スニフさんの映画レビュー・感想・評価

スニフ

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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.2

映画の中の映画
ミツバチのささやきでフランケンシュタインを観て精霊を信じた幼きアナと父の記憶を辿るために未完の作品を観る大人のアナ
観客に委ねたラストはエリセからの深いメッセージ
やはり崇高で格別なエ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.1

性描写はバリバリのR-18指定なんだけどお伽話を観ているような感覚
エマ・ストーンの確かな演技力、エマ・ストーンすげえ!ってなったし本当に素晴らしかった
度肝を抜かれた奇想天外で豪快なストーリーと衣装
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悪魔のシスター デジタルリマスター版(1973年製作の映画)

3.5

ブライアン・デ・パルマ監督によるシャム双生児を題材にしたサイコスリラー
70年代のニューヨークがチープに映し出されていて どことなく漂うB級感がたまらなかった
ふたつの人格を見事に演じ分けたマーゴット
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ノベンバー(2017年製作の映画)

3.6

エストニアの寒村で起こるお伽話のようなダークファンタジー
モノクロの映像美は幻想的で、奇妙なストーリーをどこまでも美しく描く
神秘的な深い夜の海と少女の雄叫び
どこまでもカルトな世界に魅了される

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.4

素晴らしい映画だった
ヴェンダースにかかると浅草のあの小汚い地下商店街も魅力的に映し出される
音楽も全部良かったけどルーリードのPerfect Dayは格別
そして役所広司はずば抜けすぎてる

狂ったバカンス(1962年製作の映画)

3.1

キュートな小悪魔に狂わされた中年男のひと夏のバカンスは喜劇と哀愁
画面いっぱいに弾けるカトリーヌ・スパークはそれはそれは眩しくて、10代の無防備な魅力が溢れんばかりの美しさだった
白いワンピースの水着
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.8

同じくケリーライカートのミークスカットオフを思わせる西部開拓時代
ひょんなことから出会った2人の友情が裏切ることなく最後まで続いて良かった
冒頭と繋がる余韻を残すラストが素晴くとても切ない
そしてこん
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

フィンランドの労働者階級のおそらく底辺で生活するふたりの目線で語られるヘルシンキ
この時代にメモ書き渡してすれ違うとか、なんだかクスって笑ってしまうのにウクライナ情勢を織り交ぜたり、労働者の世知辛さを
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私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

3.6

70年代のスロバキアを舞台にトラックで停留所に突っ込み8人を殺害したオルガの処刑されるまでを描いた作品
息が詰まるような重さだけどスタイリッシュなモノクロ映像が素晴らしい
誰も救える事が出来なかったオ
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白夜(1971年製作の映画)

4.2

セーヌ川、ポンヌフ橋、路上の音楽、石畳に響く靴音、ロマンティックで美しく繊細で魔法にかけられたような映画
情けないラストに至るまで全てが素晴らしかった
「ママと娼婦」でも見惚れたマルト演じる イザベル
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アメリ デジタルリマスター版(2001年製作の映画)

4.0

カリカリのクレームブリュレもこの映画で知ったし、インテリアに憧れて部屋が真っ赤になった時もあった
アメリの可笑しな空想と独特な世界観もジュネならでは
サブカルおしゃれ映画と揶揄されるのも人気が出すぎた
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ラルジャン(1983年製作の映画)

3.8

ブレッソンの遺作
偽札をめぐる非条理なストーリー
ブレッソン、80歳の時の作品だなんて思えないほどクールで洗練されていてまるで高貴な絵画を観ているような繊細さ
ドアの開閉、革靴の音、あらゆる生活音が最
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溺れゆく女(1998年製作の映画)

3.0

アンドレ・テシネの恋愛サスペンス
ジュリエット・ビノシュは流石の演技だけど、これが映画出演初だというアレクシ・ロレが良かった(顔面含めて)
ゲイの兄役のマチュー・アマルリックの存在感も素晴らしい

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深夜カフェのピエール【HDリマスター版】(1991年製作の映画)

3.8

ザ・シネマメンバーズ

役者を夢見てパリに来た青年の挫折
男娼となった青年は娼婦に恋をする

忘れ去られていたこの映画のタイトルを目にした時、当時の懐かしい感情が一気に溢れ出てきた
ベアールの息を飲む
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ベティ・ブルー/インテグラル 完全版(1992年製作の映画)

4.1

1986年版から1時間近くものシーンが追加された完全版
ベティの狂おしいほどの激しい愛とゾルクの闇のように深い愛
破滅しかないふたりの愛が壊れて行く過程が痛々しく、初めて観た時に衝撃を受けてしばらく抜
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ドリー・ベルを覚えているかい?(1981年製作の映画)

3.9

久しぶりのガーデンシネマでエミール・クストリッツァの幻のデビュー作
すぐにわかる独特の世界観はクストリッツァにしか出せない色
『ジプシーのとき』での壮絶なベルハンの人生とはまた違う青年の物語
淡い恋や
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栗の森のものがたり(2019年製作の映画)

3.8

イタリアとスロヴェニアの国境にある取り残された栗の村
第二次世界大戦後の1950年代
不安定な情勢から村を後にする人々と残る人
静寂な森で語られる御伽話と現実と幻想が混ざり合ったような枯葉の世界
人生
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子猫をお願い(2001年製作の映画)

3.3

仁川空港が開港する直前の仁川が舞台
高校時代からの仲良し5人組
学歴社会と貧富の格差、それぞれに生きづらさを感じなら続く5人の関係
5人を中立する立場のようだったテヒ(ぺ・ドゥナ)がジヨンを理由にいち
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Pearl パール(2022年製作の映画)

3.8

母がパールを農場から出る事を許さなかったのはパールの異常性にいち早く気付いていたから。
可愛くも恐ろしい狂気をミアゴスが見事に演じていて前作のXへと繋がる
最後の笑顔はまさに狂気そのもの

ママと娼婦(1973年製作の映画)

3.7

見事なヒモっぷりを発揮するジャン=ピエール・レオと2人の女の赤裸々な三角関係
捲し立てて喋りまくるレオが時折深い事をさらっと言っててハッとなる
ドゥ・マゴやカフェ・ド・フロールで待ち合わせしてひたすら
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レースを編む女(1977年製作の映画)

4.0

アテネフランセで若かりしイザベル・ユペールの主演作を鑑賞
ロメールばりのバカンス映画かと思いきや一転、教養のなさをじわじわ責め立て離れていく男と静かに壊れてゆく女
ラストのこちらをじっと見つめる無の表
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2046 4Kレストア版(2004年製作の映画)

3.5

スタイリッシュな映像は花様年華の世界そのままに全てが妖艶で艶があり60年代と近未来がうまく融合されていて流石だなあと思う
ただ重みのある世界観の中、日本語の台詞まわしだけがなんだかとても軽くてちょっと
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ジェーンとシャルロット(2021年製作の映画)

3.8

ジェーンが亡くなった後に観る事になって、シャルロットに感情移入してしまい辛かった
勝手な思いで親はいつまでも元気でいてくれるものだといつか来るであろう現実から逃げてしまう
その後直面したシャルロットを
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アル中女の肖像(1979年製作の映画)

3.8

ドイツからベルリンにやってきたブルジョア女がただひたすら酒を飲み続け彷徨うだけの最高な映画でした
言葉を発しない主人公とカートを押す浮浪者の女との友情なのか何なのか分からない関係もシュールで可笑しいし
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.5

相変わらず飛ばしてくれるウェス・アンダーソン
はっきり言って一回じゃ理解出来ないし情報量を整理するのも追いつかない感じなんだけど、唯一無二のこの世界観に酔いしれるだけで大大大満足‼︎
もう公開されるた
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オオカミの家(2018年製作の映画)

4.0

ヤン・シュヴァンクマイエルのアリスを彷彿させる不気味でグロテスクなストップモーションアニメ
こちらはチリのカルト集団コロニア・ディグニダカが元ネタとなっているため根本にある深い闇をより一層強く感じる
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不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

4.0

年齢も人種も何もかもアンバランスなふたりが夫婦となり周囲を惑わせる
差別と偏見、習慣の相違
ヒトラーが通った高級レストラン、おそらくまだ敬愛しているであろうドイツの闇
周囲が理解を示した途端に2人の心
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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

4.1

90年代初頭の台北、いろんな人間関係が交差する群像劇
こんなにぐちゃぐちゃしてるのに最後は爽やかな気持ちでフライデーズでコーヒー飲みたくなってる自分がいる
フライデーズは近くになかったので映画館を出て
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リトル・ガール(2020年製作の映画)

4.0

大まかな内容しか知らずに子役の子が上手すぎるなと感心して観ていたら、これ、ドキュメンタリーだったのですね
ラストの字幕でしる衝撃
これから思春期になり迎えるであろうサシャの困難を想像すると涙が出てくる
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マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

4.0

移転したBunkamuraル・シネマ渋谷宮下でファスビンダー傑作集
戦時、戦後のドイツを駆け抜けたマリア・ブラウンの半生
空爆の結婚式から始まりたった1日半の結婚生活も揺るぎない夫への愛、そしてとにか
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アデュー・フィリピーヌ(1962年製作の映画)

4.0

ユーロスペース「みんなのジャック・ロジエ」特集にて

ひとりの男が兵役に行くまでのふたりの女の子をめぐる三角関係と夏のバカンスのお話
自由だけど根本には戦争があって、嫉妬もあって、夏のバカンスは瑞々し
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アワーミュージック(2004年製作の映画)

3.8

冒頭から目を覆いたくなるような残虐な戦争のコラージュで始まり、それは過去であり今であり未来かもしれない
難解だけど感じるし伝わる
代弁させたかのようなオルガの言葉はまるでゴダールの遺書なのではとも感じ
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家庭(1970年製作の映画)

3.2

アントワーヌ・ドワネルシリーズ4作目
アントワーヌとクルスティンは結婚して子供を授かるが、浮気、別居とシリアスな展開をコミカルに描く
浮気相手のキョーコ役の松本弘子さんがエキゾチックで美しい
ピエール
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.0

大好きな映画
予約していたBlu-rayが届いたので鑑賞
なんと11月から映画館での上映も決まったようで本当に嬉しい!
ソーラ・バーチはじめ、スカヨハも今は亡きブラッド・レンフロもみんな良き
そしてな
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小さな泥棒(1988年製作の映画)

3.6

なまいきシャルロット然り、クロード・ミレールにおけるシャルロット・ゲンズブールの使い方が秀逸だなあと思う
あどけない顔にシャルロットの囁くようなウィスパーボイスがとても官能的で思春期の少女の危うさをい
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若き仕立屋の恋 Long version(2004年製作の映画)

4.0

花様年華の世界観をそのままにウォン・カーウァイの手腕が光る1作
妖艶で美しいコンリーに秘めた恋心を抱く若い仕立て屋見習い役のチャン・チェンの悶々とした佇まいが胸を打つ
手とはなんて残酷で美しいものなの
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