映画は社会と繋がっているべきだと思っている、本作が避けられなかったのは少年法の在り方だと思う。実はあまり好きではないのだが湊かなえ原作の映画『告白』はそこを徹底してた。中国原作で、中国人の名が製作に並>>続きを読む
人って言うのは罪深い生き物だ。時間と共に今ある幸福感が薄らいで行き満ち足りた生活を自ら放棄する。藤井風が歌う主題歌に描かれた、満ちる為の「気付き」を得る、温かくも切ない倦怠感物語。山田監督は本作が長編>>続きを読む
妊娠によって心不全を起こし生命の危機に陥っても中絶禁止下で苦悩する主人公たち。印象的だったのはやむを得ない理由で中絶を病院に相談するも、男性医師が口にするのは「子供」が無事に産まれる可能性ばかり、そこ>>続きを読む
壮大過ぎる続編。広大な砂漠に沈む夕陽や、巨大生物の重量感と恐怖、スタジアムの騒々しさ。これら世界観を映像に落とし込んだ労力だけでも拍手を贈りたい。だがしかし、抒情的で序章に徹した前作から大きく展開する>>続きを読む
なり損ないのTRICKだった。感情や間合いもなく、警察不介入など現実味皆無で説得力もない。突然の大音量で驚かすだけで怖くも何とも無い。怖いのではないビックリしているだけ。そもそも、主人公が家で襲撃され>>続きを読む
週刊誌報道がセンシティブなあまり、法的な根拠は無くとも「時代だから」というよく分からない理屈で何かを排除する。この映画でも、主人公が弁護士から言われる、転落事故の真相も曖昧ながら「事実より世間がキミを>>続きを読む
リュック・ベッソンなんて女殺し屋映画と、ブッ飛び大作しか印象がなく、あ、あと主演女優の寝取り癖だ、とにかく『レオン』『ニキータ』以来となるなかなかの作品が出て来て、腐ってなかったと安堵すら覚える。主人>>続きを読む
大傑作!これぞ娯楽映画!
マシュー・ボーン監督の陽キャ全開なエンタメ炸裂加減が気持ち良い。理屈よりも派手なことを優先し、何よりも細部の造形美が素晴らしく(例:丸角の猫バックなど)本当にポップなものを作>>続きを読む
現代の出会いのツールとして欠かせないマッチングアプリ。便利なようでユーザーの正体や真実が有耶無耶になる危険性もはらむ現代の不都合を描く着眼点は良かったのだが、なんせ予定調和。観る前から(予告編だけで)>>続きを読む
ガイ・リッチー監督らしい痛快な展開や小粋な冗談も無く、会話劇も極力抑えられており、戦争映画を撮る真摯さと気迫が伝わってくる。兵士同士の友情など、ありきたりな展開ではなく、アフガニスタンで米軍の通訳を務>>続きを読む
いや、悪くはなかったんだよな。未来が見える緻密な描写も工夫されていて良かったし、アメコミ映画として悪くない。ただ、主演のダコタ・ジョンソンが思いのほか魅力に欠けていたことや、若い少女たちのジュブナイル>>続きを読む
ミュージカルになったことで映画的な醍醐味を手に入れたと評判だが、個人的には少しシリアスさが欠けてチープな印象すら受けた。わざわざ過去の名作をミュージカルにして蘇らせた有益性を感じない。理不尽な家長性の>>続きを読む
スポ根とは真逆を描いたことで感じた生温さと拍子抜け感は、いつの間にか心地良さへと変わる。試合に勝つことが全てでは無いに終着し、カタルシスを感じるには、あまりに楽観的すぎる。ワイティティ監督らしい目の付>>続きを読む
廃墟のピザ屋を舞台に、店内に置かれた動物型のロボットが襲ってくるも、可愛い造型のキャラの暴走のギャップが活かし切れず、『M3GAN』のような少女型のAI人形という造型のインパクトも無い。ロボットが動く>>続きを読む
俺は何を見せられてるんだの3時間。女性の権利ばかり叫ばれる#MeTooの副作用として、男も理不尽な目に遭うって現実の価値観の真逆の主張を薄気味悪く描いたのがアリアスター的だなと感じました。あの巨大なキ>>続きを読む
若手でも演技派で知られるアイゼンバーグの初監督作品というので非常に楽しみだった。彼はアカデミー主演男優候補にもなった『ソーシャル・ネットワーク』でも繊細な演技を見せたが、心境の些細な部分を描くのに秀で>>続きを読む
今年度の賞レースで先行していた『バービー』が、オスカー候補では苦戦を強いられ、代わりにこの『哀れなるものたち』に取って代わられた感があるが、両方を観てそれも納得である。中途半端な喜劇で空回り、「#Me>>続きを読む
前半で言いたいことは言ったので、ここでは要件だけ述べるとすると、前後編に分けるほどの話ではなかったと思う。けど、単細胞な性的な欲望のぶつけ合いではなく、男女の恋愛のごとく、日常にあるだろうロマンチック>>続きを読む
日本の俳優業界で無視できない分野として、前々から戦隊シリーズや、2.5次元などが挙げられるが、最近は特に「BL」が欠かせなくなってきている。カップル役を演じた俳優同士のSNSやライブ配信は軒並みバズリ>>続きを読む
山崎賢人が漫画俳優からアクション俳優として開花していたのが嬉しい。単なる美形俳優から本物へ歩みを感じたので、それだけでも満足だ。そして、冒頭の日露戦争のシーンなんか、ようやく日本映画もプライベートライ>>続きを読む
日本で言うところの公営団地のような話。昔は羨望されてきたが、今の団塊の世代以降、脈々と受け継がれてきた「マイホーム至上主義」が強すぎて、家賃の低価格などの利便性が乏しく、かつての公営団地への憧れが消え>>続きを読む
ホラーの名匠ワン監督らしいクリーチャー描写は見事だし、海中の派手なアクションも大迫力で見モノだけど、展開が陳腐で予定調和だったので、前作を超える驚きも新鮮味もなかった。地球温暖化の主張が逆に虚しく響く>>続きを読む
くだらない。『翔んで埼玉』や『コンフィデンスマン』並みに何にも心に触れることもなく教訓も得られず感動も何もしない駄作!
『ヤクザと家族』の好演からか、綾野剛がまたヤクザ演じてるが、今度は喜劇。喜劇だけ>>続きを読む
この映画シリーズって、もともと演技下手過ぎて干されてたスタローンが豪華俳優集めて最後に派手に打ち上げるぜで始まったと思うんだけど、流石に一時のようなシュワちゃん、ブルース・ウイルス、ハリソン・フォード>>続きを読む
大傑作! 昔、小津安二郎に感動した映画好きは、こんな気分だったのかなと感じる、そんな深い感動に打ちひしがれている。
映画とは虚構の中に普遍性を映し出す物としたら、情報過多でそれが見えにくい今こそ見た>>続きを読む
A24が配給したと聞いて期待が高まったが、まさに裏切らない見事なまでのホラー。双子YouTuber兄弟が監督を務めた本作は、既存の慣習に囚われないブッ飛んだ発想で、観る者に恐怖をジェットコースター並み>>続きを読む
この映画で特筆すべきは『アナ雪』以来のヒット曲の誕生だろう、むしろそれ以外には特別なものはない。確かに100年もの間、時代の空気感や価値観に寄り添いながら変化し(白人だらけだったディズニーも本作では架>>続きを読む
意外にも昼メロだった気がする。史劇を作らせたら流石の巨匠である、スコット節が冴え渡る大作を久々に観た感じがしたが、なんせ長い、この前のスコセッシの『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』然り、年取ると話>>続きを読む
私は祖母から戦争の話をよく聞かされていたが、戦争体験者の話を聞くことが困難になってきた時代、そんな経験もできず改憲議論や核所持などの意見が飛び交うような無頓着な今だからこそ、この映画は存在意義があると>>続きを読む
ミュージカル嫌いな僕でも興奮歓喜だった!
本来は残酷な教訓物語である『チャーリーとチョコレート工場』、その映画版としてバートンは最適役だったわけだが、今回は思いっきり真逆のファンタジーに振り切ったのが>>続きを読む
凶悪な逃亡犯を乗せた旅客機が不時着したらゲリラに支配された最悪の島だったって話なのだが、凶悪犯が全く凶悪でなくて、そこ面白いとこちゃうんかいって肩透かされた。(本来はとんでもない悪事を働きながら、それ>>続きを読む
これはキタノ映画かな~。
最近の日本映画のテイタラクには愕然とすることも多いのだが、その中でも群を抜いて真剣に検討しろよと思うのが「説明台詞の多さ」である。回想シーンなんかも多用される。これは人気タレ>>続きを読む
水に性的興奮を覚える主人公は、言わずもがな少数派である。変態と括れば簡単だが、しかし、当人視点で描かれた本作を通じて、排除された側の気持ちに立った時の絶望感は凄まじい。ダイバーシティなんて都合の良い言>>続きを読む
マーベルの失速が止まらない。今回も想定以下でアメコミの醍醐味欠ける。確かに、瞬間的にキャラが入れ替わる様は面白いし、化け猫の使い方も実にチャーミングであるが、以前のように全体的な流れとしての楽しみがな>>続きを読む
これはおもろい!
政治映画のシンゴジラ、超娯楽に徹した米国版を経て、原点回帰にして被害者人間側の立場で見た和製ゴジラの最高傑作!戦後の日本を舞台に特攻隊を批判するなど厭戦的な「生きろ」とするメッセージ>>続きを読む
まさか『レオン』を再び大スクリーンで観れるとは。当時の自分と、今の自分で観るのとでは当然感覚も違ったであろうが、いや、やはり大人になった今観た感動の方が勝っていた。単なるロリコン映画というところから、>>続きを読む