中庭さんの映画レビュー・感想・評価

中庭

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インモラル・ミスター・ティーズ(1959年製作の映画)

3.0

ありふれすぎて愉快にしか聞こえない自然と現代文明の比較のナレーションが冒頭で炸裂。処女作でほぼ確立のスタイル。
オフの声の絶妙な遠さが笑いを誘う。画面上をモダンな配色が行き来するのに、巨乳が登場(歯科
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わたしはわたし ~OL葉子の深夜残業~(2018年製作の映画)

3.2

ワンカットの中で、顔を動かさずに眼鏡を落とす演技というのは、滑らかな頬やこめかみ付近の筋肉の細やかな運動が見えるようで実に目を見はる。
男の肌をなぞり這う舌の長さ、柔らかさにも驚き。

農家の嫁は取り扱い注意! Part2 有機ある大作戦篇(2021年製作の映画)

3.3

Part 2でも、ステレオタイプ的な詐欺に立ち向かうため、純粋に友達からの借金を求めるヒロイン。今度は恥じらいもなく、ママの前で洋酒をラッパ飲みしてしまう。
丸純子の、盗聴スマホを設置するまでの固定シ
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農家の嫁は取り扱い注意! Part1 天使降臨篇(2021年製作の映画)

3.3

ハニトラ作戦に入った途端、恐ろしく饒舌な策士へと変身してみせるヒロイン。
幕間を埋めようとする、奇声を発するおっさんキャラクターは今回二人登場。TT兄弟で間合いを詰める厄介な悪漢も二人。
調理用おたま
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レイク・マンゴー 〜アリス・パーマーの最期の3日間〜(2008年製作の映画)

2.3

手作りの心霊映像と本物の心霊映像の本質的な違いって何、とやたら確信的な質問を投げられかけている気がする一本。何も無い背景に、ぼんやりと人のシルエットを乗せるだけで、風景に意味や物語があるように見える奇>>続きを読む

砕け散るところを見せてあげる(2021年製作の映画)

3.7

見終わって数か月経っても、思い入れが深まり続けるのが分かる。
私たちの個人的な過去にどこか重なるような普遍的な青春ものと、記憶と全く重なることのない相反する過剰な暴力の物語が対立したまま強引に繋げられ
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ザ・ファイブ・ブラッズ(2020年製作の映画)

2.2

劇作に転調をきたす地雷のシークェンスが特筆して上手い。はじめから殺戮の記憶に引き裂かれていたはずの老人たちの悲鳴は弱々しく、マーシュの怪作『キング・オブ・シーヴズ』の老人たちよりよっぽど悲惨でひたすら>>続きを読む

カリギュラ(1980年製作の映画)

2.6

この巨額ハードコアポルノ史劇における上映時間の長さは、間違って誰かいつか真剣に考えることがあっていいんじゃないのと思わせるほど強烈な鑑賞体験をもたらす。3階か4階建ての見事に立体感を欠いたセットの中を>>続きを読む

裸のランチ(1991年製作の映画)

3.4

タイプライターの背部中央に丸く空いた穴の造形。肛門から白い液体を排出させるな!と何回も口を挟みたくなった。裸身で絡み合う二人に震えながら寄り添う肌色のクリーチャーは必見。クローネンバーグの特殊美術って>>続きを読む

まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

3.1

現代日本映画で男女バディもののコメディを本気で撮る。登場人物たちが口にする話題の表面的な薄さに騙されず、視線を合わさずひたすら歩きながら対話を続ける二人を是非。小泉孝太郎の生業が何であったか、そして最>>続きを読む

デンジャラス・プリズン ー牢獄の処刑人ー(2017年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

鉄扉を挟む極限状態で、ドン・ジョンソン率いる刑務員らと共に、妻と胎児の安否確認の電話を待つヴィンス・ヴォーン。独房の中には、あまりに暴力的に身動きを奪われた敵と捕らわれの刑務官、生前軽口を叩いていた小>>続きを読む

いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46(2019年製作の映画)

1.5

巨大集団のアイドルから個人を引き抜き、まるで一対一で踏み込んでいるようなカメラとアイドルの息遣いでファンを驚かせる手法。実はこの背後に何人ものスタッフが息を潜めている、という気配が面白い。終盤の齋藤飛>>続きを読む

グレイヴ・エンカウンターズ(2011年製作の映画)

1.7

このレビューはネタバレを含みます

もう一回振り返ったらすぐ後ろで脳外オペ、のアイディアかなり好き。時空を越えないまま旧校舎に閉じ込められる『学校の怪談』第一作はやっぱり偉大だ。

邪願霊(1988年製作の映画)

2.8

後景のはるか向こう、カメラではとても輪郭を切り取ることの出来ない距離に佇む女の霊のあの質感。「見てはいけない」を演出する手法が、かなり洗練されているように感じられた。あーこれはマズい、と直感させられる>>続きを読む

スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする(2002年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

デニス少年が一本の糸で紡ぐ殺人のしかけは、昏迷する記憶と裏腹にあまりに端正で、糸のいく先を追うカメラも編集の息遣いも非常に明快。これがとにかく印象深い。何かが影を残して存在感を放ったままの地面を抱くよ>>続きを読む

アウトポスト(2020年製作の映画)

2.6

このレビューはネタバレを含みます

やっぱり爆撃ヘリが間に合うタイミングの演出ですよね。戦火のリアリティへの固執など実は見せかけに過ぎなかったのか、という呆気なさ。オーランド・ブルームの事故死なんて大袈裟に言えばミスリードなのかもしれな>>続きを読む

コンジアム(2018年製作の映画)

2.4

テントへ帰る道の森まで逃げ込んだらいつのまにか呪いの部屋に戻され異形のものと一対一でだるまさんが転んだ。廃病院に一人、を強調されるラストの画面の廊下と部屋の中を覗くカメラの暗さ。

ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

フォガティに生殺与奪を握られ絶体絶命の危機に陥ったトム(直前で彼が本者のジョーイであることがトムの台詞で判明する)を、ジャックに命を救われるまでの細かくも冴え渡るアクション繋ぎに痺れる。学校でいじめっ>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

2.2

このレビューはネタバレを含みます

菅田将暉と有村架純がお互いを認め合うために使われる、様々な芸術作品の固有名詞。作品内への言及は一言二言しか行われず、固有名詞を知っているかどうかで安心感を与え合い、たとえ嫌だと感じていることも、以前に>>続きを読む

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

3.1

上下を回転させ手足をばたつかせながら、今まさに宇宙の彼方へ放り出されようとしている宇宙飛行士をとらえた緩やかなショット。宇宙を生命の尊厳を嬲る残忍かつ主体的な空間として俯瞰的に演出することをはじめに決>>続きを読む

海の旅人たち(1953年製作の映画)

2.2

他のキューブリック作品では見ることのない、匿名的な顔たちの血気盛んなやり取り。

DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)

2.2

映像制作にまつわるあらゆる暴力とその関係性という大前提のテーマをこねくり回した、巨大な実践をプレゼンテーションされるような作品。大がかりな見かけがあっても、根本的なぶれは覆えないのだな、という事実を痛>>続きを読む

サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス(1974年製作の映画)

3.5

これは好き。久々にTシャツ買った。様々な先入観から解放されることは、まあ色々あるけど、可能!と宣言された感覚。揺さぶられるのでなく、根っこに残っていたものをいつの間にか起こされてしまうような良さ。同じ>>続きを読む

二重のまち/交代地のうたを編む(2019年製作の映画)

4.3

いまの陸前高田にはないもの、それはそもそもないままでよかったものと言えるが、それが風景に透明に溶け込んだ中心地に落とされた、何も視ていない若者たち。彼らは景色の端々、人々の語りの僅かな裂け目にとらえら>>続きを読む

シャイニング(1980年製作の映画)

2.7

他の造りに比べやや閉鎖的な印象のうかがえる暗めのホテルロビーにて、執筆を続けるも既に別の何かへ移行を始めているジャック・ニコルソンの元に、シェリー・デュヴァルが様子を見に訪れる。ロングショットは人物二>>続きを読む

あの頃。(2021年製作の映画)

1.5

コアなイベントを作り成立させる喜びと、女性への対応における倫理観に致命的な難を抱えるコズミンに対する仕打ち、グループを見つめる主人公の眼差しの優位性。実話の脚色という問題。様々な、非常にきわどく複雑な>>続きを読む

ガンズ・アキンボ(2019年製作の映画)

2.5

サマラ・ウィーヴィングの勇姿を脳裏に焼き付ける。ダニエル・ラドクリフは受けの演技、「リアクション」を追求する鋭い役者として活躍するようになった印象。

ストリート・オブ・ノー・リターン(1989年製作の映画)

4.1

過剰に野蛮な怒りの暴動の中からでないと、作り手の思惑から距離をとった純粋な暴力は立ち現れないぜ、と教えてもらった。過去最高にイカしてると言いたい。一生目に焼き付いて離れない女の体っていうのは、確かに存>>続きを読む

昇天峠(1951年製作の映画)

3.6

山頂へ向かうバスと雷雨の強さが性の欲動に重ねられ、大量の雨水がポンコツバスの外壁を伝う。不条理な展開が連続するが、それが何気なく、思わせぶりにテーマを主張することもなく単純に楽しめるっていうのが好き。

わたしたちに許された特別な時間の終わり(2013年製作の映画)

3.1

増田壮太の出戻り後の活動地域、規模、楽曲の構成、バンドの方向性、数少ない理解者との会話、就活、フィクションパートの暴力的な挿入、カメラ前での暴走、自殺というキーワード。ほとんどの要素が容赦なく自分史に>>続きを読む

満月の夜(1984年製作の映画)

3.7

映画を見てこんなに感情的になったのはいつぶりかね。誰の愛着も込められていないように見えた灰色のお家。

JLG/自画像(1995年製作の映画)

3.5

56分の“AUTO PORTRAIT”。私が映像で自分(史)を編むとき、湖畔の代わりに佇む場所はどこかにあるだろうか。現在の私を取り巻く環境や人間関係を人生の中で俯瞰的に配置し、最も適切な演出を加えて>>続きを読む

ドレス(1990年製作の映画)

2.8

「アステカの祭壇」を映画で目の当たりにするとは。壁にかけられた斧の消え方一つとっても端正。

Liberté(原題)(2019年製作の映画)

2.6

暗闇の森に配置された、貴族の寝室だけをそのまま外へ移設したような閉じられたスペースの中で、グロテスクな化粧を施した中年の男女が汚く絡み合うところを2時間以上ひたすら覗き続ける。窓ギリギリまでレンズを近>>続きを読む

スパルタカス(1960年製作の映画)

2.7

カーク・ダグラスを筆頭に奴隷たちがはじめに暴動を起こすシーンの、檻の高低差も奥行きも活用する、集団のダイナミックなアクション繋ぎ。

アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)

2.3

トム・クルーズが妄想するニコール・キッドマンの不貞行為が、ブルーフィルムのような粗さで意外にも可視化される。

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