ファンタジーは苦手分野なので少し迷ったものの、これはダークファンタジー。内容には触れませんが観てよかった。
微妙にタガが外れているところが好き。
いかんものを観てしまった。
『ノルウェイの森』でワタナベ君が緑ちゃんの親父さんにエウリピデス(?)のギリシャ悲劇の仕組みについて説明するところ。たしか、罪と罰はトータルで必ず清算されて完全なる赦しが>>続きを読む
ハネケ監督の作品は2001年公開の『ピアニスト』しか観たことがない。当時はラストで腰が抜けたのを覚えている。うぶだったので。アッ!、みたいな。
今回はさらなる人生経験を積んだおかげで、腰は抜けなかった>>続きを読む
笠智衆のようなお爺ちゃんが仲間とワイワイしてポックリ逝く映画かと勝手に思っていた。
いやいや、もう少し毒あり、そしてシュール。
散歩コースに緑の空き缶が捨て転がっていて、爺さんそれをスルーして、翌日>>続きを読む
いろいろ考えさせられる、よい映画でした。
終盤は本当はカタルシスに浸るところかもしれないが、日本国民としてはいささか複雑なところもあり、チャーチルを東條英機、チェンバレンを近衛文麿、Your Maje>>続きを読む
東側の人、西側の人、裏切っている人、いない人、裏切っているフリをしている人、裏切っているフリをしているフリをしている人、ただのスケベなおじさん、などなどが入り乱れ、そのマトリックス図を必死で頭に思い浮>>続きを読む
博物館や図鑑が好きだった元少年としては、そしていろいろこじらせていた元少年としては、愛おしい映画。
映画としては、特にリアリストの方は何これ?とか言いたくなる作品かもしれませぬが(かといってファンタジ>>続きを読む
保健体育のテキストのようなタイトルであるが、オトナの歪んだ恋物語。
彼女のスマホの着信音が、不釣り合いにはっちゃけているところが切なかった。
お二人の初デートのランチのところ、安達哲 の『さくらの>>続きを読む
面白かった。
そして、この面白さは、ある種のスノビズム選民意識に基づいており、面白がっている時点で映画の術中に嵌っている感もある。
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本当に面白かったところはヒミツですが、小ネタとしては、広告代理店>>続きを読む
1980年の韓国光州事件を舞台とする、タクシードライバーとその乗客、そして同志たちの物語。
しばらくは、こういう映画は現代日本の若者にこそ観てもらいたいな~、といったジジ臭い思いとともに居たのだが、>>続きを読む
いささか堪える。
邦題はある意味でこの作品の肝を突いているが、あからさまとも思う。
原題が好き。英語題は、意訳すると「藪の中」でよいのかね?
コメディだよね? これ、コメディだよね?
シリアスもしくはシニカルな社会風刺を期待していたマジメな方は怒り出すかもしれない映画。私は大好きでした。
最初から微妙に狂った歯車を無理やり回し続けたら崩壊>>続きを読む
メタ的な作りが面白かった。お母さんが「私の出番はまだ?」と割り込んできたり、トーニャがカメラ目線で「こんなの嘘よ」と言いながらぶっ放したり。
もともと何が真実かわからない、真実を伝える気もさらさらな>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
姐さんを狂言回しとして博徒たちの生きざまを描く、阿佐田哲也のような世界かと思っていたら全く違った。博徒は出てきませんでした。エセ博徒ばっかり。
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皆さん頭脳明晰ゆえ、セリフの応酬やプレイの駆け引きが>>続きを読む
小真面目に悩みながらもささやかなお城を築いていたセンシティブな青年が、ラッキーヒットで童貞喪失したところにプチモテ期に見舞われ、何が何だか分からなくなるお話。
大槻ケンヂ師匠の『グミ・チョコレート・>>続きを読む
甘くはない。アラン・ドロンも出てこない(ネタバレ?ごめんなさい) 灰色の途、のところが切なかった。
『夜の大捜査線』のラスト、シドニー・ポワチエとロッド・スタイガー。駅での別れのシーン、大好きなのですが、本作の文脈ではダメなやつらしい。さぁみんなで考えよう、ということですかね。
階段に統制されるオトナの世界。
年越しパーティは中後期フェリーニのようであった。
孤独な殺し屋が少女を守る話、とはいえ、『レオン』よりは『タクシー・ドライバー』に近い。ただし、トラヴィス氏はヒーローになったが、彼はヒーローたり得ず。
早く早くその娘とメキシコにでも逃げなよ。
″>>続きを読む
アメリカ舞台では珍しい(?)列車のロードムービーですが、おじさん達が旧交を温めながら珍道中を繰り広げ最後に少ししんみりする映画、ではありません。もう少しシビアなものを突き付けてくる、アメリカン・ニュー>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
true story に基づくお話(自称)
彼女が地下室に降りていくところ。
おほほほほ~、これからは、あたしがあなたになるのよ。じゃあね。
(地下室扉ガシャン)
が~ん。
……のような出来の悪い楳>>続きを読む
甘口ではあるが、甘口に仕上げるべきお話。
彼は決して狭義のオタクではなくて、現実を理解する強さや、こんなことしたら責任とってケッコンしなきゃと心配する誠実さを持っていて、そしてブリグズビー・ベアへの>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
善人も悪人もなく、ろくでもなく弱くて愚かな人たちの群像が、全ては連環していて、始まりと終わりで何も変わっておらず、何も解決していない。
それで、いいのだ。
官能、ではないよな? 兄ちゃんが何故に彼女に入れ込んだか。
同じ原作で、邦題『エヴァの匂い』という作があります。ジャンヌモロー。ビリーホリデイ。柳よ泣いておくれ。私としてはどうしてもこちらに行ってし>>続きを読む
ヴィム・ヴェンダース レトロスペクティブで再見。
波がザバーンとくるハバナ?の道路がおおざっぱで好き。
劈頭、寒々とした光景に狼と逆さの星条旗が出てきたところで傑作を確信
ワイオミング州・ウインドリバー。インディアン保留地(Indian reservation)。 ワイオミング州は北海道の約3倍の面積>>続きを読む
「だから多数決は嫌なんだ!」
最初は頑張ってブラックコメディ調で走り出したものの、だんだん冗談にならなくなって行った感じ。
帽子の偉い人たちがクレムリンのバルコニー(?)にて横一列に並ぶところは昭>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
周辺作品を螺旋の如くグルグル廻ってみた
◆猫の不在と性欲 →「ねじまき鳥クロニクル」村上春樹
◆双子のアイデンティティ問題 →「半神」萩尾望都
◆手塚治虫の某医療系作品の某エピソード >>続きを読む
世間でおっぱいおっぱい言われているので、何のこっちゃ、実はエッチな話なのか?と思っていた、が鑑賞して腑に落ちた。
これは、"おっぱいの大きなメーテル"と"お勉強のできる星野鉄郎"の物語であった。>>続きを読む