きゅうげんさんの映画レビュー・感想・評価

きゅうげん

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スペル(2009年製作の映画)

3.9

サム・ライミ監督らしいエンターテイメントてんこ盛りホラー!
歯抜けあむあむ攻撃とか目ん玉とびだし反撃とかハンカチ芸とか面白アクションは最高だし、画面につく蝿という観せ方は驚きだし、ラスト10分のハイテ
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ブレア・ウィッチ(2016年製作の映画)

3.8

『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』のリブート続編。
例の失踪事件から20年。遺族の弟はYouTubeで未発見フィルムの存在を知る。
恋人の授業課題である映像制作もあわせて、彼らは因縁の深い森へ足を踏み
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ブレアウィッチ2(2000年製作の映画)

3.4

まさかの続編。
まさかのジェフリー・ドノヴァン。
シリーズ化にあたり、さすがにファウンド・フッテージのモキュメンタリー形式は無理だったらしく、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』公開後の聖地化にかかわる
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スマイル(2022年製作の映画)

3.2

目の前で突然自殺した患者。精神科医である主人公の周りでは、それ以来正体不明の何かが現れはじめる。調べてみると、自殺を目撃した者が自殺する負の連鎖があるようで……。


……日本国内に『CURE』とか『
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ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.1

歴史に燦然と輝く傑作をスピルバーグがリメイク!!!

原作は、レナード・バーンスタインの音楽が素晴らしいブロードウェイ・ミュージカル。巨匠ロバート・ワイズによる1961年の映画はあまりにも有名で、洒落
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ブレア・ウィッチ・プロジェクト(1999年製作の映画)

3.3

ファウンドフッテージものの中興の祖であるモキュメンタリー・ホラー。
インディペンデント映画でありながら、以後現在に至るまで後続ホラー作品、とくにPCゲーム界隈に色濃い影響を与え続けている古典。
朝起き
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ひろしま(1953年製作の映画)

4.7

原爆投下前後の広島を克明に描く戦争群像劇。
あまりにも突然すぎる“ピカドン”と、地上の地獄のようなその後の惨状。そして、戦後に人々が抱えることとなった怒りとやるせなさ。
なによりもショックなのは、日本
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インシディアス 第2章(2013年製作の映画)

3.3

息子を救った父が一転、超常現象殺人事件の黒幕に!?

急転直下の前作ラスト直後から物語はスタートし、時系列や人物設定などを深掘りする形で物語世界を拡張。
謎を暴けば暴くほど恐ろしくなくなってしまうのが
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グラン・ブルー完全版 -デジタル・レストア・バージョン-(1988年製作の映画)

3.8

公開当時の賛否両論とか社会的影響とか、多すぎる公開バージョンについてとか、作品外の話題が先行しがちな映画。
リュック・ベッソン監督の世界的ブレイク作品ですが、今ではハードボイルド殺し屋映画やSFマンガ
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悪魔の沼(1976年製作の映画)

3.6

トビー・フーパーが『悪魔のいけにえ』に続いて放ったのは、伝説の連続殺人鬼ジョー・ボールにインスパイアされた初期スラッシャー映画にして、実は隠れたワニ映画。

家出少女と彼女を探す家族、家庭不和の夫婦と
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モンティ・パイソン/人生狂騒曲(1983年製作の映画)

4.7

モンティ・パイソン最後の映画は「人生の意味」についての作品。
メンバーたちは不満の残る出来だったらしいですが、個人的はパイソン映画でいちばん好きかも。

冒頭に挿入されるテリー・ギリアムの『クリムゾン
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ドラキュラ(1979年製作の映画)

3.4

ローレンス・オリヴィエ
 &
ドナルド・プレザンス
 vs
フランク・ランジェラ
1978年にトニー賞を受賞したブロードウェイ版『ドラキュラ』の映画化。この舞台は絵本作家エドワード・ゴーリーがプログラ
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

今度は聖戦だ!!!
当代最高峰の名優そろいぶみで新たに映像化された、SF史に燦然と輝く一大叙事詩『デューン 砂の惑星』の後編!


サータガーによる掃討作戦の開幕戦でつかみはバッチリ。
原作では省略さ
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.5

第一次世界大戦の裏で暗躍する謎の組織と戦う公爵親子たちを描く、国際諜報機関キングスマンの誕生秘話。


ボーア戦争やサラエボ事件にツィンメルマン電報など、前日譚という史劇性に適った設定・舞台に主人公チ
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テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)

4.0

謎の闖入者がもたらした崩壊を描く、パゾリーニ監督の寓話的作品。
上目遣いの碧眼が印象的なテレンス・スタンプと交わったブルジョワ階級の四人家族とお手伝いさんは、それぞれメランコリアで寝たきりになったり若
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バービー(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

アカデミー賞での『紳士は金髪がお好き』パロディなライアン・ゴズリングが最高すぎたので。


『2001年 宇宙の旅』オマージュの冒頭は、母性的なおままごとに終始していた人形遊びの世界に、個人の嗜好を仮
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

遠くない未来。人類は、痛覚を失い内臓を増やしプラスチックを食すという新しい進化をみせ始め、各国政府は新臓器の登録や非人道的犯罪の検挙などに血道をあげていた。
主人公ソールは、新臓器を公開手術で摘出する
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エクソシスト3(1990年製作の映画)

3.4

ジョージ・C・スコットvs悪魔!
シリーズ第3作にして偉大なる初代の正統続編。

『2』に納得できなかった原作者ウィリアム・ピーター・ブラッティ自らメガホンをとり、悪魔はあくまで背景化して、キンダーマ
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ハロウィン THE END(2022年製作の映画)

3.3

『ハロウィン』新三部作完結編。
前作から4年後、恐怖に支配されたハドンフィールドでは惨劇の記憶に起因する大小さまざまな事件・事故が多発していた。
進学を控える青年コーリーは、ベビーシッターのアルバイト
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悪魔のいけにえ レザーフェイス・リターンズ(2022年製作の映画)

3.3

『悪魔のいけにえ』シリーズ第9作にして、もぉ〜何度目かのタイムラインリセットな続編。
事件から半世紀近くたった今なお、唯一の生存者サリーは真犯人を追っていた。そんなテキサスの田舎町に若者グループが移住
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Mr.&Mrs. スミス(2005年製作の映画)

3.4

2000年代ハリウッドを代表するカップルを産んだ映画。やっぱりブラピもアンジーもとってもセクシー。
今でもツタヤとかゲオとかで数ヶ月に一本は、このタイトルを文字ったスパイ映画を目にすることがあります。
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インシディアス(2010年製作の映画)

3.6

ジェームズ・ワン監督が放つホラー三本の矢のひとつ。
『ソウ』シリーズでの衝撃的なブレイクスルーからの反動、そして“屋敷”系ホラーのルネサンスである『死霊館』シリーズへの前段階として、見逃せない位置にあ
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ファニーゲーム(1997年製作の映画)

4.1

奇才ミヒャエル・ハネケの問題作。
主流の大作映画、とくにハリウッド映画が犯罪や暴力などに対して鈍感になっていることを警告・告発するために撮ったという、監督自身の切実な危機感から生まれた野心的作品です。
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アレックス(2002年製作の映画)

4.5

鬼才ギャスパー・ノエの衝撃作。
話題先行のキワモノ映画としての印象強い本作ですが、ノエ監督の映像作品に対する自覚的・本質的・建設的な哲学・思想が端的に体現された意欲作といえるでしょう。
ストーリーはあ
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スピーシーズ/種の起源(1995年製作の映画)

3.9

ギーガーが『エイリアン3』の没案を流用させたエイリアン映画。
エロ映画として話題になることが多いですが、時代感を反映したSF小品として案外楽しい作品です。

導入は必要最低限でハイテンポ、大筋も基本お
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エイリアン4(1997年製作の映画)

4.5

監督ジャン=ピエール・ジュネ!
主演シガニー・ウィーバー&ウィノナ・ライダー!
『エイリアン』シリーズの隠れた傑作です。
小規模セット&手づくり特撮が、ジュネ監督のスチームパンク風SFイメージと化学反
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エイリアン3(1992年製作の映画)

4.3

監督デヴィッド・フィンチャー長編デビュー作品(小声)。
明朗快活なアクション映画黄金期1980年代の残り香がある当時は、コテンパンに批判されたらしいこの映画。
『セブン』以後、監督がハリウッド・スリラ
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レザーフェイス―悪魔のいけにえ(2017年製作の映画)

3.3

2013年版の前日譚。
狂気の母親リリ・テイラーvs暴力保安官スティーブン・ドーフという対決は豪華ですが、映画が『悪魔のいけにえ』になるのはレザーフェイスが誕生するラスト15分だけ。
序盤の組み立ては
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飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲(2013年製作の映画)

3.2

『悪魔のいけにえ』第7作目。
1作目の直後、地元自警団により虐殺されたソーヤー家には生き残りの嬰児がいた。事件から数十年、成長した彼女は見知らぬ祖母から相続したテキサスの豪邸を訪れるのだが……。

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テキサス・チェーンソー ビギニング(2006年製作の映画)

4.0

ジョーダナ・ブリュースター&マシュー・ボマー主演、製作はマイケル・ベイが続投。
監督は『世界侵略:ロサンゼルス決戦』や『ミュータント・タートルズ』(2014年版)などを後に撮る、ベイ門下生のジョナサン
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

狂気の監督アリ・アスター!
狂気の俳優ホアキン・フェニックス!
最狂タッグが送る最新作は、突然の訃報からはじまった摩訶不思議な里帰り。

ネオペイガニズム系ホラーを再興させ新時代の“田舎怖い”ブームの
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

寡作の巨匠ビクトル・エリセの最新作は、『ミツバチのささやき』『エル・スール』に比肩する素晴らしい映像詩であり、そして映画そのものへのこの上ない讃歌になっています。


「映画の終焉」がささやかれ始めた
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アメリ(2001年製作の映画)

3.9

叶井俊太郎さんがホラー映画だと思って買い付け、日本でのクリーム・ブリュレ熱を再燃させたという作品。
愛嬌のある美術やナンセンスなストーリーなどの裏に、エキセントリックなキャラクターたちのヤバさが見え隠
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モンスターズ/地球外生命体(2010年製作の映画)

3.8

ギャレス・エドワーズ監督のブレイク作品。
監督は脚本・撮影・CGも担当し、制作スタッフは役者含めてたったの7人、制作費は50万ドルという手作り映画です。
しかし英国VFX界の雄、低予算を感じさせないこ
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アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

4.0

教会の依頼で制作された老人問題をテーマとする教育映画。……しかしロメロ監督が一筋縄でいくはずもなく……!

現代社会の縮図のような摩訶不思議のアミューズメントパークで振り回される老人の姿に、70年代当
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ゼイリブ(1988年製作の映画)

4.2

物質主義の愚昧や資本主義の虚栄が頂点に達した、1980年代アメリカ社会を痛烈に諷刺する秀作SFホラー。
ロディ&キースの主人公バディ感は愛嬌があり、カーペンター作品らしい手作りな特殊効果もフェティッシ
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