きゅうげんさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

4.0

教会の依頼で制作された老人問題をテーマとする教育映画。……しかしロメロ監督が一筋縄でいくはずもなく……!

現代社会の縮図のような摩訶不思議のアミューズメントパークで振り回される老人の姿に、70年代当
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ゼイリブ(1988年製作の映画)

4.2

物質主義の愚昧や資本主義の虚栄が頂点に達した、1980年代アメリカ社会を痛烈に諷刺する秀作SFホラー。
ロディ&キースの主人公バディ感は愛嬌があり、カーペンター作品らしい手作りな特殊効果もフェティッシ
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ジョン・ウィック最新作は最終作!?
亡き妻との愛のために世界を敵に回したキアヌ最後の復讐劇。
『神曲』の名台詞を詠唱するフィッシュバーン。
コンシェルジュの弓使いリナ・サワヤマ。
巨漢の武闘派スコット
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

アニメ第6期のスピンオフ的劇場版にして、水木しげる生誕100周年記念作品。

日本の敗戦から約10年。
血液銀行に勤める“水木”は、お得意様である龍賀製薬社長の跡目相続への挨拶のため、山奥の哭倉村を訪
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

奇才アラスター・グレイ原作!
 ×
鬼才ヨルゴス・ランティモス監督!

若い医学生は知遇を得た天才外科医からひとつの仕事を頼まれる。それはある女性の成長経過を観察することだった。言動があまりに幼稚で突
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.6

最新作『哀れなるものたち』公開記念!
個人的ヨルゴス・ランティモス祭り第四弾。

時はスペイン継承戦争。アン女王の寵愛のもと後宮から政治を牛耳っていたのはマールバラ公夫人サラであった。
あるとき、没落
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.6

最新作『哀れなるものたち』公開記念!
個人的ヨルゴス・ランティモス祭り第三弾。

心臓外科医の主人公は、美しく賢い家族に恵まれ何不自由ない生活を過ごしていた。
彼の気がかりはたった一つ。酩酊したまま執
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ロブスター(2015年製作の映画)

4.3

最新作『哀れなるものたち』公開記念!
個人的ヨルゴス・ランティモス祭り第二弾。

結婚が義務化され独身者は罰則により動物に変えられてしまう世界。
離婚した主人公はお見合いホテルに移送されてしまう。ここ
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籠の中の乙女(2009年製作の映画)

3.8

最新作『哀れなるものたち』公開記念!
個人的ヨルゴス・ランティモス祭り第一弾。

ある裕福な男は妻とともに高い塀で囲まれた広い庭付きの邸宅に住んでいるが、その子供たちは外界とまったく交流せずに敷地内で
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テキサス・チェーンソー(2003年製作の映画)

3.1

シリーズ五作目は30周年リブート作品。
マイケル・ベイ主導の古典スラッシャー映画リメイク企画の一作でもありますね。

脳天ぶち抜き銃創ワンショットとか荒野の一軒家一枚絵とか、意欲的だったり好感触だった
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悪魔のいけにえ/レジェンド・オブ・レザーフェイス(1995年製作の映画)

2.9

あるプロムの夜。芋JKが幼馴染と他人の車でチルってたところ、運転手カップルが痴話喧嘩をしながら乱入。そのまま流れで誰もが不本意なダブルデート・ドライブに。
森で事故った四人が助けを求めたのは、みなさん
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メイフィールドの怪人たち(1989年製作の映画)

4.0

監督ジョー・ダンテ!
 ×
主演トム・ハンクス!

郊外住宅街に引っ越してきたお隣さんは、洗車も芝刈りもご近所づきあいもしない変わり者。
ある日、近くに住むウォルターさんが行方不明に。主人公レイは能天
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チャイルド・プレイ/チャッキーの花嫁(1998年製作の映画)

3.9

シリーズ第4弾、ティファニー・バレンタイン登場!!!

チャッキー&ティファニーの夫婦漫才珍道中と、主人公ジェシー&ジェイドの甘酸っぱい駆け落ち逃避行が、テーマ的にもコメディ的にもパラレルな構図になっ
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

ボール・バーホーベン監督最新作は、ほんとにあった修道尼伝記映画。
原作はフィレンツェの経済史・女性史を専門とする歴史学者J・C・ブラウンによる『ルネサンス修道女物語』。ベネデッタの観たヴィジョンの詳細
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13F(1999年製作の映画)

3.7

新しい時代2024年に向けて!
仮想現実というSFモチーフをノワールスリラーで味付けした小品。昨今のVR・メタバースの浸透により本作も再注目されました。

SF要素もミステリ要素もラブコメ要素も平々凡
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アラビアンナイト 三千年の願い(2022年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

ランプの魔人と出逢った人間に、もしも叶えたい願いがなかったら?
願いを叶えたい魔人は叶えたい願いのない文学者に3000年の「物語」を話しはじめる……。


ジョージ・ミラー監督は作家性として、いわゆる
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狼男アメリカン(1981年製作の映画)

3.9

『ハウリング』と双璧をなす狼男映画中興の祖。
注目すべきはやっぱりリック・ベイカーの特殊メイク! 
伸びる四肢! 伸びる体毛!
その凄まじい素晴らしさは、改めて語る必要がないほど。百聞は一見にしかず!
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悪魔のいけにえ3/レザーフェイス逆襲(1989年製作の映画)

3.1

レザーフェイス
 vs
ゾンビ映画の英雄ケン・フォリー
 vs
初々しいヴィゴ・モーテンセン!

いちおう3と銘打っているものの、母親・妹が追加され家族構成は別物に。
2で極致をみせたジャンル映画的な
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ブラック・クリスマス(2019年製作の映画)

3.2

もうちょっとメリークリスマス!
元ネタは有名な都市伝説「ベビーシッターと二階の男」で、リメイク元の1974年の『暗闇にベルがなる』は今や古典。そんな系譜にある物語を現代的な問題提起で再構築したホラー映
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悪魔のサンタクロース2 鮮血のメリークリスマス(1987年製作の映画)

2.7

まだまだメリークリスマス!
悪魔のサンタクロース弟編!
前作のあと、優しい養父母や可愛い恋人に恵まれた弟であったが、仮装した牧師や殺人鬼となった兄などを眼前で銃殺されたトラウマはいまだ胸に巣食っていた
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悪魔のサンタクロース/惨殺の斧(1984年製作の映画)

3.5

まだメリークリスマス!
ホリデームービーはホラーも豊富。
サンタクロースの格好をした強盗犯に両親を殺され、児童養護施設の厳格な院長に虐げられ、……18歳の聖夜に彼のトラウマは爆発する!


薄利多売・
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バッドサンタ(2003年製作の映画)

3.4

メリークリスマス!
今年のクリスマス映画は、飲んだくれ金庫破りのビリー・ボブ・ソーントンが、ドン臭いボンボンおデブちゃんと心通わせるハートフルなホリデームービー。
「山の探検」とか「妖精」とか“バッド
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エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事(1993年製作の映画)

4.5

19世紀アメリカ上流階級の社交界。ニューヨークの二大名家の若者ニューランドとメイは結婚目前だったが、そこへ幼馴染のエレンが帰郷する。主人公は自由主義で先進的な彼女へ恋い焦がれるが、しかし純朴で奥ゆかし>>続きを読む

悪魔のいけにえ2(1986年製作の映画)

3.6

方向性はかなり変わったけど、エキサイトするホッパーとかヒステリックなヒロインとか、これはこれで楽しい続編。

メインヴィランであるレザーフェイスは、『キングコング』以来の伝統に則り“悲しきモンスター”
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奇跡の海(1996年製作の映画)

3.9

トリアー映画の転換点といえる作品。

躍動感あるドグマ95風撮影もあれば、カッチリとした風景画よろしい各章の扉絵もあり、北欧らしい葛藤と犠牲のキリスト教的な命題に則りつつ、女性の視点から閉鎖的な父権共
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スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団(2010年製作の映画)

3.6

ゼロ年代オタクは、ガレージバンドと任天堂が世界のすべて。
時にゲームみたいな、時にシットコムみたいな、時にマンガみたいな表現は、エドガー・ライト監督のポップカルチャー愛がオフビートに炸裂していて、映画
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ゲーム(1997年製作の映画)

3.8

監督デイビッド・フィンチャー。
主演マイケル・ダグラス。
助演ショーン・ペン。
この座組だけで、なんかもう満足ですね。


内容としては、星新一のショート・ショートのような、フィリップ・K・ディックの
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ナポレオン戦争の時代って歴史のお勉強で習ったっきりだけど、フランス語のカッコよかったりオシャレだったりする用語名だけは耳に残ってるんですよね……。
そんな近世フランス史を、リドリー・スコットと振り返っ
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(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

北野武監督最新作は、ブラックユーモアありラブロマンスありアクロバットアクションありの超エンターテイメント時代劇!


ポスト織田政権をめぐる明智派・羽柴派・徳川派の陰謀劇に、抜け忍一味の珍道中が群像劇
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.3

監督デヴィッド・フィンチャー。
主演マイケル・ファスベンダー。
天才ではないが熟練を誇る暗殺者は、思わぬ失敗から恋人を危険へ晒してしまった。事態の真相を追う男の復讐劇が、いま始まる。


フィンチャー
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アンチクライスト(2009年製作の映画)

4.6

ラース・フォン・トリアー監督、ウィレム・デフォー&シャルロット・ゲンズブール主演。
大傑作にして大問題作。
情事に耽っていたため幼児を転落死させてしまった夫婦。悲しみから立ち直るため、山小屋でセラピー
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

令和ゴジラはまさかの“昭和ゴジラ”!
メガホンをとったのは「古き良き日本」を描き続けてきた山崎貴監督。近年の“昭和レトロ”ブームのパイオニアの一人と言えるでしょう。
しかしフィルモグラフィを彩る懐古趣
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エクソシスト2(1977年製作の映画)

3.1

主演のリンダ・ブレアはそのままに、監督にジョン・ブアマン、助演にリチャード・バートンを迎えたシリーズ第2作。
タスキン博士(精神分析)とラモント神父(悪魔祓い)との表裏一体の相剋はもちろんのこと、エチ
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キャットウーマン(2004年製作の映画)

2.8

🐈‍⬛ハッピー・ハロウィン!
今年の映画は『キャットウーマン』。

ノリノリミュージックでノリノリドラマにノリノリアクション……という時代感を反映した2000年代らしいアメコミ作品ですが、とはいえしか
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スーパーマン リターンズ(2006年製作の映画)

4.1

いまこそ再評価すべきスーパーマン映画。
確かにドラマが湿っぽくてアクションも爽やかではなく、アメコミ映画ブームの新時代が花ひらいた00‘s当時においては見劣りがしないでもないですが、しかしどのスーパー
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ゼイラム(1991年製作の映画)

3.7

仮面ライダー三部作や『牙狼』などで有名な雨宮慶太監督の劇場映画デビュー作品。
ストップモーションや光学合成という古き良き特撮・特効と、デジタル時代を予感させるCGとが同居する、ファンタスティック映画の
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