たかはしさんの映画レビュー・感想・評価

たかはし

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いろいろ考えて『未来を花束にして』のレビューを最後に投稿をやめることにしました。本当は『言の葉の庭』が最後の筈でしたが、なんか間違えて投稿してしまいました笑。お付き合い頂いた皆様に多謝です。ところで、世界一好きな映画は『マンチェスター・バイ・ザ・シー』で、小説だと夏目漱石『それから』が一番好きです。さて、十年後くらいに再開?/2018.12.7.記 たかはし (24y.o.)

映画(300)
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未来を花束にして(2015年製作の映画)

4.0

第一波フェミニズムが女性参政権要求などパブリックに関わる運動だったとすれば、第二波フェミニズムは家庭内での女性の立場改善などプライベートな領域を主に問題とする運動ということになるだろうか(これはあくま>>続きを読む

言の葉の庭(2013年製作の映画)

4.9

新海誠は『言の葉の庭』で、フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』(1925年)を本歌取り(あるいは、換骨奪胎)したのかもしれない。いや、『言の葉の庭』は『ギャツビー』の本歌取りとして見ることができ>>続きを読む

チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話(2017年製作の映画)

3.6

 努力は報われないことの方が多いと思うのだけれど、それでもこの映画が胸に訴えてくるものを持っているのだとしたら、それは高校生がひた向きに頑張るその清々しさによる感動だろうと思う。そうであれば、この映画>>続きを読む

エクスペンダブルズ2(2012年製作の映画)

3.6

アーノルド・シュワルツェネッガーとブルース・ウィリスが今作から本格的に参戦。シュワが “I’ll be back” という言葉を連発するのが本作の最大の見どころ(?)。出血大サービス! 連発しすぎてブ>>続きを読む

エクスペンダブルズ(2010年製作の映画)

3.5

シルヴェスタ・スタローン、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、アーノルド・シュワルツェネッガー、ブルース・ウィルス、ミッキー・ローク、ドルフ・ラングレン、、、。

演者を並び立てただけで内容を推し
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硫黄島からの手紙(2006年製作の映画)

3.6

‪「(手紙を)書いてるってだけでほっとするんだ」とは西郷昇(二宮和也)。手紙の先には人の存在がある。故に僅かにせよ書けば温かな心持ちになれたのかも知れない。対して、宛先が無い手記の多くには断末魔の叫び>>続きを読む

父親たちの星条旗(2006年製作の映画)

3.5

戦争とは、アメリカにとって、起きてしまうのではない。起こすものなのだ。政治家にとって、戦争は、ただのビジネスなのだ。それに対する Fuck you. Bullshit. Idiot. この映画から、た>>続きを読む

インビクタス/負けざる者たち(2009年製作の映画)

3.7

アパルトヘイトの象徴だったラグビーが冬をぶん殴って南アに春を連れてきた。フランソワ(マット・デイモン)は「考えていたんだ、30年も狭い監獄に入れられ、それでも人を赦せる心を」とマンデラ(モーガン・フリ>>続きを読む

トム・ジョーンズの華麗な冒険(1963年製作の映画)

4.5

「イギリス小説の父」と呼ばれるヘンリー・フィールディングの主著であり、英文学者であった夏目漱石の愛読書 『捨て子トム・ジョーンズの歴史』(1749年)の翻案作品が、アカデミー賞四部門を含め幾つかの賞を>>続きを読む

ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)

4.7

アカデミー賞主演男優賞、助演男優賞を受賞したクリント・イーストウッド監督作『ミスティック・リバー』(2003年)から約一年後。

今度は、イーストウッドが監督のみならず主演を務め、アカデミー賞作品賞、
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フランケンシュタイン(1910年製作の映画)

3.5

 廣野由美子『批評理論入門:『フランケンシュタイン』解剖講義』(中公新書, 2005年)を読んでいたら出てきた。メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』(1818年)は夥しいアダプテーション作品があ>>続きを読む

ミスティック・リバー(2003年製作の映画)

3.9

自分の正しさを信じて疑わないでいる人はある意味で恐ろしいと思うのだけれど、十字架を背負っていく彼らは、自身の正しさを疑うのをやめはしないだろう。彼の背中に彫られた十字架の刺青がそう教えてくれている。そ>>続きを読む

ラブ・アフェア 年下の彼(2012年製作の映画)

3.2

 アイデアがあるから書くのではなく、書くからアイデアが生まれる。アイデアがあるから撮るのではない。撮るからアイデアが生まれ出る。ただし、イタリアの明媚なる風景をデフォルトのページとして設定せよ。
 果
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ロリータ(1961年製作の映画)

3.2

E・A・ポーの詩 「ウラルーム」(1847年)にケチをつけるロリータ(スー・リオン)は、1997年版『ロリータ』の彼女よりも成熟している趣きがありました。また、97年版が、ナボコフ『ロリータ』(195>>続きを読む

ロリータ(1997年製作の映画)

3.2

見終わると、D・H・ロレンスの小説『チャタレー夫人の恋人』(1928年)に見出される〝淫靡〟の種子が発芽した作品なのだという思考が自身の頭脳を隈なく貫いた。原作はウラジーミル・ナボコフ『ロリータ』(1>>続きを読む

二ツ星の料理人(2015年製作の映画)

4.2

「俺は “食う料理” ではなく “味わう料理” を作りたい」と言うアダム・ジョーンズ(ブラッドリー・クーパー)の料理に対する狂気と時折見せる狂喜はナイフのような確かなる凶器として、何時しか己れの眼前に>>続きを読む

ヒトラー 〜最期の12日間〜(2004年製作の映画)

3.8

‪萎靡因循の社会を変えようとしたヒトラーに民衆が乗っかった。そこから始まった惨劇がひとまず終わる。彼の元秘書が明かす、ヒトラー最期の12日間。パーキンソン病を発症、言動がおかしくなった最期。WWII下>>続きを読む

マダム・フローレンス! 夢見るふたり(2016年製作の映画)

3.7

実話に基づく作品。わざと音を外す練習をしたというメリル・ストリープの好演が光る。ヒュー・グラントの能天気な浮気夫ぶりが清々しい。ビッチ感を前面に出すニナ・アリアンダに最後、感動させられた。レベッカ・フ>>続きを読む

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)

3.7

町の人との会話はアドリブとのこと。この映画のムッソリーニ版 Sono tornato が今年、イタリアで公開されたみたい(近過去の過去分詞の語尾が-oだから主語は男性=ムッソリーニと分かる仕組み)。学>>続きを読む

グランド・イリュージョン 見破られたトリック(2016年製作の映画)

4.0

‪“アイ” は常にフォー・ホースメンを注視しているから、‪“アイ” を「権力」に、ホースメンを我々「現代人」に置換すれば、哲学者のアルチュセールやフーコーの権力論に接続できる。警察は国家権力そのもので>>続きを読む

マイケル・ムーアの世界侵略のススメ(2015年製作の映画)

4.0

‪「試験科目ではない音楽や美術の授業は削減。詩の授業も」「外された? なぜ?」「無駄だから。大人になった時、詩は役に立たない。詩で就職は出来ない」。ムーアの言葉に呆然とするのはフィンランドの高校教員だ>>続きを読む

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

3.5

「我々は “真理” をもたらした。真理は普遍です、どの国、どの時代でも。だから真理なのです」。セバスチャン・ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)のこの言葉を聞いた時、真理は文化や時代に強烈に規定さ>>続きを読む

アドレナリン(2006年製作の映画)

3.7

‪英国的ユーモアではなく米国的コミックの本作は、毒を盛られアドレナリンの分泌停止で死に至るシェブ・チェリオス(ジェイソン・ステイサム)が文字通りノンストップに動き回る。軽快な音楽がファッショナブルなツ>>続きを読む

もののけ姫(1997年製作の映画)

4.1

『もののけ姫』を貫く二項対立は「愚かな人間/無垢で美しい自然」だろう。こういった類のメッセージをもつ作品は、文学がフィールドならば「エコ批評」(あるいは、グリーン・スタディーズ?)が好んで相手にする。>>続きを読む

シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

4.7

僕たちは「可能性」を頼りに生きている。しかしある時、あらゆる可能性がなくなる瞬間が訪れる(たとえば、癌に侵され余命を宣告された時。虐めを受けている時)。すると、絶望が生起する。これから何者にもなれる可>>続きを読む

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

3.3

 若さが手伝って成功の階段を上りつつあるジェシー(エル・ファニング)に憎悪と嫉妬を抱くファッションモデルたち。
 これは本当の私ではない、あれもそれも違う。ジェシーを憎悪し嫉妬する彼女らは否定形でしか
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天使の分け前(2012年製作の映画)

4.0

「天使の分け前」・・・醸造中にアルコールが蒸発し容量がその分だけ目減りするけど、それは天使が飲んだために減ったそうな。

あらすじ●ウィスキーファンを魅了してやまないスコットランドで生まれた、命の綱が
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教授のおかしな妄想殺人(2015年製作の映画)

3.8

天真の流露を妨げる出来事を契機に内向した人がいた。哲学を専攻する大学教員のエイブ・ルーカス(ホアキン・フェニックス)である。彼は彼の授業を受講しているジル・ポラード(エマ・ストーン)と接する中で人生の>>続きを読む

TIME/タイム(2011年製作の映画)

3.7

テーマは時は金なり。それは近代という思想が生み出した考えで、シェイクスピア『ヴェニスの商人』で高利貸しが悪役なのは、まだ時間が神のものだった時代だからで、神が司る時間を利用して利子を取るのは許されざる>>続きを読む

ファミリーズ・シークレット 秘密を抱えた家族(2009年製作の映画)

4.5

偶然に偶然を重ねたようなストーリーだけれど、様々な人の色んな感情がたったひとつの画面の中にあった。フランスの批評家ロラン・バルトは「優れた文学作品は再読を要求する」という意味合いの言葉を残したけれど、>>続きを読む

アンリミテッド(2014年製作の映画)

2.0

パルケール好きにはたまらない映画です。

という感想で終わろうと思いましたが、パルクールと打とうと思ってパルケールとなってしまったことに最初全く気づかなかったほどパルクールに疎いので、凄いのかノーマル
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トゥ・ウォーク・インビジブル(2017年製作の映画)

4.0

英国文学史において今なお燦然と輝き続けているブロンテ三姉妹シャーロット、エミリー、アンですが(アンは下火?)、その彼女たちが自分らの作品を著すまでの苦悩と葛藤と共闘と協働とを描いた、BBC製作のテレビ>>続きを読む

ノルウェイの森(2010年製作の映画)

1.9

 村上春樹が「100パーセントのリアリズム小説」として書いた『ノルウェイの森』(1987年)のアダプテーション映画で、原作は二年くらい前に読んだけれど、ほとんど内容を忘れていて、原作との異同は、だから>>続きを読む

愛を読むひと(2008年製作の映画)

4.0

「父」がいなければ、物語を語っても、何になろう。物語はすべてオイディプースに帰着するのではなかろうか。物語るとは、常に、起源を求め、「掟」との紛争を語り、愛と憎しみの弁証法に入ることではなかろうか。>>続きを読む

バックドラフト(1991年製作の映画)

3.7

ここ数日の新潮社の大炎上を見ていたら、炎上映画を見たくなったおいらです。。。

この映画、USJのアトラクションを通してしか知らなかったけど、文字どおり炎上しまくりの、こんなにも熱い(それもサスペンス
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ライフ・イズ・ビューティフル(1998年製作の映画)

4.3

はじめて観たのは、大学二年生が終わろうとしていたころ、中級総合の四字が冠せられたイタリア語の授業でだった。

Guido Orefice e Dora hanno il figlio che chia
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