oqmrさんの映画レビュー・感想・評価

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黒い眼のオペラ(2006年製作の映画)

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頼んでも無いのに介抱なんてしちゃって。与えれば与えるほど期待が膨らむ。ディストピア、デカダンスの世界で、性のみが希望。

正しい日 間違えた日(2015年製作の映画)

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男性・女性としての男女関係とヒトとヒトとしての男女関係。前者はどうしても欲というか侵掠を内包してしまうよね。毎度同じテーマだが飽きない。

カンウォンドの恋(1998年製作の映画)

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この当時のホン・サンス作品は居酒屋でのショットは真横からではなくて僕にとっては逆に新鮮。

ア・ストーリー・オン・ザ・ショア(2019年製作の映画)

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是枝さんはこういう風に映画を作っているんだろうなというとうりに映画を作っていることを確認した。

次の朝は他人(2011年製作の映画)

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ホン・サンスは女性を魅力的に男を惨めに写すことが上手だなぁ。急にキレて走り出すのも面白い。

その手に触れるまで(2019年製作の映画)

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ムスリムのテロリストを割と躊躇なく描いてヨーロッパ社会からヘイトスピーチだと批判を受けないのだろうか。それとも「あのダルデンヌだぞ」という信頼感故にできることなのだろうか。

午後8時の訪問者(2016年製作の映画)

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感じるべきではないとも言える罪悪感が彼女を突き動かす。苦痛から逃げるように、懺悔するように。自分が加担したように思える死をなんとか弔おうと。

夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)

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漸く癒えてきた傷をそっと抱えながら、はっきりとは見えない不気味な敵から逃げたり、見ないふりをしたり。

ハハハ(2010年製作の映画)

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旧友二人が酒を酌み交わしながら、最近合った良い出来事を語る物語。回想の部分を映像にし、二人が乾杯したり笑い合ったりする部分は静止画と音声だけにしているのは情報量の抑制と、メリハリの付け方として優れてい>>続きを読む

自由が丘で(2014年製作の映画)

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放った侮蔑の言葉がそっくりそのまま自分に当てはまるホン・サンス構造は本作に於いても健在。日本人が韓国を舞台に英語で主演を努めるのだが、そのぎこちなさや違和感が作品の質を下げることが全くないのが流石であ>>続きを読む

家族を想うとき(2019年製作の映画)

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名ばかり個人事業主問題は日本だけではなくイギリスにもあるのか、そして問題の中身も日本のそれと一緒のようだ。
こうやってケンローチ作品が評価されるのは素晴らしいが、世界が良くなっている実感は無い。

英雄の証明(2021年製作の映画)

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ファルバディのカメラは群衆の中を動きながら、それでいて覗いているような印象。サスペンス世界で淡々と発現するカオスの中を藻掻く主人公に対して、何も手を指しのばすことのできない歯がゆさを感じる画面だ。

ソニはご機嫌ななめ(2013年製作の映画)

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他人の受けおりを得意げに話したり、同じことを何度も言ったりして、相手から尊敬を貰おうとしている男たち。毎度同じようなテーマなのに、ホン・サンス作品はなんでこんなに面白いのだろう。

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

女性にしか撮れない、歪な女性性についての作品。抵抗・破壊・怒りのみで形成されているようなアレクシア(当然女性にモテる)は、マッチョなホモソーシャリティーで揉まれることでで却って伝統的な母性を獲得してい>>続きを読む

AFTERGLOWS(2023年製作の映画)

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映像と感覚だけが先行し、物語と感情がそれを追いかけている印象がはじめから終わりまで続いた。
最愛の妻を自分の身勝手で失ったというプロットであったが、描写されている愛より、喪失感の方が何百倍も大きいので
>>続きを読む

女は男の未来だ(2004年製作の映画)

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見栄っ張りだが小物っぽい男たちと、彼らを受け入れざるを得ない女。女の方が男っぽくて、男の方が女々しい。クライマックスと言えるほどの劇的なシーンは無いが、鑑賞後ずっしりと残るものがあるのは、男としての自>>続きを読む

灼熱の肌(2011年製作の映画)

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ある夫婦と第二次世界大戦中のレジスタンスの物語。レジスタンスについてはなんで本作に組み込んだのかよく分からなかった。

白と黒の恋人たち(2001年製作の映画)

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物語が進むに連れて、禍々しく不気味になるテーマ曲が印象的だった。己の目標を達成するには狂気が必要で、その狂気から自由になるには破綻しか無いのだとしたらなんと救いのない世界だろうか。

tokyo skin(1996年製作の映画)

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ウォン・カーウァイから映像的センスを取り除いた感じ。しかし主演の修さんには強烈な魅力を感じた。

こうのとり、たちずさんで(1991年製作の映画)

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主人公の無口とカメラワークが素晴らしいと思った。ギリシャ語、英語、フランス語、ペルシャ語などなどが話されている作品ではあるが、本当に大切なことはカメラが語っている。

世界の現状(2007年製作の映画)

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あまり乗れなかった。途中から義務感で観ていた。世界の現状といっても、地域や階級やその人それぞれだと思った。

ハッピーエンド(2017年製作の映画)

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いくつかテーマのあるが、生と死は恐らくその中で最も重要なものの一つであるだろう。エヴと祖父という死に傾くキャラクターと彼らを矯正しようとする周辺人物の攻防は淡々と、しかしながら着実にやってくる死に対し>>続きを読む

春夏秋冬そして春(2003年製作の映画)

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ロケ地の素晴らしさ、こんな場所がこの世に存在するのかとすら思える。不可解な行為も場所の力が全て解決してくれる。

ネッド・ライフル(2014年製作の映画)

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ヘンリー・フールの三作目。しっかりと一作目からの伏線を回収していて面白いと思った。

フェイ・グリム(2006年製作の映画)

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ヘンリー・フールの続編。そんな続編作るほど人気あったんだと驚く。テンポ感が良い。

ヘンリー・フール(1997年製作の映画)

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一人の白痴芸術家の成長記。ドストエフスキーの白痴公爵を思い出す。物語の量は多い。

イメージの本(2018年製作の映画)

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映画史やさらば、愛の言葉よを連想せざるを得なかった。新しいものといえばアラブの要素だけ。とはいえ、これだけイメージを放射されれば、ある種の瞑想状態に入ってはしまう。ゴダールだけが入れれる瞑想状態に。

気まぐれな唇(2002年製作の映画)

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これだけのセリフ量がある中で、然るべき台詞をしっかりと光らせることができるのは素晴らしいと思った。それはホン・サンス作品に於いては本作のみでは無いが。

飛行士の妻(1980年製作の映画)

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誰か一人の女性に首ったけで、そういうときに限って自分に好意を持ってくれている女がいることが自尊心の支えになってくれる。少なくともそう勘違いしておいたほうが楽だ。

逃げた女(2019年製作の映画)

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5年間一度も夫と離れたことのないガミは、夫に愛されているということをこれ見よがしに友人たちに伝える。台詞のシーンだけ切り取ってみるとそれはとても自然に見えるが、何度も聞いていくうちに違和感を感じ始める>>続きを読む

ヴァルハラ・ライジング(2009年製作の映画)

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暴力に於いては右に出る者なしと思える独眼さんであるが、ずっと追いかけられていた見えない先住民たちには、ちょうど夢の中では速く走れないように、勝てないと悟る。

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