中庭さんの映画レビュー・感想・評価

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映画(830)
ドラマ(3)
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死霊のはらわた(1981年製作の映画)

3.3

魔の物の巣食う森の中を地を這って突進する手作りステディカムによるカメラと、その視界から一所懸命に逃げ惑う若者たち。夜のペンションを飛び出した女子大生はついに森に捕らえられ、とうとう蔦に強姦まで受けてし>>続きを読む

Unnamed Road(2019年製作の映画)

2.5

自販機や歩道橋、ビルの窓に反射して映り込む建造物や交差点、看板などが主役としてカメラが向けられていて、その表面を役者たちがさまよい歩く。前の職場の先輩のコネで新しい会社に勤めたみずほがすでにその会社の>>続きを読む

娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)

2.6

二人目の子供を産んだことへの自省的な言及はほとんど避けられている。神の意志と母の論理が同一化したような語りに違和感を覚えた部分もあった。
自分の子供が生への執着と無縁な姿で動いている様子と、他人の子供
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La France contre les robots(原題)(2020年製作の映画)

3.8

意訳を載せてくれた方がいる。ありがたい。
世界システムとしての民主主義とテクノロジーの、現代における倒錯した関係を語る男。男が語りながら湖畔を歩く後ろ姿を、青く薄暗い時間帯と陽射しの明るい時間帯で反復
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アバター(2009年製作の映画)

3.0

現実とパンドラの生活を行き来する主人公が境界線を蹂躙されかけるシーン全般、ミシェル・ロドリゲスが戦闘機を翻して飛び出してくるところ、等々盛り上がる演出が多数。『レディ・プレイヤー1』への影響を考えずに>>続きを読む

ゾンビランド:ダブルタップ(2019年製作の映画)

3.1

ジェシー・アイゼンバーグに尻を突き出して襲いかかるゾーイ・ドゥイッチ最高。たった10年前ぐらいでブームが止まっていてもここまで文化が違うという設定も愉快。自分と似たキャラクター同士が生死を分かつバトル>>続きを読む

守護教師(2018年製作の映画)

1.4

このレビューはネタバレを含みます

背広を着ないマ・ドンソクが、硬派な敵と組み手を交わすのでなく、サイコパスやその家族と対峙するという、イメージの捻れをサスペンスへ持ち込んだ意欲作。敵が想像以上に小さく、町全体の陰謀を示唆する演出と噛み>>続きを読む

トゥルーライズ(1994年製作の映画)

2.7

自分が秘密を抱えているにも関わらず不倫疑惑の妻を尋問し、あげく卑猥なポールダンスを強制させて淫靡な本性をあらわにしてやろうというこの映画のメロドラマの感性はことごとく壊れたものだと言わざるを得ないが、>>続きを読む

殺人魚フライングキラー(1981年製作の映画)

1.5

キャメロンは一体どんだけ水中撮影に入れあげているんだと感心しつつデビュー作を見たら、まさかB級ホラーのオープニングの体で水中ベッドシーンから始まってしまう映画だった。“Genogenesis”から今作>>続きを読む

ジェームズ・キャメロンのタイタニックの秘密(2003年製作の映画)

2.2

沈没し数年後には崩れてしまうと言われているタイタニック号の船内や甲板に、当時の乗客の亡霊を重ね合わせる。とんでもない発想だが、公開当時3D版を劇場で見られなかったのが悔やまれる。亡霊たちの演出のために>>続きを読む

タイタニック(1997年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

綿密なリサーチに基づき再現される巨大客船の沈没と、その上で小さく混乱する人間たちの生死を分かつ行動の行く末を、無情な対比で配置した一大スペクタクル巨編。メロドラマに振り切ったキャメロンの歴史的ヒット作>>続きを読む

初恋(2020年製作の映画)

2.5

窪田正孝の小さく、さもすると怯えているようにも写る目の作りが良い。何かを諦めたような下向きの視線よりも、想像だにしなかった真実を告げられておどおどと泳ぐ視線の方が具体的に言って魅力がある。強靭な肉体と>>続きを読む

アビス/完全版(1993年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

数あるキャメロンの巨編においても、だいぶおかしなことになっている。スピルバーグ『フック』のような混乱があり、監督自身はこれが最も撮りたかったんじゃないだろうかという想像を誘導する力強さがある。人類の未>>続きを読む

ソナチネ(1993年製作の映画)

4.6

あらゆるショットが自死への衝動に囚われており、その緩慢さに周囲の者たちが次々と引き摺り込まれては消えていく。燃え盛る自動車と真っ黒な煙の向こうに見える穏やかな沖縄の海の水平線を、この映画以外の映像で見>>続きを読む

きみと、波にのれたら(2019年製作の映画)

1.7

クライマックスのビルを覆う水の塊のモーションが良い。局部的にうねり、波しぶきを作り、凪を作って人間たちの道を緩やかに示す。燃えてるものは水で覆えば鎮火できるという、単純な想像に裏打ちされたリアリティの>>続きを読む

キャプテン・ウルフ(2005年製作の映画)

1.8

ヴィン・ディーゼルの顔ってこんなに柔らかそうな感じだったか。子育て用品を武器と同じように全身へセットする細かいモンタージュが愉快。

地獄の黙示録 ファイナル・カット(2019年製作の映画)

4.4

109シネマズ菖蒲にてIMAX鑑賞。軍用ヘリの羽音が劇場内を飛び回り、爆音が局所的に炸裂して全身を震わせる。極上の音響体験。映画そのものの強度が強く、アトラクション化されたところで本質に変わりなく感じ>>続きを読む

エイリアンズ・オブ・ザ・ディープ(2005年製作の映画)

1.7

キャメロンの狂った価値観を直に見つめることのできる貴重な一本。冒険家としての勇姿をカメラの前で自己演出するキャメロンの目が真剣すぎて言葉を失う。いつかはこういう世界に人類代表で出会いたい、というどうや>>続きを読む

サマー・オブ・84(2017年製作の映画)

2.2

このレビューはネタバレを含みます

やたら危機的な状況に陥らないなと思って見ていたら油断した。脚本でこんなに驚いたの久しぶり。子供がスクリーン上ではっきり死んでみせる映画を何本か思い返す。『ジョン・カーペンターの要塞警察』、『タイタニッ>>続きを読む

ミッドサマー(2019年製作の映画)

1.3

このレビューはネタバレを含みます

最後、フローレンス・ピュー絶対笑うなよ、せめて微笑んだりもするなよと思いながら見てたらしっかりスローモーションで救済された表情に。精神療法と映画言説の最も短絡的な接合。ハンマーで粉々にされる老人の顔面>>続きを読む

アカマタの歌 海南小記序説/西表島・古見(1973年製作の映画)

3.5

国立映画アーカイブにて『神屋原の馬』と併映につき鑑賞。『神屋原の馬』が35mm、『海南小記序説』が16mmの上映。「神屋原」と書いてカベールと読む。
闇の中から祭祀にのぞむユタの姿が朧げに登場し、言葉
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ジャックは一体何をした?(2017年製作の映画)

3.0

猿と人間の口角のぶっきらぼうな合成。シンプルな末広がりを見せる構成の律儀さが愉快。

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

1.9

ラストの広大な平地で繰り広げられる長回しで、爆撃を潜り抜けながら縦の構図でスクリーン手前に全力で走る主人公に横から一斉に走り出した兵士たちががんがんぶつかり、予想する軌道をジグザグにずらされまくるとこ>>続きを読む

ケイコ先生の優雅な生活(2012年製作の映画)

3.8

倒錯と破綻を生きるケイコ先生に振り落とされまいと必死で食らいつく男子高校生戸田。長回しの先に現れるラブホテルのささやかな露天風呂から見上げる空に無償の青春が映る。真っ当な道を外れた果てには戸田が全くつ>>続きを読む

COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

2.4

パオロ・ソレンティーノの『グランドフィナーレ』を見たときと似た感想を持った。すました派手さというか、手法を用いて革新性を突こうとする狙いが先行している印象。気持ち悪さはなく、磨かれたショットが続くのに>>続きを読む

アマンダと僕(2018年製作の映画)

3.1

アマンダの皮膚の薄さ、感情を過剰に表出する際の身体の赤らみ。『サマーフィーリング』と主題が重なりつつも、こちらはある程度のコミュニケーション不全を取り上げ、他者と痛みを分有することで見える景色を映すこ>>続きを読む

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.0

爆破の瞬間に炸裂した釘が方々に突き刺さる一瞬のショットで否応なく興奮させられる。ジュエルの母親(キャシー・ベイツ)が涙ながらに演説するシークェンスや悪夢の中で爆弾を抱えて叫ぶジュエル、警察に家を荒らさ>>続きを読む

イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり(2019年製作の映画)

2.1

アップリンク吉祥寺で鑑賞。ゼメキスの『ザ・ウォーク』を見た衝撃と恐怖に近いものがある。あまりに狭い気球の上で、上下の運動のみにアクションを賭けて物語を推進させる。気流にのまれて上下左右の感覚が麻痺させ>>続きを読む

風の電話(2020年製作の映画)

2.7

西島秀俊よりも三浦友和の佇まいにやられた。主演の若き俳優を迎え入れる姿勢が、他の名優たちとの出会いとは異なる空間的な関係性を生み出していたように思う。
東北の町で亡くなった友人の母親に会うシークェンス
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サマーフィーリング(2016年製作の映画)

3.7

ショットを跨ぐと既に意識を停止させてしまった姉の崩れ落ちる姿。ショットとショットの合間なのか、切り替わった瞬間に何かの電源が落ちたのか、その無常さを知らせるための静かですばやいカッティングとロング・シ>>続きを読む

ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋(2019年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

気取らずに、あくまでさりげなく更新されたアメリカのロマンチック・コメディの形式。階級を飛び越えた二人の男女が踊り明かすはずのクラブのシークェンスが、翌朝のガンギマリテレビ実況から重大な政治交渉まで尾を>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

池袋シネマ・ロサとグランドサンシャイン池袋で1週間おきに2度鑑賞。
終盤の戦場で時空が歪む。俯瞰的な兵士の配置図、個々の顔、死体、銃器を放つ敵兵など直接的な映像が排され、戦闘そのものの全体性が覆い隠さ
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ゾンビランド(2009年製作の映画)

2.7

4人で空き店舗の商品を落としては倒し、溜め込んだストレスを笑顔で発散させるシーンが印象的。悪の倫理で動く人物がほとんど登場しないのも愉快だし、はっきりとした佇まいなのに面倒くさい内面を炸裂させるエマ・>>続きを読む

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

3.8

父と子のかけがえのない会話のやりとりが、広大な滑走路を舞台に、夕暮れと夕闇の切り返しでもって紡がれる。スピルバーグ『オールウェイズ』のエンディングを思い出すと、その切り返し一つが死と生を分かつ、彼岸と>>続きを読む

さよならテレビ(2019年製作の映画)

2.6

このレビューはネタバレを含みます

ポレポレ東中野で鑑賞。制作会社から派遣された渡邊が最後、指示を的確に受け求められた仕事をこなしている様子に胸を打たれる。フィクションの垣根を曖昧にした作家の意向が発生させようとする議論は大前提すぎて乗>>続きを読む

キュクロプス(2018年製作の映画)

2.8

捕らえられた主人公と二重スパイの間を銃を手に行ったり来たりする若頭の軌道を、端的なドリーの左右の動きでとらえたショットの巧みな緊張感。バーで宿命めいた出会いを果たす女の目の前で構成員をのめし能力を曝け>>続きを読む

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