ラウぺさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ラウぺ

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オルメイヤーの阿房宮(2011年製作の映画)

3.8

シャンタル・アケルマン映画祭上映5本のうちの1本

オルメイヤーはアジアのジャングル(明示はされないものの、ボルネオということになっているらしい)で金鉱を見つける夢にとりつかれ、現地の妻との間に一人娘
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スープとイデオロギー(2021年製作の映画)

3.9

映画監督のヤン・ヨンヒ(梁 英姫)が在日朝鮮人として生きてきた自らの母、今は亡き父との関係を見つめたドキュメンタリー。

ヤン・ヨンヒ監督はこれまで自らの家族を描いたドキュメンタリー『ディア・ピョンヤ
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ナワリヌイ(2022年製作の映画)

4.2

ロシアの反体制活動家アレクセイ・ナワリヌイは2020年8月20日、シベリアでの取材の帰途、旅客機の機中で急激な体調不良を訴え、機はオムスクに緊急着陸。ロシア当局はオムスクの病院からの移送に難色を示した>>続きを読む

息子の面影(2020年製作の映画)

3.9

メキシコで息子と二人で農業をしていたマグダレーナは、息子が出稼ぎのために友達とアメリカに行くと告げて家を出て行ったきり戻らず、警察に相談に行く。警察では国境付近で遺体となって発見された人々の写真を見せ>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.3

本作を観る前に復習のつもりで数十年ぶりに前作を観返して、あまりのおバカ映画ぶりに怒りが収まらず、このまま怒りが収まらなければ本作は観るのをやめようとまで思ったのですが、知人の「今作もおバカ映画には違い>>続きを読む

ニューオーダー(2020年製作の映画)

3.8

裕福な家庭に育ったマリアンは、自宅での結婚式の当日、上流階級の賓客を招いてパーティーを開こうとしていた。自宅の周囲では貧困層の不満から暴動に発展する兆しが見え始めており、やがてマリアンの自宅にも暴徒が>>続きを読む

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島(2022年製作の映画)

3.9

『THE ORGIN』でTV版の第1話直前までを描いた安彦良和が、ORGINの本編版を作らずに採り上げたエピソードが『ククルス・ドアンの島』だというところが、まずもって興味深いところ。
監督自身は「ガ
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教育と愛国(2022年製作の映画)

4.2

戦前の反省から戦後教育は政治とは距離を置き、学術的根拠に基づく基礎的教養を子どもたちに教えるものとされてきたが、近年そうした姿勢は変更させられ、政治が介入する機会が増えている。教育に政治が介入する状況>>続きを読む

君を想い、バスに乗る(2021年製作の映画)

4.0

妻を亡くしたトムはバスの無料パスを使って英国の最北端の村ジョン・オ・グローツ(John o' Groats)から南西端のランズエンド(Land's End)に向けて旅に出る。バスを乗り継いで1300k>>続きを読む

オフィサー・アンド・スパイ(2019年製作の映画)

3.9

1895年1月5日、陸軍士官学校の中庭でスパイ容疑で有罪となったドレフュス大尉の階級剥奪が行われた。その後新任の防諜部長としてピカール中佐が着任。ピカール中佐は防諜部の業務を精査するうち、ドレフュス大>>続きを読む

トップガン(1986年製作の映画)

1.8

最初の鑑賞以来2回目の鑑賞。
NHK-BSの録画。

初見の印象は自信過剰なチャラい男が挫折を乗り越えて本物になる・・・という定番のストーリーながら、全てが軽く、単なる“おバカ映画”という感じ。
残念
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インフル病みのペトロフ家(2021年製作の映画)

4.3

2004年エカテリンブルクに住むペトロフは高熱に浮かされながらトロリーバスに乗る。料金を徴収するオバさんをはじめ、乗客はどことなく狂気じみている。バスはいきなり停車させられ、引きずり出されたペトロフは>>続きを読む

潜水艦クルスクの生存者たち(2018年製作の映画)

3.8

2000年8月10日、ロシア海軍の原子力潜水艦クルスクはソビエト連邦崩壊後の最大規模の演習参加のためムルマンスクを出港、演習では模擬魚雷の発射テストが控えていた。模擬魚雷は爆発性の弾頭を備えておらず、>>続きを読む

見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界(2019年製作の映画)

3.8

カンディンスキーやモンドリアンよりも早く、抽象画を描いていた画家が居た。しかし、その絵は世界に知られることはなく、死後20年は公開しないように言い残し彼女は世を去った。ヒルマ・アフ・クリントの作品の源>>続きを読む

夢みる小学校(2021年製作の映画)

3.4

子供の自主性を重んじ、テストがない、先生もいない、学年もまぜこぜで学科もない「南アルプス子どもの村小学校」の様子を綴ったドキュメンタリー。

「南アルプス子どもの村小学校」は学園長の堀真一郎が設立した
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私はヴァレンティナ(2020年製作の映画)

3.7

小さな町に母と一緒に引っ越してきたヴァレンティナ。トランスジェンダーであるヴァレンティナは新しい学校に通名で通えるよう相談に行くが、母親が蒸発した父親と正式に離婚していなかったため、父親のサインを貰う>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.8

幼い頃、交通事故により頭にチタンのプレートを埋め込まれたアレクシアはクルマに性的な魅力を感じるようになり、ダンサーをしている今でもクルマのショーで官能的な踊りをしてみせる。あるとき逃亡犯となったアレク>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

3.9

ニューヨークでラジオ向けに子供にインタビューする仕事をしているジョニー(ホアキン・フェニックス)は、妹のヴィヴから甥のジェシーを預かって欲しいと頼まれる。母の死後、疎遠だった妹の依頼に戸惑いながらもジ>>続きを読む

アンネ・フランクと旅する日記(2021年製作の映画)

3.2

今から1年後の未来。アムステルダムの博物館『アンネ・フランクの家』での展示を前に“アンネの日記オリジナル版”からキティーが実体化して現れた。キティーは日記に書かれていないアンネの消息を知らず、日記を持>>続きを読む

林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

4.1

突然記憶を失う謎の奇病が蔓延する現代のギリシャ。自宅で一人暮らしをしていた男はバスの終点で保護される。救急搬送され医師の診断を受けるも他の患者と同様に記憶喪失と診断された。病院のスタッフの話では記憶が>>続きを読む

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.2

30代の後半を迎えた桜子、あかり、芙美、純の4人は桜子と純は中学以来の幼馴染じみ、それ以外は成人してからの友人。4人は神戸の摩耶山山頂にケーブルカーで向かうもその日は土砂降り。日を改めて有馬温泉に行く>>続きを読む

フォレスト・ガンプ/一期一会 4K ニューマスター版(1994年製作の映画)

4.3

1980年代のはじめ、さまざまな経験をしてきたフォレスト・ガンプはベンチに座りバスを待っていた。隣に座った看護師を相手に幼い頃から今に至る人生を振り返る・・・

これまで何度も観たフォレスト・ガンプの
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親密さ(2012年製作の映画)

3.6

劇団で脚本と演出を手掛ける良平と令子は恋人同士で同棲している。新作の脚本を巡って自らが出演するかどうかでなかなか結論が出ない二人は上演までに日数が迫るなか、葛藤と衝突を繰り返す・・・

2012年製作
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MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

4.0

メデジンで植物の販売を営むジェシカ(ティルダ・スウィントン)はある朝巨大な爆発音で目が覚める。外の駐車場では一台のクルマのセキュリティアラームが勝手に鳴り出し、周囲のクルマに波及してやがて収まる。ジェ>>続きを読む

PASSION(2008年製作の映画)

4.2

中学校の教師をしている果歩(河合青葉)は29歳の誕生パーティの際に友人たちと久しぶりに再会する。果歩は智也(岡本竜汰)と婚約していたが、誕生パーティの些細な会話から智也が友人の貴子(占部房子)と一時付>>続きを読む

グレート・インディアン・キッチン(2021年製作の映画)

4.0

インドの上位カースト同士の家で見合い結婚をした夫婦。はじめは初々しく幸せそうな二人だったが、妻は結婚すると厨房での仕事、家事に追われる毎日。姑は娘の出産準備のために家を空けることになり、家事は妻が一人>>続きを読む

金の糸(2019年製作の映画)

4.0

トビリシの旧市街の家に生まれた時から住んでいる作家のエレネは79歳の誕生日を迎えても家族のみんながそれを忘れていた。エレネが感傷に耽っていると、娘婿の母ミランダがアルツハイマーの症状が出たということで>>続きを読む

ゴヤの名画と優しい泥棒(2020年製作の映画)

3.9

1961年、ロンドンのナショナル・ギャラリーからゴヤの「ウェリントン侯爵」の肖像画が盗まれた。盗んだのは60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン。“BBCのTV受信料を無料に”という活動を行っていた>>続きを読む

チェチェンへようこそ ーゲイの粛清ー(2020年製作の映画)

4.0

ロシア連邦の構成国のひとつ、チェチェン共和国で国家指導者の意思の元、半ば公然と行われるゲイに対する粛清。警察や家族から逃れるために国外脱出を図る対象者とそれを支援する活動家たちを追ったドキュメンタリー>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

4.0

9歳のバディはベルファストで生まれ育ち、ご近所さんとも顔なじみ、父母と兄とともに子供らしい普通の暮らしを満喫していたが、1969年8月15日、通りの向こうから暴徒が襲ってきた・・・

ケネス・ブラナー
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

4.0

第二次大戦開戦前夜、流れ者となったスタン(ブラッドリー・クーパー)は成り行きで旅の見世物小屋に居つくことになり、千里眼のマジックを行うジーナとピートの手伝いをしながらその技を身に着けていく。見世物小屋>>続きを読む

ゼイリブ(1988年製作の映画)

4.0

“ジョン・カーペンター レトロスペクティブ2022”でリバイバル上映3作品のうちの1本。

基本的に近未来SFアクションというジャンルなのですが、低予算ということもあるとしても、SF的ガジェットが登場
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ニューヨーク1997(1981年製作の映画)

3.6

“ジョン・カーペンター レトロスペクティブ2022”でリバイバル上映3作品のうちの1本。
今回の企画では本作(1981)の他に『ザ・フォッグ』(1980)『ゼイリブ』(1988)がセレクトされています
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白い牛のバラッド(2020年製作の映画)

3.9

テヘランの牛乳工場で働くミナは娘のビダと二人暮らしをしている。夫のババクは1年前に殺人罪により死刑となっていた。ところがある日、証人が証言を覆し、ババクは無実だったことが知らされる。政府から賠償金が支>>続きを読む

オペレーション・ミンスミート ーナチを欺いた死体-(2021年製作の映画)

4.0

1943年初頭、英国は北アフリカ戦後の侵攻作戦としてシチリア島への上陸作戦を計画していた。上陸に際し被害を最小限に抑えるため、ドイツ側に次の侵攻作戦はギリシャであるかのように見せかける欺瞞作戦を計画し>>続きを読む

マヤの秘密(2020年製作の映画)

3.8

1950年代後半のアメリカ。マヤはメーカーの医師をしている夫のルイスと平穏に暮らしていたが、息子のパトリックと公園にいるときに聞き覚えのある指笛の音を聞く。第二次大戦中にドイツ兵から受けた暴行の記憶が>>続きを読む