多民族国家において、宗教や民族の違いの壁は厚く、家族のしきたりや繋がりは鎖の様に強固だ。それは子供世代の友情や恋愛の関係性をも束縛する。
物語中、詩やドビュッシーの演奏、タレンタイム前夜の満月>>続きを読む
枯渇していく地球の資源により、このままでは滅亡の途を辿る人類を救う策として発明された有機物の縮小技術。身体を縮小する事で消費する資源の量を劇的に減らす画期的な方法だったが…
アントマンやミクロキッズ>>続きを読む
本当に息が詰まるほど苦しくなる作品でしたが、史実と踏まえるとしっかりと受け止めていかなければいけません。
単純なレイシストの糾弾物語の枠を超えて、いつの時代も変わらない普遍的な人間の業を感じました。>>続きを読む
まさしく世界観が変わる作品でした。
生計を立てていくのがままならない貧困の日々で、対して好きでもない交際相手の子を妊娠してしまい、些細なトラブルで仕事も辞めてしまいます。
まさにどん詰まりの状況の中>>続きを読む
『ブレードランナー2049』
荒廃した近未来を舞台に人間とレプリカント(アンドロイド)の境界をテーマに描いた前作の世界観はそのまま踏襲されますが、人間(本物)とレプリカント(偽物)の安易な二元論の対立>>続きを読む
人は誰かに必要とされる時、自分の居場所を獲得する。この映画を観る度に、ふとそんな事を思う。
旅行中に夫と別れたジャスミンは、モハべ砂漠の寂れたモーテルへ立ち寄る。女主人のブレンダも余裕のない生活から>>続きを読む
バス運転手の穏やかな一週間を描く。
自作の詩をノートに書き込み、夜には犬の散歩がてらバーでビールを飲む毎日。変化はないが、それなりに満足してる。
緩やかな時間の流れだか、どこか辛うじて保ってる均衡>>続きを読む
事実に基づく物語は、何よりも力強い。
記憶を辿る様は、自身のアイデンティティを模索する事と重なっていく。養子となり物質的に満ち足りた生活でも、決して忘れる事のなかったあの頃の日々。
土や風の匂い、飛び>>続きを読む
マイアミを舞台に自分の居場所とアイデンティティを模索する少年の成長を、少年期、思春期、成人期の3つの時代構成で描いていく。
人種差別、麻薬、貧困、ネグレクト、LGBT…
様々な負の問題が絡み合い>>続きを読む
「精一杯、生きていたさ。ここに閉じ込められていた間は…」
卒業間近の高校生たちの、ひと夏の夜の出来事を描いた青春群像劇です。
アメリカン・グラフィティに代表される、いわゆる70年代「ワンナイト」青>>続きを読む
自分の死期を伝える為に12年ぶりに実家へ戻る作家の次男。そんな彼に様々な感情をぶつける家族たち。
懐しさ、情愛、羨望、そして家を飛び出して作家として成功した事への嫉み。
それぞれに複雑な感情を持て余>>続きを読む
もはや実写と見間違うばかりの海原の描写に息を呑みます。島を囲む環境としての海だけでなく、モアナと心を通わすキャラクターとして海の描写は新鮮です。
ココナッツのカカモラ海賊登場の際には、まさかのMAD>>続きを読む
美しいものの周囲には吸い込まれる様な吸引力が生じる。一旦、他者がその吸引力を感じてしまうともはや通常であったハズの立ち位置は平衡感覚を失われ、正常ではいられなくなる。
美への羨望、憧憬、そして嫉妬…>>続きを読む
恋人との結婚を控えた韓国情報機関の長、ジュンウォンは、頻発している暗殺事件に関わる北朝鮮の女スパイ、バンヒを追っているが、なかなか存在がつかめない。その最中、北朝鮮の第八特殊部隊に液体爆弾CTXが強奪>>続きを読む
映画は叙情的な音楽と共に、人形を抱えながら歩く少年マルコの後ろ姿から始まります。何処を目指しているのか…
薬物中毒の母親から愛情を注がれる事はなく、ダウン症という障害を抱えたマルコが出逢ったルディと>>続きを読む
マリファナの密輸で大金を儲けたワイアットとビリーは、その金で大型バイクを手に入れ、謝肉祭が行われるニューオリンズを目指して旅を続けるが…
腕時計を捨て、自由を求めてどこまでも続く荒野を駆けていく>>続きを読む
撮影事故で夫を失った女と、自殺で妻を失ったレーサーの男が、それぞれの子供の寄宿先で偶然、出逢う。少しずつお互いを知り、惹かれ始めるが…
お互いに最愛の人を失くした男と女の再生の物語です。どの場面>>続きを読む
14歳。僕らの夏休みは永遠の想い出。
『グッバイ・サマー』
学校のクラスで馴染めないダニエル。好きな娘にも上手く話せず、家族は問題だらけ。誰も本当の自分を理解してくれない… そんなある日、変わ>>続きを読む
午前十時の映画祭にて、あの名作『七人の侍』を鑑賞しました。
4k映像の高画質での大画面、貴重な機会を堪能してきました!207分の長丁場ですが、本当に面白くあっという間の時間感覚でした。途中で10分程>>続きを読む
幾つもの気持ちや言葉が、この物語では一方的に通り過ぎていきます。誰もが自分にしか分からない想いを抱えながら、他人に分かってもらいたいと願いながら言葉を放ちますが、経験や境遇が異なる他人では同じ温度で受>>続きを読む
ロンドンに暮らす老夫婦と、その三人の娘たちのごくありふれた日々。いつもと変わらない週末、幸福と出会いを求めて彷徨う人たち。ロンドンの街の灯はそんな彼女たちをやさしく、暖かく包み込む…
大勢の中にい>>続きを読む
とにかく人生観が変わります。
凄惨な世界で生きていく為に少年でも銃を持ち、麻薬を売りさばく様は壮絶です。日本で暮らしている自分たちには、まるでフィクションの様に感じられますがこれは紛れも無い実話に基>>続きを読む
とにかくハラハラしっぱなしだった。徐々に生じ始める不協和音に、次々と訪れる望まぬ来訪者。
少しずつ崩れ始めていく日常に、緊張感がドンドン張り詰めていく。
「影おばけは光が嫌いさ、明るい所には出てこな>>続きを読む
一人の神父が起こした児童への性的虐待。しかし、その歪んだ闇は個人に留まらず、カトリック教会全体を揺るがしかねない真実が隠されていた。
幾つもの陰に覆い隠されてきた真実を追い求める新聞記者たち。敬虔深>>続きを読む
自由奔放に生きるホリーの天真爛漫な姿は魅力的。
誰の所有物にもならないと、本心を他人には曝けださないのは、ある意味では寄るべもなく崩れやすい自身を自衛していたのだろう。
自由に生きている気でいても、>>続きを読む
チターの音色が時に軽妙に、時に不安を掻き立てる様に響くのが印象的だった。
白い建物の壁に写し出される人物の大きな影、
暗闇の中で、灯りに照らされて浮かび上がる不気味な白い顔、下水道の逆光の中を逃げる>>続きを読む
何処までも手前勝手な逃亡劇だが、ボニーの視点から捉えてみると幾つかの想いが汲み取れる気がした。
冒頭から不満が溜まっている様子のボニー。その不満の理由は語られないが、車を盗もうとしていたクライドとの>>続きを読む
カウリスマキ監督独特の世界観。無機質で日光が注がない冷たい北欧の雰囲気に、無表情の言葉少ない人物たち。なのに、何故こんなにこの監督の作品に惹かれてしまうのか…
冒頭から映し出される壮大なマッチ工場。>>続きを読む
母の命日に集まった三姉妹は、思いもかけない母の昔の恋物語を聞く。貞節な理想の夫婦像を両親にみてた三姉妹はその事実に戸惑うが、それをきっかけに三者三様の愛情生活に隠された秘密が浮き彫りになる…
この監>>続きを読む
インド、スラム街。カーストの最下層として救いのない状況で産まれ、学を得る機会もなく、物乞いや強奪など凄惨な日常の経験でも、後々に彼をクイズ番組の答えに導いてくれるのなら、まさしくそれは運命だったのに違>>続きを読む
冒頭の父親との自転車のシーンで見せるジニの笑顔が、本当に印象的だった。この後に待ち受ける現実があるからこそ、この無邪気な笑顔が胸に刺さる。
養護施設に入れられたジニは、自分に課せられた現実が受け入れ>>続きを読む
朝鮮戦争の最中、南北両軍合わせて5人の兵士たちはお互いに傷付きながら、平和な村トンマッコルに辿り着く。村の大事な食料を誤って手榴弾でダメにしてしまい、収穫を手伝う為に駐留を余儀なくされるが…
南北>>続きを読む
愛情と憎悪は表裏一体。愛情の正反対は無関心である。
ふとそんな言葉を、思い出した。
愛されたい、憎くてたまらない、この相反するベクトルはいずれも母に執着するから生じるのだと思う。
『17歳、僕は母>>続きを読む
洋上でボートに乗り合わせた虎とのサバイバルを含めた冒険譚と思いきや、幾つもの宗教的寓話を含ませたかなり重厚な物語だった。
映像はファンタジー的な冒険譚を表現する為にかなり綺麗だが、あまりにも綺麗過ぎ>>続きを読む
末期ガンで余命幾ばくもない親友の為に、疎遠だった昔の仲間が集まり、入院中の彼を病院から連れ出し、彼が望んでいたサーフィンへと誘う。大波を求めて、オンボロ車で一路メキシコを目指すが…
「イルカは群れ>>続きを読む
とても印象的な場面が多い映画だった。
先入観なく、物事の本質を捉えようとする
少女アナの眼差しが心に残る。
彼女の無垢な瞳には何が映っていたのだろう。
黄色の磨りガラスを透かした採光が
画面を柔らか>>続きを読む