中庭さんの映画レビュー・感想・評価

中庭

中庭

映画(609)
ドラマ(0)
  • List view
  • Grid view

愛と希望の街(1959年製作の映画)

3.2

京子が待つベランダの手すりの輪郭線が大きく斜めにとらえられている。兄が構え、京子が鳥を離しそれを撃ち抜くまでのカッティングが鋭い。

ミュージアム 序章(2016年製作の映画)

1.7

女子高生を誘拐するときの監視カメラに写る蜘蛛と蜘蛛の巣。車内や街灯に括られたと想像できるカメラは一体誰のまなざしとして機能しているのか。きわめて異様だったのが、三浦誠己が誘拐した少女をテープで縛ってい>>続きを読む

500年の航海(2015年製作の映画)

4.4

VHSの迷路をさまよう白いネズミと、海までの道筋が漂着物?に塞がれるウミガメの対比。
二重露光の強調は、映像それ自体ではあまり見受けられなかった(当たり前だが高嶺剛の『変魚路』とは違う)。時空を数十年
>>続きを読む

バチアタリ暴力人間(2010年製作の映画)

3.7

とにかく面白かった。信者たちに集団で暴行を加えられる固定ショットの、全員の画面への収まり具合が端正がとれてて笑えるし、その前に白石監督らによって暴漢された信者の妻の肉体の淫靡さも見事に浮き彫りになって>>続きを読む

赤い雪 Red Snow(2019年製作の映画)

1.6

忌まわしいことが起きたというイメージが集約される場所としてあのアパートの全景があり、二階の部屋のドアがあり、階下には錆びが溜まったような赤色の地面がある。記憶という曖昧模糊とした場面風景で、ホワイトア>>続きを読む

ジュリアン(2017年製作の映画)

3.3

偽の住所を教えたジュリアンが、事態をゆっくりと把握し始める父親の元から走って逃げ出し、団地の住居ビルの間で捕まるまでを背後から追いかける、緊迫感に満ちたシークェンス・ショット。扉の向こうに誰が立ってい>>続きを読む

フィフス・エレメント(1997年製作の映画)

1.9

悪徳武器商人を演じるゲイリー・オールドマンが仕掛けた爆弾の顛末を中心としたシークェンスは、誰が犠牲になるかという大したことはないサスペンス性を過剰にぶら下げたまま、幾つものアクションシーンを跨いで繋ぎ>>続きを読む

ザ・シンガー(1979年製作の映画)

2.8

電話機の前に立ち発話する女を顔の高さで横からとらえたカメラが、受話器を置いた途端に滑り出して後ろの壁に写る女のシルエットを収めた後、そのシルエットと女本人の輪郭が一致するところまでさらにパンを進めてみ>>続きを読む

ドノバン珊瑚礁(1963年製作の映画)

3.6

ラ・フルールが突き落とされた池までの落差がやけに大きくてショックを受ける。クリスマスツリーに目を奪われる暇もなく、和服の女中の「おかえり」に動揺。屏風?の後景で、等間隔に座る三人の子供たちと彼らの前に>>続きを読む

口裂け女(2006年製作の映画)

1.8

佐藤江梨子と加藤晴彦が同一のショットに収まっているだけでも十分に興味深いのに、特殊メイクの水野美紀がやけに不寛容なモンスターとなって襲いかかってくるのだから、面白くないわけがない。口裂け女の居場所を感>>続きを読む

エスケープ・フロム・L.A.(1996年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

前作のハリー・ディーン・スタントンとよく似た立ち位置で、敵とも味方ともつかぬ行動をとっておどけ続けるスティーブ・ブシェミが、命を落とさずディストピアに置き去りにされてしまう。これは少し意外だった。相変>>続きを読む

劇場版 フリクリ プログレ(2018年製作の映画)

2.2

ナース姿の春子?最高。瓦礫の星が崩壊するときに空中で犬かきをしたり、だめだこりゃ(コテンッ)のポーズを観客に向けてみせたり、昭和から平成初頭のアニメの身ぶりのようなものを強調する場面が多い気がする。>>続きを読む

チワワちゃん(2018年製作の映画)

1.6

成田凌に、だらしなさを伴う横暴な役回りをあてて右に出る者は、いないんじゃないかと思う。繰り返される乱痴気騒ぎの収集のつかなさを、カッティングのスタイリッシュさでフォローする方向性には疑問が残る。

サスペリア(2018年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

異形のマルコス夫人の全身をおさえる最初のショットが儀式の構図を俯瞰するついでだったり、クロエ・グレース・モレッツの顔が全然見えなかったりと、妙な外し方が多いのが気にかかる。オフ・ボイスのいびきや寝息、>>続きを読む

リオ・グランデの砦(1950年製作の映画)

3.4

子供を奪われた女たちが一同に立ち尽くし、兵士の無骨な歌は軍曹の静かな怒りを慰める。脱走兵タイリーを捕まえるときの、夜になる前の、モノクロ特有の灰色の薄暗さが美しい。
騎兵隊が川を渡るショットは夜明け前
>>続きを読む

シャークネード5 ワールド・タイフーン(2017年製作の映画)

1.7

このレビューはネタバレを含みます

東京タワーを背景にエヴァが死に、また東京の夜景のネオンをつまみに家族、マットが還らぬ人となってしまった。ループもののフォーマットまで持ち込もうとしているであろう制作陣の思惑は、ついに年季の入ったドルフ>>続きを読む

呪霊 THE MOVIE 黒呪霊(2004年製作の映画)

2.2

このレビューはネタバレを含みます

蛍光灯の明滅に合わせ姿を現す階段の踊り場の黒い人影が、少年が犠牲となった後も続く長回しのフィックス・ショットを見つめていると突然二人分に増える。
黒い霊が一人きりの病室に佇んでおり、助けを呼ぼうとする
>>続きを読む

シャークネード4(2016年製作の映画)

2.1

このレビューはネタバレを含みます

序盤であれだけ見事な活劇でレスキューしたマットの奥さんが結局簡単に死ぬ。ラスベガスの夜とシャークネードによる圧倒的(なはずの)破壊をかけ合わせようと思い付いた人間がこの世にいるという事実。冗談抜きで、>>続きを読む

透明人間(1992年製作の映画)

3.3

女たちの強さが特に強調されているカーペンター流のSFコメディ。「助けて」とすがる演技をして男の救急隊員をぶん殴るところなんて痛快に過ぎるし、どの男も下心があって泣きじゃくって早漏で最終決戦がまさかの闘>>続きを読む

シャークネード エクストリーム・ミッション(2015年製作の映画)

1.5

宇宙空間にいる、という演技で体をゆっくり動かすという方法を用いられているものを見ると感動するってイーストウッド『スペース・カウボーイ』批評で言ってたのは誰だったっけ。
エヴァ、惜しげも無く胸を強調する
>>続きを読む

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)

1.7

ジェームズ・マカヴォイ演ずるケヴィンをカメラの水平移動軸の中心に置いて、左右交互にパンを繰り返す。カメラがケヴィンをフレームから外すと抑制装置のフラッシュがたかれ、フレーム内に戻ったケヴィンはカットを>>続きを読む

殺人ワークショップ(2012年製作の映画)

2.1

このレビューはネタバレを含みます

アキコが恋人から受けるDVを手持ちカメラで見つめ続ける冒頭のシークェンス・ショットが印象に残り、絶対的な暴力の比較対象として全編に渡り存在し続けることになる。「殺せない」真っ当な結末は一つ前のケースで>>続きを読む

劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel II. lost butterfly(2018年製作の映画)

1.7

原作の魅力、という呪力に充ちた言葉と作画力の高いセックス・アニメーションの魔力の不気味な邂逅に動揺させられるPG-12指定の怪作。これまで隠されていた、というわけではないにしろ自慰や性交を介さずして生>>続きを読む

ローン・サバイバー(2013年製作の映画)

1.8

岩石の突き出た山肌を、タリバン兵に追われた若きシールズ隊員が致命傷を負いながら二度も飛び降りて逃げるシーンが用意されている。体中の骨を砕きながら、凹凸に当たって転げ落ちていくスタントは、序盤で逃したタ>>続きを読む

日本のこわい夜(2004年製作の映画)

1.5

白石晃士が手がけた「特別篇」の、フェイク・バラエティ番組のほうを見た。押入れから噴き出す水(海水のイメージ)と、それを正面からもろに受ける友近と手持ちカメラ、さらにそれらを俯瞰する固定カメラといった位>>続きを読む

スターマン/愛・宇宙はるかに(1984年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ジェフ・ブリッジスの顔の持つ力と機能を存分に活かすキャスティング。コッポラの『タッカー』に次ぐはまり役だし、感情の乗らないあの顔にこんなに泣かされるとは思わなかった。カーペンターの手がけたメロドラマと>>続きを読む

シャークネード カテゴリー2(2014年製作の映画)

1.8

このレビューはネタバレを含みます

飛行機を襲ったシャークネードにエイプリルの腕が食い千切られる、因縁の幕開けから物語が始まる。2まで見たらもう引き返せないか……という奇妙な感慨を抱くものの、まったく悪い気はせず。『キングスマン』続編の>>続きを読む

ほんとにあった!呪いのビデオ THE MOVIE(2003年製作の映画)

1.3

このレビューはネタバレを含みます

白石晃士が演出を手がける「これを見て何が起きてもこちらは責任を負いません」心霊映像には共通して、白く歪んだ人影が映り込むことが多いように思う。ファンが白石ユニバースと談る作品群にしばしば登場する霊体ミ>>続きを読む

グロテスク(2008年製作の映画)

1.8

このレビューはネタバレを含みます

釘を打ち込まれる睾丸の部分的なクロースアップが、悲鳴や表情、血しぶきで間接的に演出されていたはずの「処置」のさなかにサブリミナルでインサートされてしまうあっけらかんとしたカット編集に驚かされる。チェー>>続きを読む

野火(2014年製作の映画)

3.5

土と泥に汚れた山本浩司になじられ追い出され、二つの野戦病院を芋を手にした塚本晋也が何度も行き来する冒頭の悪夢のような編集からつくづく思い知らされる、ただ事ではないものを見せられるという直感。戦争映画の>>続きを読む

バハールの涙(2018年製作の映画)

3.0

銃の手入れを続けながら歌を歌う母たちの姿を水平にとらえるドリー・ショットの滑らかさと強靭さ。母たちの歌をゴルシフテ・ファラハニ演ずるリーダー、バハールの美しい顔面のクロースアップが引き継いだときに、無>>続きを読む

喜望峰の風に乗せて(2018年製作の映画)

3.8

愛する人々からの信頼を裏切ったとはいえ、コリン・ファース演じるこの男は姦淫を働いたわけでもなければ他人を殺めたわけでもない。何に急かされて彼はこれほど憔悴しているのだろう、と理由を探す暇もないまま、男>>続きを読む

パラダイム(1987年製作の映画)

3.7

教会の外でゾンビじみた集団に襲われた青年が、外れたチャリンコの前輪?とフレームを土手っ腹にぶっ刺されて立ち往生する。意識の途絶えた青年の顔を真下からあおるショットに、亡骸が立ったまま侘しく揺れるさまを>>続きを読む

ゴースト・ハンターズ(1986年製作の映画)

3.5

中盤から急に機敏なアクションを手に入れるデニス・ダンが、『温泉みみず芸者』の性豪三人衆を彷彿とさせるロー・パンの部下の一人とアクロバティックに戦闘するくだり。
扉の枠残しで画面中央に示された四角いレイ
>>続きを読む

ジェイソン・ボーン(2016年製作の映画)

3.0

マット・デイモンとヴァンサン・カッセルが雌雄を決する、地下道?のラストバトル。
ジェイソン・ボーンシリーズは、交通機関をも手中に収めたロケーション最大活用のだだっ広い市街戦アクションと、近接攻撃のみに
>>続きを読む

貞子vs伽椰子(2016年製作の映画)

2.1

このレビューはネタバレを含みます

貞子と伽倻子の集合体を受胎させた山本美月が最後に流す涙と、『コワすぎ!』最終章で田代が頭を吹き飛ばす女が死際に目元に溜めた涙はおそらく質を同じくするもので、笑いながら見ている観客に冷や水を浴びせる。山>>続きを読む

>|