せんきちさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

せんきち

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クワイエットルームにようこそ(2007年製作の映画)

3.5

意外な良作。予備知識無しで観たのでクワイエットルームの意味が分かって驚く。閉鎖病棟に”間違って”入ってしまった主人公が実は入って当然の人間と分かる展開は見事。切ないのがラスト。タクシーで病棟を去る内田>>続きを読む

ペーパーボーイ 真夏の引力(2012年製作の映画)

4.2

アメリカ南部で行われる歪んだ女性観を持つ童貞と淫乱ババアの恋愛地獄変。最悪のボーイ・ミーツ・ガール。クライマックスの急展開はかの『アダプテーション』の無茶さを彷彿。とにかくニコール・キッドマンのビッチ>>続きを読む

真夏の方程式(2013年製作の映画)

3.8

驚くのは原作より映画の方が面白いことだ。何とクライマックスの杏と前田吟の取調室のシーンは映画オリジナルなのだ。地味な原作をより映画的にブラッシュアップしている。何より映画でしか成立しない沖縄の海の美し>>続きを読む

たたり(1963年製作の映画)

4.0

これはもう超怖い!霊の出る屋敷潜入ものの先駆者。映像には霊らしきものは一切出ないのに恐ろしい。最後の最後で本当に恐ろしいものはとっくに目の前にあったことが分かるラスト。モノクロがより禍々しさを増してま>>続きを読む

喜劇王(1999年製作の映画)

3.8

思い込み激しい主人公の姿をギャグをとして演出してるけど、これチャウ・シンチー自身じゃないのと思ったり。クライマックスがいきなりブギーナイツの丸パクリってのはどうか。微笑ましいオマージュなんでしょうか。>>続きを読む

食神(1996年製作の映画)

3.5

とにかくクライマックスの唐突さに尽きる!タイトルが何故食神なのかこれで納得。夜中にDVDを観て声出して笑った。チャウ・シンチーは色々と偉い。

座頭市物語(1962年製作の映画)

3.6

一作目にして後のほとんどのフォーマットが出来ている傑作。市と平手造酒の奇妙な友情と最期。平手の「つまらぬ男に斬られる位ならおぬしに斬られたかった」という台詞に涙。人造人間キカイダーのライバルハカイダー>>続きを読む

新生 トイレの花子さん(1998年製作の映画)

3.8

ちょっと評価が低すぎる。タイトルに偽りありの傑作。トイレの花子さんブームを利用して山岸凉子の「わたしの人形は良い人形」を映画化している。子供向けを遥かに越えた恐ろしさ。堤幸彦監督の癖に恐怖描写は結構い>>続きを読む

座頭市地獄旅(1965年製作の映画)

3.8

成田三樹夫と勝新の関係性が面白い。非道な男だけど、座頭市にとっては将棋仲間で結構良い奴な成田三樹夫。彼を幼子の仇討ちのため殺らねばならない座頭市。クライマックスのかっこよさは最高。その為に将棋というネ>>続きを読む

兵隊やくざ(1965年製作の映画)

4.0

こち亀の元ネタは間違いなく本作。勝新が両さんで田村高廣が大原部長。勝新の無茶苦茶さとキュートさに次第に惚れていく田村高廣の心情がしっかり描写されているのでやおい女子にもお勧めだ。戦場の精神的ホモセクシ>>続きを読む

北陸代理戦争(1977年製作の映画)

3.3

松方弘樹の不死身っぷりに驚く。三回は死んでるクラスの怪我をする。千葉ちゃんがあの大友勝利ぽいやくざ役で出てるのもポイント高い。新たな実録シリーズやろうという色気は出まくっており続編やるだろ的な引きを見>>続きを読む

顔役(1971年製作の映画)

3.8

カルト!話の展開も撮り方もおかしいのだが異様な世界観に引き込まれる。ラストは無茶苦茶な解決法。

(2006年製作の映画)

3.5

物語は赤い服の女が男に埋立地で殺される所から始まる。現場にはコートのボタンが残されていた。そのボタンはその事件の担当刑事(役所広司)のものと同一、指紋まで検出されてしまう。同僚は「また手袋なしで触った>>続きを読む

コンテイジョン(2011年製作の映画)

3.2

3.11を経験した我々が観るべき映画。ウイルス感染の話だが、ウイルスよりもデマの拡散の方がより恐ろしい結果を生む事を我々は既に経験している。ジュード・ロウ演じるデマ野郎を観る時に色んな奴を思い出すので>>続きを読む

炎628(1985年製作の映画)

4.5

最凶クラスの戦争映画にして反戦映画。ナチスに虐殺されまくるロシアの村を描く。前半はたるいものの後半の怒濤の展開たるや!よく観るとちゃんとカットを割ってるけど子供を炎の中にスローインするシーンは目をそむ>>続きを読む

ラスト、コーション(2007年製作の映画)

3.0

この救いの無さは半端ない。SEXを武器にした作戦が最後の最後で破綻する切なさ。トニー・レオンとタン・ウェイの激しいSEXは本音を言えない孤独な二人の濃密な会話シーンだ。扇情的なエロさは全くないがここま>>続きを読む

エンジェル ウォーズ(2011年製作の映画)

3.0

コスプレ女子達が大戦争という偏差値30的なルックに騙されてはいけない。これはコスプレ女子による『カッコーの巣の上で』なのだ。嘘だと思うだろ?観れば分かる。戦闘シーンの長さとバカバカしさに途中退席した人>>続きを読む

ミッドナイトクロス(1981年製作の映画)

4.3

予備知識無しで観て欲しい作品。あのオチは凄すぎる。ミニマムな低予算サスペンスをここまで上手く料理するのかと驚く。クライマックスの花火の美しさ。その下で起きる悲劇。泣けるワンカット。ナンシー・アレンの望>>続きを読む

あゝ決戦航空隊(1974年製作の映画)

2.5

長尺の割に物語の起伏が乏しいし失敗作だと思う。しかし、終盤の大西瀧治郎の2000万人特攻論の狂気をはっきり描いてたり、菅原文太に天皇の戦争責任を問う台詞を言わせたりと相当な反戦映画。右翼なルックに騙さ>>続きを読む

県警対組織暴力(1975年製作の映画)

4.0

仁義無き戦い以外のやくざものでは最高傑作ではないか。やくざとズブズブになって最早目的を見失っている菅原文太と天下取りを目指す松方弘樹の奇妙な友情。そして警察汚職の改革を目指す梅宮辰夫との対立と3人のキ>>続きを読む

電人ザボーガー(2010年製作の映画)

3.5

乱作される日本の70年代ヒーローリメイク映画の中で唯一観る価値のある作品。この作品だけがオリジナルのカッコ悪さをそのまま再現してカッコよくみせている。俺達はあの(今観たら)カッコ悪いヒーローを観たいん>>続きを読む

レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―(2009年製作の映画)

2.5

ふふん、この策読めた!と嘯いては孔明と周瑜の策に全部ひっかかる曹操がかわいい。コメディ映画として観ました。

幕末太陽傳(1957年製作の映画)

4.0

佐平次(フランキー堺)のキャラクターに尽きる。明るく、いい加減で、お調子者を装いながら誰も信じてない男。全ての行動が自分の利益につながる様に行動する男。しかも騙しが余りに巧みなので騙された奴も騙された>>続きを読む

マグノリア(1999年製作の映画)

4.0

本編もいいんだけどOPが最強過ぎる。ここで期待値がmax。3時間のエイミー・マンのPVというべき作品。予告もいいんだよ。せつなすぎるエイミー・マンの「Momentum 」にのって描かれる悲喜劇の数々。>>続きを読む

グロリア(1980年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

余計な心情説明なし、描写だけで積み上げていくのがいい。グロリアが子供を成り行きで助けてしまうとこは最高。ジーナ・ローランズの凄玉感がたまらない。ああ、確かにマフィアのボスの愛人になるよって納得。ラスト>>続きを読む

グロリア(1999年製作の映画)

1.5

午後ローのカット版で視聴。にしても酷い。オリジナルのソリッドな部分を剥ぎとって甘ったるくした感じ。グロリアとマフィアの幹部との心情吐露とかやらんでいいとこばっかやってるし。マフィアの追跡が緩すぎるので>>続きを読む

クロウ/飛翔伝説(1994年製作の映画)

3.5

アメコミ映画の隠れた傑作。原作のテイストをここまで忠実に再現したのは凄い。ブランドン・リーの演技も素晴らしく夭逝したのが惜しまれる。この映画が最高に好きなのは本編よりも予告編!STONE TEMPLE>>続きを読む

ハーレーダビッドソン&マルボロマン(1991年製作の映画)

3.0

馴染みの酒場が地上げでなくなるって→金あれば何とかなるだろ→誰が金持ってんだ→いいアイデアがある!銀行強盗しよう→お前天才!で銀行強盗やって仲間が虐殺されて復讐する話。偏差値40以下推奨。クライマック>>続きを読む

ポリス・ストーリー3(1992年製作の映画)

4.0

とにかくアクションのアイデアがてんこ盛りなので観ていて楽しい。ポリス・ストーリーでは1の次に好き。クライマックスのヘリに吊るされるシーンは劇場の観客がひく音を聞いた。「そこまでやらんでいいよジャッキー>>続きを読む

ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)

3.0

クライマックスのスピーチは圧巻。そこは素晴らしい。しかし、それ以外は退屈だ。ハンナはアイヒマンを凡庸な悪と評したこととナチ協力者にユダヤ人指導者がいたことを世間から糾弾される。世間が望んだのはナチが絶>>続きを読む

木村家の人びと(1988年製作の映画)

3.5

社内リストラされた鹿賀丈史が内職、副業で小銭を稼ぎまくる姿をコメディとして描写してるけど、今観ると何て甘い時代だったのだろうと思う。バブル期の儲け話に取り残された人達に向けた物語だったのだろうけど、時>>続きを読む

ロボコップ(1987年製作の映画)

4.0

この映画で提示された未来はかなりの部分で現実化している。当時は悪い冗談だったのに。シニカルな設定と燃えるヒーローものが混在してるのがいい。ラストの一言は伝説。

遊び(1971年製作の映画)

4.2

ど底辺の男女の出会いを描いてますが、関根恵子の家庭のど底辺描写が凄まじい(大門正明の家も相当に酷いけど)。


OPからいきなり関根恵子の職場に母が金をせびりに来るシーン。

日常である夫婦の罵り合う
>>続きを読む

清作の妻(1965年製作の映画)

3.8

若尾文子が刑務所に入った時のセットが異常。刑務所ではなく地獄にしか見えない。この頃の大映の美術は異常。一見悲痛な美談にも思える。しかしラスト、まるで腰の入ってない様子で鍬をふる若尾文子とそれを見る夫。>>続きを読む

盲獣(1969年製作の映画)

4.0

低予算映画だが、クライマックスのセットの狂気が全ての傑作。登場人物に欠片も感情移入できないが異常な世界観に引き込まれる。緑魔子の暴力的な美しさ(ラストカットを観よ!)に圧倒される。

X-MEN:フューチャー&パスト(2014年製作の映画)

4.5

旧三部作と仕切り直しの両方の続編という難題を見事にクリア!あのファイナル・デシジョンのケツをふいたのは見事。シリーズに付き合って来た観客へのサービスが凄い。ド派手な展開の割に、クライマックスはバトルで>>続きを読む