Oshmarさんの映画レビュー・感想・評価

Oshmar

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希望のかなた(2017年製作の映画)

5.0

ゴミ箱の脇に転がっていたシリア難民のカーリドとレストラン店主ヴィクストロムが殴りあった後、店でカーリドが食事を振舞われる場面でなんだか涙がでてきてしまった。へんな店でへんな店員たちなんだけれど、ニコリ>>続きを読む

オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

5.0

私的2017年no.1。好き要素がてんこもりすぎてポイントをつかめない(ほどよかった。ハヤブサとか蛇とかロバとか新体操の女王兄妹とか偏愛ごころを刺激されまくり)。九年ぶりのクストリッツァ、ラスト10分>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

4.5

ジム・ジャーミッシュの新作『パターソン』。これはもう、しびれた(しびれまくった)。バス運転手にして詩人の主人公とその妻の日常がなんといっても良いのだが、ウータンクランのクリフと『ムーンライト・キングダ>>続きを読む

血を吸うカメラ(1960年製作の映画)

4.0

ル・ステュディオで『血を吸うカメラ』。女性の恐怖に歪んだ表情にとりつかれた映画撮影助手の初恋と苦悩を描いたサイコスリラー。ファッションも映像も英国らしくスタイリッシュ。連続殺人鬼の父親が、“紙一重”の>>続きを読む

Pina ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち(2011年製作の映画)

4.5

カフェ・ミュラーの場面に挿入されるモノクロームのピナの踊りに期せずして涙がこぼれた。すみからすみまで洗練された美しいドキュメンタリー。

11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち(2011年製作の映画)

3.0

画面の静謐と底に流れる熱情に痺れて映画館を出る。この映画をみると、三島の最後の作品は盾の会だったのではと思えてくるのだが、どうなんだろう。昔、盾の会にいた人と宴会で一緒になったとき、ピッとした方だとい>>続きを読む

籠の中の乙女(2009年製作の映画)

4.0

徹頭徹尾、暴力について描いた映画といってもいいくらいなのに、観終わった後、奇妙にうつくしい場面場面の記憶ばかり甦るのが不思議。狂気の父親がこの一種のエデンを心底信じているからかもしれないし、注意深く選>>続きを読む

アベンジャーズ(2012年製作の映画)

3.0

神(兄)がぼろぼろのキャプテンアメリカに「まだ戦えるか?」と手を差し伸べる場面に思わずうける。ロバート・ダウニーjrは、とにかく意味なくチャーミング。タイトルロール後のサービスショットは見逃した人は半>>続きを読む

冒険者たち(1967年製作の映画)

4.0

飛行機野郎とオイルボーイと美女にしてアーティストの完璧なトリオ。名場面の連続なれど、コンゴに行く前のチャンチキな盛り上がりがまた最高。生まれ変わったらリノになりたいものです。

コズモポリス(2012年製作の映画)

3.0

リムジンの車内=ある完璧に制御された脳内、というイメージに身を委ねていると、途中から様子が変わってくる。洗練された映像のシークエンスが破綻していく面白さ。外部の暴力に開かれた閉鎖系、というのは、何かの>>続きを読む

ローマでアモーレ(2012年製作の映画)

3.0

罪のないかわいい映画、王道デートムービー。個人的にはシャワー浴びながら気持ちよく唄うオペラ歌手の舞台場面だけでも観た甲斐あり。

世界一美しい本を作る男 ―シュタイデルとの旅―(2010年製作の映画)

3.0

本の国の住人ならば、この映画に共鳴しない人はいないのではないでしょうか。こんな贅沢な造本は一度としてできなかったけれど、限りない敬意と憧れを感じた一本。

ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)

4.0

話題の「八分間の演説」に対し、その直後に告げられる古い友人からの血を吐くような批判。これが対置される意味がまた重い。(彼が立ち去ったあと、彼は友人でなく、家族だ、というハンナの言葉も耳にいつまでも刺さ>>続きを読む

マラヴィータ(2013年製作の映画)

2.5

こわい美女好きにはこたえられない映画(と思う)。

ROOM237(2012年製作の映画)

3.0

シャイニングマニアのラブリィな映画でした。へー、またまたァ、嘘すごーい、なるほどね…などと気がつけば、100分超が経過。あきらかな読み込みすぎが素晴らしく勿論キューブリックの画はうつくしく飽きさせず。>>続きを読む

ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!(2013年製作の映画)

3.0

観劇中、微妙なニュアンスの笑いで場内が何度となく沸いた愉快な映画。これはやはりお国は違えど「御同輩」的気分の笑声だったような…。サイモン・ペッグ、駄目ぶりがむっちゃキュート。更に駄目感はんぱないピート>>続きを読む

アクト・オブ・キリング(2012年製作の映画)

3.5

アンワルの嘔吐よりスルヨノの表情が忘れられない。悪事は摘発されなければすぐ過去のものになる。どれほど残忍なものでも。エンドロールに並ぶ「匿名」の文字も目に刺さる衝撃作。 それはそうとデヴィ夫人は日本政>>続きを読む

17歳(2013年製作の映画)

3.5

マリーヌは目が眩むほどうつくしいのだが、行為の度に経験が「イザベル」の内面を老いさせていくようにみえる。エンドマークの先に彼女の人生があるなら、かなり年上の男の妻になるのではないか(その男に幸いあれ)>>続きを読む

リアリティのダンス(2013年製作の映画)

4.0

幻視者の自伝は、こんなかたちをとるのだな、と思いながら映像に吸いこまれる。ホドロフスキーの色彩感覚、好みのリストのひとつ。

悪の法則(2013年製作の映画)

3.5

クレイジー、の一語につきる。キャメロン・ディアスの目がもう野生動物以外には見えなかった。死、なんてありふれている。まんまとメキシコの狂気につかまってしまった。告解の神父が彼女から逃げだす場面が忘れられ>>続きを読む

ブルージャスミン(2013年製作の映画)

4.0

素晴らしい映画だったけれど、もう一度観るかと言われると難しい。なにしろ無惨な話だし、その不幸を生きるヒロインを演じるケイト・ブランシェットの「共感と嫌悪の間の絶妙の綱渡り」演技が強烈で、黒い笑いとして>>続きを読む

かぐや姫の物語(2013年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

悲しい悲しい映画。かぐやは自害だったという解釈しか読みとれなかった。本当に月が迎えにきたらよかったのに。水に映る月に還ったとは…

天才スピヴェット(2013年製作の映画)

3.0

ジュネ監督、この内容を全編カナダロケとはおそれいりました。でももっとも痛烈な批判の文脈はエピソードとして背景に下げ、回復の物語をチャーミングな天才少年の視界や内白で作り上げることで、希望へと昇華させて>>続きを読む

ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

2.5

おもしろいけど、脂っこい映画。オフィスでのパーティ場面はクレイジーで楽しい。六本木で夜観たので、疲労ともたれが幾分キツかった…

そういえば、この映画のマシュー・マコノヒーが変に印象強くて、つい『マジ
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シチズンフォー スノーデンの暴露(2014年製作の映画)

4.0

この記録が残ったことが奇跡的。編集が洗練されているので、ドキュメンタリーというよりスパイ映画のようなテンポの良さがあり、なおかつ情報がオープンになった直後から直接のインタヴューが取れなくなっていくのも>>続きを読む

完全なるチェックメイト(2014年製作の映画)

3.0

チェスの名プレイヤーには奇行で知られる人物も多く、時にそのエピソードはアウトサイダーアートの芸術家を連想させさえする。常人には分からない価値を自分の内側に抱えこみ、盤上でだけそれを顕にする、異能の、ひ>>続きを読む

LUCY/ルーシー(2014年製作の映画)

2.0

リュックベッソンの壮大な妄想に物語が保ちこたえられなかった、のかな?

…と思いつつも

スカーレット・ヨハンソンはとても魅力的で、コリアンバイオレンスの迫力も映画の価値を下支えしていて、チケッ
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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

テンポもよく面白い映画なのだが、エニグマ解読の偉業をなしとげたあとの天才アランの逮捕と「治療」と称した拷問場面で涙が止まらなくなってしまった。その時あまりに感情が揺さぶられたため、ノーマル/アブノーマ>>続きを読む

ハイ・ライズ(2015年製作の映画)

2.5

セレブに白はよく似合う。〈建築家〉ジェレミーアイアンズ(とトムヒのパーフェクトなスーツ姿)を眺めて娯しむていの映画でした。空中庭園の美しさ、佳し。美術、総じて素敵。インテリアで醸しだす格差の出しかたも>>続きを読む

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)

2.5

良きアメリカ人、良心と信念のアメリカはかつてこういう形で存在していた、と日本人の胸をも熱くさせた映画。トム・ハンクスは、まさにはまり役。不条理なほどの逆風のなかで淡くユーモアを失わない安定感もトムなら>>続きを読む

ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

4.0

明らかに物理的に長いはずなのに、全然長さを感じない。どいつもこいつも最悪で最高。悪すぎる!

因みに、観ながら「水のなか」というジュディ・バドニッツの中編(『元気で大きいアメリカの赤ちゃん』所収)を
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シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

少し前に『太陽の蓋』をみたばかりで、官邸絡みの場面がダブって妙な具合になった。特撮勘がないのに口幅ったいが、ゴジラが口と尾から光線をビュウビュウ発して東京の眼につく範囲を焼き払っていく場面が私の個人的>>続きを読む

コードネーム U.N.C.L.E.(2014年製作の映画)

2.5

クリヤキンの洋服の見立ての趣味が素敵だった。単にきっちり楽しい娯楽映画なんだけど、米国とソ連の間での英諜報部の立ち回りようがなんとも興味深い。老獪というかこすっからいというか(観ている分には好もしい)>>続きを読む

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

4.5

既に喪われた世界を心から愛すること、それがどれほど哀切な感情か知らしめてくれる映画。時代が移ろい、なつかしい「昔ながらのやり方」が消えていくかなしみ(観ると必ず泣いてしまう場面がある)。ステファン・ツ>>続きを読む

イレブン・ミニッツ(2015年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

空に見えた「何か」を運命の刻印として、11分間の群像劇がひとつの無惨な悲劇に収束する。グラマラスな女優と嫉妬深い夫、映画監督のエピソードを軸に、異様なテンションの時間的にパラレルな周辺の物語が展開する>>続きを読む