ネットさんの映画レビュー・感想・評価 - 23ページ目

ニューヨーク1997(1981年製作の映画)

3.5

カーペンター作品全てにいえることだけど、スピードに欠ける。今作は特にそう。なぜならこれはアクション映画じゃなくてSFロードムービーだから。そう見ると面白いんだな、これが。終わり方がカッコいいのもいつも>>続きを読む

エッセンシャル・キリング(2010年製作の映画)

3.5

雪原とサバイバルということで、MGSの1と3を混ぜたみたい。面白かった。ヴィンセント・ギャロに、ノーキルでクリアする気はない。キルした後で「いやあれはエッセンシャル(必要不可欠)なキルだったので…」と>>続きを読む

サイコ2(1983年製作の映画)

3.8

え?めっっちゃ面白くない?
「サイコ」の続編として最高に面白い。脚本がなかなかトリッキー。ちゃんと母子の話だし、前作の場面がアップグレードされて反復される。
ラストのショックシーンが素晴らしく怖い。「
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NAGISA なぎさ(2000年製作の映画)

4.0

好きになるしかない。ノスタルジーはさして感じず、むしろ夏!海!海水浴に来てる一般客!っていうノリが好き。
なぎさがどのシークエンスの最初も走ってるのがいい。あのドタドタした走り方。
撮影もとても良い。
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天気の子(2019年製作の映画)

3.5

今のところ新海誠で一番面白い。新海誠の作品の価値観は自分に合わない。それを前提としたうえで面白い。
自分の座ってる席の列、他の席全て空いてるのにわざわざ自分の隣に座ってきたおじさんが怖かった。タバコと
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ぐるりのこと。(2008年製作の映画)

4.0

本屋での見知らぬ子供とのくだり。あれは本当の悲しみを知ってる人しか演出できないと思う。万田邦敏「接吻」のような。
このシークエンスしか覚えてない。

恋人たち(2015年製作の映画)

3.5

日曜日に一時間かけてミニシアターまで行って見た。懐かしい。
作った人がどうあれ、僕はあのクローズアップを忘れないよ。
あのクローズアップはランズマンのものとは違う。ランズマンのクローズアップは演出だけ
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アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

3.5

シナリオが面白い。特に終盤。会議映画(逆転裁判っほい)から邪教映画へ。
大和は沈んだ、日本は戦争に負けた、という事実が既にある「現在」視点から作られた映画。だから、このお話の実際の焦点は「いかにして大
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裏切りの街角(1949年製作の映画)

3.5

空間を殺す機能を持つ「霧」というのはB級映画によくマッチする。

その女を殺せ(1952年製作の映画)

3.8

スーパーかっちょいいショットがいくつもあるのだけど、そんなにハマらなくて悔しい。真珠ポトーン→殺し屋デデーンとか、窓の反射を使った攻防とか、電車と並走する車とか、シビれるよね〜。

NINIFUNI(2011年製作の映画)

3.5

まあ好き。自殺映画として圧倒的に正しい。(正しいから面白い、というわけでもないが)やっぱりセリフがないというのは、それだけで映像の力がグッと全面に出てくる。
冒頭のピンボケ&道の横切りが「きみの鳥はう
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混血児ダイナ(1932年製作の映画)

3.0

見たかった仮面舞踏会を見れてよかった。あのマスク最高にかっこいい。

ゴーストランドの惨劇(2018年製作の映画)

4.0

最高!終わらない惨劇にメンタルがやられる、とにかく疲れる。徹底してドアと音の映画だった。絶望と恐怖がその限界値を超える描写が巧すぎて…見てるこっちも狂いそうになる。
ありきたりなホラーじゃないと宣伝さ
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アメリカの友人(1977年製作の映画)

4.0

全てのショットの色彩が完璧。異常なレベル。
ハスミンの「稚拙な模倣の倫理」という言葉は、電車殺人のシーンを見るとなんとなくわかる。
ただ、つかみ所のない映画なのでもう一回見たい。

呪怨(1999年製作の映画)

3.0

柳ユーレイ、洞口依子、でんでん、諏訪太郎など、立教ヌーベルバーグ組が出演。マジで90年代は立教の時代だったんだな…
ジャケットが鬼カッコいい。

真昼の不思議な物体(2000年製作の映画)

-

いつか文芸坐で見た「ロングウェイノース」並みの全編爆睡をぶちかました。2:00就寝7:30起床、そこからの22:30まで映画ハシゴのプランの最後だと考えればまあ仕方ないこと……(と納得させる)
再見し
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さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

3.8

小洒落たマイケル・マンという不思議な味わい。プロフェッショナル同士のプライドをかけた戦いなのだが、遊戯的でどこか楽しげ。なんだかウォルター・ヒル「ザ・ドライバー」に似た感覚。
レッドフォード逮捕のため
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遠くの水(2014年製作の映画)

4.0

全てをコントロールしようとした「河の恋人」に対し、コントロールを放棄したと自ら仰っていた今作。この比較は、どうにも三宅唱の体験談と被る。
全てのシーンがみずみずしい。でもカメラがフィックス中心であるた
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河の恋人(2006年製作の映画)

3.0

演劇部のメンバーが教室に入る主人公とはしゃぐシーン、素晴らしい。友達が意味もなく蹴りを入れる、しかも二回。こういう無意味に友達を蹴る人いるよね〜。ボウルのぶん投げも最高。で、黒板消しを持った教師のフレ>>続きを読む

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018年製作の映画)

3.7

近年稀に見るラストのキマり具合。
バイオレンスの撮影もいい。今作がアクション映画ではないのは、ここで描かれるのは「戦い」と呼ばれる相互的なものではなく、「暴力」という一方的なものだから。だから、敵対す
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たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

4.5

異色だが傑作。「白夜」に次いで好き。人の配置と動かし方がかっこよすぎて頭抱える。
繋ぎの面白さもあるし(夕食後のテーブル)、いまそこで起こっていることではないショット(テレビ)も挿入する。
いつも対象
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心霊玉手匣 其の四(2015年製作の映画)

4.0

やはり青春映画とは別れについての物語なのだと再認識。
十数年前の仄かな気持ちが恐怖と共に大きくなり、一途な愛へと変わる。愛する者と愛される者、見ることと見られることの境界線は夜の闇に溶け、青春の終わり
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ブラックハット(2015年製作の映画)

4.0

面白い!なんでこんなに面白いのか全然わからない。「マイアミ・バイス」よりはるかに好き。
ロケーションもいいし、アクションも見やすい。仕事映画からアウトサイダーの孤独な闘いへ。でもやっぱりラストファイト
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The Strange Thing About the Johnsons(原題)(2011年製作の映画)

3.5

なんだ、面白いじゃんアリ・アスター。「ヘレディタリー」がてんでダメだったのは、変にオカルト要素混ぜたからだったのか。オカルトを混ぜると起こっている不条理な出来事に理由づけ・説明が可能になり、不条理でな>>続きを読む

湖のランスロ(1974年製作の映画)

3.5

反復芸、極まる。反復と差異とかそういうことじゃない。習慣化された同じ行動をひたすら繰り返す。
例えば槍試合のシークエンスは笛→旗上がる→馬の足→観客席→試合結果、のワンフレーズを何度もリピートする。結
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.0

面白くなかった。
前の席の女の子が振り返って主人公を見るというシーンがあるのだが、変に感動してしまった。近年のアメリカ映画で、あそこまで意味が消えて行動だけが浮かび上がるシーンってあったか?
事故シー
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TOURISM(2018年製作の映画)

3.5

今年の大本命。
良くも悪くも演出の少なさが目立つ。黒沢清のウズベキスタン旅行は作り出された無だったのに対し、宮崎大佑のシンガポール旅行は本当に無。それゆえに風通しが良くて気持ちいい。ただそれもコンビだ
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Memento Stella(2018年製作の映画)

-

恵比寿映像祭で見た。
これは映画なのか…?と朦朧とした意識で考えていた。(それは考えたと言えるのか?)

X-MEN:ダーク・フェニックス(2019年製作の映画)

3.5

アクションが良いのは評判通り。連携もあるしなによりスピーディ。CGも控えめなので、実写の質感が良い。電車を率いながらホテルに殴り込むマグニートー!
電車の直線アクション。
ホテル前のバトルは、テレパス
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湖の見知らぬ男(2013年製作の映画)

4.0

男たちが相手を求めて彷徨う森の異界っぷりが凄まじい。みんなゲイだからどの男とも"接続"可能なわけで、だれとヤるかというサスペンスに満ち満ちている。
湖に着いた時も、必ず男たちの視線に晒され、その時から
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旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

3.0

ついに黒沢清が面白くない映画を撮ってしまったことへの絶望感が半端ではない。苦痛だった。
理由は明快で、「撮影の映画」であるにもかかわらず、クルー全員がこの国・撮影をつまらないものだと思っている様子をそ
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心霊玉手匣 其の三(2014年製作の映画)

3.3

1と2が見れないので3から。終盤の追跡、やりたいことはわかるがダレる。「フェニーックス!」と「殺されへん!」は名言。

笑うこと・笑顔になることは映画的な行為である、と最近確信を深めつつあるが、例外的
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レベル5(1996年製作の映画)

3.0

90年代のサイバー要素に魅かれて見たのだが、そこはやはりマルケル、実験的すぎて頭クルクルパー。ヌーベルバーグ左岸派の映画はムリなのかもしれないな…
ズームしていくとどんどんボケていくのは好き。

青年の海 四人の通信教育生たち(1966年製作の映画)

4.0

学生運動のドキュメンタリーである以前に、一つの青春映画。怒り、団結し、悩み、助け合い、蜂起する。最後のさわやかな笑顔とかもう大好き。
物語性を与えていいのか、という問題はそこまで深く考えられてはいない
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SHOAH ショア(1985年製作の映画)

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最後の2時間半(という書き方が成立してしまうのがまずおかしい)しか見てないけど。
証言者の記録としての揺るがない価値は、とりあえずあると思う。
元ナチスの人に詰問するくだりは切り返さないとダメなのでは
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トロピカル・マラディ(2004年製作の映画)

3.5

現在の作品に比べるとフルショットが少なく寄りめ。かつ、手持ちカメラも多用され、みずみずしい印象。
映画の中のバイクは美しい、というのは絶対不変の法則なのだけれど、アピチャッポンは走行の爽やかさだけでな
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