に「1作目から時間が経って作られた続編」の香りを感じる。
韓国独自の社会問題をド真ん中の
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侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

3.6

バラエティ番組のような分かりやすい演出で構成されたコメディ主体の序盤〜中盤戦とブロマンスSF時代劇に転じる終盤戦。
映画作り映画で、滅びゆく文化への哀愁を謳った映画で、コテコテでわかりやす過ぎるTVド
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ゴーステッド Ghosted(2023年製作の映画)

3.7

ナイト&デイの男女反転版。
ストーカー気質で「キモい男」としか言えない男主人公をクリス・エヴァンスが演じる事で相殺する力技。
MCU人脈のカメオ祭りは笑えたのでそれだけで割とトントンではある。
アナ・
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サイレントナイト(2023年製作の映画)

4.0

ダサセーターを着て全力疾走するジョエル・キナマンINカーチェイス銃撃戦で開幕した時は「これは…ジョン・ウーの変な映画成分多めの作品なのでは…!?」と身構えてしまいましたが、終わってみれば「声を無くした>>続きを読む

HERE 時を越えて(2024年製作の映画)

3.9

ロバート・ゼメキス再びの実験映画は定点カメラ×役者力作品。
「家があった場所」に置かれた1つのカメラが切り取っていく様々な時間軸とその時代を生きた人々。
恐竜の絶滅と1つの家族の人生とコロナ禍が共存す
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Flow(2024年製作の映画)

4.1

(若干の人間化は観られるが)台詞を廃した動物達による動物達の為の動物映画。
ニャーニャーワンワンキーキーニャーニャー。
シンプルな「家族になる」物語に行間を埋める世界観を添えて。
「かつてこんな事があ
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ミッキー17(2024年製作の映画)

3.8

「俺はオクジャとグエルムの監督だぞ!!」を味わえるポン・ジュノ監督最新作。
撮影、VFXは超一流。役者も最高。社会風刺もムンムン。なのに味わいはずっと変。
この手の映画をIMAXで観れる機会自体がかな
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白雪姫(2025年製作の映画)

3.6

寓話を寓話のまま実写映画に持ち込むと「なんか…全体的に…緩いな…」みたいな感覚になるんですね。
えらく緩い手の拘束、男二人がかりでなら脱出出来る牢屋、弓で撃たれたけど素人の治療で全然回復しちゃえます!
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機動警察パトレイバー THE MOVIE(1989年製作の映画)

3.9

篠原と後藤が事実上のW主人公である事、ウイルスを仕掛けた黒幕が物語開始時に故人となっていて最後まで「物語の装置(シルエット)」に過ぎない渋いキャラクター描写、唐突な聖書の引用と物語の根幹への関与、既に>>続きを読む

ロングレッグス(2024年製作の映画)

4.3

久し振りにめちゃくちゃ客層が悪い(途中入退場、スマホ、喋りのコンプリート)上映回に当たってしまったけど、映画自体は自分の好みど真ん中。
普段映画を観ない層に宣伝が行き届いているのだと…ポジティブに捉え
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ウィキッド ふたりの魔女(2024年製作の映画)

3.8

何故、ジョン・M・チュウが「オズの魔法使い」の前日譚を…?との疑問に「排外主義」と「仮想敵を作りヘイトコントロールする事で権力を保つ醜悪さ」を描くゴリゴリの社会派作品だからです!と爽快に答えてくれるミ>>続きを読む

ケルベロス 地獄の番犬(1991年製作の映画)

3.7

プロテクトギアを実際に作った、それをめちゃくちゃ格好良い映像にして後世に残した、この2点だけで価値がある…価値があるんですよ!!
「そんな事はいいから本編について語って下さい」と言われたら愛想笑いして
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イノセンス 4Kリマスター版(2004年製作の映画)

4.4

人生で何度も観てきた映画なのに…今回が間違いなく1番面白い「イノセンス」だったぞ…何だこの気持ち…何だこの高揚感…!!
10代の頃の初見時に抱いた「確かに眠くなるな」と言う感想が嘘の様な没入体験。
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ノー・アザー・ランド 故郷は他にない(2024年製作の映画)

4.0

故郷の村を「軍事訓練場の為」と言う滅茶苦茶な名目の元破壊されていくパレスチナ人の青年とイスラエル人の青年ジャーナリストの2人が捉え続ける占領と民族浄化の恐怖。
人間が一線を越える瞬間と言うか、銃社会の
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学校の怪談(1995年製作の映画)

3.7

昨今の制作量増大による無茶なスケジュールと人員不足による質の低下、それに反比例して上がっていく観客側からの水準によって10〜20年前の大作が陳腐になってしまった映像作品渋滞時代の中では、地に足のついた>>続きを読む

ANORA アノーラ(2024年製作の映画)

4.3

ロシアの馬鹿御曹司と出逢ったストリッパーが過ごすセックスと罵倒と口喧嘩に塗れたドッタンバッタン大騒ぎの数日間。
「あ、そんな感じの映画なのね」が明らかになる罵倒乱戦開幕の二幕目から凄まじくて圧倒されち
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ブルータリスト(2024年製作の映画)

4.2

ホロコーストから生き延び難民となった建築家がアメリカに渡って味わう「物作り最高&最悪」譚。
自然光主義的ライティングと役者力の合わせ技の重厚な画作りを楽しむ3時間越えの長尺映画。
思い返せばほぼ役者の
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BETTER MAN/ベター・マン(2024年製作の映画)

3.6

ロビー・ウィリアムス本人主演(モーキャプは別俳優らしい)の「自分を猿にした」奇妙なミュージカル自伝映画。
予告編の時点で臭ってた「これ変な映画じゃない…?」を裏切らない「お金のかかった変な映画」でそこ
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.1

売れない黒人作家が当て付けでステレオタイプな黒人像の本を書いたらベストセラーになってしまって…なブラックコメディに介護問題と家族の融和を添えて。
Amazon傘下の大資本でハリウッドや出版業界を上品に
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キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド(2025年製作の映画)

3.8

「ウィンター・ソルジャー級MCUの再来」には残念ながらなれなかったが、フェーズ2、3頃の「クロスオーバーの面白さ」を内包した政治スリラーMCUとしては決して貶す出来では無い…と言う微妙な立ち位置の新生>>続きを読む

BROTHER(2000年製作の映画)

3.8

アメリカが物語の大部分で海外撮影もしてるのに画も内容も「北野武のヤクザ映画」のフォーマットそのまんまな不思議な映画。
海外資本、海外撮影でもスタッフが日本人で構成されていると「邦画のフォーマット」に成
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Apple Original Films『ウルフズ』(2024年製作の映画)

3.9

ジョン・ワッツ製の堅実な作りのアクションコメディ。
初老に差し掛かった2大スターの凸凹ブロマンスと単純な様でいて複雑な陰謀劇をミックスして。
劇場で観たかったな…と言う気持ちと配信で観るのが丁度良かっ
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セブン(1995年製作の映画)

4.7

10代の時の「初見の面白さ」にはもちろん及ばないんだけど「もう映画館ではリバイバルだけやってれば良いんじゃないかな」と完全に「老いた側」の思考を抱かせる位の破壊力はありましたね。
映画館でリバイバルが
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ジュラシック・パーク(1993年製作の映画)

4.8

映画好きになった原因の1つを20年越しでIMAX3Dで。
やっぱ3D映画って最高ですよ。
今となってはすっかり絶滅危惧種だけど。
スピルバーグ演出のマスターピースに物理的な奥行きが加わる事で更に贅沢に
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フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(2024年製作の映画)

3.9

月面到達を目指すNASA職員と嘘っぱちで男社会と張り合ってきた広告ウーマンの恋とプロフェッショナル仕事の流儀。
スカヨハ&テイタムの2大スターパワーで送るコテコテのラブコメディmeets月面プロジェク
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