モモモさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

チャイルド・プレイ(1988年製作の映画)

4.0

「そこに何かがいるんじゃないか」の王道ホラー演出、アイコニックな敵キャラ「チャッキー」、これで終わりか…?を覆すドカ盛りラストバトル、それらを凝縮した90分以下のランタイム。傑作ホラーですね。
作品を
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キスキス,バンバン(2005年製作の映画)

3.8

シェーン・ブラック成分100%。
露悪的で、気が抜けていて、品が無くて、男たちはホモソーシャル剥き出し。
ミステリー作品としては整理がおざなりに思えるが、キャラと役者の魅力で突き進む。
今観るとゲイフ
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ウィッカーマン(1973年製作の映画)

3.9

差出人不明の「少女失踪」の手紙を受けた警察官が訪れた孤島で待っていたのは異教徒達の性と音楽でした。
ミッドサマーのインスパイア元、田舎でやべぇ奴らにやべぇ目に遭わされる映画の古典。
割と気の抜けた映画
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.2

『ローグ・ネイション』から始まったマッカリー式ミッション・インポッシブル最新作は歪なのに筋が通っている変な傑作『フォールアウト』の正統後継作でした。
物凄いアクションの鶴瓶うちに「何故そのアクションを
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.9

一級のB級映画、みたいな作品でした。
木曜洋画劇場だったら大当たりな1作。
思った以上に「エクソシスト」映画だし、アクション映画だし、ホラー映画だし、バディ映画だし…思い返せばてんこ盛りですね。
まず
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時をかける少女(2006年製作の映画)

4.6

オールタイムベストの1本。
初見は土曜プレミアム、劇場鑑賞は2度目。
何度観ても「こんな完璧な映画が存在して良いのかよ」と惚れ惚れしてしまう。
完璧な配役としか言えない主演の仲里依紗と細田監督の細かい
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

4.0

田舎で幼馴染として育った2人の少年。
ごっこ遊びに興じ、花の中を駆け、笑い合い、陽が沈む前に同じベッドで眠る。
常に「陽を捉え続ける」撮影が二人の鮮烈な日々を彩る。
小学校への入学で二人の関係の全てが
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ヒドゥン(1987年製作の映画)

4.0

人間の中に寄生してコントロールするクトゥルフ的デザインの異星人による殺人・強盗の欲望珍道中に立ち向かうSF・バディ映画。
刑事とFBIのバディではなく、地球と異星のバディ。
ターミネーターさながらの「
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エルム街の悪夢(1984年製作の映画)

3.9

有名なバスタブのシーンよりも冒頭の夢、透明な誰か(フレディ)に腹を裂かれ天井に叩きつけられる、学校での友人IN死体袋、ジョニー・デップ超絶スプラッターと名シーンのオンパレード。
肝心のフレディが姿を現
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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

3.7

モキュメンタリーmeetsストップアニメーション。
小さな靴を履いた貝が「当たり前に受容される」優しい世界。
しかし、徹頭徹尾優しいだけではない。
SNS全盛時代の悪意と他者の気持ちを想像できない愚者
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ポスター1枚のみで予告編も無ければキャストも未発表。
普段から事前情報は可能な限りシャットアウトして鑑賞に臨んでいるのだが、宮崎駿新作で、ジブリ映画で、この規模のアニメ大作で、ここまで徹底して「どんな
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アシスタント(2019年製作の映画)

4.0

映画製作プロダクション(劇中で直接的な言及は無いので憶測だけど)の新入アシスタントの地獄のようなホモソーシャル・ハラスメント空間での長い1日を描く1作。
短い上映時間ながら、体感時間は長い。
悪い意味
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トランスフォーマー/ビースト覚醒(2023年製作の映画)

3.9

試写会で。
久しぶりのトランスフォーマー実写版シリーズ。
「最後の騎士王」で底まで叩きつけられ「バンブルビー」で希望を見出し本作で「今後も楽しみだ!」まで回復。
1作目、バンブルビーの系譜を継ぐ「異星
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Pearl パール(2022年製作の映画)

4.0

「X」の前日譚としては理想系、ホラー映画としては及第点以下、な1作。
「面白いけど…まあ…」くらいの冷めたテンションで観ていたけど、ラストで大ホームランかましてくれたので爽快に劇場を出る事が出来ました
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バイオハザード:デスアイランド(2023年製作の映画)

3.9

0、1、2の主人公大集合で5、6の後日譚をやりつつVENEDETTAの続編としても成立させた原作ゲームファン向けのお祭り映画。
羽住監督の3DCGバイオのNetflixドラマ版が中々の駄作だったのでか
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キャリー(1976年製作の映画)

4.0

「血塗れのキャリー」と言うアイコニックなシーンから「虐殺爽快ホラー」をイメージして観ると面食らってしまうんですよね。
何度観てもあまりにも救いの無い話でションボリしてしまう。
サイキック能力を持つイジ
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返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)

4.2

傑作インディーズホラーゲームを長編映画に。
少女の視点から「何が起きて、何をしたのか」を明かしていくドラマ部分を解体し再構築。
その結果「ホラー作品」としての要素は薄れたが個人的には大満足の一本。
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ツユクサ(2022年製作の映画)

3.4

中年女性たちの恋愛、セカンドライフ、その先を描く作品。
邦画特有の「何喋ってるかわからん」が発生しているが、映画館だと聴き取れる音量なのだとも思う。
子供の恋愛は何となく説得力があるが、それにしても行
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狂武蔵(2020年製作の映画)

3.0

好意的見れば実験映画の類だけど、その試みは成功していない。
お蔵になっていた作品に追撮やVFXを加えて作品にしたらしいが、お蔵になるにはなるだけの理由があるのだな…と勉強になる。
1カット長回しの全て
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

スピルバーグが半自伝で描く「映画作り映画」は呪縛と祝福の物語でした。
ピアノが好きな快活で芸術肌の母、物分かりが良くはないが優しく才能溢れる開発者の父、そして妹達。
怯える主人公を両親が諌めて映画館に
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ある男(2022年製作の映画)

4.2

うーん、ラストシークエンスで「秀作」から「傑作」に跳ね上がりましたね。
戸籍を偽っていた男の調査を通して、この国でのセカンドチャンスの難しさと、親、国籍、人種と言う本人には変えようがない物で人を測ろう
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.9

ジェームズ・マンゴールドにバトンタッチされた「インディ・ジョーンズ」最新作は同監督作「ローガン」に通じる「老いの映画」でした。
神秘の力に匹敵する「核兵器」を目の当たりにし「今度は自分が親父」な前作を
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雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)

4.3

字幕版で鑑賞。
いやぁ、大大大傑作じゃないですか!!
スポーツ映画の、友情映画の、大傑作。
獅子舞スポーツ映画と言う唯一無二の存在。
僕も映画が始まって数分は「獅子舞…映画…?」って若干戸惑ってしまっ
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リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

3.9

この世界では(特にこの島では)人種差別、奴隷制が存在しない世界なのだな…と一幕目で納得できたお陰か、ディズニー実写版シリーズの中で1番楽しむ事が出来たのが本作かもしれない。
まあ、ラストで島を飛び出し
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

4.0

「デトロイトビカムヒューマン」からアンドロイド差別等の社会風刺を抜いて「ターミネーター」をマイルドに混ぜてみたような優しいホラー映画。
過剰ではないスケアジャンプと王道の「そこに何かいそう」なホラー演
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.1

職人達のアート博覧会、再び。
まあ、前作がトンデモない完成度でしたから「続編の理想系」が飛び出してきても驚きは無いですよね。
やっぱり2部作分割の前編じゃねーか!!と内心思いつつ、本作だけで「物語」に
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.2

僕は変な夢でも見ていたのでしょうか。
インフルエンザに罹った時に見る様な、トンチキな夢を、現実感が無い光景を、怒涛のラストで目撃しました…「DC映画の歴史」をフラッシュポイントで、クライシスの実写化と
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ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

4.0

都心は上映が終わってる劇場が多かったので、初めての劇場で滑り込み鑑賞。
貸切鑑賞が内容に相乗効果を持たせたくれた新たな「ワンカット映画」の秀作。
追いかける対象が変わり続ける事で柔軟なカメラワークを構
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

映画の構成から、アングルから、編集から、解き放たれたような「自由」を感じる事が出来る1作。
父の心情がどうであったか、主人公は何を思って、何を抱きながら回想しているのか、その全てに本作は答えを見出して
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.0

事前情報をシャットアウトしての鑑賞。
長尺に意味がある、長尺じゃないと出来ない演出の作品で満足感が高い劇場体験だった。
序盤の講義シーンで「もしかして…その手の映画なのか…?」と抱いた予感が二幕目の中
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THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

4.2

パク・フンジョン、サイコー!な「魔女」待望の続編。
本当に待ちに待った作品ですよ。
日本公開遅かったですけど、最高の続編だったので水に流します。
前作の「穏やかなシスターフッド的前半パート×無機質な研
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怪物(2023年製作の映画)

4.3

いやぁ、これは面白い。
個人的には「海よりもまだ深く」以来のクリーンヒット。
是枝作品と言うよりは坂元脚本と近藤撮影に惹かれた感じではあるのですが。
ネタバレ箝口令を引く理由も分かる「構造の映画」だ。
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.9

キリスト教のコミューンで起きた強姦事件。被害を「悪魔のせいだ」と信じなかった男達が保釈金を払いに留守にしている間に「我々はどうするべきなのか」を被害女性達が話し合う。
加害者は「男」としか呼ばれず顔が
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65/シックスティ・ファイブ(2023年製作の映画)

3.5

「ハイテク装備のアダム・ドライバーが65万年前の地球を少女と彷徨う」と言う余りにも美味しすぎる粗筋から飛び出してきたのは、木曜洋画劇場でした。
いやぁ、あまりにも凡庸。
ぶっちゃけ恐竜が暴れ散らかし、
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女子高生に殺されたい(2022年製作の映画)

3.4

女子高生と教師の恋愛スリラーな一幕、目線がスクールカウンセラーに代わり物語の種明かしに終始する二幕目、そして演劇を舞台にタイトル通りの展開に向けて頑張る三幕目。
三幕構成ってやっぱり美しいですね、と思
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水曜日が消えた(2020年製作の映画)

3.4

曜日毎に変わる7つの多重人格(劇中では特殊な症例みたいなので名称は違うのだろうが)の内「水曜日が消えた」事で起きるミステリー??風味の一作。
「何故、人格が消えたのか」に焦点を当てて物語を牽引するサス
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