子持ちのカイロレンさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

宮本武蔵(1973年製作の映画)

3.5

前半で一乗寺の決斗までを終わらせ(凄いダイジェスト感)、後半は加藤泰がやりたいことをやれてるのか、映画が急にいきいきしだす。オリジナルなのは内田吐夢版で見捨てられた又八の救済と、オババの怨念爆発で、特>>続きを読む

団地妻 昼下りの情事(1971年製作の映画)

3.5

日活ロマンポルノの記念すべき第一作。ピンク映画で100本以上のキャリアを持つ白川和子が結婚3年目の主婦に見えない疲れた顔してる以外は、野次馬の期待にすべて応えた快作。訪問販売でバイブを売ってるセールス>>続きを読む

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016年製作の映画)

2.8

本筋とキャラクターのドラマが全然うまく絡まない、カレーとラーメン定食みたいな映画だった。おかげで場面転換の度にあくびが飛び出す仕様。JKローリングさんは、カレーラーメンだと言い切るつもりだろうが、作り>>続きを読む

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

5.0

すずさんの「うちゃー」の微笑ましさに思わずサザエさんかちびまる子ちゃん見てる錯覚に陥りそうになりつつ空襲警報で我に帰る。何でもない日常描写で泣きそうになるのは、柔らかい作画の力か、物語が8月6日に向か>>続きを読む

劇場霊(2015年製作の映画)

1.5

「女優霊」とリンクさせて宣伝されてたが全くタイプの違う映画だった。あっちが心霊ものなら、こっちはジャーロ(というかサスペリア)やB級スラッシャーの趣き。小中理論無視で化け物目線をバンバン出してくるとこ>>続きを読む

新・平家物語(1955年製作の映画)

3.0

イナバ物置のCMみたいな映画だった。フレームの中にどれだけ人を詰め込めるか。「宮本武蔵」見たせいで、同じ吉川英治原作でも内容物足りない。決闘ないし。。

エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に(2015年製作の映画)

4.5

ただただ楽しくて幸せな2時間。ボンクラやオタクは出てこなくて、根のいい野球部の奴らとかわいい女子大生だけ。リンクレイターが大学生活を振り返り、事実6割、妄想4割ぐらいで作ったんだろうか。今の時代にあえ>>続きを読む

宮本武蔵 巌流島の決斗(1965年製作の映画)

4.5

シリーズ最終作。前作で子どもを殺した悩める武蔵の心象風景を反映してか、冬のロケが多く寒々しい。予算減らされた背景も聞くと尚更。
お通さん、又八、朱美、おばばのドラマを限られた時間の中で纏めるために、長
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宮本武蔵 一乗寺の決斗(1964年製作の映画)

5.0

とにかく映画史に残る名シーン、一乗寺の決斗に尽きる。このシーンの為に作ったという見事なロケセットを朝靄の中捉えた水彩画のようなファーストカットから、地獄の決戦まで、息をするのも忘れるような約10分。毎>>続きを読む

宮本武蔵 二刀流開眼(1963年製作の映画)

4.0

朱美の自殺未遂、ジジィ水死、ババァ発狂、又八ダメ人間化などなど、とにかく武蔵と関わった人間は皆不幸になっていく。武蔵はそんなことどこ吹く風でただ自分の強さを試すのみ。子どもの前で不必要に剣振り回したり>>続きを読む

宮本武蔵 般若坂の決斗(1962年製作の映画)

4.5

3年間の隠遁生活で武蔵が何を学んだのかさっぱり分からなかったけど、とりあえず人並みの落ち着きを手に入れたと思ったら、木刀でぶっ叩いた相手を即死させ、浪人の首を撥ねまくる武蔵の姿に、そうこなくっちゃ!感>>続きを読む

宮本武蔵(1961年製作の映画)

5.0

落武者、宮本武蔵の地獄めぐりが描かれるシリーズ一作目。痴女地獄→ババァの湯けむり地獄→発狂坊主の吊り下げ地獄→密室悪霊地獄。なんていうか、とにかく地獄だった。武蔵、必死の命乞いに泣いた。

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

5.0

劇中で見せるトムハンクスの笑顔がまるで仏様のようで思わず拝みそうになった。いつの間にトムハンクスはこんな仏顔になったのだろう。片手に鯛を持たせたら恵比寿様だ。そして恵比寿様を操るイーストウッドの語り口>>続きを読む

スター・トレック BEYOND(2016年製作の映画)

3.3

beyondには「〜を超えて」とかそんな意味があるっぽいが、映画ファンにとってbeyondといえばルチオフルチの「ビヨンド」だと思う。今作の敵はそんな期待に応えるように、人をゾンビ化させるので、やっぱ>>続きを読む

ロバート・アルトマン ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男(2014年製作の映画)

3.5

キャリアをダイジェストでなぞりながら、本人や家族の映像、周囲の証言を交えてアルトマンの人生を辿るオーソドックスなドキュメンタリー。「ポパイ」がコケて映画界から追放され、インタビュアーから「落ち目ですね>>続きを読む

セブン・サイコパス(2012年製作の映画)

3.2

虚実入り乱れて先が読めないまま物語が進み、やがて創作のインスピレーションを求めて荒野にたどり着くまでは面白かった。その後、別の何かスピリチュアルな怪作に化けそうな気配だけはあったので、雑な畳み方がもっ>>続きを読む

テラフォーマーズ(2016年製作の映画)

1.5

世にも悲惨な役者の公開処刑。みんなの目が、早く殺してくれ、楽にしてくれと訴えていた。両手に蟹の手みたいなのをつけて最後まで戦わされた小池栄子。最近テレビに出ても謙虚なのは、この映画の傷を引きずっている>>続きを読む

スーサイド・スクワッド(2016年製作の映画)

3.0

悪党大集合の名に恥じない、すごく悪い映画だった。いきなり冒頭でハーレクインとデッドショットの紹介があったと思うと、その後すぐ同じことを繰り返したりする。まったく意味がない。映画のセオリー無視。不良だ。>>続きを読む

昭和残侠伝 死んで貰います(1970年製作の映画)

4.5

柳の木の下で雨宿りする高倉健に、傘を貸す芸者の藤純子。それから会うことがなかった2人が4年ぶりに再会するシーンが素晴らしい。憧れの健さんに再会して照れる藤純子の可愛らしさ。女優の一挙一動にこんなに細か>>続きを読む

ライト/オフ(2016年製作の映画)

4.5

自分のアパートを使って予算0円ホラーを作っていた30過ぎのおっさんが、ジェームズワンの目に留まっていきなり長編デビュー!こんな夢のような話ありますか?しかもいきなり傑作という。。すごい。伽倻子と俊雄く>>続きを読む

明治侠客伝 三代目襲名(1965年製作の映画)

5.0

冒頭、俯瞰で捉えられた祭り神輿、カラフルな風車の中に浮かび上がる汐路章の強烈な顔のコントラスト。これだけでもう只事じゃない名作の予感。実際、本編のあらゆるシーンが素晴らしく、期待どおりの名作だった。>>続きを読む

ゴーストバスターズ(2016年製作の映画)

3.0

あの有名な衣装をまた着るということは、どんだけすましてもドヤ顔になってしまうわけで、リメイク最大の課題は、ドヤ顔をどう処理するか、極論この一点に尽きる。
恐ろしいのはたとえオリジナルメンバーが着ても一
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パパvs新しいパパ(2015年製作の映画)

3.0

てっきりお馴染みの大人になれない大人の話かと思ったら、マークウォルバーグもウィルフェレルも父親としての役割は最初から受け入れており、いつもより少し踏み込んだ内容だった。子どもへの愛情が一貫してるので全>>続きを読む

激動の昭和史 沖縄決戦(1971年製作の映画)

5.0

「シンゴジラ」庵野監督が100回は観たという本作。短い見せ場で次々死ぬオールスターキャスト、それをテンポよく見せる演出、何度も決行される作戦と劇伴など、たしかに「シンゴジラ」への影響大。ただし人の死を>>続きを読む

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015年製作の映画)

5.0

ブライアンクランストンを見るとどうしても「ブレイキングバッド」のウォルターホワイト役を思い出してしまう。家族に内緒で麻薬の製造を行うウォルターホワイトは、家庭の中で自分であり続けることの葛藤そのものだ>>続きを読む

男の顔は履歴書(1966年製作の映画)

3.2

朝鮮人と日本人の因縁を愛の力で乗り越えようとしたのが「パッチギ」だとしたら、安藤昇で黙らせるのが本作。任侠映画のフォーマットの中で、朝鮮人と日本人の憎しみの連鎖が描かれ、最後は命の重さを医者役である安>>続きを読む

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

4.5

キャッチコピーの「虚構 対 現実」そのままに、ゴジラに対する政府の対応のみに焦点を絞った潔さ。漢字が羅列するテロップの洪水はよく見るとハッタリ炸裂で楽しいし、伊福部昭の音楽を出し惜しみしないのも最高。>>続きを読む

ヤング・アダルト・ニューヨーク(2014年製作の映画)

5.0

GoogleのCMみたいに楽しそうな生活を送ってて、古い映画や音楽に詳しくて、若いのに結婚してて、自分の作った映画のファンでいてくれる。こんなかっこいい若者がいたらそりゃあ友達になりたくなるだろうし、>>続きを読む

インデペンデンス・デイ:リサージェンス(2016年製作の映画)

2.8

夏休みのない中年サラリーマン最後の楽しみだった「インデペンデンスデイ:リサージェンス」が終わった。思ったよりあっけなく。どんなに評判悪くても楽しむ自信があったのに。観る前のワクワクしてた自分が懐かしい>>続きを読む

ファインディング・ドリー(2016年製作の映画)

5.0

ドリーってここまで忘れっぽかったっけ。ここまでくるともはや要介護レベル。それに付き合うニモたちも大変だけど、忘れるからこそ出来る常識外れな大冒険。自分も色々忘れっぽいのでとてもドリーに共感した。そして>>続きを読む

ボーイ・ミーツ・ガール(1983年製作の映画)

4.5

33歳にもなって初めて観たカラックス。「いいよねぇ」ぐらいしか感想が思い浮かばないのが情けない。でもみんな「いいよねぇ」ぐらいしか言えないんじゃないのか。詩を味わうようなもんだから。高校生の時に背伸び>>続きを読む

クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)

5.0

思ったよりケレン味強くて、鉄の扉登場には胸踊った。平凡な日常に「悪魔のいけにえ」を平気で放り込んでくるぶっ飛んだ演出、さすがです。引っ越し場面の格好良さ、これが本当のクールジャパン。

ホーンズ 容疑者と告白の角(2013年製作の映画)

3.0

原作者のジョーヒルはお父さん(スティーブンキング)のDNAをしっかり受け継いでいる。ワンアイデアから物語を掘り下げるところ。田舎、幼なじみとの友情、キリスト教などのモチーフ。そして映画化作品がつまらな>>続きを読む

フィルス(2013年製作の映画)

2.8

今まではせいぜい脚本に回るだけだった原作者のアーヴィンウェルシュが製作総指揮にも名を連ねている。
「トレインスポッティング」を見習えこの野郎!と監督の演出にケチつけまくって朝晩「トレインスポッティング
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ミスター・スキャンダル(2013年製作の映画)

3.2

ストリップクラブの経営やポルノ雑誌などでイギリスナンバー1(?)の大富豪になった実在の人物、ポールレイモンドの半生を綴ったドラマ。

破天荒な人物の映画は100%家族の話になる説。この映画も娘との関係
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イップ・マン 最終章(2013年製作の映画)

4.5

アンソニーウォンのイップマンはセックスの上手そうな、色気満点イップマンだった。しかも強い。これはどんな女でも惚れる。案の定ホステスが道場に出入りして弟子の女たちが嫉妬で狂いだす。でも女の尻を追い掛けな>>続きを読む