映画ライターSYOさんの映画レビュー・感想・評価

映画ライターSYO

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映画雑誌と映画情報サイトの編集者→映画ライター。
《近況》CINEMORE、FRIDAYデジタル、OSOREZONE、映画.com、Fan's Voice、新R25、DVD&動画配信でーた、TVログ寄稿。お仕事のご依頼は→ syocinema@gmail.com ホームページ(掲載記事まとめ)→ https://syocinema.jimdofree.com/

映画(109)
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真実(2019年製作の映画)

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是枝監督の優しさが、国境を越えた瞬間。また一つ、不器用な愛の名作が生まれた。

大女優が自伝を発表。娘は嘘だらけの内容に憤り、溝は深まる。
怒りは寂しさ、嫌悪は愛の裏返し。それが親子。それが、家族。
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ジョーカー(2019年製作の映画)

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吐くほどの激震。脳天を撃ち抜かれ、未だ現実に帰れない。

ホアキンの命を削る熱演、鳥肌が際限無く立つストーリー。ジョーカーの驚くべき新解釈。妥協無しの暴力描写。そして、悲鳴のような鋭い孤独。

「タク
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

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見たか、これが映画だ。

クソみたいな現実を、虚構が吹き飛ばす快感。絶望と悲しみを喜びの涙に変えられるのは、作り手だけの特権だ。

「イングロリアス・バスターズ」「ジャンゴ」に続く映画の逆襲。これをず
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楽園(2019年製作の映画)

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信じる難しさを描いた「怒り」から3年。本作が示すのは、小市民のどす黒い悪意。

メインは少女失踪事件。だが本当に忌むべきは、人を追い詰める集団心理だ。命を奪うだけが殺人ではない。人生を剥ぎ取り、心を破
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カーマイン・ストリート・ギター(2018年製作の映画)

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NYの廃材を使ってギターを作る職人。携帯電話もPCも使わない。だが、世界中の音楽家が彼の店に通う…

事務と経理は母。弟子はパンク美女。木材オタクな店主は、ジャームッシュも斉藤和義も魅了する。

出て
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イソップの思うツボ(2019年製作の映画)

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「カメラを止めるな!」製作陣が仕掛ける、裏切りの物語。

孤独な女子大生・タレント・復讐代行者が出会う時、運命が逆転する。

「カメ止め」には無かった負の要素を盛り込み、疾走感の中にもダークでシリアス
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世界の涯ての鼓動(2017年製作の映画)

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MI6の諜報員と生物数学者。エリート男女が恋の定理を知ったとき、築き上げたキャリアが崩壊。不恰好な人間味が現れる。

海底と異国。命の危機に瀕した2人の願いは一つ。
ただもう一度会いたい。

冒頭と末
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火口のふたり(2019年製作の映画)

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夫の帰りを待つ新妻。仕事も家庭も終わった男。久々に再会した2人は、5日間だけの快楽に身を委ねる。

身体を重ねて、思い出に耽って、ありもしない未来を語らう。哀しくもおかしい、大人のおとぎ話。

…から
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天気の子(2019年製作の映画)

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不健全で汚れていて、なのに美しく、ただただ優しい。純粋な問題作。

そうだ。忘れていた。
恋は、自己本位なもの。絶え間なく心に降り注ぎ、世界の色を変えるもの。

正解も正義も、どうだっていい。
大切に
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トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

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24年かけて構築してきたおもちゃの「概念」と「本分」を根本から揺さぶる衝撃作。

一度魂を得たおもちゃは半永久的に生き続け、持ち主との別れは避けられない。その理の中で、どう「生きる」のか。

突きつけ
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ゴールデン・リバー(2018年製作の映画)

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武骨と哀切の共演。ブレ球ブロマンス西部劇。

安息の場所を求める兄と、死地でしか生の実感を得られない弟。追跡者と科学者。修羅を駆ける2組の男たちを、黄金の妖しい輝きが狂わせる。

王道と実験が交錯する
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トールキン 旅のはじまり(2019年製作の映画)

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「ホビット」は、1人では生み出せなかった。家族、仲間、恋人、恩師。出会えた全ての人が文になり、物語は紡がれる。

彼が書いたのは、居場所。

創造の羽は暗い現実をなぎ倒し、心を照らす。だから僕たちは物
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ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

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その日、5つ星ホテルは地獄と化した。インド史上最悪のテロを基にした脱出劇。

眼前で次々に命が千切られる。観客は何も出来ない。心を噛み砕かれ、蹂躙され、絶望する。
ただ、それでも他者を信じたい。
僕た
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Girl/ガール(2018年製作の映画)

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トランスジェンダー対社会の話ではない。描かれるのは、皆が歩み寄ろうとする優しい世界。映像も心もひたむきで美しい。

それでも、彼女は壁を作ってしまう。哀しい笑顔で防御してしまう。
傷だらけの足。変わら
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ワイルドライフ(2018年製作の映画)

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心を波立たせる家族の終焉。ポール・ダノは監督としても本物だった。

想うほど遠く、もがくほど隔たる。
父母が個人に戻る時、僕らはもう家族ではいられない。
14歳の息子が初めて知る、愛の不可逆。

ただ
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永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

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人は皆、美しいものとスキャンダラスなものが大好きだ。その2つが組み合わさった映画が、アルゼンチンからやってきた特濃な傑作「永遠に僕のもの」(8月16日公開)。美しすぎる殺人犯の青年をモデルにした1本だ>>続きを読む

ハミングバード・プロジェクト 0.001 秒の男たち(2018年製作の映画)

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回線を0.001秒速めれば、ウォール街を支配できる…。1600㎞の壮絶な光回線敷設計画。

買収・妨害・逮捕・病魔…胃が軋む緊迫の展開に、ジェシーの神経質×狂騒演技が絶妙にマッチ。

「ソーシャル・ネ
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ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)

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攻撃的なのに、心はガラ空き。気持ちが死んだ毒舌女子の地元トリップ。

感覚が曖昧な都会から、全部本音な故郷へ。理論武装を剥ぎ取られ、本当の自分が滲み出す。

仕掛け満載の脚本も夏帆さんも良すぎて引く。
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ロケットマン(2019年製作の映画)

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欲しかったのは、才能じゃなくて一片の愛。

音楽でしか他人と繋がれない。
だが「エルトン」の仮面が心身を蝕む。
ド派手なステージの裏で、彼は泣いてる。

誰よりも内気で孤独な天才の絶望と転落、肯定と復
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スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

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演出も空気も構造もトビスパ&アメスパ愛が充満。そら泣く…

MCU入りし、親愛なる隣人からfar from homeした彼は、本作で真の「スパイダーマン」映画へ帰郷した。

幻影を越えた彼に、心からの
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新聞記者(2019年製作の映画)

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映画が、現実を告発する。国家ぐるみの罪に挑む記者と官僚の重厚バディムービー。

面白さを追求するなら、忖度も自粛も表現の妨げにしかならない。エンタメの文脈で社会性を取り込む、作り手の勇気と覚悟。そうだ
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いちごの唄(2019年製作の映画)

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年に一度、幼馴染の命日に再会する男女。嬉しくて、辛い。
でも、その約束で生きていける。

馬鹿だから、愚直に向き合う。
目の前の喪失に。
決して急がず、寄り添い、救う。
掛けた時間は、愛の大きさ。
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ピアッシング(2018年製作の映画)

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脳髄を突き刺す快感…完璧どストライク!

殺人衝動に苦しむ男と、自殺願望を抱えた女。男は殺したい。女は繋がりたい。痛みで結ばれた2人の一夜は、決死だが滑稽、加虐なのに純粋。

1人では異常、2人なら普
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存在のない子供たち(2018年製作の映画)

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ある事件で収監された貧しい少年。彼は「僕を産んだ罪」で両親を訴える…

実にスマートな傑作。心えぐる内容だが、観客への意識が非常に高い。
主張は物語の中に留め、感情の落とし所を的確に配置。故に見やすく
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HOT SUMMER NIGHTS ホット・サマー・ナイツ(2017年製作の映画)

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ドラッギーな童貞コメディから、破滅的な犯罪ドラマへの鮮やかな脱皮。
遊びと真面目の配分が上手すぎて、ハイ→ロウの繋ぎ目が視認出来ない。欲情するほど神センス。

映画自体が蟻地獄の構造で、気付いた時は死
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Diner ダイナー(2019年製作の映画)

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極彩・極旨・極上。砂糖の一粒に至るまで妥協がない至高の娯楽作。

蜷川実花監督の突出した美意識に整理された脚本が加わり、辛味と口当たりの良さが並び立つ深いコクが実現。参ったハマる…

大スクリーンでこ
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旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

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洗練された空気、計算された不穏、隠しきれない風格。
黒沢清にかかれば、王道の「異国での成長」が世界基準の芸術に。

夢と現実。理想と現在地の乖離。
それでも私達は、選択の積み重ねでしか進めない。

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ポラロイド(2018年製作の映画)

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「チャイルド・プレイ」監督が描く、殺人カメラの恐怖…

前半はひたひた系、後半は絶叫系。「撮ったら死ぬ」明快な設定で引き込み、背景に抜きを作る構図や闇々しい映像で煽る。

「ライト/オフ」「死霊館」「
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アイネクライネナハトムジーク(2018年製作の映画)

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人が人と出会う。相手を想う。愛が生まれる。劇的じゃなくても、それは奇跡だ。

今泉力哉監督の描く灯は、暖かく優しい。そこに人がいて、生きている証だから。なんて豊かな映画なんだろう。

きっとこの作品は
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劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん(2019年製作の映画)

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あったかいなぁ。全部が優しさで出来ている。

大人になれば、親とは少なからず疎遠になるもの。バリバリ社会人の息子が寡黙な父と話したくてゲームに誘う、その気持ち自体が救いじゃないか。

この主人公は、親
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ジョナサン ふたつの顔の男(2018年製作の映画)

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1つの体に2つの人格を宿す青年。12時間で互いが入れ替わる奇妙な共同生活に異変が…

無機質で無菌の精緻な画作り。しかし、最後に響くのは互いの愛情だ。
2人が感情を解放する時、画面の均衡が崩れ、生の命
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ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた(2018年製作の映画)

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レコード店を営む父娘が自作の曲をSpotifyにアップした時、暖かく優しい奇跡が訪れる。

ほろ苦いが確かな現実と、甘く儚い夢。2人はどちらを選ぶのか。
父のギターは切なく郷愁、娘のシンセは真っ直ぐ未
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アマンダと僕(2018年製作の映画)

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穏やかで平和な時間は、無差別の暴力で千切れる。
命が消えたとき、遺された僕らはどう生きる?

7歳の少女と24歳の青年が直面する「傷」は、今この瞬間の世界の姿だ。
慎ましく泣く2人と、優しい音楽が肌に
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ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

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強烈で鮮烈。発禁描写オンパレードなのに、吐いてでも観続けたいという渇望が次々に湧いて出てくる。サイコパスでシリアルキラーの主人公を忌避しながらも、彼の根源に眠る美への畏怖に共鳴してしまう。どうしたらい>>続きを読む

ザ・ファブル(2019年製作の映画)

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ゼロ年代以降のハリウッド製アクション映画を語るうえで、避けては通れない作品が2本ある。「ボーン・アイデンティティー」と「ジョン・ウィック」だ。
前者は「身の回りの物を使って殺す」究極のリアル志向、後者
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ベルベット・バズソー: 血塗られたギャラリー​(2019年製作の映画)

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傑作「ナイトクローラー」のダン・ギルロイ監督とジェイク・ギレンホール、レネ・ルッソが再集結したホラースリラー。アート業界を舞台に、謎に包まれた無名画家が遺した絵画が巻き起こす、恐るべき事件を描く。>>続きを読む

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