Patrickさんの映画レビュー・感想・評価

Patrick

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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

3.0

あくまで個人の感想です。ごめんね。
ブロードウェイ用に薄味にした人畜無害の退屈なステージ。曲間に演出意図を細かに説明。ステージ上に綺麗に整列してマーチングしながら披露するBurning Down th
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街の上で(2019年製作の映画)

3.2

主人公にまつわる人物全てが、どこかで繋がっている村社会として描かれる下北沢。小さなコミュニティから抜け出せない閉塞感、本物にはなれない焦燥感。妙にナローレンジな録音は、これらを表現するためなのかな。>>続きを読む

マイ・ニューヨーク・ダイアリー(2020年製作の映画)

3.0

quietとquite、慣用句としては誤字なんだろうけど、味わい深い間違いです。
とてもお洒落な人畜無害のお話。オードリー・ヘップバーンのように可憐な雰囲気の主人公。
現実と心象の曖昧な境界が素敵だと
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マイ・プレシャス・リスト(2016年製作の映画)

3.0

休日の午後とかに軽く観るのに最適かと。嫌味のない清潔な良い映画だと思いました。
主役のお嬢さんの眼球がキレイ。磁器の様な真っ白な白目と薄いグレーの輝く瞳。吸い込まれそう。
あざとい感じになりがちなスト
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

3.0

フォード対フェラーリと題されていますが、フェラーリの事は表面的にしか描かれていなくて、つまりはシェルビーとマイルズの物語。
レースシーンが中心の映画なのかと思いがちですが、実際は何某かの会議とかの場面
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.0

見応えのある良い映画でした。
ジャズの楽曲の良し悪しを判断する世界線を生きてこなかったので、適当な意見ですが、鳴っている音楽を想像しながら読んでいた原作がしっかりと具現化されているのだろうと。音楽がち
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正欲(2023年製作の映画)

3.0

コップから溢れる水。オープニングの美しいカットが秀逸。
「障がい者はかわいそう」という傲慢な視点で年に一度放送されるあの気持ちの悪いTV番組に通じるものがあるのかな。
どんな境遇の人も、誰しもが何がし
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パーフェクトマン 完全犯罪(2015年製作の映画)

3.0

ヌーヴェルバーグみたいな映画。ナタリーサロートとかデュラスとか、ヌーボーロマンの小説はどれもめちゃくちゃ面白いのに、それらを映像化しようとしたヌーヴェルバーグは、どれも説教くさくてつまらない映画ばかり>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

3.0

静かに冷徹にしつこく舐める様に登場人物を追いかけるカメラ。もう一人の登場人物の視線みたい。カメラを意識する映画って、あまり記憶にないのだけれど、これっていい事なの?
オチは余分。全くの蛇足。

ベルファスト(2021年製作の映画)

3.0

Go now, don’t look back.
科白のための科白というか、底の浅い説教くさい科白が多い。
宗教対立の混乱の最中、無邪気な子どもの姿に胸が痛む。室内と小さな路地のみで進行する物語。ベル
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宮松と山下(2022年製作の映画)

3.1

説明も科白もほとんど無いまま、物語は静かに進行していきます。記憶を失った主人公。ですが「鍵泥棒のメソッド」とは全く異なる雰囲気です。
終盤、記憶を取り戻すのですが、同じクソみたいな暮らしならばと、人を
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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.0

バカ映画。でも今年観たブッチャー映画の1位です。人肉ハムを作るために、次々と人を殺めます。カラリとして軽快な、そして楽しそうに犯行を重ねていきます。当たり前すぎるオチはちと残念。

ムーンライト・シャドウ(2021年製作の映画)

3.0

映画には、視聴者が想像して寄り添うような余白が必要だと思うのだけど、等君の人物造形には余白どころか、頁そのものがない。知らない人が突然恋人になって突然しぬ。寄り添いようがない。
マジックアワーに美しい
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ミッドナイト・ミート・トレイン(2008年製作の映画)

3.0

表題通り、真夜中に疾走する肉列車の物語です。
ブラッドリーさんといえば、人畜無害の恋愛コメディというイメージなんだけど、こんなバカ映画にも出るんだ。
ブッチャー役の役者さん、雰囲気があります。不気味で
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17歳のウィーン フロイト教授人生のレッスン/キオスク(2018年製作の映画)

3.0

邦題は意味不明。何処にフォーカスすればいいのか、盛り込みすぎのストーリー。
フロイトは、近所のお金持ちの匿名のユダヤ人とかの設定でも成立すると思う。
画面が美しい。願望と現実が交互に現れる構成も素敵だ
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王様のためのホログラム(2016年製作の映画)

3.0

トムハンクスが歌うTalking heads のOnce in a Lifetime に載せて描かれるオープニングが秀逸。
Stop making sense が観たくなりました。
つまりこの映画の本
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破戒(2022年製作の映画)

3.0

島崎藤村と夏目漱石。現代日本文学の黎明期の二人。藤村の部落差別というテーマは、野間宏、中上健次へと受け継がれていく。漱石のヒューマニズムとでも言うべきテーマは、堀辰雄、福永武彦などへと受け継がれていき>>続きを読む

人生の特等席(2012年製作の映画)

3.0

クリントイーストウッドの映画は胸糞悪くなる結末のが多いのだけれど、これはとても軽い。ありえないくらい爽快なハッピーエンドムービー。エイミーアダムスさんはいい役者だと思います。

線は、僕を描く(2022年製作の映画)

3.0

「思い出すことも辛いのに忘れることもできない」経験を抱える主人公が、水墨画を通して再生していく物語。
全てを語らない、余白を残した演出が見事です。
横浜流星君と清原果耶さん、凛とした佇まいがカッコいい
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ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

3.0

公聴会で振り返る、離陸から不時着水までの緊張感、臨場感が凄いです。
それ以外は蛇足。尺を稼ぐためだけに無理矢理くっつけた感は否めない。スピルバーグの映画みたい。
この監督もこんなつまんない映画撮ること
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川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

3.0

川っぺりに粗大ゴミで作られた神殿。整然と並べて植えられた雑草。美術班がすごい仕事してます。
社会というシステムに馴染めず、弾き出された底辺の敗者達が集う長屋。
聖者の行進。小さく笑うという幸せを受け入
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アポロ13(1995年製作の映画)

3.5

派手な脚色をすることなく、原作通りに物語は進行していきます。つまりほぼ事実が描かれるのですが、これがすごい。この物語を創作することはできないと思う。
異様な緊張感を伴った命をかけた物語が、宇宙空間と地
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アンダードッグ 後編(2020年製作の映画)

3.0

ものすごい長尺を使って描かれるのは、数人の周りでおこるシンプルな物語。丁寧に静かに紡がれていきます。
前編では皆のどん底の生活が緻密に描かれるのですが、職種はともかく、経済的に自立して生活できているん
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友罪(2017年製作の映画)

3.0

全員もれなく不幸になる救いのないいつもの悪趣味な日本映画。
このジャンルのニーズってどこにあるのだろうか。
この手の映画って、それでも心をガクガクと揺さぶるような、何かがないといけないと思うのだけど、
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ライトスタッフ(1983年製作の映画)

3.0

尺をたっぷり使って、マーキュリーセブンを一人ずつ掘り下げて丁寧に描き出します。実話を元にした物語は淡々と紡がれていきますが、贅沢なビジュアルも相まって、中弛みすることなく最後まで観られます。
ホーンシ
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ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

3.0

こんなあっさりした話だったっけ。2度目の視聴で思いました。
これから何処へ連れて行かれるのか不安になる、オープニングのとんでもない映像。その後もなんかいやぁ〜な気持ちになるアート作品が画面を彩ります。
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ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

3.0

凡庸なメロディーにのせて歌う退屈な歌は、ブロードウェイのステージに任せておけばいいのであって、映画には映画としての表現があるはず。心象風景としての歌だったのが、突然現実世界で歌っていたりはさすがにおか>>続きを読む

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

3.0

全員もれなく不幸になる救いのないいつもの悪趣味な日本映画。
このジャンルのニーズってどこにあるのだろうか。
この手の映画って、それでも心をガクガクと揺さぶるような、何かがないといけないと思う。
片山友
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MOTHER マザー(2020年製作の映画)

3.0

全員もれなく不幸になる救いのないいつもの悪趣味な日本映画。
このジャンルのニーズってどこにあるのだろうか。
この手の映画って、それでも心をガクガクと揺さぶるような、何かがないといけないと思う。

ロケットマン(2019年製作の映画)

3.0

20世紀のモーツァルト。この人がポップミュージックの姿を作り変えました。21世紀のヒットソングはかなりの割合でこの人の曲の焼き直し。
本人監修の実話がベースなので、そこまでドラマチックという訳ではない
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ライダーズ・オブ・ジャスティス(2020年製作の映画)

3.0

マッツさんはいつもと全然違う雰囲気。
母親の事故死をきっかけに、吸い寄せられるように集まった7人の侍。勘違いして関係ないギャング団を皆殺しにします。
荒唐無稽な話ではあるのだけれど、伏線を含め細部まで
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ソング・トゥ・ソング(2017年製作の映画)

3.0

傑作「ツリーオブライフ」以降、ほとんど同じ匂いの映画ばかり。どれもゴージャスでエレガントなんだけど、さすがに飽きるよね。

空白(2021年製作の映画)

3.0

冒頭の事故の描写は衝撃的。トラウマレベル。故に後の物語が真に迫ってきます。
全員もれなく不幸になる救いのないいつもの悪趣味な日本映画かと思いきや、終盤、改心し、皆さんに救いと癒しが訪れます。重厚な物語
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PLASTIC(2023年製作の映画)

4.0

散らばった欠片を繋いで物語を完成させるのは観客です。
「目で殺す」詩音君、「謎の関西人」奏衛君など、実在感のある演技でその欠片を輝かせます。
細部まで丁寧に作られた良い映画。楽しめます。

キャラクター(2021年製作の映画)

3.5

犯行そのものは映像化してませんが、エレガントに並べられた一家4人の死体群。渾身の美術班の仕事が美しいです。
様式美に重きを置いている分、怖さは少ないです。
演者が皆、ガミガミ騒いだりせず、静かに淡々と
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

1.9

「エール!」の英語版リメイク。オリジナルの表層だけをなぞった薄っぺらな映画。観る価値無し。時間の無駄。さすがアカデミー賞受賞作。