せんきちさんの映画レビュー・感想・評価

せんきち

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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.1



終戦後の日本にゴジラが現れるという粗筋を聞いて、てっきりマッカーサー対ゴジラだ!とか思ってたが違った。神木隆之介対ゴジラでした!



あらゆる点で『シン・ゴジラ』の真逆をやってる。ポリティカルな
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東部戦線(2023年製作の映画)

3.7

山形国際ドキュメンタリー映画祭にて


凄惨な現場が多いが、兵士はどこか牧歌的だ。ニュースで観たようなブチャ虐殺の様な現場がなかったからだろうか。


カメラをつけた人が地雷を踏むシーン、マンションが
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福田村事件(2023年製作の映画)

3.9

胸糞の悪くなる力作。


福田村事件とは何か


関東大震災後、朝鮮人が井戸に毒を流した等のデマ、流言が飛び交う中、千葉県福田村(現在の野田市)で起きた虐殺事件。虐殺事件は各地で多数起きたが福田村事件
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ファイナル・カウントダウン(1980年製作の映画)

2.8

アマプラにて。


軍隊のタイムスリップものとしては『戦国自衛隊』と並ぶ作品であるが、残念ながらあんまし面白くない。面白さでは戦国自衛隊の圧勝である。


ダメなのはとにかくとろい。


タイムスリッ
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.9


凄い、面白いが映画というより凄まじいサーカスに近い。

物語としては全く内容がない。約3時間かけてカギがない!見つけた!いや盗られた!見つけた!を繰り返すだけ。その合間をトムの常軌を逸したアクション
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.8

イランに実在した連続殺人犯サイード・ハナイを描いた映画。


趣味の悪い方なのでシリアルキラー映画はよく観る。壮絶なものは多数観たが本作はトップクラスに入る。


家からハイヒールをバッグに入れ聖地マ
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カンフースタントマン 龍虎武師(2021年製作の映画)

3.8

香港アクション映画を支えたスタントマンのドキュメンタリー映画。


京劇から映画への移行

ショウブラザーズ→ゴールデンハーベストの栄枯盛衰


と語られていく。香港アクション映画はメジャーなものしか
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.9

凄かった。アニメとしてもスポーツ映画としても最高峰の出来だ。

原作のクライマックス翔北対山王を主人公花道でなく脇役リョータ視点で描く。

脚本、監督が原作者井上雄彦だから出来た冒険。原作で超重要な台
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RRR(2022年製作の映画)

4.0

イギリス支配下のインドに実在した独立運動家をモデルにした大活劇。


インド独立のため敢えてイギリスに近づくラーマとイギリス提督に拐われた部族の娘を取り戻すべく敵地に潜入するビーム。

志は同じ二人が
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女神の継承(2021年製作の映画)

3.9

タイ、観光合作のモキュメンタリーホラー。いわゆるエクソシストものなんですが、どこに連れていかれるか分からんのが最高。


特にクライマックス前「お、お前!その展開ありなのか!大丈夫なのか!」な展開に驚
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ヘルドッグス(2022年製作の映画)

3.9


潜入捜査官ものにハズレはないが、本作もそう。

岡田准一で『新しき世界』をやってるようなものなんですが、韓国映画にタイマンはれる出来!

何が凄いって登場人物が早口だったり滑舌悪かったり専門用語多用
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マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.1

クルド人不法移民家族の顛末を描く。移民、難民問題に関心のある人にはお馴染みの日本の酷過ぎる制度だが、改めてみても理不尽極まりない。

働き手の父が不法移民で入管に捕まってる間、家族(子供達だけ)には労
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ある男(2022年製作の映画)

4.3

2022年ベストをつけるならこれ。亡くなった夫(窪田正孝)は偽名だった。妻(安藤サクラ)の依頼を受け弁護士(妻夫木聡)は真相を追う。

これは令和版『砂の器』だ。役者の演技が全員凄過ぎる。特に妻夫木聡
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レイジング・ブル(1980年製作の映画)

3.8



午前十時の映画祭にて。初見。

実在のボクサー、ジェイク・ラモッタの人生を描く。

ボクシング映画であるが、恐ろしく陰惨。


それはジェイク・ラモッタの人格にある。猜疑心、束縛が強く、粗暴。友人
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PLAN 75(2022年製作の映画)

4.2

PLAN75

カンヌで賞とったのも納得。日本社会の構造の歪さを描いた傑作。


少子高齢化が進み財政難の日本政府が出した法案PLAN75。それは75歳以上の高齢者の安楽死を許可するものだった。長年勤
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浮雲(1955年製作の映画)

3.9

螺旋階段を降りていくように転落していく二人。

状況が少しずつ悪化していくのが本当に怖い。OPの仏印とEDの屋久島の違い。栄光と絶望。


人生の転落劇という誰でも起こり得るホラーだ。

高峰秀子が素
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ラスト・ボーイスカウト(1991年製作の映画)

2.5

地方では『ダイハード3』とシール貼って宣伝されてた本作。

アマプラで初見。受けなかったのもよく分かる。アクションは満載だが、暴力が過激で陰惨だ。バイオレンスな内容でもユーモアがあれば観れるんだけど、
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.1

ドント・ルックアップ

面白い。ブラックな政治的デザスターコメディ映画。傑作!

天文学者レオナルド・デュカプリオとその教え子ジェニファー・ローレンスが彗星の地球衝突を予測してしまう。緊急事態!とNA
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黒い牝豹M(1974年製作の映画)

2.0

アマプラにて。池玲子主演のアクション映画。ぬるくつまらない。

極右団体の会長と社長との内部抗争。社長の成田三樹夫を狙う沖縄空手を使う暗殺者池玲子。

東映で70年代腐るほど作られたプログラムピクチャ
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

アメリカ各地を転々と車で漂泊するハウスレス(ホームレスでない)達の物語。主要人物以外全員本物のノマドというドキュメンタリータッチの映画。


目の前に与えられた幸せから逃げてしまう主人公に何も語らせな
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藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)

3.9


日本の小説が原作の韓国映画。サウナに忘れられた大量の札束の入ったバッグ。誰が何のためにどうやって作った金なのか?

次第に明かされていく地獄絵図に笑う。OPの映像がどの時点のものなのか分かるシーンで
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ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

3.9


祭りだわっしょい!大変元気な怪獣映画。コングを「こんなイケメンこの世にいるの」的に描写してるのがいい。レオパレス並みに薄い地球の地殻、酒かけて壊れるメインシステム等21世紀と思えない覚悟を決めたバカ
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BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

3.9


ボクシングに魅せられた男たちの物語。監督もボクシング経験者で、ボクサーから見て最もリアルなボクシング映画らしい。


これがリアルならなんとボクシングは恐ろしいのか。松山ケンイチも東出昌大も身体をぼ
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コレクティブ 国家の嘘(2019年製作の映画)

3.7

ルーマニアのクラブ「コレクティブ」で起きた火災事故から判明する政府絡みの医療汚職。まるでポリティカルサスペンスの様な内容だが、恐ろしいことに事実!

事実を究明しようとする新聞記者と改革を目指す新保健
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七小福(1988年製作の映画)

3.9

浅学にして知らなかった。傑作というか名作というか素晴らしい。


サモ・ハン・キンポー、ジャッキー・チェン、ユン・ピョウが学んだ香港の京劇学院の物語。

OPからして不穏だ。母に学院に連れられるデカ鼻
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パンケーキを毒見する(2021年製作の映画)

2.9

新聞でも話題の作品だがドキュメンタリーとして駄作。


菅義偉が何者なのか?というテーマに沿って国会及びメディアの機能不全を批判する内容。


明確に政権批判をテーマにしたドキュメンタリーは日本では珍
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激動の昭和史 軍閥(1970年製作の映画)

3.4



アマゾンプライムにて。激動の昭和史 沖縄決戦と違い地味。資料映像の引用も多く予算なかったであろうと推察できる。キャストで予算使いきったんじゃないかと。


コロナ前に本作を観ていたら、昭和史に興味
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星の子(2020年製作の映画)

3.9



なんつーか地味である。地味であるが凄い。


カルトに入信した両親と娘の話なら、普通はその娘が葛藤の末に脱会、自立なんてストーリーになるもんです。でも本作は違う。

ちひろは両親がおかしいのもカル
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82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

4.0

平凡な家庭で育ち大卒で広告会社に入社し結婚して娘をもったキム・ジヨン。どこにでもいそうな平凡な彼女が心を壊してしまう。何が彼女をそうさせたのか?


昨年、日本で火がついた韓国文学。文芸春秋の特集号「
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野獣狩り(1973年製作の映画)

3.8


アマゾンプライムにて配信開始!藤岡弘主演の隠れた傑作刑事もの。

過激派に誘拐されたポップコーラ社長。要求されたのはポップコーラの製造レシピ。舟木刑事(藤岡弘)は金を求めない犯人に軽い共感を抱きつつ
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シネマ歌舞伎 三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち(2020年製作の映画)

3.7


シネマ歌舞伎は初。歌舞伎自体も初なのだが面白い。


原作は傑作歴史ギャグロマン漫画『風雲児たち』の大黒屋光太夫編。


伊勢の漁師大黒屋光太夫一行が嵐にあいロシアへ漂着。その後、日本に戻るまで10
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はちどり(2018年製作の映画)

3.9

世評に違わず面白い。キム・ボラ監督はこれがデビュー作というがマジか。

1994年を舞台に描かれる平凡な中学生少女の物語。

主人公ウニは5人家族の末っ子で団地住まい。父と母は長男をソウル大に入れるこ
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13th 憲法修正第13条(2016年製作の映画)

4.2

Netflixの傑作ドキュメンタリー。


現在のアメリカの暴動をみて「こんなことをするから、差別やめろなんて意見が聞いてもらえないんだ」と思った方に是非観て欲しい。



4年前に制作された、このド
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ガス人間第1号(1960年製作の映画)

3.6


アマプラにて。東宝の変身人間シリーズの第三作。面白い!


マッドサイエンティストによってガス人間にされてしまった男 水野(土屋嘉男)は銀行強盗をしながらある女性に貢いでいた。その女性が藤千代(八千
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屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ(2019年製作の映画)

3.8

面白い映画だが勧めない。シリアルキラーものとか悪趣味に耐性のある人でないと目を背ける描写多数なので。


70年代にドイツに実在したフリッツ・ホンカの物語。


猫背で鼻が曲がり乱杭歯のブ男、フリッツ
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エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

4.2

今年の初めに観たのだが今頃書く。



失敗続きの麻薬捜査チーム5人組。上司から今度失敗したら解散と通告される。逆転するには大物麻薬王をあげるしかない。本拠地は分かっているが全く足を出さない麻薬王。対
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