中庭さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

中庭

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ヴァイラス(1998年製作の映画)

2.2

肉体と機械の結合という解釈を、シンプルかつグロテスクな造型で提示してくれる貴重なSFホラーの一本。舞台が宇宙空間でなく海の上というのも面白いし、肉体を取り込んだ機械は強いが機械を取り込んだ肉体は大して>>続きを読む

トイ・ストーリー2(1999年製作の映画)

2.2

このレビューはネタバレを含みます

敵キャラの動機に同情して、あの末路の悲惨さにため息が出た。振り向いて顔半分が落書きだらけ、って日本の怪談みたいなホラーの演出方法。

DASHCAM ダッシュカム(2021年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

脅威にかけ寄る母?の首が手持ちカメラのワンカットですぽんと切り落とされるショット、勢いとリズムが良すぎて大好き。登場人物たちの、表立って描かれない何らかの事情のめんどくささを全部罵詈雑言で腐して逃げ続>>続きを読む

トイ・ストーリー(1995年製作の映画)

2.6

クライマックスのカーチェイス、記憶よりも長く、犬のスプリングがちぎれるほど伸びていくところなんか思わず手に汗握ってしまった。子供の頃にあんなに怖かった魔改造のおもちゃたちがやけに可愛く見える。

アラジン(1992年製作の映画)

2.4

子供の頃以来に見たら、ジャファーがやけにやらしいおじさんをやってて笑ってしまった。夜の砂漠に吹く風の表現なんてすごく良い。

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

2.2

このレビューはネタバレを含みます

クライマックスはドリフの雪山コントを思い出す。
ポム・クレメンティーフ、レベッカ・ファーガソンを筆頭に女性キャラクターがかなりかっこいい。しょうもないミスが命取りになるのはいつも男たち。
緑色のスモー
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パラダイス/半島(2023年製作の映画)

3.4

2023年日本映画マイベスト1。夕起が逃避行を匂わせる竜と二人の対話のシーンは、急に感情のラインを飛び越えるような目に見えない空気のうねりがある。お墓のロケーション良し。東京でも愛知でも長野でもない、>>続きを読む

2分の1の魔法(2020年製作の映画)

1.8

このレビューはネタバレを含みます

最後父親の全身を見ることが叶わない(観客も痛み分け)という展開、呆気なくて驚いた。下半身のみで動き回り感情を見事に表現する父は独特の気持ち悪さがある。本当に本人なのか?という不安はもちろん発生するし。

ロープ(1948年製作の映画)

2.8

観客からは一時的に見えないが舞台上にあり続ける死体の存在が、何度もサスペンス的な瞬間を生んで物語をリードする。あの上にディナーを並べようとするくだり、本当に意味がない提案であり、その派手な無駄っぷりに>>続きを読む

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.2

ジェームズ・マンゴールドの新作としてめちゃくちゃ面白かった。クライマックスの突飛さもあれぐらい破綻してもらわないと。オープニングの塔の爆破、落下アクションの連続と首吊り回避のサスペンス、列車上の戦闘、>>続きを読む

ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界(2022年製作の映画)

1.8

『ミクロの決死圏』と『センター・オブ・ジ・アース』が出会ったような映画で、あらゆる「ものごと」に対するパースペクティブへ自覚的になりましょう、と訴えかける。夢を諦めたら農夫、って設定はどういう発想に基>>続きを読む

ミッキーのミニー救出大作戦(2013年製作の映画)

3.5

コマ送りの速度を手作業で変えて(映写機の操作はしない!)、悪役のからだの動きの自由を奪いとっちめてしまう発想たるや。時代や形式を超えて、ミッキーマウスがいくつもスクリーンや視覚的空間のレイヤーを突き破>>続きを読む

Another アナザー(2011年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

袴田吉彦が重要な役どころで登場し、若手女優の生首が勢いよく飛ぶ。

ベイマックス(2014年製作の映画)

2.2

ケア・ロボットの質感が案外肉体的でなく風船のような優しさを持っている、それがパワードスーツに身を包むというアンバランスさが演出するもの。

Tuesday(原題)(2015年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

『アフターサン』は成長した娘が亡き父の生への同調を繰り返しているような印象があったが、本作は父の不在を受け入れずに過ごそうとする幼く強い魂を映しているように感じられた。

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

個人的な事情からか、何かがさわり冷静に見つめること叶わず。波打ち際へ走り寄る悲しみの背中や高い位置からどこか分からぬ遠くを見やる父の不吉な仕草よりも、寝ている彼をじっと監視するように見つめる娘の無表情>>続きを読む

ほんとにあった!呪いのビデオ BEST10(2018年製作の映画)

1.5

このレビューはネタバレを含みます

「かくれんぼ」の子供たちの画面への収まり方、別の時空間から戻ってきたときの集まり方がやけに自然なふるまいで気持ち悪い。すばらしい演出。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014年製作の映画)

2.5

オープニングの、暗く広大なエリアでスターロードのイヤホンから流れるささやかな音楽による極端なダイナミクス。流れるように始まる軽やかなアクションシーンは、シリーズ全体の導入としてもとにかく魅力に溢れてい>>続きを読む

クローバーフィールド/HAKAISHA(2008年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

倒壊寸前のビルが支え合っている現場に突撃して中にいる女を助ける、という最強に無謀な展開大好き。高層階にいながら目前に巨大怪獣が迫ってくる一連のアクションが最高。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ついに一つ星が消し飛ぶ。全滅する箱庭の星から脱出するシークェンスの盛り上がりに開いた口塞がらず。あそこまで住民たちの生活の営みを見せといてポイッと捨て去る時は顔の見えない大勢に姿を変えるから凄い。

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

打ち上げられたものの軌道を最後まで追うこと。
少年の苦悩は閉じられたまま、それでも偉大なる祖父の言葉や母の厳しい視線を通過しながら、遠くない未来に開かれることを期待されている。
作家自身の、あるいは同
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シナラ(1932年製作の映画)

3.6

プールという場所は、その場では男女が欲望を押し殺し感情をそそのかして健康的にふるまって、室内に移動した瞬間に互いの欲動が爆発するための遅延をもたらす圧倒的なシチュエーションであり、数々の魅惑的な映画で>>続きを読む

ピーター・パン&ウェンディ(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ラスト、ピーターパンとフックに「勝手にやってろ!」と笑いながら言いたくなる。素晴らしい。原作などもはやどうでもいいでしょう。横回転する帆船を見て喜べるし、デヴィッド・ロウリーの撮る人間の飛翔はこうなん>>続きを読む

サッド ヴァケイション(2007年製作の映画)

4.2

オダギリジョーと宮崎あおいが身を寄せるショット。過去2作から閉じられる物語としてはあまりに奔放な一本。130分台の尺の全ての日本映画の中で、最も満足感が得られたように感じたかも。

EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

バスジャック犯が息絶える寸前に目が合ってしまったことが、犯人と被害者の子供たちによる簡潔な切り返しで示されるが、それが兄妹の行先をどう取り込み呪ってしまったのかは物語の終盤に明らかになる。同じ視線の一>>続きを読む

映画 ネメシス 黄金螺旋の謎(2023年製作の映画)

1.9

このレビューはネタバレを含みます

ドラマ版ガリレオみたいな巨大装置オチには驚いたが、あれぐらいハッタリかましてくれる方が楽しめる。キャラクターが立ってるドラマシリーズからのおなじみの面々を画面上でどんどん殺していく、正攻法とは異なる演>>続きを読む

AIR/エア(2023年製作の映画)

3.0

マイケル・ジョーダンの画面上の処理は『抱きしめたい』のビートルズと同じ。クリス・タッカーの老いにふいに涙しそうになる。ベン・アフレックって監督としてやはり上手いのか。

オオカミ狩り(2022年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

登場人物ほぼ全員の命が等価に扱われるように見えるがもちろんジョンドゥの死などデコられる存在もいる。想像の1.5倍早く皆死ぬので面白い(映画開始から1時間までの勢いが肝)。女刑事の潔い退場っぷりにカーペ>>続きを読む

境界カメラ3(2019年製作の映画)

1.6

このレビューはネタバレを含みます

今まさにカメラに映るナリモトの現実感のなさに感心する。ここまでの演出の上手さと、ナリモト演じる役者の自己表現の巧みさ。

クレイジー・ドライブ(2014年製作の映画)

3.5

主人公の身に同時多発的に起こる不幸の数々は、あまりに容赦なくて笑えるものの、軽く受け流すには文化的な耐性が必要。ふるいにかけられる恐ろしき笑い。ジョー・カーナハンのシリアスさはコメディある無しに関わら>>続きを読む

ザ・グレイ 凍える太陽(2012年製作の映画)

4.0

非常に過酷な遭難サバイバル。登場人物は男たちのみ。過酷さに反するかのやうに、犠牲者たちは笑えるほど運が悪く(としか言いようがない)、ごく小さな差によって生死の境を超越し、たまたま死んでいく。生存を諦め>>続きを読む

書かれた顔 4Kレストア版(1995年製作の映画)

3.8

夢幻の移ろい、あまりに官能的な劇中劇、場踊りの記録の一回性、極まったショットの連続に座席で気を失いかける。色の配置や紙吹雪の光の反射。

HERO(2007年製作の映画)

2.2

木村拓哉の名演歴にて個人的ベスト、今作のクライマックスの法廷闘争のシークェンス。敵方の誠実さと主人公の戦闘の型が噛み合うことで、決して奇跡など期待せず、順当に証拠を提示し、名もなき一人の人間の人生を歴>>続きを読む

HERO(2015年製作の映画)

1.8

このレビューはネタバレを含みます

月9ドラマの劇場版で、主人公とヒロインを長年演じる俳優がそれぞれのキャラクターの「素」なるものを模索しながら相対してふいに戸惑う時間の一瞬の持続をクライマックスに持ってくる、メロドラマのオチに配置する>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

ミシェル・ウィリアムズのヘッドライト越しの官能的なダンスシーンを美しく思えるか否か。いじめっ子を格好良く、かつ果てしなく即物的に映し出すことで存在自認を揺らがせる、しかも周りにばれないようにという攻め>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

『グレート・ウォリアーズ』と同じく戦略的にペストが利用される、熱く胸騒ぎのする展開。大変痛快。キリストの映像の表象としても大胆な発想を見られる。教会と身投げの新たなイメージ。